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TRYラーメン大賞 “名店部門” みそ1位【拉麺大公】店主監修「焼き味噌」の味わいをカップ麺で再現!!

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東洋水産

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2021年4月26日(月)新発売、東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「拉麺大公 味噌ラーメン」の実食レビューです。

講談社発行『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』名店部門 “みそ1位” に輝いた「拉麺 大公」の味をカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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拉麺大公 味噌ラーメン

拉麺大公(らーめん たいこう)とは、神奈川県横浜市南区に本店を置く “焼き味噌拉麺” 専門店で、創業は2013年(平成25年)4月5日。店主の葉山和孝氏は、ほぼ独学でラーメン作りを学び、2010年(平成22年)12月12日、福島県郡山市で最初のラーメン店「麺屋 輝(ひかる)」を開業。その後身が「拉麺 大公」で、当初は福島県から神奈川県横須賀市公郷町・衣笠に移転するかたちでオープンました。

なぜかカップ麺のパッケージには “上大岡本店” と記載

「大公」という名前の由来は、まだ衣笠に店を構えていた当時、店舗に掲示されていた “大木になるべく この公郷に根を張る” という店主の気概にちなんでいるのですが、2017年(平成19年)4月7日から本店を横浜市に移転。カップ麺のパッケージに掲載されている店の写真は、2020年8月5日にオープンした2号店(上大岡店)の外観で、なぜか「上大岡本店」と記載されていますが、横浜市南区の “南太田にある店舗が本店” です。

今回のカップ麺「拉麺大公 味噌ラーメン」は、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と「拉麺 大公」代表・葉山和孝店主の共同開発商品で、講談社が発行する1週間MOOK*『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』(2020年10月22日発売)の「名店部門みそ」にて「拉麺 大公」が1位を獲得したことを記念し、お店の看板商品 “焼き味噌” を縦型ビッグのカップラーメンで再現。

*MOOK(ムック)とは、雑誌と書籍の中間的な性質を特徴とする刊行物の総称で、語源は「magazine」の “m-” と「book」の “-ook” を組み合わせた混成語。

以前に筆者は「拉麺 大公」の「焼き味噌」を実際に食べたことがあり、なるほど特徴的な焼き味噌の芳ばしい風味もさることながら、塩気や甘みのバランスも素晴らしく、チャーシューの上にトッピングされた生姜のアクセントも絶妙な加減。こってりとした味わいながら、香辛料の効かせ方や香味野菜の使い方など、最後まで飽きないように計算されていて、どこか懐かしいのに古くない、王道なのに個性を感じる一杯でした。

横浜屈指の味を作り上げた「拉麺大公」店主・葉山和孝氏

TRY(トライ)とは、東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー(Tokyo Ramen of the Year)の略称で、2000年に講談社初の都市情報雑誌『TOKYO★1週間』(1997年11月18日発刊 – 2010年6月8日休刊)の誌上で始まった企画。その当初から “東京で一番旨いラーメンを決めようじゃないか” を合言葉に、2010年から『ラーメン大賞』としてMOOK化され、現在は “ラーメン界のアカデミー賞” ともいわれている業界最高権威のアワード本。

2020年10月22日発行の『第21回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2020-2021』では、2019年7月1日~2020年6月30日にオープンした新店を対象とする「新人部門」と10種類のジャンル(しょう油 / しお / みそ / とんこつ / MIX / つけ麺清湯 / つけ麺濃厚 / 汁なし / 鶏白湯 / にぼし)に分類された「名店部門」の2つを軸に、名立たる業界の著名人が審査員として参加。

今年の審査員は、最後のラーメン王として知られる青木誠氏をはじめ、元祖ラーメンクイーンのレイラ氏に、マツコの知らない世界にも出演した斉藤光輝(しらす)氏ほか、ラーメン官僚主義!著者・田中一明氏、尾瀬のラーメン手帳管理人・尾瀬氏、麺テロリスト・まろ氏ら3名が初参戦。ゲスト審査員の麺好き(めんこい)ブログ管理人・いけ麺氏、しらけんの日記管理人・しらけん氏の両名は、以前にも審査員として参加していました。

