どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年2月13日(火)新発売、サンポー食品のカップ麺「焼豚ラーメン 博多辛ダレとんこつ(3代目)」(236円+税)の実食レビューです。
九州イチとの呼び声が高い「焼豚ラーメン」の姉妹品「辛ダレとんこつ」3代目は “辛ダレの配合を一新” さらなる美味しさに進化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
焼豚ラーメン 博多辛ダレとんこつ 2024
焼豚(やきぶた)ラーメンとは、1978年(昭和53年)8月の発売以来、サンポー食品(佐賀県三養基郡)が製造・販売を続けているロングセラーで、同社の絶対的エースといっても過言ではない商品。現在は「九州とんこつ味」を筆頭に、それとは異なる魅力を備えた「長浜とんこつ」と「熊本とんこつ」を定番ラインナップに加え、通年的に販売しているのですが‥‥
今回の新商品「焼豚ラーメン 博多辛ダレとんこつ」は、いつもの定番ラインナップにはない “期間限定” のフレーバーで、とんこつの旨みとニンニクを効かせた白濁スープに、特製の辛ダレを別添した変わり種。実は過去にも2度リリースされているのですが、まったく調整なしの再販ではありません。
初代「博多辛ダレとんこつ」の登場は、2021年(令和3年)8月23日と比較的に最近の話。しかしながら意外にも、これが “焼豚シリーズで初となる辛ダレを使用した商品” として開発された一杯で、熱湯2分の油揚げ麺に、コクのある白濁とんこつスープ、そして決め手となる辛ダレ調味油には豆板醤(トウバンジャン)を使用していました。
それが地元でも好評だったらしく、再販を待ち望む多くの声を受けたサンポー食品は、2022年(令和4年)8月22日に2代目「博多辛ダレとんこつ」を市場に投下。辛ダレ調味油の豆板醤は据え置いたまま、さらに唐辛子の粒を練り込み、油揚げ麺も熱湯90秒のカタ細麺仕様に変更するなど、その2代目については当ブログ「本日の一杯 -Cupmen review blog-」でも及第点以上(★4.5)と評価しているのですが‥‥
再びファンから寄せられた「また食べたい!」の声に応え、満を持しての発売となった3代目「博多辛ダレとんこつ」は “コチュジャンを使用した別添の調味ダレ付き” に仕様を変更し、従来よりも “旨みと辛みが調和したマイルドな味わいの辛ダレに一新” とのこと。
このブログで2代目「博多辛ダレとんこつ」をレビューしたとき “いきなり辛ダレをスープに溶かしてしまうと全体のイニシアチブを豆板醤に明け渡すことになってしまう” とか “かなり「辛ダレ」の主張が強いので、いきなり馴染ませるとスープが豆板醤に支配される” などと書いたので、私の意見が反映された‥‥
——いや、まったく関係ないかもしれませんけど、なんせ前回発売品は豆板醤の主張が強く、それについてのインパクトは申し分なかった反面、ほんのちょっとずつ溶かすとか、麺に少しずつ付けて食べるとか、こちら側で工夫しないと豚骨スープの魅力が豆板醤に屈服するようなバランスだったので、そのバランスに気を遣ったのかもしれません。
初代・2代目は夏に合わせて発売していたのに、今度は2月中旬に時期をズラしている、その理由については公にされていませんけど、まだまだ肌寒い季節。発売シーズンの変更については、辛味の強い豆板醤から甘辛いコチュジャンにシフトしたことが理由だと思うので、ほっこり身体が温まる商品に仕上がっているのかどうか、そういった部分にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「焼豚」と「粉末スープ」に、後入れ「調味ダレ」の合計3パックで、残念ながら豚脂などの調味油は搭載されていませんが、この構成は前回発売品(2代目)と同じラインナップ。
麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、調理前の見た目や熱湯90秒の湯戻し時間など、これについても前回発売品から大きく変わった形跡は見られません。だとすれば切刃番手(幅30mmあたりの麺帯から何本の麺線が切り出せるかを表している規格)は溝巾1.15mmの “26番” なので、博多とんこつラーメン用の細麺で重宝されている基準と一致します。
メーカー希望小売価格は236円(税別)なので、2代目の214円(税別)から値上がりしているのですが、2023年6月1日出荷分より適用されている価格改定の影響に他なりません。ちなみに定番の「焼豚ラーメン」各3品におけるメーカー希望小売価格の設定も236円(税別)ですから、いたって基準値です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:焼豚ラーメン 博多辛ダレとんこつ 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:80g(めん60g) 商品コード:4901773101955(JAN) |
