どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年11月24日(月)リニューアル発売、サンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン 久留米とんこつ味」(271円+税)の実食レビューです。
九州が誇るロングセラー「焼豚ラーメン」と九州の名店「丸幸ラーメンセンター」の魅力を掛け合わせたカップラーメンが “さらに店舗の味わいに„ リニューアル!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
焼豚ラーメン×丸幸ラーメン
焼豚(やきぶた)ラーメンとは、1978年(昭和53年)8月の発売以来、佐賀県三養基郡基山町のサンポー食品が製造・販売を続けている同社の主力商品で、九州を代表する即席カップめんのロングセラー。現在は絶対的エースの「九州とんこつ味」を中心に「長浜とんこつ」や「熊本とんこつ」など、地域別のフレーバーも展開しているのですが‥‥

このページでレビューする「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン」は、九州エリアで絶大な知名度を誇る “国道系ラーメン„ の代表格「丸幸ラーメンセンター」監修のもと、お店の味わいと「焼豚ラーメン」の魅力を掛け合わせたカップラーメンで、初登場は2017年(平成29年)1月16日。当初は「豚骨ラーメンコラボ企画」の一環で開発された商品ですが、発売9周年を目前に「豚骨ラーメンコラボ企画」の訴求が外れ、完全に独立した様子。
丸幸(まるこう)ラーメンセンターとは、とんこつラーメン発祥の地・久留米市は日吉町の文化街入口に開業した伝説の店「幸陽軒(こうようけん)」にルーツを持ち、1965年(昭和40年)2月「幸陽軒」創業者の原口幸春(はらぐち ゆきはる)氏と同店の従業員だった黒岩文雄(くろいわ ふみお)氏が共同出資によってオープンしたラーメン店で、本店所在地はサンポー食品の本社・工場から車で6分前後のところ。
カップラーメンの “久留米とんこつ味„ というサブタイトルは「大砲ラーメン」や「魁龍」を代表とする “呼び戻し„(創業当時のスープに別の釜で取った若いスープを継ぎ足し、絶えず炊き続ける技法)を連想させるワードですが、同じく久留米にルーツを持つ「丸幸ラーメンセンター」のスープは超高圧の蒸気ボイラーでイッキに炊き上げ、翌日に呼び戻すことなく提供される “取り切り„ 方式。

実店舗のスープは豚骨100%を特徴としていますが、無駄な時間を一切かけずに炊き上げるため、一般的にネガティブとされる豚骨由来の臭みは最小限。それでいて豊かな豚骨の香りとクリーミーで濃厚な味わいから、老若男女を問わずに愛されています。
その味わいを再現したカップラーメン「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン」及び棒状ラーメン「丸幸ラーメンセンター監修 久留米豚骨ラーメン」の製造・販売も行なっているサンポー食品なので、そのノウハウについてはもちろん、即席めん業界で最も「丸幸ラーメンセンター」に詳しい企業といっても過言ではないのですが、此度のリニューアルで “店舗にならい豚頭を新たに使用„ とのこと。
さらに “白濁系ポークエキスを追加„ かつ “ポークエキス量を増加„ して、これまで以上にスープの味わいをブラッシュアップしている——というのが主なリニューアルポイントになるのですが、もうひとつ注目すべきは麺に使っている小麦粉が「ラー麦100%」という部分。

ラー麦(らーむぎ)とは、福岡県がラーメンのために開発した小麦(品種名:ちくしW2号)の名称で、2008年(平成20年)秋に県内で一般栽培が始まり、翌年11月9日から販売され、現在は県内の農家によって限定生産されているブランド小麦。筆者共同開発のカップ麺「究極の一杯」など、以前は他の商品にも使われていましたが、現時点で “ラー麦100%配合麺を使用しているのは「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン」のみ„ となっています。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「粉末スープ」に、後入れ「調味油」と「紅しょうが」の組み合わせで、この商品に限った話ではないんですけど、あいかわらず粉末スープの量が多くてニンマリ。それと調味油がパンパンに充填されている、というのもサンポー食品らしい “こだわり„ のポイント。

麺はラードを配合した油で揚げたフライ麺で、この揚げ油に関しては同社の棒状ラーメン・乾めん・DelicaDeliを除く全商品が通過する項目になりますが、先に触れたように “ラー麦100%配合„ は「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン」だけ。通常のフライ麺と比較してコシが強く、小麦の風味も豊かに感じられるため、かなり大きなステータスです。ただ、ちょっと気になったのが内容量の変化。
メーカー希望小売価格はリニューアル前と同じ271円(税別)なのですが、1食あたりの内容量は128g(めん93g)から123g(めん88g)に減っています。原材料の高騰が続いている昨今、希望小売価格の縛り的に減らさざるを得なかったのでしょう。ただ、その分しっかりスープの底上げを図ったようです。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:焼豚ラーメン×丸幸ラーメン 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:123g(めん88g) 商品コード:4901773102792(JAN) |
| 発売日:2025年11月24日(月) 実食日:2025年11月26日(水) 発売地域:全国 小売価格:271円(税別) |
| 麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:4袋(焼豚・粉末スープ・調味油・紅しょうが) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦(福岡県産))、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、豚脂、食塩、チキンエキス、しょうゆ、香辛料、粉末油脂、ねぎ、ホエイパウダー、しいたけエキス、魚介エキス、植物油脂)、かやく(焼豚、紅しょうが)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、セルロース、増粘多糖類、かんすい、pH調整剤、酸味料、クチナシ色素、紅麹色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、香辛料抽出物、香料、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
実食開始

別添の小袋は「焼豚」「粉末スープ」ともに先入れなのですが、粉末スープの量が他社の基準よりも圧倒的に多いので、調理の際は「焼豚」「粉末スープ」の順にあけるのがポイント。あとは粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと3分。

