どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年5月28日(火)新発売のカップ麺、日清食品「東京油組総本店 油そば」ファミリーマート限定商品の実食レビューです。
東京油組総本店の「油そば」を再現した汁なしカップ麺が麺10%増量で再登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
東京油組総本店 油そば 2019年Ver.
2018年7月24日(火)にもファミリーマート限定・数量限定で発売されていた「東京油組総本店」監修のカップ油そばですが、今回も製造は日清食品が担当。2018年発売品と比較して麺10%増量のリニューアルを図り、ファミマ限定商品のカップ麺として再びリリースされました。
「東京油組総本店(とうきょうあぶらぐみそうほんてん)」とは、都内を中心に店舗展開している「油そば」の専門店で、2008年1月10日に開業した「赤坂見附組」(東京都港区赤坂)が1号店。王道を地で行く油そばを提供しているのですが、油そばの概念を覆すべく “ヘルシー” な印象を強くアピールしているのも大きな特徴です。
「油そば」とは、スープのかわりにタレと油、お酢やラー油を熱々の麺に絡ませて食べる汁なしラーメンの一種。同じジャンルの「まぜそば」よりもシンプルでトラディショナルな印象が強く、「東京油組総本店」の「油そば」は一般的なラーメンと比較してカロリーおよそ3分の2、塩分は約半分とのこと(※ラーメンのスープまで飲み干した場合との比較)。
運営母体は “大盛同一料金システム” を創り出した「つけ麺屋やすべえ」と同じ1983年11月21日創業の「株式会社サッポロ実業」で、お店の麺には東京・池袋に本社を構えるサッポロ事業グループの老舗製麺所「株式会社サッポロ製麺」(昭和21年創業 / 昭和38年3月26日法人設立)と共同開発した自家製麺を採用。
もちろん「東京油組総本店」の麺も「並盛り(160g)」「大盛り(240g)」「W盛り(320g)」すべて麺の量は同一価格となっているのですが、その自家製麺の味わいを最大限に引き出す東京油組総本店でしか味わえない「秘伝のタレ」もこだわりのポイントです。
そしてカップ麺のパッケージにも「ウマすぎる! クセになる濃厚醤油ダレ!」と書いてあるように、東京油組総本店の職人達が長年の歳月をかけて開発した「秘伝のタレ」を再現。2018年発売品(以下「前回」)のタレは実に穏やかな丸みを帯びたテイストで、一般的に塩気のカドが立つ傾向にある油そばのタレとは一線を画していました。
さらに実店舗で提供される油そばの「油」は特別に調合したもので、なんと脂肪燃焼効果が高く、ビタミンEやポリフェノール、アミノ酸も豊富に含んでいるとのこと。さすがにカップ麺で油の健康効果までは実感できませんでしたが、油そばらしく大量の油脂にはインパクトがあり、けれどもマイルドなタレが個性的で、前回このブログでは「上出来以上」の高評価を叩き出しています。
カップ麺では大量の油(脂)に塩気の弱いタレ、お酢の酸味も目立っておらず、ラー油のアクセントもピリ辛以下。かなり穏やかなテイストだったので、ちょっと締まりが無い印象が並行したりもしたんですけど、油脂の量以外に攻撃性のない仕上がりは実に個性的で記憶に残る一杯でした。
麺も油で揚げたフライ麺ではなくクオリティの高いノンフライ麺を実装、今回その麺が2018年発売品比10%増量ということで80gから90gになっているのですが、麺のクオリティは落ちていないかどうか、またタレの味や油脂の量、具材のラインナップなどに劣化はないか、前回との違いを意識しながら評価します。
開封
別添の小袋は先入れの「かやく」、後入れの「特製液体だれ」「きざみのり」の合計3袋で、かやくの小袋は紫から青に、きざみのりの小袋は黒からグレーに変わっていましたが、構成自体は前回から特に変更ありません。かなり特製液体だれの量が多く、また中身は豚脂(ラード)の含有量が多いため、お湯を注いだら待っている間にフタの上で温めてください。
麺は黄色味の強いノンフライ平打ち麺で、調理前の見た目は前回と同じような雰囲気。ちなみにフタの裏には店舗情報が記載されているのですが、2019年5月現在の国内店舗数22店、海外店舗数2店(どちらも台湾台北市)の合計24店舗を構え、「渋谷組」「池袋組」「銀座組」など、お店の所在地を示す店名に「○○組」とつくのも個性的な特徴ですね。
ファミリーマートの店内では特注のポップ付きで、新商品コーナーの中でも目立つ位置に陳列されていたのですが、ファミリーマート標準価格(希望小売価格)も前回と同じく239円(税込258円)となっています。ただし、2019年6月1日(土)以降は業界全体でカップ麺の値上げが行われるため、もしかすると発売日当日よりも値上がりしているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:東京油組総本店 油そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場・A(茨城県取手市清水667-1) 内容量:137g(めん90g) 商品コード:4902105250396(JANコード) 発売日:2019年05月28日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺(かんすい使用) スタイル:大判どんぶり型・カップ焼そばタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:小袋構成:3袋(特製液体だれ・かやく・きざみのり) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、植物油脂、大豆食物繊維、植物性たん白、チキンエキス、卵粉)、たれ(豚脂、しょうゆ、醸造酢、糖類、香味調味料、香味油)、かやく(味付豚肉、ねぎ、味付メンマ、のり)/ 加工でん粉、かんすい、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、炭酸Ca、香料、グリセリン、焼成Ca、カロチノイド色素、増粘剤(キサンタンガム)、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、香辛料抽出物、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・さば・大豆・ごま・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