発売日:2024年02月13日(火) 実食日:2024年02月13日(火) 発売地域:全国 希望小売価格:236円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯90秒 小袋構成:3袋(粉末スープ・焼豚・調味ダレ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(コチュジャン、食塩、ポークエキス、豚脂、糖類、しょうゆ、香辛料、チキンエキス、ホエイパウダー、たん白加水分解物、還元水あめ、デキストリン、ねぎ、植物油脂)、かやく(焼豚)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は「焼豚」と「粉末スープ」も先入れなのですが、ちょっと意識しておきたいのが小袋を入れる順番で、まずは「焼豚」を投入し、それから「粉末スープ」を空けるのがポイント。サンポー食品のカップラーメンは、基本的に粉末スープの量が多いため、焼豚が粉末スープを溶かす邪魔にならないように、この順番を公式が推奨しています。
あとは粉末スープの上から、ゆっくりと熱湯を注ぎ、フタの上で「調味ダレ」を温めながら待つこと90秒。時間になったら粉末スープを完全に溶かし、仕上げに「調味ダレ」をトッピングしたら完成です。そういえばパッケージを見たときにも思ったんですけど、前回発売品では粉末スープに仕込んであった粗挽き唐辛子が入っていません。
また香りのベクトルも穏やかで、たしかにコチュジャンの存在は感じるものの、四川料理と韓国料理くらいの違いを醸している調理直後。ええ、豆板醤とコチュジャンに引っ張られてのイメージですけど、実際そのくらい大きな変化が生じているのかどうか、引き続き前回発売品からの違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(80g)あたり |
カロリー:361kcal たん白質:8.3g 脂 質:17.1g 炭水化物:42.1g 食塩相当量:5.6g (めん・かやく:1.3g) (スープ:4.3g) カルシウム:125mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実は定番品に存在しない熱湯90秒
サンポー食品のカップラーメンに使われる油揚げ麺は、大きく分けて「熱湯60秒」「熱湯90秒」「熱湯2分」「熱湯3分」「熱湯5分」のパターンが存在し、それぞれの切刃番手は熱湯60秒(26番)、熱湯90秒(26番)、熱湯2分(26番)、熱湯3分(22番)、熱湯5分(ちゃんぽん16番、うどん10番)となっています。
熱湯60秒と熱湯90秒の切刃番手は同じ “26番” の細麺となっているのですが、微妙に厚みを変更することで湯戻し時間を調整し、大盛りバケツ型では伸びにくいように配合を変えるなど、一見すると同じようで、実は細かく使い分けています。ただ、いずれもラードの芳ばしさを特徴としていたり、加水率は基本的に低かったり、共通する個性が多いのも事実。
おそらく今回は2代目「博多辛ダレとんこつ」と共通のカタ麺で、歯切れの良さが心地よい仕様となっていたのですが、麺の重量は65gから60gに減らされています。おそらく小麦の高騰が理由かと思いますけど、それについてはコストカットが否めませんでした。とはいえ麺の減量については致し方ないところがありますので、そこまで気にならなかったのですが‥‥
スープ
とんこつ感めっちゃ弱なってる
まずは調味ダレ(辛ダレ)を馴染ませる前に、粉末スープだけの状態で味をチェックしてみたところ、ほんのり唐辛子の辛味を感じたのですが、あくまでもピリ辛の範疇を超えることはありません。ただ、それ以上に引っ掛かったのが豚骨のベクトルで、前回発売品では特有のニオイを抑えながらも強めに乳化感を打ち出していたのに対し、だいぶ “あっさり” というか、それを通り越して “頼りない” レベル。
九州で豚骨を使わせたらピカイチのメーカーなのに、炊き出し感は皆無に等しく、前回発売品のイメージもあって拍子抜け。どうしたサンポー‥‥などと、おもわずガッカリした気持ちになってしまったのですが、なるほど別添の調味ダレ(辛ダレ)を溶かして納得。
引き続き豚骨の主張は弱く、豚脂の芳ばしさが増すこともなかったので、それについては頼りないといわざるを得ませんが、コチュジャンのコクでスープの深みが大幅に強化されるフレームワーク。それが主体の味に落ち着いてしまうところはありますけど、今回は少しずつ辛ダレを溶かし込む必要はなく、最初から全量使うことを前提にした構成だったので、コチュジャンが好きならバシッとハマると思います。
かやく
いつもの焼豚
粉末スープの小袋に青ネギを充填していましたが、具材らしい具材は焼豚のみで、職人レベルの薄さにカット。しかし、けっこう濃いめの味付けから、口に含んだときの存在感は強いので、けっこう食べ応えがあります。これについては基本の「焼豚ラーメン」と共通なので、ブランドのアイデンティティを表現することに大きく寄与していました。
ちなみにハート型の理由は、サンポー食品の “想いを込めて作りました” という気持ちを反映したもので、某即席斎は “そら豆型” と言ってましたけど(言い得て妙かもしれないw)ハートをモチーフにしています。ハートというか、わりとリアルに心臓っぽいですけどね。
総評
正直なところ、これ食べたい! の声に応える商品として、この仕上がりでいいの? 大丈夫‥‥? というのが率直な感想で、とにかく粉末スープの豚骨感が頼りない。豆板醤が支配する構成ではなくなったと同時に、コチュジャンを食べるラーメンに様変わりしていたので、再販を待ち望んでいた方からはネガティブに捉えられるかもしれません。
一方でコチュジャンの魅力がダイレクトに楽しめる、そこに振り切った姿勢は潔くもあったので、従来品は未経験だったり、従来品とは別物と割り切れる方だったり、そういった客層からの評価は変わってくるのかなと。悩んだ末に総評は及第点としましたが、前作を知る身としては★2もチラついたので、従来の「博多辛ダレとんこつ」が好きだった方は注意してください【author・taka :a(大石敬之)】