どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年9月24日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 大砲ラーメン とんこつまぜそば」の実食レビューです。
大砲ラーメン初の汁なしカップ麺
どんぶり型カップの「昔ラーメン」は通年商品として店頭に並んでおり、期間限定のタテ型カップも何度か明星食品からリリースされているのですが、おそらく今回が大砲ラーメンとのコラボで初の汁なしカップ麺になるかと思います。
「大砲ラーメン」は、豚骨発祥の地・久留米に本店を構えるラーメン屋さんで、昭和28年の創業以来、決して釜を空にすることなく頑なに守り継がれてきた “呼び戻し” という技法を用いたスープが特徴とされています。つまり、およそ半世紀も継ぎ足し継ぎ足し煮込まれ続けてきたわけですね。
ってことはガス代の総額いくらだ‥?などと私なんぞは考えてしまったのですが、これまで地震や台風などの天災にも見舞われただろうに1度も釜を空にすることがなかったなんて、並みの管理能力じゃありません。そんな「大砲ラーメン」にて、お店では提供されていなかった “まかない” の「まぜそば」がカップ麺で再現されました。
「大砲ラーメン特製ピリ辛マー油入り」と書かれていますが、どんぶり型のカップ麺には入っていません。しかし、何度か発売されてきたタテ型では調味油として別添されており、なかなか個性的だったんですよね。
開封
小袋の構成は、「液体ソース」と「あとのせかやく」の2袋で、両方とも後入れ。キャベツは最初から入っています。とんこつラーメンに合う細麺ではなく、まぜそば仕様と思われる熱湯5分の油揚げ麺ですが、ここ最近の明星食品が作る汁なしの太麺は秀逸ですから安心ですね。
反面、数年前と比較して豚骨は大人しくなってしまったので、それに関しては “呼び戻し” を感じられるほど太いのかどうか、実際に食べてみないことには分かりません。というわけで、しっかりレビューいたします。
製品情報・購入価格
製品名:明星 大砲ラーメン とんこつまぜそば 製造者:明星食品 内容量:163g(めん130g) 発売日:2018年9月24日(月) JANコード:4902881419420 希望小売価格:218円(税抜) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:プラ(PS) 必要湯量:770ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体ソース・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、粉末油脂、ソース)、ソース(豚脂、しょうゆ、糖類、香味油、ポークエキス、食塩、たん白加水分解物、香味調味料、香辛料)、かやく(キャベツ、豚・鶏味付肉、ごま、香辛料、ニラ、ねぎ、のり、紅しょうが)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、かんすい、香料、セルロース、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、酸味料、カロチノイド色素、炭酸マグネシウム、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・りんご |
実食開始
1食(163g)当たり
カロリー:740kcal |
めん
ソースに良くなじむソフトな表面で、かつ中心は弾力のある太麺です。
(明星食品「ニュースリリース」より引用)
最近の熱湯5分は極太麺が主流となっていて、とにかく超むっちり系の粘り気が個性となっていたのですが、今回は幅が狭く、極太麺ではありません。細麺でもありませんが、まぜそばを基準とすると細めの部類に入るのではないかと思います。ただ、弾力の層が面白いですね。
たしかに表面はソースの馴染みがよく、ソフトな口当たりなのですが、やや中心部には芯のある歯応えが残っており、でもそれは戻り切らなくて硬いだけ‥ではありません。確かな弾力と適度な粘り気を備えつつ、どちらかというと歯切れのいい粉っぽさが残っているんです。
