どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月15日(火)新発売のカップ麺、東洋水産「セブンプレミアム 蔦 味噌Soba」の実食レビューです。
「Japanese Soba Noodles 蔦」幻のメニュー「味噌の陣」を再現した復刻版カップ麺から早1年——今度は2019年版の「味噌Soba(みそそば)」を再現したカップラーメンがセブンイレブンに新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
セブンイレブン「蔦 味噌Soba」
「Japanese Soba Noodles 蔦(じゃぱにーず そば ぬーどる つた)」とは、東京都豊島区巣鴨で産声をあげた人気ラーメン店で、創業は2012年1月26日。店主・大西祐貴(おおにし ゆうき)氏の日々進化し続けるラーメンは、日本のラーメンファンのみならず世界的にも認められ、現在も『ミシュランガイド東京2019』に “一つ星” として掲載されています。
今回の新商品「セブンプレミアム 蔦 味噌Soba」は、セブン&アイグループと東洋水産株式会社(マルちゃん)の共同開発商品で、「Japanese Soba Noodles(JSN)蔦」代表・大西祐貴店主監修のもと、2019年に実店舗でも提供されていた「味噌Soba 新味」を再現。実は冒頭でも触れたように、およそ1年前にも “まったく同じ商品名のカップラーメン” が販売されていました。
前回の「味噌Soba」は、講談社『業界最高権威 TRY認定 第14回ラーメン大賞 2013-14』(2013年11月26日発行)の「名店部門みそ」で堂々の1位に輝き、あまりに注文されるので “提供をやめてしまった” 幻のメニューをカップ麺限定の復刻版として再現したもの。「味噌の陣」というサブタイトルを掲げ、2018年10月1日にセブンプレミアム印で登場します。
それは鶏と豆味噌の旨味をベースにし、ポルチーニフレーバーを使用した “ポルチーニ香る別添オイルつき” の芳醇な味噌ラーメンで、そのポルチーニ茸が衝撃の存在感。同じくセブン&アイグループと東洋水産が共同開発している同店監修の定番商品「セブンプレミアム 蔦 醤油Soba」の “黒トリュフ” も強烈ですけど、それとは明らかに違う独創的な味わいで、かなり斬新な一杯した。
しかし、2019年版「味噌Soba」のパッケージにポルチーニ茸のアピールはなく、「味噌の陣」では鶏と豆味噌をベースにしていましたが、今回は “鶏と白味噌” が土台。さらに “チーズの風味を利かせた、芳醇な味噌ラーメン” という商品特徴の解説から、前回の復刻版「味噌の陣」とは大幅に違った印象を受けます。
実店舗のメニューでは「醤油Soba」「塩Soba」「つけSoba」が人気なので、あまりネット上にも「味噌Soba」の評判や口コミは投稿されていないのですが、2019年1月からフォン・ド・ヴォライユ(鶏スープ)とフュメ・ド・ポワソン(鮮魚スープ)を変更。さらにイタリアチーズの王様と言われているパルミジャーノ・レッジャーノを導入し、提供前に摩り下ろすスタイルに変わりました。
2019年10月15日現在の本店は慌ただしく、これまで頑なに断っていた「JSN蔦」史上初となる催事・イベント出店[千葉・松戸「中華蕎麦とみ田 富田治 ラーメンPROJECT 真ラーメン祭り絆 in 松戸・21世紀の森と広場」2019年11月2日~4日(午前10時~午後16時)開催予定]を控え、さらに2019年11月上旬から休業〜12月上旬から巣鴨店を残しつつ “新店舗に移転する” とのこと。
創意工夫が止まらない大西店主のことなので、もしかすると移転を機にメニューを大きく変えてくるかもしれませんし、今後も味は刻一刻と進化し続けるでしょう。つまり、今回の新商品は移転前 “最後の「味噌Soba」を再現した” 記念すべきもの——前回の復刻版との違いにも注目しながらレビューしたいと思います(関連記事「蔦 味噌Soba 2018 味噌の陣」「蔦 醤油Soba 2019」)。
開封
別添の小袋は「特製油」が1袋で、包装は前回の “ポルチーニ香る別添オイル” 同じく黄金色。ちなみに2019年10月現在、「JSN蔦」本店(巣鴨)の券売機にある味噌系は「ヴィーガン味噌Soba」と “お土産用” の「味噌ラーメン」のみとなっているようで、今回の再現元と思われる2019年1月発売(2019年6月リニューアル)の「味噌Soba」は表メニューにありません。
