どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年12月14日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「冬季限定コク塩ラーメン」の実食レビューです。
寿がきや食品が送る冬の風物詩「冬のコク塩ラーメン(13代目)」は “塩を極めた” 名店「町田汁場 しおらーめん 進化」が監修!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
冬季限定コク塩ラーメン 13代目
冬季限定コク塩ラーメン(冬のコク塩ラーメン)とは、愛知県豊明市に本社を置く寿がきや食品の冬季限定シリーズで、2008年12月15日に初代「冬のコク塩ラーメン」を市場に投下。冬に好適の塩ラーメンとして、具材にはフリーズドライの白菜を使い、たっぷりの背脂や焦がしネギをスープに浮かべるなど、シリーズ発売当初からコンセプトの基盤は固まっていました。
今回の新商品「冬季限定コク塩ラーメン」は、発売13年目の冬に向けて開発された “冬のコク塩ラーメン” の新作で、昨年と同じく「冬に食べたい “熱々” で “コクのある” ラーメン」がコンセプト。しかし、これまでは寿がきや食品の完全オリジナル商品だったのに対し、2020年の冬は発売13年目にしてシリーズ初となる人気ご当店コラボ「名店イチオシ」バージョンということで、新たな展開を見せてきた寿がきや食品。
2020年版「冬季限定コク塩ラーメン(13代目)」を監修しているのは、東京都町田市に本店を構える塩らーめん専門店「町田汁場 しおらーめん 進化(まちだしるば しおらーめん しんか)」で、創業は2007年10月19日。店主の関口信太郎(せきぐち しんたろう)氏は、せたが屋系列の「ひるがお 新宿御苑店(現在閉店)」で店長を務めていた経歴を持ち、そこから独立するかたちで2007年10月に「しおらーめん進化」を開業。
当時、まだ塩らーめん専門店は珍しく、最寄りの町田駅から1.5kmほど離れた場所にオープンした立地的な問題もあり、なかなか客足が伸びず苦労した時期もあったそうですが、町田商工会議所が主催する第5回「町田 私の好きなお店大賞 2009(The Best Shop of MACHIDA -2009- )」に選出され、各方面でも高い評価を獲得した関口店主。
その後、2014年11月26日に講談社が発行した1週間MOOK『業界最高権威 TRY(東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)認定 ラーメン大賞 2014-15』の「名店部門しお」で1位に輝き、2015年5月15日には東洋水産株式会社と共同開発したカップラーメン「マルちゃん 縦型ビッグ 進化 塩らーめん」を発売しているのですが、2018年6月18日に寿がきや食品とタイアップしたカップ麺「町田汁場 しおらーめん進化」を市場に投入。
翌2019年10月14日には「しおらーめん進化」の創業当時から存在する伝統的なメニュー「煮干塩らーめん」を再現した大判どんぶり型のカップラーメンを発売しているため、今回の「冬季限定コク塩ラーメン」で通算3度目のコラボ。10年以上の歴史を紡いできた「冬のコク塩ラーメン」と「塩らーめん専門店」を組み合わせることで、これまで以上の安心感と本格さにも磨きをかけてきました。
2020年の冬は「麺」と「塩」にこだわって開発したらしく、全粒粉(小麦粉に占める割合5%)を練り込んだノンフライ麺をはじめ、スープに使用する食塩のうち沖縄の海水塩 “青い海” を11%、さらに “瀬戸内藻塩” を39%使用。2018年の冬にはベトナム産天日塩(カンホアの塩)とモンゴル産岩塩(天外天塩)を使っていましたが、2019年の冬は塩の品種についての記載がなかったので、このこだわりは嬉しいポイント。
なお2種類の塩は「しおらーめん進化」の関口店主が好きな自然塩をチョイスしたらしく “いつもの進化とは違うアプローチで冬の寒い時期に合わせた” とのことなので、従来の「冬のコク塩ラーメン」を踏襲した仕上がりなのか、どこか大きく捻っているのか、このブログでは “発売12年目にして過去1の出来” と評価した2019年12月16日発売品「冬のコク塩ラーメン(12代目)」との違いや共通点に注目しながらレビューします。
開封
2020年の冬季限定コク塩ラーメンに別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れの「液体スープ」と「かやく入スープ」の合計3袋。液体スープの小袋に含まれている動物油脂は寒さのせいでガッチガチに凝固していたのですが、歴代いずれのコク塩ラーメンも動物油脂をふんだんに使用したスパイス感の強い動物系スープを軸にしていたので、この仕様については例年通り。