まったく博多系の極細ストレート低加水麺とは異なりますが、中心部の歯ごたえにルーツが見られなくもない、しかも油揚げ麺特有の風味も控えめ。あぶらそばらしい食べ応えに加えて麺単体としての質も高く、個性も感じさせてくれました。これはソース焼そば系よりも、まぜそばとか油そばに合うタイプですね。今回のソースとも違和感なく、相性バッチリでした。
ソース
ポークエキスにガーリックと濃口醤油を合わせたタレに、大砲ラーメン特製のマー油 (マー油にラー油を合わせたもの) を加えた、こってりとして、ガツンとくる味わいのとんこつソースです。大砲ラーメンらしい強いとんこつの香りとピリ辛味が特長です。
(明星食品「ニュースリリース」より引用)
ひと口目から唇てっかてかのグロス状態で、完全に油そばの領域です。食塩相当量6.2gという数値に身構えていたのですが、かなりオイル感が強いので、そこまで塩気のカドはネガティブではありません。またニンニクも強めに効いており、ピリッとしたラー油の刺激が後味を引き締めます。
豚骨の骨っぽさは強くありませんが、豚脂とポークエキスによって動物系の旨味は厚く、液体ソースを麺に馴染ませている時は特に “とんこつラーメンのスープに近い香り” が漂ってきました。ソースの色は驚きの黒で、麺に馴染ませた後の色も何味か戸惑うようなビジュアルですが、太い豚骨と黒マー油のアクセントにより、なるほど “とんこつまぜそば” です。
醤油は薄口ではなく濃口(濃口のほうが薄口よりも食塩相当量が低い)、また食塩の含有量も低めなので、しっかり味でも塩っぱいタイプではありません。わざとらしくない糖類の主張が豚骨の甘味を彷彿とさせる、ありそうでなかったソースですね。黒マー油よりもラー油が手前だったので、強烈な黒マー油の芳ばしさやホロ苦さに期待すると物足りないかもしれませんが、きっちり個性は伝わってきました。
かやく・あとのせかやく
かやく:やわらかなキャベツです。
あとのせかやく:ニラ、肉ミンチ、ゴマ、紅ショウガ、ネギ、海苔、ブラックペッパーを組み合わせました。
(明星食品「ニュースリリース」より引用)
キャベツは「一平ちゃん夜店の焼そば」に使われるタイプの柔らかい食感だったので、これといって特に書くこともないのですが、意識的に拾って食べると油脂の強いソースの中でインターバルになります。
あとのせかやくの肉ミンチは最初に食べると「カリカリ背脂」に似た効果が得られるのですが、わりと早い段階から湿気てくるので、途中から脇役。紅生姜も量が少なく、そんなに目立っていませんでした。しかし、ニラとネギ、ごま、海苔、ブラックペッパーは効果絶大。
ニラとネギは後入れすることで風味が際立ち、ジャンクなタレと相性抜群。海苔は磯の香りで変化をもたらし、味に抑揚が生じます。ブラックペッパーの刺激はピペリンなので、ラー油のカプサイシンとタイプは異なるのですが、刺激の相乗効果が得られ、むしろ刺激に関してはブラックペッパーが上かもしれません。
さすがに強烈な油脂によって大盛りだと後半に飽きてきそうな重厚感だったんですけど、多めのブラックペッパーがプラスされることで後味のキレも明白になるため、油そばに免疫があれば最後まで飽きずに食べられると思います。また胡麻の芳ばしい食感と風味も存在感が強く、豚骨の効いたソースとの相性は言うまでもありませんよね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(5)
※2019年7月29日発売「明星 大砲ラーメン とんこつまぜそば(2019)」もレビューしているので、よろしければあわせてご覧ください。この記事で紹介した2018年発売品と比較して、中身は変わっていなす。
動物油脂が中心のソースは重たかったのですが、豚骨スープを彷彿とさせる香りとシンプルな旨味は印象に残り、また黒マー油+ラー油のアクセントとブラックペッパーの刺激が後味を引き締めて個性を演出。油揚げ麺でも油臭くない麺もクオリティが高く、あとのせかやくの賑やかなアクセントによって総合力の高いカップまぜそばに仕上がっていました。
動物油脂が苦手な方は近付かないほうが安全ですし、強烈な黒マー油の主張に期待すると物足りないかもしれませんが、ありそうでなかったテイストは一見の価値ありですよ。最初はソースだけでマイルドな豚脂とポークエキスの味を楽しみ、あとのせかやくは途中で味を変える感覚で投入することをオススメします。あとのせかやくの中身は、どれも乾燥状態が美味しかったので、一気に入れず何度かに分けて入れるのがいいかもしれません。