どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年11月26日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 マルホン太香胡麻油 とろみ塩ラーメン」の実食レビューです。
高級中華料理店も認める竹本油脂こだわりのごま油「太香胡麻油(たいこうごまあぶら)」を使用! しかし、平均売価105円前後の安いカップラーメンでも太香胡麻油の特徴は感じられるのか‥
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
サッポロ一番 マルホン太香胡麻油 とろみ塩ラーメン
今回のコラボカップ麺は、「サッポロ一番 マルホン太香胡麻油 とろみ塩ラーメン」と「サッポロ一番 マルホン太香胡麻油 とろみ醤油ラーメン」の2品同時リリースで、どちらもパッケージに「高級中華料理店も認める」と書いてあるのですが、竹本油脂のホームページでも紹介されている東京都渋谷区恵比寿「賛否両論」(店主・笠原将弘氏)のことかもしれません。
「太香胡麻油」とは、享保(きょうほう)十年(1725年)に創業した「竹本油脂」の看板商品で、ネット上にある口コミなどを調べてみても評判がよく、これまでにも何度かモンドセレクション金賞を受賞していたなぁ‥と思ったら、なんとモンドセレクション2018にて9年連続の金賞受賞となったようです。ちなみに私も以前、何度か使ったことがありました。
カップ麺のイメージ写真横にも「焙煎」と書いてあるのですが、太香胡麻油は浅めに焙煎してあります、なので、たとえば「かどや」の胡麻油と比較すると、そこまで香りは強くありません。有機溶剤を使った抽出は行わず、高い圧力だけで搾油する「圧搾製法」によって見た目は澄んだ琥珀色。特有の香味や風味が “穏やかで繊細” というのが大きなポイントで、和食などにも使えます。
「竹本油脂」とは、愛知県蒲郡市浜町に本部・工場を構え、食用油及び関連商品を製造・販売している創業290余年の老舗メーカーなのですが、その他産業用化学品の研究(各種界面活性剤・スペシャリティケミカルズ)も行っている二足の草鞋。
先ほども書いたように「太香胡麻油」は “浅く焙煎” されているのですが、それより少し濃い目のラインナップ「ゴールド」、じっくり焙煎した「濃口」など、また逆のコンセプトをいく「太白胡麻油」という “香らない” ごま油もあって、「太白胡麻油」は特に高級天ぷら油として高い評価を得ている一方、洋食やスイーツにも使える、オリーブオイルに匹敵するポテンシャルの持ち主です。
もし「太白胡麻油」をカップ麺に使ったら没個性になる恐れがあるので(たぶん香らないから気が付かないw)、焙煎仕立ての「太香胡麻油」なら分かりやすそうですが、前述した特徴を踏まえた上で評価しなければいけませんね。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
別添の小袋は「特製スープ」「調味油」「かやく」の3袋で、お湯を注ぐ前に開封するのは “かやく” のみ、特製スープと調味油は食べる直前に投入する後入れです。おそらく特製スープ(粉末スープ)にトロミをつける成分が含まれているはずなので、先に入れないように注意してください。
麺は縮れのある油揚げ麺で、見た感じ平々凡々よくあるタイプ。ただ、原材料名を確認すると「小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵、やまいも粉、糖類」となっているように、これは同社が製造している “やまいも粉” が特徴的な「サッポロ一番 塩らーめんどんぶり」と同じ構成ですね。
ちなみに最近のサンヨー食品が販売している新作カップ麺の製造所は「太平食品工業」が多かったんですけど、今回はカップ側面の下段左(賞味期限下)にある製造所固有記号が「Z」となっていました。これは、「千葉県」にある自社工場で製造したことを意味しています。
製品情報・購入価格
製品名:サッポロ一番 マルホン太香胡麻油 とろみ塩ラーメン 販売者:サンヨー食品 製造所:千葉工場(製造所固有記号 Z) 内容量:72g(めん55g) 発売日:2018年11月26日(月) 実食日:2018年11月29日(木) JANコード:4901734035824 希望小売価格:180円(税抜) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:どんぶり型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:360ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(特製スープ・調味油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵、やまいも粉、糖類)、スープ(植物油脂(ごま油、こめ油)、食塩、糖類、チキンエキス、香辛料、でん粉、野菜エキス、ポークエキス、しょうゆ、たん白加水分解物、魚介エキス(魚介類)、昆布エキス)、かやく(キャベツ、味付卵、人参、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、香料、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・やまいも・魚介エキス(魚介類)を含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・やまいも |
実食開始
まずは粉末スープを投入する前に、軽く麺をほぐしておきましょう。それから私は撮影のために粉末スープを一箇所に入れていますが、とろみ成分が含まれていたので、全体に満遍なく回し入れるように投入し、よくかき混ぜてください。(それにしても瞬時に溶けたので、かなり焦って撮影しましたw)