麺は全粒粉を練り込んだノンフライ麺で、昨年の冬と同じように群馬県高崎市の加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場(テーブルマークグループ)に製造を委託。全粒粉の比率は小麦粉に占める割合の5%となっているのですが、しっかり目視できるサイズの茶色い粒が見られ、全粒粉を練り込んでいなかった前回発売品と明確な差別化を図っています。
メーカー希望小売価格は昨年と同じ238円(税別)で、販売店は全国のローソンを筆頭に、東海のセブンイレブン、デイリーヤマザキ、イオンリテール、イトーヨーカドー、ヤオコー、サンドラッグ、ウェルシアなど、さらに「しおらーめん進化」の実店舗でも販売しているようですが、流通の関係で今回も “沖縄では売ってない” と思うので、該当の地域では入手困難な商品になるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:冬季限定コク塩ラーメン 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 内容量:109g(めん65g) 商品コード:4901677082848(JAN) |
発売日:2020年12月14日(月) 実食日:2020年12月17日(木) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:257円(税込) 希望小売価格:238円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく入スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、小麦たん白、大豆食物繊維、たん白加水分解物)、スープ(しょうゆ、動物油脂、食塩、ポークエキス、チキンエキス、しょうゆ調味料、かつおエキス、乳糖、香辛料、植物油脂、野菜エキス、オニオンパウダー、香味油、ゼラチン、ポークプロテイン、砂糖、たん白加水分解物、魚醤、イカエキス、酵母エキス)、かやく(味付肉そぼろ、白菜、ねぎ、背脂加工品、フライドガーリック、唐辛子)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸カルシウム、乳化剤、粉末セルロース、カラメル色素、増粘多糖類、香料、酸化防止剤(V.E、V.C、ローズマリー抽出物)、酸味料、(一部に卵・乳成分・小麦・いか・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身はフリーズドライと思われる白菜に、味付肉そぼろを組み合わせている、2019年12月発売品と同じラインナップとなっているのですが、きもち白菜の量が少なくなっているような——いや、こんなもんですかね。ちなみに2016年12月12日発売の「9代目」までは丸型のチャーシューを使用していたのですが、2017年11月20日発売の「10代目」より、現在の味付肉そぼろが使われ始めました。
あとは熱湯を注いで5分間、待っている間に液体スープの小袋をフタの上で温めて、時間になったらフタを剥がし “ノンフライ麺をほぐしてから” 液体スープ・かやく入スープの順に馴染ませるのがポイント。2020年も芳醇な動物系の香りをはじめ、3種のネギ(白ネギ、青ネギ、焦がしネギ)に、フライドガーリック、唐辛子の赤で見た目にも賑やかな、いい意味で例年のイメージを裏切らない仕上がり。
ちなみに「冬季限定コク味噌ラーメン」という麦味噌仕立ての味噌バージョンもあるのですが、2020年12月17日現在、どこにもリリース情報はアップされていなかったので、年内の発売はないかもしれません。それでは、引き続き前回との違いや塩らーめん専門店監修の恩恵に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(109g)あたり |
カロリー:364kcal たん白質:9.3g 脂 質:12.6g 炭水化物:53.3g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:2.1g) (スープ:5.1g) カルシウム:120mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:364kcal(めん・かやく:307kcal)(スープ:57kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
