どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年3月20日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清焼そばU.F.O. ポックンミョン 濃い濃い韓国風甘辛カルボ」の実食レビューです。
もっちり麺がチョア(좋아)!? 濃くて旨いから売上No.1「日清焼そばUFO」に唐辛子の辛味を特徴とする韓国ライクな新シリーズ “ポックンミョン” 爆誕!!
辛い? 辛くない? っていうかパクり?! 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清焼そばU.F.O.ポックンミョン 濃い濃い韓国風甘辛カルボ
日清焼そばU.F.O.(にっしんやきそばユーフォー)とは、1976年(昭和51年)5月21日の発売以来、西日本エリアを中心に絶大な支持を得てきたブランドで、現在はカップ焼きそば・油そばカテゴリーにおいて売上No.1の実績を保有している絶対王者。他の追随を許さないマーケティングセンスと強烈な香りの「濃い濃い濃厚ソース」で市民権を獲得し、No.1ブランドとしての地位を築き上げました。
今回の新商品「日清焼そばU.F.O. ポックンミョン 濃い濃い韓国風甘辛カルボ」は、グルメやファッション、エンタメなど、さまざまな分野で韓国カルチャーが注目を集めている近年のトレンドど真ん中を突いた「ポックンミョン」シリーズの記念すべき第1弾なのですが、ポックンミョン(炒め麺)といえば世界各国で注目されている三養食品の「ブルダック炒め麺」を意識していないとは言わせません。
ブルダック炒め麺(プルダックポックンミョン)とは、1963年(昭和38年)6月に明星食品が技術供与し、韓国初の即席めん企業となった三養食品(サムヤン / Samyang Foods Co., Ltd.)を代表する “無慈悲な辛さ” が特徴のブランドで、モッパン系YouTube(ASMRと同様の人気を博す韓国発祥の食事系動画コンテンツ)で取り上げられるや否や、瞬く間に定番メニューとしてのポジションを確立。
「ブルダック炒め麺」の発売日は2012年4月13日なので、同社が1963年9月15日に発売した韓国初のインスタントラーメン「三養ラーメン」ほど歴史が古いブランドではないのですが、その知名度は世界規模。ブル(불)は「火」を、ダック(닭)は「鶏」を、ポックン(볶음)は「炒める」を、ミョン(면)は「麺」を意味し、発売当初は “人が食べられる水準を超えた怪食” と酷評されていましたが‥‥
絶大な影響力を誇る韓国のASMR・大食いモッパンYoutuberの動画コンテンツとSNSの反響が暴風レベルの追い風になり、発売5年目となる2017年のブランド累計販売数は10億個を突破。同年の輸出額も1億ドルを達成し、韓国のインスタントめんブームにおける新時代を切り拓いたとも称されているのですが、その後も破竹の勢いで勢力を広げ、2018年には韓国食品業界初となる2億ドルの輸出額を記録。
2022年には販路を世界90ヶ国に拡大した結果、今や “辛さの世界基準” との異名を持ち、その輸出額は4億295万ドル(当時の日本円に換算して約544億円)と桁外れ。すでに累計販売数も “世界人口の2人に1人が食べたことになる” 40億個の壁を突き破るなど、天下のカップヌードル(CUPNOODLES)も油断できないほどの存在に急成長しました。
そんな「ブルダック炒め麺」の中でも不動の人気を誇るのが「カルボブルダック炒め麺(까르보 불닭볶음면)」という “カルボナーラ味” の商品で、もともとは「ブルダック炒め麺」の10億食突破記念商品として2017年12月18日に発売された期間限定のフレーバーだったのですが、あまりの人気から定番商品に格上げ。
淡いピンク色のパッケージに身を包み、ブルダックらしい強めの辛さとクリーミーなホワイトソースのコンビネーションがクセになる、特に若者から根強い支持を集めているのですが、それと日清食品の「日清焼そばU.F.O. ポックンミョン 濃い濃い韓国風甘辛カルボ」を見比べてみると‥‥ええ、もはや言い逃れはできません。
さらに「日清焼そば ポックンミョン 韓国風甘辛カルボ 5食パック」という袋麺も同時発売となっているのですが、このページでは「日清焼そばU.F.O.」の新作を詳しく掘り下げます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「濃い濃い韓国風甘辛カルボソース」と「特製辛味オイル」の計2パックで、辛さレベルは5段階基準で上から2番目の “4” とシュリンクフィルムに表示。ちなみにブルダックの公式キャラクター(角刈りの鶏)は「ホチ」という名前なんですけど、日清ポックンミョンでは “チョライオン” となっています。ほんとに大丈夫なのか?w
麺は油で揚げたフライ麺で、いつもの「日清焼そばU.F.O.」には自慢の中太ストレート麺を搭載していますが、こちらには “もっちりとした食感のウェーブ麺” を採用しています。パクr‥‥元ネタといっても過言ではない「カルボナーラブルダック炒め麺」には縮れの強い平打ち麺が使われているため、それをオマージュしてのチョイスとみて間違いありません。
メーカー希望小売価格は214円(税別)なので、コンビニで購入した場合の税込価格は231円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外の販売チャネルにも流通しています。日清焼そばU.F.O.は営業力が強いため、これから売り切れ続出にでもならない限り、おそらく入手に苦労することはないでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清焼そばU.F.O. ポックンミョン 濃い濃い韓国風甘辛カルボ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:101g(めん85g) 商品コード:4902105279007(JAN) |