味噌Soba(新味)が正式デビューしたのは2018年8月、そして2019年以降に提供されていた改良版「味噌Soba」の特徴は、九条葱の上にトッピングされた「パルミジャーノ・レッジャーノ(粉チーズ)」だけでなく、スープ表面に浮かぶ「パンプキンシードオイル」もポイントで、初期の豚挽肉と玉ねぎの生姜炒めはオリーブオイルやニンニクを使用した「生姜ペースト」に変更しています。
つまり、今回の特製油はポルチーニ香る別添オイルではなく “パンプキンシードオイル” を意識しているのでは——などと思いながらカップ麺を開封すると、中には味付豚肉、メンマ、ネギとシンプルな具材。ただ、実店舗の「味噌Soba」もトッピングはシンプルにチャーシュー、ネギ、メンマだったので、素材のレベルはともかく構成の再現度は低くありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 蔦 味噌Soba 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34) 内容量:100g(めん70g) 商品コード:4901990364454(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ122mm 発売日:2019年10月15日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白〕、添付調味料(みそ、チキンエキス、植物油、鶏脂、香辛料、砂糖、粉末野菜、食塩、魚介エキス、ポークエキス、こんぶエキス、発酵調味料)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は熱湯3分の油揚げ麺、「味噌の陣」よりも幅が狭くなっているような印象。見た目は軒並み好印象なマルちゃんの新世代系フライ麺で、思えば2018年10月の「蔦」がデビュー作だったかもしれません。製造所は東洋水産の自社工場ではなく「株式会社酒悦 房総工場」、いつもマルちゃんの縦型ビッグを製造している東洋水産のグループ企業で、前回と同じです。
販売店は全国のセブンイレブン及びIYグループのイトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート並びにイトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)が対象で、それ以外では売ってないPB商品。値段は前回と同じ198円(税込213円)ですが、2020年6月30日(火)までの期間中、セブンイレブンでクレジットカード、電子マネー(nanaco等)でキャッシュレス決済した場合は合計金額から2%還元なので、電子マネーやカード決済がお得。
別添の特製油は後入れで、やはり中身の見た目は本店のパンプキンシードオイルを彷彿とさせる色合い。一見すると黒マー油っぽい雰囲気ですが、焦がしニンニク油の香りではなく、鶏油の芳ばしい香りが漂ってきました。それでは、実店舗で提供されているラーメンの特徴を意識しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)当たり
カロリー:459kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:459kcal(めん・かやく:347kcal)(スープ:112kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実店舗の麺は、2019年6月から「醤油Soba」「塩Soba」「味噌Soba」すべてフランス産の石臼挽きオーガニック(有機栽培)小麦を配合した麺に変え、切刃番手は「醤油Soba」18番の中細麺(2019年6月3日に20番から変更)、「塩Soba」26番の極細麺、「味噌Soba」16番の丸刃中太麺と使い分けているのですが、今回のカップ麺は前回と同じ角刃の平打ち麺となっています。
