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池袋大勝軒監修「中華そば」をワンタン入りのカップ麺で再現!!丸長のれん会から “大勝軒の歴史” も解説

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エースコック

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年9月28日(月)新発売のカップ麺、エースコック「タテロング 池袋大勝軒 ワンタン中華そば 大盛り」の実食レビューです。

老舗ラーメン店「大勝軒」で創業当時から提供されている「中華そば」をカップラーメンにアレンジ!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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池袋大勝軒 ワンタン中華そば 大盛り

東池袋大勝軒(ひがしいけぶくろたいしょうけん)とは、つけ麺の元祖「特製もりそば」の考案者であり “ラーメンの神様” と謳われた故・山岸一雄氏[1934年(昭和9年)4月28日 – 2015年(平成27年)4月1日]が独立開業したラーメン店で、1961年(昭和36年)6月6日の創業以来、今もなお多くの店に影響を与え続けています。

多くの方に慕われた山岸一雄氏

「大勝軒」の歴史は、1951年(昭和26年)12月まで遡り、長野県出身の日本そば職人・坂口正安氏が旧中野区橋場町(現在の東京都中野区中央5丁目バス停前)で開業した大勝軒(現「中野大勝軒」)が1号店で、屋号の由来は “大きく軒並みに勝る” という想いに因んだもの。さらに遡ると杉並区荻窪4丁目にある「丸長(まるちょう)中華そば店」が源流で、坂口氏は “丸長のれん会” 創業メンバーの1人でした。

「丸長中華そば店」とは、長野県の日本そば職人だった青木勝治氏が兄弟の保一氏・甲七郎氏と親戚関係にある坂口正安氏・山上信成氏の5人で始めたラーメン店で、1947年(昭和22年)12月に共同経営するかたちで杉並区荻窪4丁目に開業。創業者の1人である青木勝治氏がラーメンに日本蕎麦の技法を取り入れた結果、日本で初めてラーメンのスープに魚介出汁を使うなど、当時主流だった中華系スープとは違う革新的な一杯を実現。

その後、1959年(昭和34年)に設立された日本最古のラーメンのれん会 “丸長のれん会” の初代会長となる青木勝治氏が「丸長中華そば店」の代表を務め、1950年(昭和25年)以降に「丸長」の共同経営者だった青木兄弟の次男・青木保一氏が「栄楽」(後の「丸長 阿佐ヶ谷店」)を開業。その弟である三男の青木甲七郎氏が「栄龍軒」を立ち上げ、さらに山上信成氏が「丸信」を開業するなど、丸長の創業メンバーは次々に独立。

つけ麺のルーツは日本最古のラーメンのれん会

同じく坂口氏も独立開業するために「栄楽」で修行を積んでいたところ、幼い頃から坂口氏のことを “兄貴” と慕っていた従兄弟の山岸一雄氏が上京。当時16歳だった山岸氏は旋盤工(せんばんこう)として働いていたそうですが、坂口氏が山岸氏を「栄楽」に招き入れ、若くて身体の大きかった山岸氏は力作業の製麺を任されることになり、これが後に唯一無二と謳われる自家製麺の礎になります。

1951年(昭和26年)に「栄楽」で修行を終えた2人は初代「大勝軒」を立ち上げ、その3年後となる1954年(昭和29年)に代々木上原で2号店をオープン。以降は代々木上原の大勝軒を本店とし、山岸氏は中野大勝軒の店長を任され、当時から店の賄いとして食べられていた「つけそば」を山岸氏が正式に商品化。1955年(昭和30年)4月、日本蕎麦を “盛り蕎麦” と呼ぶ伝統に倣い、つけ麺の元祖「特製もりそば」が誕生しました。

来たる1961年(昭和36年)6月6日、山岸氏が「大勝軒」最初の暖簾分けとして「東池袋大勝軒」を独立開業し、つけ麺ブームを牽引した「特製もりそば」を筆頭に人気を博していましたが、2007年(平成19年)3月20日に区画整理のため閉店。しかしながら山岸氏の指名により、現在の二代目店主に就任した飯野敏彦氏の手によって、2008年(平成20年)1月5日に創業店から100mほど離れた場所で復活を果たした東池袋大勝軒。