時間になったら「調味油」を加え、粉末スープの溶け残りに注意しながら丁寧に混ぜ合わせて「紅しょうが」をトッピングしたら出来上がり。ちなみに初代の発売は2017年(平成29年)1月16日、その翌年11月に湯量線の位置が変わり、同じタイミングで調理前の麺重量が90gから93gに増えていたのですが、スープの大幅な変更は今回が初めて。
2019年にレビューしたとき、初代よりもスープの味わいがライトになったように感じたんですけど、おそらく湯量線の変更が影響していたのでしょう。ただ、今回は麺の量とスープの配合も大幅に変わっているため、どのくらいパワーアップしているのか「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(123g)あたり |
| カロリー:610kcal たん白質:13.9g 脂 質:34.2g 炭水化物:61.7g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.5g) (スープ:4.6g) カルシウム:190mg |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん

ラー麦を100%使用したコシのある中細めん
出典:https://www.sanpofoods.co.jp/news/archives/1482/

通常の油揚げ麺よりも風味豊か
おそらく麺の配合は大きく変えていないと思いますが、麺に対する熱湯の量(480ml)が従来よりも増えたこと、加えてスープのpH(水素イオン指数)も微妙に変わったのか、ちょっと歯応えが衰えたイメージ。とはいえ室温などの調理環境や食べるスピードにも左右される程度の差だったので、大きな違いは麺の量が少し減ったことくらい。
サンポー食品の大盛りバケツ型に搭載されている油揚げ麺は、製造工程において「蒸す」「揚げる」などの条件がレギュラーサイズ用の油揚げ麺とは異なるため、耐久性の高さと歯切れの違いはラー麦100%配合だけの効果ではないけれど、通常の「焼豚ラーメン」と比較して小麦の風味を豊かに感じるところは固有のステータス。
また今回のリニューアルで麺の量が少し減ったと触れましたが、それでも88g(エースコックの「スーパーカップ1.5倍」と比較して2g少ないだけ)なので、実際に食べている間に「少ねぇな‥‥」などと感じることはないはず。ラー麦100%配合にこだわらなければ麺の量を減らす必要はなかったのかもしれないけど、こういう “こだわり„ が素敵ですよね。
スープ

濃厚でコクのあるクリーミーな白濁スープ
出典:https://www.sanpofoods.co.jp/news/archives/1482/

クリーミーさに振り切った
実店舗のスープは豚骨100%なのに対し、今回の粉末スープにはチキンエキス、ホエイパウダー、しいたけエキス、魚介エキスなどを使っているため、豚骨以外の旨みも感じます。ただ、もともと「焼豚ラーメン×丸幸ラーメン」は “お互いの長所を活かしあった「いいとこ取り」のコラボレーション„ を目的とした「豚骨ラーメンコラボ企画」出身。
チキンエキス、ホエイパウダー、魚介エキスは「焼豚ラーメン」を構成する上で必要なアイデンティティの一つなので、そのことを思えば充分に納得できるエッセンス。またリニューアル前から「焼豚ラーメン」に比べて2倍のポークエキスを使用していたのですが、今回から豚頭と白濁系ポークエキスを追加し、ポークエキスも従来品より増量ということで、豚骨感については申し分ありません。

結果的に幾分かマイルドになった気はしますけど、豚骨のクセは削れるだけ削りつつ、クリーミーさを重点的に強化したようなイメージ。味のベクトルはカップラーメンらしさ全開ですが “乳等を主要原料とする食品やクリーミングパウダーなどは使っていない„ ため、それでもこれだけクリーミーな味わいになるのかと、あらためてサンポー食品の熱意を感じた次第。
そして、忘れてはいけないのが「調味油」の存在。こちらは豚脂100%と思しき内容で、粉末だけでは出せない芳ばしさとオイル特有の厚みを与えてくれるアイテム。しかも他社のカップラーメンと比較して圧倒的に量が多いため、大盛りサイズでも最後まで豚脂の厚みが楽しめます。でも、ちょっとマイルドすぎないか‥‥? ってくらいクリーミーさに振り切っているので、好みによっては物足りなさを感じてしまうかもしれませんが——
かやく

焼豚、ねぎ、紅しょうが
出典:https://www.sanpofoods.co.jp/news/archives/1482/

紅しょうがの相性は「焼豚ラーメン」超え
徹底的にクリーミーな豚骨スープだからこそ、生タイプの「紅しょうが」が映える映える。スープの作り込みが素晴らしければ素晴らしいほど勿体無いというか、個人的に紅生姜の別添はあってもなくてもいい派なんですけど、今回は必須。もちろんスープ単体でも見どころが多い商品ではあるものの、そこに溶け込む酸味の効いた「紅しょうが」の相性たるや。
ネギは粉砕型なので、ほとんどオマケみたいなもんですけど、サンポー食品の “心を込めて作りました„ という気持ちを表現しているハート型の焼豚は「焼豚ラーメン」を象徴する具材。ペラッペラでも濃いめの味付けなので、けっこう食べ応えありますよ。
総評
リニューアル前よりも麺の量が少なくなり、スープも比較的にマイルドな味わいになりましたが、ここまでクリーミーなスープは群雄割拠の即席カップめん業界においても稀有。さらに「焼豚ラーメン」らしい生タイプの紅しょうがだったり、揚げ油のラードに由来する芳ばしさだったり、それらも完璧に調和しているため、これといって文句の付け所が見当たりませんでした。
筆者はサンポー食品のカップラーメンが大好きなので、そのバイアスを可能な限り抑えて評価しましたけど、ちょっと抑えすぎたかもしれません。【author・taka :a(大石敬之)】


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