どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年4月22日(月)新発売、エースコックのカップ麺「全国グルメ旅×わかめラーメン 北海道 蟹だししょうゆ」(236円+税)の実食レビューです。
わかめラーメンで全国グルメ旅!? スープに北海道産 “花咲ガニだし„ 使用、蟹の香りと旨みが最後まで続く一杯!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
全国グルメ旅×わかめラーメン 北海道 蟹だししょうゆ
わかめラーメンとは、1983年(昭和58年)6月の発売以来、現在はエースコックの主力商品に位置しているブランドで、昨年5月に40周年を迎えたロングセラー。その前年から39周年(サンキューイヤー)と題し、通算2年以上に亘り個性的な変わり種を、それも矢継ぎ早にリリースしていたので、今年は落ち着くかなと思っていたのですが‥‥
今回の新商品「全国グルメ旅×わかめラーメン 北海道 蟹だししょうゆ」は、自宅にいながら全国のグルメ旅気分が楽しめる「わかめラーメン」の新たな試みで、エースコックの創立70周年を記念した一杯。2022年2月7日に発売された「わかめラーメン 紅ズワイガニ使用 塩」の焼き直しかと思いきや、今度は “花咲ガニだし使用の醤油ラーメン„ ということで、何気に大きく方向性を変えてきました。
花咲蟹(ハナサキガニ)とは、襟裳岬から納沙布岬にかけての太平洋側、または根室半島北側のオホーツク海でのみ獲れる、その希少価値から「幻のカニ」とも呼ばれている蟹で、タラバガニと同様に “ヤドカリ„ の仲間。名前の由来は花咲半島(根室半島)で多く獲れたから、あるいは茹で上げると朱色の花が咲いたような見た目になるからとの説も有力で、カニの中では珍しく初夏から秋に旬を迎えます。
そんな花咲ガニの出汁(だし)を使用したエースコックの即席カップめんといえば、2021年6月28日発売の第1弾を皮切りに、2024年1月1日発売の第5弾まで続いた「お取り寄せNIPPON(おとりよせにっぽん)北海道産花咲ガニだし醤油ラーメン※」が記憶に新しく、そのパッケージには “カニ原料中に花咲ガニだしを56%使用„ との表示がありました(※リンク先のレビューは2023年1月2日発売品)。
その流れから今回の「全国グルメ旅×わかめラーメン 北海道 蟹だししょうゆ」にも「お取り寄せNIPPON」と同様の “花咲ガニだし„ を使用しているのだと思いますが、パッケージに小さく “カニ調味料中に北海道産花咲がにだしを使用(製品中に0.8%使用)„ とあるように、使用率の表示だけ見ると56%から0.8%に大きく減っています。
しかし、お取り寄せNIPPONでは「カニ原料中に花咲ガニだしを56%使用」と表示していましたが、わかめラーメンでは「製品中に0.8%使用」と基準そのものが変わっているため、カニ原料中に占める花咲ガニだしの配合割合は明記されていません。つまり、カニ原料中の花咲ガニだし使用率は56%以上の可能性もあれば、それ以下の場合や変わっていないパターンもあるわけで——
さすがにエースコックの関係者を問い詰めるまでには至りませんでしたけどw 製品中に0.8%使用ということは、グラム単位で計算すると1食あたり73g(めん60g)×0.8/100(0.008)=花咲ガニだしの使用量は0.584g‥‥ってコト? そういえば「こだわる大人の王様スープ 焼ふぐだしの淡麗塩そば」をレビューしたときにも同じような計算したな。
——で、けっきょく平均的に多いのか少ないのかは分かりませんけど、なんせ北海道産の花咲ガニから取った出汁を使用していることは事実。その恩恵が伝わってくるのかどうか、また「わかめラーメン」といえば “地の香り„ が強いブランドなので、それとの兼ね合いにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく入り粉末スープ」に、後入れ「液体スープ」の合計2パックで、どっちに花咲ガニだしを使ってるんだろう‥‥と、原材料名を確認してみた結果、液体スープのほうに “カニ調味料„ の表示を発見。前述のようにカニ調味料の使用率までは開示されていませんが、効果のほどに期待したいところ。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は3分と標準的。開封前は定番の「わかめラーメン ごま・しょうゆ」(最終リニューアル:2024年2月26日)と同じフライ麺かな? などと予想していたのですが、それと原材料名を比較してみたところ、ひとつ異なる点があったので、まったく同じ麺を使い回しているわけではない様子。
ただし、メーカー希望小売価格は236円(税別)ということで、いつもの「ごま・しょうゆ」と同じ値段。コンビニで購入した場合の税込価格は1食あたり254.88円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、そちらをメインの販路に据えたNB(ナショナルブランド)商品なので、高くても税込200円以下が相場になると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:全国グルメ旅×わかめラーメン 北海道 蟹だししょうゆ 製造者:エースコック株式会社 製造所:兵庫工場(兵庫県たつの市神岡町東觜崎308) 内容量:73g(めん60g) 商品コード:4901071404147(JAN) |
