どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年6月5日(月)新発売、セブンプレミアムのカップ麺「蔦 醤油Soba」の実食レビューです。
ラーメン専門店として “世界初のミシュランひとつ星” に輝いた銘店「Japanese Soba Noodles 蔦」監修のカップラーメンが2年ぶりにリニューアル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
蔦 醤油Soba 2023
Japanese Soba Noodles 蔦(じゃぱにーず そば ぬーどる つた)とは、東京都豊島区巣鴨を発祥の地とする世界的に有名なラーメン店で、創業は現在を遡ること11年以上、2012年(平成24年)1月26日。もともとは小料理屋の居抜き物件からスタートしましたが、たしかな実力で『ミシュランガイド東京2016-2019』4年連続 “一つ星” を獲得し、その名を世界に轟かせました。
今回の新商品「セブンプレミアム 蔦 醤油Soba」は、セブン&アイグループと “マルちゃん” で知られる東洋水産の共同開発商品で、2021年(令和3年)5月31日にリニューアルした「蔦 醤油ラーメン」の代替わり。新たに味の変化を楽しむための「黒トリュフとポルチーニ香る後入れ粉末スープつき」ということで、なんともワクワクする展開となっているのですが、ひとつ気になることがあります。
先に「Japanese Soba Noodles 蔦」は巣鴨で創業したと触れましたが、4年連続でミシュランひとつ星に輝いた直後、2019年(令和元年)11月19日に “巣鴨で出来る事がない” と電撃閉店。その約1ヶ月後、12月13日に東京都渋谷区西原(代々木上原)で営業を再開し、1杯あたり3,350円のラーメンで「1,000円の壁」を打ち破るなど、ラーメン業界に衝撃を与え続けていました。
しかし、2022年(令和4年)9月23日——「Japanese Soba Noodles 蔦」の創業者である大西祐貴(おおにし ゆうき)その人が急性心不全のため、享年43歳の若さで逝去。突然の訃報に私も驚きを隠せなかったのですが、2023年(令和5年)2月10日の11時より新たな体制で営業を再開。そのグランドオープンを機に、すべてのメニューを刷新したと聞きます。
2017年(平成29年)1月9日に発売された初代「セブンプレミアム 蔦 醤油Soba」は、トリュフオイルの威力が人を選ぶほどに凄まじく、その後もトリュフオイルを全面に押し出していたのですが、前回のリニューアルで商品名を “醤油Soba” から「醤油ラーメン」に改め、トリュフオイルのインパクトは消滅。代々木上原に移転してから初の変更だったので、それが当時の “答え” だったのでしょう。
しかし、2023年6月のリニューアルで商品名が「醤油Soba」に戻っているため、巣鴨時代の味わいをイメージしているのか、それとも代々木上原に移転後(2022年9月以前)の味わいをイメージしているのか、あるいはグランドオープン後(2023年2月以降)の「醤油Soba」を再現しているのか、お店に問い合わせるのも迷惑だと思い、製造者である東洋水産の「お客様相談室」に問い合わせてみた結果‥‥
セブンプレミアムの商品ということで、情報に制限が掛けてあるらしく、一般の窓口では “わからない” との回答でした。んなわけあるかいw などと思われるかもしれませんが、いわゆる「お客様相談室」だとマジで分からない情報もあるんです。というわけで、東洋水産の本社に事情を話し、営業あるいは開発に繋いでほしいと頼んだ結果、なぜか再び「お客様相談室」に転送されたワイ。なんでw
カップ麺の新商品をレビューするブログを、かれこれ9年3ヶ月ほど続けているワタクシですが、あくまでも一般消費者の身。お客様相談室の方から “あれ? 先ほどお問い合わせいただいた‥‥おかえりなさい。笑” 的な温かいご対応を賜りましたので、自分の舌を頼りに、前回発売品から何が変わったのか、リニューアル前後の違いと新アイテム「後入れ粉末スープ」の効果にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「液体スープ」と「特製油」「粉末スープ」の計4種となっているのですが、もっとも注意しなければいけないのは「粉末スープ」を使うタイミング。容器側面の調理方法(5)には “半分ほど召し上がったら、お好みで後入れ粉末スープをかけ-・” との記載があるため、喫食の際は留意してください。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、商品の本体に製法の表示はないけれど、東洋水産が誇る「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」の流れを汲んだ、生麺ゆでてうまいまま製法(特許5719064号)の乾燥麺とみて間違いなさそうな雰囲気。どのパターンを使っているのか、それについては食べてからのお楽しみ。
セブンプレミアムの商品なので、販売店はセブン&アイグループの各店に限定されていますが、コンビニのセブンイレブンを筆頭に、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、同グループのGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)も取扱店の対象です。販売価格は278円(税込300.24円)なので、2023年6月1日出荷分からの価格改定による値上げ以降の相場を思うと良心的かもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 蔦 醤油Soba 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:120g(めん70g) 商品コード:4901990373166(JAN) |
発売日:2023年06月05日(月) 実食日:2023年06月17日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:278円(税別) 購入価格:300円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体スープ・かやく・特製油・後入れ粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、植物油、ポークエキス、鶏脂、魚介エキス、砂糖、ラード、デキストリン、たん白加水分解物、乳等を主要原料とする食品、乳糖、酵母エキス)、かやく(焼豚、メンマ、ねぎ、デキストリン)/ 酒精、調味料(アミノ酸等)、かんすい、加工でん粉、炭酸カルシウム、レシチン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、増粘多糖類、香料、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※焼豚表面の白い粉状のものはデキストリンです。デキストリンは、でん粉を原料とした食品です。品質・味覚上の問題はありません。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、正麺カップの「芳醇こく醤油」にも使われている四角いチャーシューに、メンマとネギのシンプルな組み合わせ。ただ、リニューアル前に入っていた真空パックの味付けメンマ調理品(レトルト)が乾燥メンマに変わっている、というのは寂しいポイント。