2008年に復活を果たした東池袋大勝軒の外観

そんな歴史の深い「東池袋大勝軒」の創業当時より、いま現在も本店で提供されている「中華そば」を大盛り&自慢のワンタン入りで再現したのが今回の「タテロング 池袋大勝軒 ワンタン中華そば 大盛り」で、エースコック曰く “創業者・山岸一雄氏から綿々と受け継がれる「大勝軒」ならではの「こころ」と「歴史」を感じられる一杯” に仕上がっているとのこと——

開封

調味油の小袋は珍しくフタの上に別添

さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「調味油」が1袋。エースコックの縦型カップ麺に小袋が付属する場合、十中八九の確率で最初から容器の中に入っているため、いつも粉末スープまみれの小袋を取り出す作業から始めないといけないのですが、おそらく今回はワンタンの破損を防ぐために、わざわざフタの上に貼り付けてあるのだと思います。

ワンタンの数は3個

とうわけで今回は破損していなかったワンタンですが、数は3個と大量に入っているわけではなく、しかしながら数としては平均的。ただ、色調の良いナルトやネギ、程良く味付けしたメンマのサイズは小さく、量も多くありません。ちなみにエースコックのカップ麺に入っているワンタンは、2018年8月頃から皮の波打つ部分が極端に戻りにくくなっているため、そこが不安なポイント。

エースコックが設定しているメーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入した場合の税込価格は232円(2020年10月現在)となっており、コンビニ大手4社の中では「ローソン」「ファミリーマート」「セブンイレブン」での取り扱いを確認。実は2018年11月12日にも大勝軒監修のもと “まったく同じ商品名のカップ麺を発売している” ため、今回が初の商品化ではありません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:タテロング 池袋大勝軒 ワンタン中華そば 大盛り
製造者:エースコック株式会社 関西滝野工場
製造所:兵庫県加東市河高1816-175(W)
内容量:96g(めん80g)
商品コード:4901071246914(JAN)
商品サイズ:111×111×118mm
発売日:2020年09月28日(月)
実食日:2020年10月04日(日)
発売地域:全国(スーパー・コンビニ等)
取得店舗:コンビニ(ファミリーマート)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:紙
湯量目安:430ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:1袋(調味油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、砂糖、しょうゆ)、スープ(食塩、動物油脂、植物油脂、砂糖、魚介パウダー、ポーク調味料、香味油、粉末しょうゆ、酵母エキス、たん白加水分解物、粉末酢、香辛料、カツオ調味料、メンマパウダー、でん粉、卵白粉)、かやく(ワンタン、なると、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、紅麹色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

麺はインスタント感の強いフライ麺を採用

麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。今回も「大勝軒」が掲げている “量もおいしさのうち” という信念に基づき、麺の量は縦型カップ麺における大盛り仕様の80gとなっています。お湯を入れる前からエースコック特有の油揚げ麺臭が強いため、これも魅力と捉えるか否かで評価も変わってくると思うのですが、割り切ればネガティブな香りではありません。

かならずワンタンの上から熱湯を注ぐこと!!

あとは熱湯を注いで5分待機、別添の調味油は後入れなので、待っている間に小袋ごとフタの上で温めた後、食べる直前に加えます。それから縦型カップの構造上、どうしてもワンタンの皮が戻りにくくなっているため “かならずワンタンの上から熱湯を注ぐように” 留意してください。

ちなみにエースコックと大勝軒のコラボ歴は長く、2003年(平成15年)4月21日に発売された初のカップラーメン「こころの一杯 池袋大勝軒 中華そば」から始まり、今回の「池袋大勝軒 ワンタン中華そば 大盛り」でカップ麺は第33弾、即席袋麺もカウントすると第37弾のタイアップ商品。ひとまずワンタンの戻り具合に注目しながら「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(96g)あたり
カロリー:410kcal
たん白質:8.9g
脂  質:13.5g
炭水化物:63.2g
食塩相当量:6.2g
(めん・かやく:1.8g)
   (スープ:4.4g)
ビタミンB1:0.44mg
ビタミンB2:0.49mg
カルシウム:282mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:410kcal(めん・かやく:357kcal)(スープ:53kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

