どうも、taka :aです。
本日の一杯は、人気通販サイト「宅麺.com」の冷凍麺、「中華蕎麦とみ田 つけそば」の実食レビューです。
圧倒的な存在感を放つ千葉・松戸の行列店「中華蕎麦とみ田」の味が “そのまま” 家庭で味わえる!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コストパフォーマンスも踏まえて総合力の高さを判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
宅麺×中華蕎麦とみ田「つけそば」
「宅麺.com(たくめんドットコム)」とは、有名店で提供されているラーメン・つけ麺の味わいを “そのまま冷凍して自宅に届けてくれる” まったく新しいサービスとして話題になった通販サイトで、運営は井上琢磨(いのうえ たくま)氏が代表取締役社長を務める「グルメイノベーション株式会社」(2010年4月16日設立)。
カップラーメンなどの即席麺類をはじめ、生タイプのチルド麺や冷凍食品など、一般的な「○○監修」と名の付く再現商品には、たしかに監修者である人気店の代表等が開発に携わっています。その意見を取り入れ、OEM(下請企業への製造委託)も駆使しつつ、名店の味わいを意識しながら商品販売元メーカーの自社工場、または関連企業の工場で再現・製造するのが一般的。
しかし、「宅麺」は違います。最初に書いた “そのまま” というのは、文字通り “実店舗で提供しているスープを濃縮せずに冷凍” し、なおかつ麺や具材もそのまま冷凍。さらに冷凍しても風味を損なわない素材のみ使用する* 徹底ぶりで、お店の都合などで安定した品質を恒久的に提供できない商品は取り扱わないのもこだわり(* 一部の冷凍できない具材は自分で用意する必要があります)。
いつでも誰でも好きな場所で、あの行列に並ばなくても有名店の味が楽しめる——2010年7月のサービス開始以来、2018年には会員数10万人以上、年間15万杯の売り上げを記録。サイトの作りも丁寧で、醤油・豚骨・インスパイア系などのジャンル別検索はもちろん、超あっさり〜超こってり、超薄味〜超濃味、極細麺〜極太麺など、お店の情報に詳しくなくても自分の好みに合わせて商品を探せる、というのも嬉しい点。
もちろん今回の「中華蕎麦とみ田 つけそば」を製造しているのも総合食品メーカーではなく、商品を購入した際についてくる原材料表示欄には「心の味食品株式会社(千葉県松戸市松戸2304-7)」と明記。「心の味食品」とは、いわゆる「中華蕎麦とみ田」のセントラルキッチン的な場所で、この工場で製造した麺やスープを “実際に本店や直系グループ店で提供” しています。
「中華蕎麦とみ田(とみた)」とは、千葉県松戸市にある全国屈指の有名店で、創業は2006年6月5日。店主は言わずと知れた巨匠・富田治(とみた おさむ)氏、お店の特徴はゲンコツやモミジなどの厳選された素材を20時間煮込んだ超ど濃厚豚骨魚介スープと厳選国産小麦100%の自家製極太麺。それを味わうために1、2時間の行列待ちは当たり前、さらに長蛇の列は4時間待ちを超えたことも——
2019年9月14日現在、ラーメンデータベースでは99.750ポイント、食べログでも星4.09を叩き出す、そんな行列の絶えない超人気店の味を “ストレートに” 自宅で楽しめるのが「宅麺.com」唯一無二の魅力なのですが、もちろん手放しにメリットだけではありません。要冷凍のクール便で取り寄せなければいけないため、まず本体代金とは別に基本送料の900円(税別)が必要です。
「中華蕎麦 とみ田 つけそば」(ID:295)の販売価格は、麺量250gの並盛りが1食あたり960円(税別)。さらに宅麺.comでは基本送料900円に加えて “注文数ごとに120円の送料が加算されるシステム” なので、1食だけ注文した場合でも本体価格960円+送料・冷凍配送料・梱包手数料1,020円+消費税(8%)158円=合計2,138円(代引の場合は支払手数料+300円)と安くありません。
開封
しかし、お店に行くまでの交通費(電車賃・ガソリン代・駐車料金)はもちろん、なにより移動にかかる時間や行列の待ち時間を節約できるのが最大のメリット。「中華蕎麦とみ田 つけそば」のセット内容は、「麺」「具入りスープ」「作り方説明書」とシンプルで、包装にコストを注いだ様子は見られない、まさに中身で勝負の雰囲気ですが、そっと宅麺スタッフからの手紙が添えてあります。