かやく以外の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」と「特製油」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら麺をほぐし、温めておいた「液体スープ」を馴染ませて、仕上げに「特製油」をトッピングしたら完成です。前述のように「後入れ粉末スープ」は “公式が途中入れを推奨している” ため、入れるタイミングと入れ忘れにも注意してください。
というわけで、後入れ粉末スープによる味の変化についてはもちろん、それを入れる前のテイストにも注目しつつ「めん」「スープ(液体・特製油・後入れ粉末)」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(120g)あたり |
カロリー:406kcal たん白質:12.7g 脂 質:11.3g 炭水化物:64.7g (糖 質:62.1g) (食物繊維:2.6g) 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:170mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:406kcal(めん・かやく:309kcal)(スープ:97kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
歯応えのある低加水麺
加水率は低めの設定で、粘りは弱く、噛んだらポクポクする感じの-・という感想は、ひとつ前のページでレビューした「マルちゃん正麺 カップ 濃ニボ ちょい辛」にも書いたコメント。しかし、麺と麺が複雑に絡まり合うような、ほぐれにくさについては気になりません。
噛み締めたときに感じる密度も高く、しばらく経っても硬めの食感で、しかしながら戻りムラとは無縁の仕上がり。鼻に抜ける小麦感も芳醇で、梘水(かんすい)を使用している、つまり種別としては中華麺ではあるものの、どこか日本の蕎麦を彷彿とさせる上品さも感じます。——いや、それについては「液体スープ」との兼ね合いかもしれませんけどw
なるほど「醤油ラーメン」じゃなくて「醤油Soba」ね、みたいな。ちなみにリニューアル前(2021年5月31日発売品)と比較して、新たに “乳糖” を練り込み、調理前の麺重量も5g増えている、というのも変更点。食べ始めの硬さにも魅力を感じたのですが、歯切れの心地好さが楽しめる後半の食感もオツだったので、あえて休ませるのもアリですよ(最近これ系のコメントを頻繁に書いてる気がする)。
スープ
歴代もっとも洋風なテイストに
まずは「液体スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、ラーメンのスープというよりも日本の蕎麦つゆみたいな——という上品な印象は、リニューアル前のスープでも感じたこと。原材料名にはチキンエキスやポークエキスの記載もありますが、それも出汁(だし)のベクトルで、この段階だと誰が飲んでも「つゆ」の印象に引っ張られると思います。しかし、別添の「特製油」を加えると一変。
さすがに初代「醤油Soba」のトリュフオイルに匹敵するインパクトではないけれど、トリュフ(黒)の香りはリニューアル前よりも主張が強く、鶏脂とラードの厚みも増しているようなイメージ。おかげで蕎麦つゆライクな味わいから、イッキに洋風のテイストに変わり、その過程で独特の立体感が生まれる、かの「Japanese Soba Noodles 蔦」らしい世界観が見えてくるのですが‥‥
おおむね折り返し地点で「後入れ粉末スープ」を加えた途端、ポルチーニ茸の風味が加わって、さらに洋風のテイストに。それでいて味のベクトルが激変するのではなく、方向性は維持しながらも匠の手が入りました的な。わかりにくいですかねw もともとポルチーニ茸とトリュフは相性がいいこともあり、特製油に含まれる黒トリュフの存在感が増幅する、そんな効果も得られました。
また「後入れ粉末スープ」には “乳等を主要原料とする食品” も入っているため、ほんのちょっとクリーム感というか、奥のほうがシチューっぽいというか、リニューアル前のスープにはない表情がプラスされたところも面白かったです。
かやく
四角い焼豚は個体差あります
四角いチャーシューは、豚のバラ肉を彷彿とさせる部位で、その大半が脂身だったこともあり、おもわず口元が緩んでしまうほどジューシーで甘かったんですけど、これは個体差が激しい部分。場合によっては脂身が皆無に等しく、ほとんどが赤身のパターンに遭遇するケースもあるので、えっと‥‥それについては運試し感覚で楽しんでみてくださいw(赤身がメインの個体も食べ応えあってよき)。
海苔は別添されていませんが、それを除くと「マルちゃん正麺 カップ 芳醇こく醤油」(メーカー希望小売価格:278円+税)に別添されている小袋(かやく)と同じ内容なので、ちょっと特別感に欠ける印象が無きにしも非ずではあるものの、やや発酵感の強いメンマは意識的に食べると箸休めに嬉しく、ネギもフリーズドライで主張し過ぎない、スープに集中できる構成と思えば悪くありませんでした。
総評
真空パックの味付けメンマ調理品(レトルト)が乾燥メンマに変わったので、それについては総評の星ひとつ左右しかねないマイナスになりますが、新たに搭載された「後入れ粉末スープ」のブースト効果は想像していたよりも面白かったこと、それに販売価格が「マルちゃん正麺 カップ」シリーズと同じラインに位置していたことも含めての総評です。
どうしても初代「醤油Soba」のインパクトが忘れられないため、より恋しくなってしまったところはありますけど、結果的にはポジティブなリニューアルでした。私は新たな体制で営業を再開した「Japanese Soba Noodles 蔦」の味を知らないため、再現度については評価いたしかねますが、ひとつのカップラーメンとして高く評価できる一杯です【author・taka :a(大石敬之)】