スープとの一体感は高いけど‥‥

3.0

東池袋大勝軒で提供されている伝統の「中華そば」には、様々な工夫から納得の味わいを生み出したという自家製の “多加水卵中太麺” を使用しており、つるりとしたソフトな口当たりと確かなコシを両立した食感が特徴とのこと。また塩分を含んでいる灌水(かんすい)の比重が低いため、身体に優しい麺であることも売りにしています。

品質は旧世代系

対する今回の油揚げ麺もソフトな食感かつ滑らかな口当たりで、食べ始め直後は適度にコシがあり、平打ちの縮れ麺という形状からスープとの一体感も高いのですが、2018年11月発売品と同じく弾力に持久力はありません。ノンフライ麺と違って健康に配慮した麺ではないですし、けっこう太めのサイズに反して開封から約3分後には柔麺に変わりました。

前述のように麺とスープの一体感は申し分ないのですが、調理前の香りに比例して油揚げ麺の風味が強く、本格的かインスタント的かでいえば全力で後者。これぞ東池袋大勝軒の本店では味わえない、カップラーメンならではの魅力ではあるものの、とりあえず柔らかめに仕上がることを念頭に置いて、あらかじめ割り切って食べる必要があるでしょう。

スープ

素朴な味わいでホッとする

4.0

東池袋大勝軒のスープは、げんこつ・豚足・鶏などをベースに挽肉の旨みと甘みを重ね、さらに煮干しやサバ節・魚粉といった海の幸をブレンド。魚の風味とコクを豊かに活かした動物系×魚介系のスープを基本とし、特製もりそば用のスープには醤油と甘酢を加え、あっさり感をプラスしているそうです。

対して今回の粉末スープは魚粉の主張が強く、サバや鰹に由来する膨よかな節の旨みを中心に、そっと煮干しのシャープな旨みを重ね、微粒子レベルでありながら粉っぽさを感じる舌触り。調味油を加える前のスープに動物系の旨みは目立っておらず、圧倒的に魚介(魚粉)が優勢で、ほんのり醸造酢の酸味とメンマパウダーのアクセントが素朴で奥行きのある味わいを演出。

粉末スープは魚介系 / 調味油は動物系

粉末スープでは目立っていなかった動物系の要素ですが、調味油を加えると一変。調味油は動物油脂を中心に構成されており、粉末スープでは出せない芳醇な香りが漂います。粉末スープに魚介系の旨みを担当させ、調味油に動物系の旨みを任せている、けっこう極端な采配ではあるものの、それだけに分かりやすいフレームワークでした。

具材

お、ワンタン改善

4.0

ねぎ、ナルト、メンマに関しては、エースコックが販売している他のカップ麺にも使用されている汎用の具材なので、新鮮味はありません。前述のように量も多くなければサイズも小さいため、特別なラインナップではないものの、ねぎとナルトで彩りがよく、小さなメンマも強めの風味とコリコリした食感で箸休めには効果的。

ワンタンは改善されたが破れやすいので注意

熱湯を注ぐと麺が迫り上がってくるため、メイン具材のワンタンは熱湯を注いで5分間、ほとんど蒸らされている状態ですが、以前のように皮の繋ぎ目が戻らないままパッキパキ——などということはなく、すこし沈めてケアしてやれば問題ありません。そのため改悪後のワンタンよりも破れやすくなってしまったのですが、明らかに戻りやすくなったのは改良だと思います。

総評

★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3+)

2018年11月発売の「タテロング 池袋大勝軒 ワンタン中華そば 大盛り」は、けっこうスープの塩気が強く、エッジの効いたスープに対して頼りなかった麺の食感がアンバランスだったのに対し、今回そういった不満要素はなかったのですが、食感の耐久性に乏しい麺の仕上がりは2018年11月発売品と共通のネック。

ワンタンの戻り具合が改善されたことに加えて魚粉の主張が強い素朴なスープも味わい深かった反面、結果的に残った印象は “ふつうにおいしい” でした。もちろん悪い意味ではなく、いい意味で “ふつうにおいしい” だったのですが、2021年6月6日に「東池袋大勝軒」が創業60周年を迎えるため、次回は本格的なノンフライ麺を使って伝統的な味わいを再現、もしくは数年振りにカップ麺で「元祖つけめん」を復活させてほしいです。

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