発売日:2023年03月20日(月) 実食日:2023年03月23日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:214円(税別) 購入価格:149円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:皿型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(濃い濃い韓国風甘辛ソース・特製辛味オイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料、大豆食物繊維)、ソース(糖類、植物油脂、食塩、乳等を主要原料とする食品、香辛料、チキン調味料、プロセスチーズ、粉末みそ、カレー粉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カロチノイド色素、炭酸Ca、かんすい、増粘多糖類、酸味料、カラメル色素、香料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、pH調整剤、甘味料(スクラロース)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
「日清焼そばU.F.O.」の変わり種における具材といえば、最低限でも端材みたいなキャベツがチラホラと‥‥みたいな構成が定番となっているのですが、今回はオープン価格でもないのに具材なし。これについても「カルボブルダック炒め麺」に対する意図を感じるポイントで、ここまで露骨だと清々しいとさえ思えてきます。
別添の小袋は2パックとも後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「特製辛味オイル」を温めながら待つこと5分。時間になったらフタを完全に剥がし、別添の「濃い濃い韓国風甘辛カルボソース」を混ぜ合わせる。それから「特製辛味オイル」をかけて再度よく混ぜ合わせ-・となっているため、小袋を入れる順番に注意してください。
さて、日本のカップ焼きそばを基準に見ると寂しげなビジュアルに仕上がりますが、それが逆に異国情緒と捉えられなくもない調理直後。かやくの項目は評価できないので、ここから先は「めん」「ソース・辛味オイル」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(101g)あたり |
カロリー:484kcal たん白質:6.9g 脂 質:21.7g 炭水化物:65.3g 食塩相当量:5.1g ビタミンB1:0.35mg ビタミンB2:0.49mg カルシウム:139mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
もっちもち
たとえば三養食品の「カルボナーラブルダック炒め麺BIG」を例に挙げると、麺に小麦グルテンを配合して弾力を強化していたり、玉ねぎエキスを加えて添付調味料との一体感を高めたりしているのですが、そこまで完コピしているわけではありません。しかし、この “もっちり” とした食感は「ブルダック炒め麺」にも通じるベクトルで、悔しいかなハイレベル。
パッケージにも “もっちり麺がチョア(=いいね)!” とあるように、とにもかくにも粘りの強さと反発性を重点的に練り上げた食感で、歯切れのよさは二の次といっても過言ではありません。はたして「日清焼そばU.F.O.」らしいのかと聞かれたら首を横に振りますけど、小麦グルテンを配合しているかのような弾力と麺の形状に「ブルダック炒め麺」への対抗心を感じる仕上がり。
油で揚げた麺なので、それなりに特有の風味は滲み出てくるのですが、まったくネガティブではありません。むしろ油揚げ麺ならではのジャンクさが功を奏し、背徳感を高めることに寄与しています。ちなみに麺重量は85gと汁なしの標準(90g)よりも若干ながら少なめですが、ほとんど気にならなかったことに加え、後述する濃い濃いソースにも気後れしない、食べ応えのある麺でした。
ソース・辛味オイル
だいぶ日本人向けにアレンジしてる
オイルよりも先に混ぜ合わせる「濃い濃い韓国風甘辛カルボソース」は粉末で、イタリア発祥のカルボナーラとは完全に異なるベクトルを歩んではいるものの、まろやかなプロセスチーズの風味と乳等を主要原料とする食品のコクを中心に、糖類の甘さも強く、辛さは控えめ。唐辛子の芳ばしい風味も並行して伝わってくるのですが、結果的にピリ辛の枠を出ることはありません。
醤油ではなく味噌で味を調えているところは日清食品のオリジナルですが、隠し味にカレー粉を使っているあたり、まさに「カルボブルダック炒め麺」を意識していることを裏付ける決定打。もちろん同じ味ではないんですけど、動物系の旨みも「ブルダック炒め麺」に欠かせない “鶏” をメインに使っていたり、アクセントにパセリ的なものを配合していたり、怖いもの知らずというかなんというかw
続けて「特製辛味オイル」を加えると、格段に辛さがアップするのかと思いきや、まったくもって痛烈な辛さではありません。それこそ「ブルダック炒め麺」の足元にも及ばない、一般的に見ても中辛の枠を出ない程度の‥‥あ、でも後半ちょっとジリジリきます。とはいえ辛さレベルは日清食品の基準で体感「3」くらいなので、ブルダックのイメージで望むと極めて平和な辛さ。
また「特製辛味オイル」は単なる辛さアップのアイテムではなく、コチュジャンの風味が添加されていたので、なるほど “韓国風甘辛” という表現にも納得できる中毒性の高い味わいでした。
総評
日本語パッケージの「カルボブルダック炒め麺」についてはレビュー前なのと、本場の「까르보 불닭볶음면」を食べたのも何年か前の話なので、あえて共通点については言及し過ぎないように気を付けたのですが、パッケージのデザインやカラーリング、さらにシリーズ名から察するに、まず三養食品のブランドを意識していることは間違いありません。
また辛さも想像以上に控えめなので、一定層は物足りなさを感じてしまうと思いますけど、甘さ強めのジャンクなテイストがクセになる感じ。万人にオススメできない部分はありますが、辛さが売りの「ブルダック炒め麺」を日本人向けにチューニングしてアプローチする、そんな意図を感じる仕上がりだったので、早くも第2弾の登場が楽しみです【author・taka :a(大石敬之)】