発売日:2024年04月22日(月) 実食日:2024年04月23日(火) 発売地域:全国 小売価格:236円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(かやく入り粉末スープ・液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、砂糖、植物油脂、食塩、発酵調味料、たん白加水分解物、魚介エキス、香辛料、酵母エキス、難消化性デキストリン)、かやく(ごま、わかめ、コーン、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸Ca、カラメル色素、かんすい、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・かに小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく入り粉末スープ」のみ先入れで、かなり細めのカニ風かまぼこを使用しているのですが、現段階でカニっぽい香りは皆無に等しく、もっとも目立っているのはエースコックの揚げ油に由来する特有のニオイ。ちなみに「かやく入り粉末スープ」の小袋には “スープに充分熱湯をかけてよく溶かしてください„ との記載があったので、それを意識しながら熱湯を注ぎ——
フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら、待つこと3分。時間になったら「液体スープ」の小袋を “よくもみほぐし„ てから中身を加え、全体に馴染ませたら出来上がり。そういえば「わかめラーメン」の変わり種をレビューするのは約1年ぶり? くらいなんですけど、あいかわらずエグいですね。わかめのボリュームw
そんなWAKAMEに由来するフレーバーも然る事乍ら、けっこうカニの芳ばしさも強めに主張してくる調理直後。はたして味覚に訴えかけてくる個性も強いのか、引き続きカニの存在感と全体のバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(73g)あたり |
カロリー:306kcal たん白質:6.1g 脂 質:11.8g 炭水化物:45.2g (糖 質:42.5g) (食物繊維:2.7g) 食塩相当量:5.1g (めん・かやく:1.5g) (スープ:3.6g) ビタミンB1:0.22mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:250mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:306kcal(めん・かやく:253kcal)(スープ:53kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いい意味で “ふつう„ です
定番の「わかめラーメン ごま・しょうゆ」に使われている油揚げ麺の原材料名は「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ」なので、途中までは一致するのですが、今回の油揚げ麺に “たん白加水分解物は使用していない„ というのが通常品との異なる点。
エースコックの揚げ油に由来する独特のニオイとは、同社の「わかめラーメン」や「スーパーカップ1.5倍」「ワンタンメンどんぶり」などにも通じるニオイなので、これまでに2、3回ほど経験していれば、嗅いだ瞬間にピンとくる例のアレ。それがマシな商品もあるけれど、今回は遠慮なく主張してくるので、苦手な方には厳しいかもしれません。
ただ、その風味については定番の「わかめラーメン ごま・しょうゆ」にも当てはまる項目になるので、極端な苦手意識さえなければ大丈夫。食べ始めはモチモチとした食感で、けっこう強めに自己主張してくるタイプになりますけど、後述するカニの個性を打ち壊すほど横暴ではなかったです。というバランスについては、後述するカニの打ち出し方も大きく関係していたんですけどね。
スープ
前半はドドーンとカニが前に
念のため「液体スープ」を入れる前の味を確認してみたところ、スープの原材料名を抜き出すと “食塩、砂糖、粉末しょうゆ、ごま、チキン調味料、胡椒„ となっているように、カニの要素ゼロ。そこそこ粉末しょうゆの味が強く、同時に油揚げ麺と磯も香りもフルスロットル状態で、ひとまず漠然としたカップ麺らしさは楽しめますけど、旅気分は味わえません。
しかし、後入れの「液体スープ」を加えた途端、カニの殻を炙ったような、甲殻類特有の芳ばしさがイッキに花咲き、それは磯(わかめ)の風味を難なく丸め込むほど。たとえばカニ雑炊も待ったなしの出汁感だったり、プリッとした身の甘みだったり、そういった要素は弱く、カニの芳ばしさにフォーカスしたテイストですが、想像以上の攻め立てにビックリ。
また隠し味に蝦醤(シャージャン、塩漬けにして発酵させた小エビをペースト状に加工した調味料)を使用しているため、わずかな主張ではあるけれど、ほんのりと中腸腺(かにみそ)を彷彿とさせるコクも印象的。カニの芳ばしさはオイルに詰め込まれている感じだったので、それが薄れてくる後半は、わかめに主導権が偏る流れになりますけど、それもブランドのアイデンティティを思うと悪くありませんでした。
かやく
わかめ、ワカメ、WAKAME
細めのカニ風かまぼこは、いわゆるカニカマと呼ばれているアレ。ちゃんと意識的に拾ってやれば、魚肉練り製品ならではの旨みを感じ取ることは可能かと思いますけど、ぶっちゃけ “わかめの存在感がエグい„ ので、よくも悪くもカニカマなんぞ気になりませんw しかし、だからこその「わかめラーメン」ですから、これで正解。
定番の「ごま・しょうゆ」に入っているコーンとメンマは不在ですし、後入れスパイスの別添もないけれど、かやく入り粉末スープに同梱されていた少量のゴマは効果的に働いていました。
総評
はたして北海道にトリップしたような感覚が味わえたのかと聞かれたら、申し訳ありません。私の想像力が足りなかったようです‥‥などと答えますけど、わかめもカニも同郷の素材なので、真反対の主張を唱えることはなく。それでいて個性の強い素材同士でありながら、お互いの良さが活かされているように感じたので、及第点に星ひとつプラスしました。
ちなみに北海道とは真逆に位置する沖縄の魅力を取り入れた「全国グルメ旅×わかめラーメン 沖縄 島そば」も同時にリリースされたので、そちらも追ってレビューします【author・taka :a(大石敬之)】