宅麺に商品を注文したのは2019年8月15日、出荷は翌日の8月16日、手元に届いたのは8月17日の午前中と注文から2日後には到着(※交通状況などの都合により日時は前後します)。ただ、ひとつ注意したいのが賞味期限で、一般的な冷凍食品は製造日から約1年の長期保存が可能なのに対し、宅麺.comでの賞味期限は基本的に「商品発送日から40日間」と冷食にしては日持ちしません。
つまり賞味期限が短いということは、裏を返すと保存料などの添加物を使用していない “お店の味そのまま” だからこそとも言える期限。この記事でレビューする税別960円の「並盛り」は総重量520g(めん250g)、麺量350gの「つけそば 大盛り」は税別1,060円、麺量450gの「つけそば 男盛り」は税別1,160円、「中華そば」は麺量200gで税別910円と関連商品は全4種類。
2019年9月19日には「宅麺.com」の9周年記念限定商品として、富田治氏がプロデュースする “実店舗を持たないインターネット上限定” 店舗「松戸家系ラーメン とみ田家(とみたや)」を開店。宅麺9周年のためだけに、上質な国産ガラのみを使用した究極の家系ラーメンが限定発売される——と、ニュースサイトでも話題になっています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華蕎麦 とみ田 つけそば(ID:295) 販売者:宅麺.com 製造者:心の味食品株式会社 内容量:520g(めん250g) 実食日:2019年9月14日(土) |
麺の種類:冷凍麺 スタイル:冷凍食品(冷凍つけ麺) 包装材質:プラ 保存方法:要冷凍(-15℃以下) 調理時間:スープ 15分 / めん 6〜8分 小袋構成:内容物2袋(麺・スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】麺(小麦粉、玉子、オリゴ糖、かん水、加工でんぷん(打粉))具入りスープ(動物エキス(ポーク、チキン)、醤油、魚介エキス(鯖、煮干、鰹)、豚肉、砂糖、野菜エキス(長ネギ、タマネギ、生姜)、メンマ、醸造酒、ごま油、乾燥スープ、風味調味料、香辛料、調味料(アミノ酸等)甘味料(甘草)酸味料)(原材料の一部に小麦、大豆、牛肉、ゼラチン、ごまを含む) |
調理・実食開始
調理の際に必要な道具は、大きめの鍋2つ(麺用・スープ用)、ザル、どんぶり、ハサミで、これらは自分で用意しなければいけません。スープの調理時間は封を切らないまま袋ごと湯煎で15分、麺の茹で推奨時間は6〜8分、どちらも事前に自然解凍しておく必要はなく、冷凍状態のまま調理を開始してください(※電子レンジでの加熱調理は不可能です)。
もしも “1口コンロしかない” 場合、最初にスープを加熱。15分の湯煎が終わったら底の深い容器に熱湯ごと移し、麺を茹でている間は小袋を開封しないまま熱湯に浸した状態で保温。次に麺を茹でたらザルにあげ、麺の表面に発生しているヌメりを “必ず水洗いして” 取り除きましょう。
台湾まぜそばや釜揚げうどんは例外ですが、熱湯に溶け出て糊化した澱粉(ぬめり)を取らないとスープの味がボヤたり、また麺にコシも出ないので、「あつもり」(麺もスープも温かい状態)で食べたい場合でも “いったん麺を水洗いしてから” 再び熱湯をかけて温める(もしくは1〜2分ほど茹で直す)のが鉄則——なんですけど、今回そんなに滑りは気になりませんでした。
この記事では定番の「ひやもり」(麺は冷たくてスープは熱い状態)をレビューしますが、同じ商品を同じ日に複数個購入しているので、「あつもり」で食べてみた感想も踏まえつつ、麺は温・冷 “どっちが美味しい” のか、その違いも意識しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説していきます。
めん
使用している切刃は12番(うどん用 2.5mm)、断面は真四角にちかい太さの極太麺で、小麦粉は日本製粉と共同開発した「とみ田」専用の特選小麦粉「心の味」を軸に、「鳳鱗」と「跳粘」をブレンド。とりあえず推奨茹で時間6〜8分の中間(7分)を狙い、茹で上げ後しっかり冷水で締めてから盛り付けて、まず麺だけ食べてみたところ、芳ばしい独特の小麦感と甘味が実に味わい深くて舌鼓。
麺いっぽん1本の自己主張が強く、いっさい縮れのないストレート麺ですが、スープが濃厚なので麺が独り歩きすることはありません。噛めば噛むほど滲み出てくる計算された芳ばしい旨味と甘味、そして適度な塩気が絶妙で、つけ汁を使わずに何度も味わってしまったのですが、コシのベクトルは生麺より冷食感が強く、しなやかさに欠けるゴワつきと茹で足りないような粉っぽさが気になりました。