業界最高権威の所以は著名審査員による影響

しかし、長年にわたり審査員を務めてきたラーメンデータバンク会長(自称日本一ラーメンを食べた男)大崎裕史氏やコラムニスト・吉本匠將氏、神の舌を持つ男と言われた石神秀幸氏ら3名は審査員の座から降りるなど、顔触れが大きく入れ替わった今期。実は以前にも『TRYラーメン大賞』の “名店部門みそ” にランクインしていた「拉麺 大公」ですが、ついにカップラーメンを初監修ということで、再現度の高さに注目です。

開封

小袋は “後入れ” の「特製油」を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある “後入れ” の「特製油」が1袋。パッケージには “濃厚味噌に生姜・にんにくを利かせた焦がし風味の味噌スープ!” と商品の特徴を記載しているため、焦がし風味の打ち出し方もさることながら、生姜・にんにくの効かせ方も気になるところ。

開封した瞬間から芳醇な香りで食欲を刺激

具材は味付豚肉、味付挽肉、ねぎとシンプルな構成で、お店の「焼き味噌」にトッピングされている “もやしは入っていません” が、2種類の肉具材は再現度の高さに貢献しているポイント。香りは動物系と赤味噌が強く、焦がしっぽい要素は目立っていないため、別添の特製油に仕込まれているのでしょうか。

メーカー希望小売価格は220円(税込)で、販売店はCVS(コンビニエンスストア)や量販店、一般小売店ほか。店主の公式Twitterアカウントによると、コンビニでは「セブンイレブン」「セイコーマート」「ミニストップ」での取り扱いが意欲的らしく、実際に筆者もミニストップで購入しました。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:拉麺大公 味噌ラーメン
販売者:東洋水産株式会社
製造所:株式会社酒悦 房総工場
内容量:109g(めん80g)
商品コード:4901990368513(JAN)
発売日:2021年04月26日(月)
実食日:2021年04月30日(金)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(ミニストップ)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ+紙
湯量目安:470ml
調理時間:熱湯4分
小袋構成:1袋(特製油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(みそ、香辛料、香味油脂、植物油、食塩、ポークエキス、砂糖、粉末野菜、豚脂、発酵調味料、たん白加水分解物)、かやく(味付豚肉、味付挽肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、レシチン、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)

実食開始

黄色味の強い熱湯4分の油揚げ麺を使用

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。東洋水産の縦型ビッグに熱湯2分の油揚げ麺(細め)が使われていた場合、最近は特に食感も風味もスナック的に仕上がる傾向があるので、個人的に再現系の商品に不向きな印象が強くなっているのですが、熱湯4分〜5分の麺は安定して高品質なイメージ。ただ、あいかわらず‥‥

粉末スープの溶け残りに注意したいのと‥‥

熱湯を注いだ後の容器が “めちゃくちゃ熱い” というのが玉に瑕‥‥w これ、なんとかなりませんかね、マジで。などと思いながら、それはさておきシンプルな見た目の調理直後。なにもしなければ湯気も立たないほど特製油の量は多く、焼き味噌の香りとは異なるものの、野菜を炒めたような香りが印象的。ただ、粉末スープの溶け残りが発生しやすかったので、かならず容器の底から念入りに混ぜ合わせてください。

ちなみに販売者は東洋水産株式会社、製造所は株式会社酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の商品を多数製造している連結子会社なので、マルちゃんの工場という認識で問題ありません。それでは、引き続き “焼き味噌” の個性と再現度に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(109g)あたり
カロリー:491kcal
たん白質:11.6g
脂  質:22.0g
炭水化物:61.6g
食塩相当量:5.9g
(めん・かやく:2.0g)
   (スープ:3.9g)
ビタミンB1:0.36mg
ビタミンB2:0.41mg
カルシウム:196mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:491kcal(めん・かやく:384kcal)(スープ:107kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

再現度は低いといわざるを得ないが‥‥

4.0

実店舗の「焼き味噌」に使われている麺は、店舗によって使い分けられており、上大岡では福島県郡山市の製麺所「富多屋生麺」と共同開発した特注麺を使用。もともと南太田の本店でも富多屋生麺の特注麺を使用していましたが、本店のみ現在は北海道札幌市にある製麺会社「西山製麺」の麺に切り替えているとのこと。しかし、どちらも加水率の高い熟成ちぢれ麺で、原料に卵を使い、スープとの親和性が強く意識されています。