お店の麺は自家製の丸刃中太麺で、対するカップ麺は縮れの強い角刃の平打ち麺という、残念ながら再現度が高いとは言えません。再現度を最重要視して評価した場合、もっと星の数を下げるべきかもしれませんが、単純にカップラーメンの麺としてのクオリティは高く、そんなに厚みがあるわけでもないのに反発性のある弾力で、コシが強めの次世代系。
「味噌の陣」発売から1年以上が経過した現在、もはや汎用麺と言っても過言ではない割合で使用されているので、いまさら感動を覚えることはないかもしれません。しかし、再現度云々を除くと文句の付け所が見当たらないのも事実。とりあえず熱湯3分でも食べられますが、それだと食べ始めに気泡が目立つので、調理後30秒ほど休ませてから食べるのが美味しい作り方のポイントです。
スープ
実店舗のスープは青森シャモロック・熊本天草大王・宮崎黒岩土鶏・純系名古屋コーチンの丸鶏と香味野菜を合わせた地鶏4種のスープ、大量の浅蜊(あさり)と天然羅臼昆布から取った貝のスープ、さらに特注の削り節機で削った本枯れ節の魚介スープをブレンド。化学調味料不使用の無化調トリプルスープがベースとなっていて、「醤油Soba」や「つけSoba」とも共通です。
「塩Soba」と「サーモン白湯Soba」には丸鶏スープの代わりにサーモンのスープを使用しているのですが、それはさておき特製油を浮かべる前のスープはパッケージの宣言通り白味噌が主体で、攻撃性は抑えつつも濃厚な味わい。貝の出汁は目立って感じられないものの、丁寧な魚介と昆布の旨味は意識されています。で、ちょっと不思議なのがチーズの風味‥‥
原材料名にチーズ加工品や乳等を主要原料とする食品、クリーミングパウダーさえも表示されていないのに、けっこう濃い目のチーズっぽい風味w スープの原材料名は、「みそ、チキンエキス、植物油、鶏脂、香辛料、砂糖、粉末野菜、食塩、魚介エキス、ポークエキス、こんぶエキス、発酵調味料」となっているので、どれにチーズが該当するのか出所が謎。
と、とりあえず味噌×チーズ(発酵調味料×発酵食品)の個性はバッチリ再現。そして別添の特製油は量が多く、すべて入れたら湯気が立たないほど。土台の鶏は白湯(パイタン)系ではなく清湯(チンタン)系でしたが、けっこう鶏油(チーユ)が多めに入っていてコッテリ感あり。そしてナッツのような独特の香りがパンプキンシードオイルを思わせる、そこに「蔦」を感じました。
具材
本店の「味噌Soba」には、スペイン産ガリシア栗豚のロース肉を紅茶葉でマリネした低温調理チャーシューと、スペイン産イベリコ豚の最高級ランク “ベジョータ(血統100%)” のバラ肉を高温と低温でローストしたチャーシューで、合計2種類トッピング。さらにベジョータの上に生姜ペーストをのせ、横にメンマと中央に九条葱、その上から最後にパルミジャーノ・レッジャーノという構成。
対するカップ麺の具材は、見慣れた味付豚肉にメンマとネギで、いずれも汎用的なもの。ただ、意外とメンマの量が多く、メンマの風味が個性的なスープとベストマッチ。さらにネギもマルちゃん縦型ビッグの中では最上級の斜め切りで、主張しすぎない適度な存在感が好印象。そして、なんといっても写真の味付豚肉です。
今回は歯応えの強い赤身がメインで、思いっきり高温調理された豚肉なんですけど、甘辛い味付けで旨味は濃厚。東洋水産が誇る今回のリアル系肉具材は手放しにハイクオリティかつ量も多く、現在の平均を思うと実売価格以上のボリュームでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
オリーブオイルやニンニクを使用した生姜ペーストは意識されていなかったのと、麺も本店の自家製麺と掛け離れた形状でしたが、濃厚なチーズと味噌の相乗効果にパンプキンシードオイルを思わせる芳ばしさが面白く、落とし所は悪くありません。それに、コンビニで買っても税込213円と比較的に安いのも魅力(※現在の縦型ビッグ製品はコンビニで買うと税込232円が相場)。
「味噌の陣」ほどの感動は得られなかった反面、上手くカップラーメンらしさを活かしているように感じました。ところで「Japanese Soba Noodles 蔦」のカップ麺といえば真っ白なパッケージがトレードマークでしたけど、初めて今回のデザインには淡い小麦色かつ木目調の縦ストライプを採用しています。単純に味噌のイメージか、それとも移転先の新店舗と何か関係があるのか、これも気になる変化ですね。