今回のスープと相性抜群
かなり細めに切り出されたノンフライ麺を使っているのですが、湯戻し時間は熱湯5分と長く、しかしながらフライングは厳禁。熱湯5分しっかり守っても食べ始めのコシは明確で、後述するスパイシーな動物系しおスープに埋没することはなく、後半にかけて粘りが増し、表面も柔らかくなってくるのですが、その移り行く変化もネガティブな印象は与えません。
細めの縮れ麺でありながら、加水率は高めの設定で、パツッとした歯切れの良さよりも適度な粘りとナチュラルなコシの表現に注力しているようなタイプ。塩らーめん専門店「進化」の自家製麺を再現しているわけではなく、他の商品にも使われていた汎用麺の一つだと思うので、おそらく新開発ではないけれど、ひとつのノンフライ麺として基礎クオリティの高い麺を採用しています。
スープが淡麗系の塩ラーメンではないので、正直なところ麺に練り込まれている全粒粉の恩恵を感じ取るのは難しいのですが、意識して味わうと通常の白い小麦とは違う芳ばしさが印象的。さらに寿がきや食品(加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場)のノンフライ麺は、今回のように “キリッと塩気を効かせた力強いスープと相性抜群” なので、より小麦の風味が際立って感じられる、まさに最高といっても過言ではない組み合わせでした。
スープ
今年も力強くてスパイシーな味わい
塩ラーメンのスープといえば、香味野菜の旨みや魚介の出汁(だし)を繊細に組み合わせている、淡麗系の味わいを思い浮かべる方も少なくないかと思いますが、今年の「冬季限定コク塩ラーメン(13代目)」も例に漏れず、淡麗系の優しい塩スープとは真逆のイメージ。
豚骨と鶏ガラを炊き出した動物系の液体スープを軸に、たっぷりのラードと背脂を合わせ、天然塩のキレを強めに効かせているのですが、塩本来の甘みも楽しめる上質なもの。そのカドを適度に削ってくれる動物油脂のコクと芳ばしい風味もさることながら、ノンフライ麺の小麦感と背脂の甘みを引き立ててくれる塩梅も絶妙で、液体スープだけの状態でも完成形に位置する味わい。
しかし、かやく入りスープの中に含まれる3種のネギ(白ネギ、青ネギ、焦がしネギ)をはじめ、フライドガーリックのアクセントも「冬季限定コク塩ラーメン」を語る上で欠かすことができず、なかでもホロ苦い焦がしネギの風味とパンチの効いたフライドガーリックは外せません。
塩ラーメンを冠しながら醤油も併用しているのですが、その立ち位置は香り付けに過ぎず、繊細なテイストを想像していると思わぬフックが飛んでくるような、男らしいガテン系のテイスト。それこそが「冬季限定コク塩ラーメン」の魅力であり、寿がきや食品の塩スープにおける最高傑作の一つといっても過言ではありません。
系統としては東洋水産の「麺づくり 鶏だし塩」と似ているのですが、それよりも豚の要素が濃厚で、かなりパワフルなスープに仕上がっています。
具材
具材も上出来の内容
ノンフライ麺を使っている寿がきや食品のカップラーメンは、麺とスープに注力している分、どうしても具材は後回しになりがちなのですが、そこも抜かりないのが「冬季限定コク塩ラーメン」の魅力。味付肉そぼろはスパイシーな味付けで、それ単体を拾って食べても美味しいのですが、力強いスープとの相性もよく、いい意味でジャンクなテイストから、しっかり混ぜた後もスープに埋没することはありません。
加えてフリーズドライの白菜も「冬季限定コク塩ラーメン」に欠かせない存在で、タイプは違えどライバル関係にある(と、勝手に思っている)ヤマダイの冬季限定商品「冬の塩らーめん」に使われている “デカギリ白菜” には負けますが、みずみずしい食感と野菜の甘みが塩気の効いたスープと絶妙にマッチ。粉末スープの賑やかな薬味陣も含め、今年も具材から貧弱なイメージを受けることはなかったです。
総評
★★★★★★★☆☆☆(★7)
町田汁場「しおらーめん進化」監修商品として、以前よりもグレードアップした2020年の「冬季限定コク塩ラーメン」でしたが、いい意味で例年の印象は崩れません。それでいて “全粒粉入り麺” や “2種類の天然塩” に名店イチオシの恩恵が感じられる、とても素晴らしい仕上がりだったので、今回の評価は即決でした。
繊細な淡麗系の塩ラーメンが好きな方にはオススメできないけれど、反対に塩のキレをズバッと効かせた動物系の塩ラーメンに魅力を感じる方にとってはドンピシャの一杯かと思いますし、コストパフォーマンス的にも悪くありません。今年も寒い時期にしか食べられない期間限定商品なので、気になっている方は早めに最寄りの販売店をご確認ください(author・taka :a)