ちょっと長めに待ったほうがいいかも

また上大岡店の麺は本店よりも硬めに茹で上げているのですが、それはさておきカップラーメンの麺は東洋水産(酒悦)らしい平打ちの中太麺で、実際の「焼き味噌」ほど間隔の狭い縮れは施されておらず、そもそも実店舗で使われている麺は平打ちではありません。噛み心地や歯切れの感覚(加水率)も実際の麺とは違う、油揚げ麺らしいベクトルにあるので、正直あまり再現度は高くないけれど、縦型ビッグらしく食べ応えはあります。

プリッと弾む独特の歯切れを再現してほしかったのと、熱湯4分ジャストでフタを開けた場合、ところどころパキッとした部分が気になるところではありますが、後者については調理後に2、3分ほど置いてケアすれば解決。また有名店の味を再現した縦型ビッグのカップラーメンは、平均的に麺量70gが標準となっているのに対し、きちんと80gだったのは嬉しいポイントでした。

スープ

実店舗の雰囲気を意識

5.0

たとえば『TRYラーメン大賞』の “名店部門 みそ” で殿堂入りを果たした「大島」も東洋水産のカップラーメンになっているのですが、それと比較して赤味噌の風味が強く、すりごまでコクを強化。もうすこし焼き味噌の風味を手前に感じたいところではあるものの、ふわっと鼻に抜ける芳ばしい風味があり、動物系のコクも丁寧で、特製油を入れる前の状態でも成立するような作り。

さらに刻んだ(というか粒状に粉砕した)ニンニクが粉末スープに仕込んであったので、常にシャリシャリとした小気味よい歯触りとニンニクのパンチが嬉しく、そのニンニクに引けを取らないほど強かった生姜の風味も見どころ。おろし生姜が別添されているわけではないのですが、それに近いキレが楽しめる、実にフレッシュなアクセントで個性を表現。

見た目ほどクドくない

特製油の中身は “香味油脂” と “植物油” のミックスで、動物油脂の豚脂(ラード)もブレンドしているのですが、そこまで後者の量は多くありません。もうすこし豚脂の量を増やしても‥‥などと思った反面、こってりしつつもクドさを感じさせない配合にはワザがあり、中華鍋で野菜を炒めたような風味が臨場感を底上げ。

それなりにデフォルメされたテイストではあるものの、けっこう生姜のアクセントが強く、そこに個性が感じられました。

具材

もやしは入れてほしかったなぁ‥‥

4.0

味付豚肉はリアルな食感と風味に定評のある、東洋水産きっての肉具材で、たまたま今回は脂身が入っていない個体を引いてしまったようですが、しっかりとした赤身の歯触りは毎度おなじみ自然な質感。片や味付挽肉は比較的にジャンクな系統にあり、それでいてスパイシーな味付けとスープの相性はよく、食べ応えアップに寄与。ネギは汎用の青ネギですが、シャキシャキとした食感が歯触りのアクセントに効果的。

肉玉焼き味噌(チャーシュー3枚・煮玉子)

写真のラーメンは実際の「焼き味噌」に2枚のチャーシューと煮玉子(味玉)をトッピングしているので、かなり具沢山な状態ですが、ふつうの「焼き味噌」にも入っている中華鍋で炒めた “もやし” は「拉麺大公」において欠かせない存在。東洋水産が保持するバリシャキもやし(レトルト調理品)を縦型に搭載してくれとはいわないけれど、もやしは入れてほしかったです。

総評

4.0

「拉麺大公」の看板メニューを再現しているのに “もやしは入っていなかった” こと、加えて “麺の再現度が低かった” ので、すこし厳し目に評価してしまったのですが、生姜を強めに効かせた濃いめのスープは味わい深く、単純に「おいしい」か「まずい」かでいえば前者。タイミングとしては寒い冬にリリースしてほしかった思いもあるけれど、それはさておき悪い商品ではありません。

先日、お店の公式Twitterアカウントが “おそらく最初で最後ですので宜しくお願い致します!” と発表していましたが、葉山店主にはノンフライ麺を使った大判どんぶり型の商品も監修していただきたいところ。その機会があれば、次の商品化も楽しみにしています【author・taka :a(大石敬之)】

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