次に「あつもり」では、しっかり強火で8分茹でてから冷水で引き締め、再び熱湯の煮えたぎる鍋(※茹で汁ではなく新しいお湯)に冷やした麺を放り込み、1分30秒後の再沸騰からプラス30秒で合計2分間追加熱。そこまでしても茹で切れていない粉っぽさが気になったのと “ひやもりのほうが美味しかった” ので、9分30秒くらい茹でてからガッツリ冷水で締めてみた結果、そのくらいがベストかなと。
ただ、どうしても水道水の温度(季節)や火力、用意できる湯量(寸胴か片手鍋か)などの調理環境でも変わってくると思うので、とりあえず適切な茹で時間は片手鍋なら10分前後、容量3リットル以上の両手鍋で常に強火が可能なら8分前後で大丈夫かもしれません。
スープ
お店さながらの——というか、これ実際に「お店と同じスープ」なんですけど、いったん冷凍してしまう分どうしても素材の細胞が破壊されるため、いっさいのニュアンスなく100%完璧に復活するわけではありません。けれどもスープの袋を開封して直後に立ち上がる “ちょっと豚くさい香り” にハッとさせられ、いざ口に含んだ時の濃度や臨場感は、いわゆる店主監修の再現系スープとは別物。
動物系はゲンコツ(豚の大腿骨)とモミジ(鶏の足先)を20時間以上煮込み、カエシ(たれ)には茨木県産・兵庫県産・和歌山県産の希少な木桶仕込みの生揚げ醤油のみ使用。そこへ重ねる魚介は鯖(さば)と鰹(かつお)、さらに背黒煮干(片口鰯)を合わせた高濃度の魚粉で、かなり荒々しいザラついた舌触りなのに品を感じる風格もさることながら、内容量を量ってみると “240cc以上” で量も申し分ありません。
かなりドロッと高粘度でも増粘剤(増粘多糖類、キサンタンガム等)の不自然な粘性率ではなく、動物エキスと香味野菜、そして荒削りの魚粉によるナチュラルなトロミで、ふと香る柚子皮のアクセントも必見。これまで同店監修商品を10種類以上食べてきましたが、いずれのスープにも該当しない、ストレートスープならではの臨場感には感動を覚えました。
めん250gの並盛りだとスープが余ると思うので、食べ終えたらスープを手鍋に戻し、再度火を入れて温めなおしたら白ご飯を投入、最後に生卵を回し入れて “特製おじや” にするのが店主おすすめの食べ方だそうです。ただ、かなりスープが秀逸なので、素材の味を再び引き出すために、温かい白ご飯をシンプルに入れるのが最高の締め方かもしれません。
かやく
チャーシューは厚みのある豚バラ肉。いったん冷凍しているため、赤身の繊維質が加工済みの冷凍肉特有の食感に変わっていますが、レトルト系の缶詰チックな安っぽい風味などは気になりません。わりと大きめのチャーシューが2枚、味付けはスープに寄り添っていて、驚愕のコストパフォーマンスではないけれど、おまけ程度の頼りない肉具材ではありません。
メンマは極太の材木メンマで、長時間煮込んだような柔らかい食感。けれどもシャクシャクとした繊維質を絶妙に残し、その歯触りが心地よく、湯煎の効果もあってかスープとの一体感もバッチリ。たまにメンマが異様に塩っぱい店に当たることもありますが、「とみ田」のメンマは塩気が程よく風味の癖も控えめで、スープの味を壊さないのが利点。今回の場合、焼豚よりも印象に残る具材でした。
チャーシューの内容量は2枚で40g、メンマの内容量は2本で13g(具入りスープの総重量295g前後)、作り方に書いてあるオススメトッピングは “刻みネギ、味玉子、のり” となっているのですが、とりあえず今回の超濃厚スープに合わせる追加トッピングは「薄く輪切りにした白ネギ」がマストアイテムです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
2019年はセブン&アイグループ最上級PB初の冷凍つけ麺「セブンプレミアムゴールド 中華蕎麦とみ田 濃厚魚介豚骨つけめん」を食べて感動しましたが、いやはや実店舗のスープそのまま無稀釈ストレートは強烈ですね。行列に並ぶのは嫌、実店舗は遠くて気軽に行ける距離じゃない、そんな方でも実店舗の雰囲気が楽しめる、値段を加味しても納得の仕上がりで、大切な人への御進物にも誂え向き。
いくら本店と同じ麺でも “冷凍専用に作った麺ではない” というのが冷凍食品専門の大手メーカーに引けを取る箇所になりますが、プラス200円で麺1.8倍(450g)の「男盛り」とかになってくるとコスパ的にも悪くありませんし、お店の味をそのまま冷凍したスープの臨場感は見事。初めて調理する方は茹で時間に注意して、「中華蕎麦とみ田」×「宅麺.com」ならではの濃度をご家庭や職場で楽しんでみてください。