とりあえず30秒以上は混ぜ続けていただきたいのですが、実際に調理してみたところ、1分も混ぜたら充分ですね。まずは1分間かき混ぜ続け、さらに粘度が上がらないか続けて1分(計2分)混ぜてみたんですけど、それ以上粘度は上がりませんでした。
で、仕上げの調味油ですよ。これを投入した瞬間、ぱぁ‥っと華やかな胡麻油の香り。太香胡麻油の特徴的に、もうちょっと香りを抑えてくるかと思っていたのですが、なんのなんの‥ちょっと食後は部屋が胡麻油のニオイになるかもしれないw
さて、完成です。これといって特別なラインナップではないものの、赤・黄・緑と色のバランスがよく、それにしても胡麻油の香りが素晴らしい。スーパーやドラッグストアなどであれば発売日から税込105円で購入できるようなカップ麺なので、それも踏まえた上で評価しますが、ここまで香りが強いとは思いませんでした。
それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(72g)当たり
カロリー:334kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:334kcal(めん・かやく:255kcal)(スープ:79kcal) |
めん
表面につるみがあり、粘りのあるもちっとした食感のめんは、ちぢれをつけることによりスープがよく絡みます。
(出典:サンヨー食品「製品情報」)
丸刃でカットされているオーソドックスな油揚げ麺で、調理前や調理中(「調味油」投入前)は、それなりに油揚げ麺特有のニオイが気になったんですけど、実際に食べている間は胡麻油の香りが勝つため、それが表立って主張してくることはありません。もちろん皆無というわけではありませんが、カップ麺らしくて心地よいと思えるバランスでした。
おそらくカップ麺の「サッポロ一番 塩らーめん」(どんぶり型カップめん)に使用されている油揚げ麺と同じだと思うんですけど、ちょっと耐久性が増したかもしれません。これは室温などの調理環境にもよるのですが、 “3分きっちり待つ、しっかり1分かき混ぜる” この段階で食べ始めると適度なコシが楽しめます。
とろみのあるスープは保温性が高く、もともと食感の持久力も特筆して高いわけではないので、それなりの湯伸びを見せますが、わりと中盤になっても適度に弾力が残っていて、食べ応えがないなぁ‥ということはありませんでした。あまりスープを激しく選ぶタイプではありませんし、今回は塩味のスープなので、もとより相性がいいですね。
スープ
チキンのうまみに野菜や魚介のうまみを合わせた、とろみのある塩味です。「マルホン太香胡麻油」の豊かな風味が特徴のとろみのあるスープに仕上げました。
(出典:サンヨー食品「製品情報」)
動物系の旨味はチキンをベースにポークがサポート的に組み込まれ、もっと優しいテイストを想像していたのですが、思いのほか塩気は強く、これなら味気ないと感じることはないでしょう。むしろ、薄味派の方にとっては濃すぎるテイストになるため、少し熱湯の量は注意したほうがいいかもしれません。(※追加の熱湯で薄めたら粘度は下がってしまうのですが‥)
とろみは確かにあるけれど、あんかけクラスの高粘度スープではありません。しかし、わざとらしくない自然な粘性率は素直に印象がよかったことと、これ以上に強いと太香胡麻油がボヤけてしまいそうだったので、とろみの加減については絶妙だと感じました。
味を端的に例えると中華風の塩スープで、たとえば「味覇」などの万能中華調味料に通じる、やや化学調味料頼みというか、取って付けたような味というか‥でも、調味油が素晴らしい。「こめ油」もブレンドされているのですが、もう投入した瞬間から胡麻油! それでいて淡い色合いや洗練された風味は「太香胡麻油」の個性を的確に打ち出している、これで途端に印象は大きくプラスに傾きます。
かやく
キャベツのシャキシャキとした食感とねぎの香りが食欲をそそり、かき卵の風味がスープとよく合い、おいしさをいっそう引き立てます。人参を加えて彩りよく仕上げました。
(出典:サンヨー食品「製品情報」)
キャベツはザクザクとした食感で食べ応えがあり、加えて野菜の甘みが塩気の強いスープの中でオアシス的な役割を果たしていたので、過不足なく好印象。かき卵は混ぜると散り散りになってしまうのですが、中華風のスープと相性が良く、これまた好印象。ただ、そんなに多くはないですね。
人参はコリコリと歯応えが強めで、ネギもシャキッとした歯触りから存在感はあったんですけど、欲を言うなら青梗菜、きくらげ、椎茸、人参、かき卵がよかったかなぁ‥とはいえ税込105円で購入できるラインのカップ麺になるので、あくまでも欲を言えばです。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(4)
(標準は★3です)
麺はオーソドックスで平凡、具材のラインナップも特筆すべきものはなく、スープのベースも万能中華調味料系をイメージさせる中華風しおラーメンの雛形的なものでしたが、「太香胡麻油」をイメージさせる胡麻油の存在感が凄まじく、これによって記憶に残るカップラーメンに仕上がっていました。
胡麻油でアクセントを付ける製品は多くても、ここまで主役級なのは少し珍しいですし、繊細で柔らかく、それでいて確かに芳醇な胡麻油の香りは実に分かりやすくてよかったです。あくまで想像の範疇に過ぎませんが、もし「かどや」の胡麻油とコラボしていたら、もっと焙煎したような香りが強かったでしょうね。
しかし、あえて米油をブレンドしているような雰囲気で、それは一見して明白に胡麻油、なのに芳ばし過ぎない配合に「太香胡麻油」の個性が見えました。驚きの感動が得られたり超コスパに優れた製品というわけではありませんが、100均やワゴンセールでゲットできるタイプのカップ麺なので、ごま油が好きなら試す価値ありです。ただ、やはり食後は部屋の中が胡麻油の香りになったのでw ごま油のニオイになっても問題ないところで召し上がってください。