先入れの「かやく」に入っているのは味付豚肉、ねぎ、味付メンマとシンプルな構成で、味付豚肉から甘辛い香りが漂ってくるのですが、これについても印象に変化のない内容です。それから麺は10%増量となっていますが、調理時間は前回と同じく熱湯5分、さらに必要なお湯の目安量も前回の440mlから変わっていませんでした。
熱湯を注いでからフタをして5分間、待っている間に「液体特製だれ」をフタの上で温めて、湯切りの後に液体特製だれを “よくもみほぐしてから” 投入し、全体を大きく混ぜたら「きざみのり」をトッピングして完成です。ちなみに「油組」で油そばを食べることを「給油」と呼び、公式が給油するとフォロワーの方から『給油おめでとう』と祝福される流れが生まれているそうですよ。
それでは、自宅でも “給油” できるのかどうか、また前回との違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(137g)当たり
熱 量:562kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺の量が80gから90gに増えたからといって、麺自体の質感に大幅な変化は生じておらず、原材料も変更なしで劣化は見られません。おそらくリニューアル前の「日清ラ王 ビリビリ辛うま 汁なし担々麺」と同じ三層ストレート麺で、全粒粉が練り込まれているわけでもなければ先進的なノンフライ麺でもありませんが、麺の中心部までギュッと詰まっている高密度な食感が魅力。
そんなに厚みのある麺ではないけれど、大豆食物繊維、植物性たん白、卵粉による独特の反発性が日清食品らしく、ノンフライ麺にチキンエキスを練り込んでいるのもメーカーの個性が現れているポイントですし、表面は滑らかでもタレとの一体感に問題はありません。ただ、ちょっとほぐれにくさが気になったので、湯切りの直前に “麺をほぐしてから” お湯を捨てるのがオススメです。
ちなみに実店舗で提供されているサッポロ製麺と共同開発した麺は、一粒の小麦から約6%しか取れない「アリューロン層」(糊粉層)という貴重な部位(もっとも栄養豊富とされる外皮の下部分で貯蔵たんぱく質を含む細胞の層)を多く取り込んでいて、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどを豊富に含んだ栄養価の高い小麦で作られているそうですよ。
たれ
タレの原材料は「豚脂、しょうゆ、醸造酢、糖類、香味調味料、香味油」とシンプルな内容で、その構成は前回から大幅に変わっていませんが、脂質の量が26.8gから25.9gに下がり、食塩相当量が4.4gから5.5gに上がっていて、きもち醤油ダレの輪郭がキリッと増したように感じます。けれどもタレは “食塩不使用” なので、舌を突き刺してくるほど鋭利な主張ではありません。
味の方向性は大きく変わっていませんが、麺の量を増やした分だけ濃口醤油の含有量を軽く見直しているような印象で、奥行きのある甘みが絶妙。前回はマイルド過ぎて起伏の無さが気になったりもしたのですが、こってりした油と存在感の強いノンフライ麺に対して醤油ダレのキレが適切に作用し、のっぺりとしたピンボケのイメージが払拭されました。
「油そば」は胡麻油を主体とした植物性のオイルが基本、「まぜそば」は豚脂(ラード)を主体とした動物性の油脂を使用している店舗が多いのですが、どちらかというと今回は後者で胡麻油の芳ばしい香りも目立ちませんし、ヘルシーで健康的なイメージもありません。まったくもって皆無w
しっかり混ぜた後も容器の底に余るほどの油、さらに密度の高いノンフライ麺が油を吸わないので、こってりオイリーでジャンクな油そばの醍醐味を最後まで楽しめます。あいかわらず醸造酢の酸味は弱く、ラー油も最初ちょっとだけピリッとしたくらいだったので、お酢やラー油でシンプルにアレンジすると、土台の魅力を損なうことなく味がピシッと引き締まって美味しいですよ。
具材
味付豚肉はハムみたいな食感のチャーシューチップなので、あまり情緒のある具材ではないですし、ネギは実店舗の薬味葱とは違う大きめにカットされたもの。味付メンマはコリコリとした食感が箸休めに嬉しく、その風味もシンプルなタレに合っていましたが、税込258円のカップ麺として値段に見合った内容ではありません。
しかし、刻み海苔の効果覿面。なんの変哲もない刻み海苔なんですけど、かなりタレがシンプルなので、磯の香りが映える映える。ちょっと量が増えたような気がしないでもありませんが、とにかく明太子スパゲッティの刻み海苔よろしく相性抜群、今回のカップ麺には欠かせないトッピングですね。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
満を持す復活を遂げたファミリーマート限定商品「東京油組総本店 油そば」ですが、2019年Ver.も自宅で「給油」可能です。麺10%増量による目立ったビハインドもなかったですし、麺増量によるタレの調整でピンボケ感が払拭される改良も見られたので、前回の総評から★ひとつプラスしました。油そばが苦手な方にはオススメできませんが、税込258円の価値は充分あるかと思います。
お店で人気のピリッとした辛味で味を引き立てる「辛味噌油そば」の再現カップ麺にも期待したいところですが、今回の「油そば」も無くなり次第終了の数量限定商品なので、気になった方は早めに最寄りのファミリーマートをチェックしてみてください。また、今回のシンプルかつ丸みを帯びた地力を活かすカップ麺のアレンジレシピも考えているので、しばらくお待ちいただけましたら幸いです。