どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年12月16日(月)新発売、エースコックのカップ麺「超大盛りスーパーカップ2.0倍 豚骨醤油ラーメン 関西風から関東風」(348円+税)の実食レビューです。
この一杯で東西ご当地一気食い!? 半分食べて、味チェンジ。1度で2度おいしい「超大盛りスーパーカップ」第2弾!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
超大盛りスーパーカップ2.0倍 関西風から関東風
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップ麺の牽引役として重要な位置を占めているブランドで、その道を切り拓いたパイオニア。人がハッキリと違いを意識するのはルート2以上である、つまり麺の量を1.414倍以上に増やせば差別化を図れるのではないか。その計算を裏付けとする「ルート2の法則」に基づき、通常サイズ対比1.5倍が大盛りの適量と定義されたのですが‥‥
今回の新商品「超大盛りスーパーカップ2.0倍 豚骨醤油ラーメン 関西風から関東風」は、即席カップめん業界における通常サイズ(めん60g)対比1.5倍(めん90g)あらため2.0倍(めん120g)の超大盛りサイズを実現させた「スーパーカップ」の新作で、見るからにデカいボリューム感についてはもちろん、注目すべきは「半分食べて、味チェンジ!!」の訴求。
半分食べて味チェンジできる「超大盛りスーパーカップ2.0倍」といえば、今年9月30日にリリースされた「超大盛りスーパーカップ2.0倍 タンメンカラタンタンメン」が記憶に新しいところ。それは「タンメン」から「担担麺」に味が変化する仕様だったので、まだ比較的にイメージしやすかったんですけど‥‥
第2弾は「豚骨醤油ラーメン」を題材に、前半(液体スープ+かやく入り粉末スープ)は “ポークをベースにオニオン、ガーリックなどをバランスよく加えた関西風の豚骨醤油スープ„ が楽しめるらしく、後半(ふりかけ)の味変後は “魚介の風味が広がる関東風の豚骨醤油スープに変化„ とのこと。
またパッケージには関西と関東の風景をデザインし、新幹線のイラストと「ご当地TRIP」の旅情感を重ねることで、関西風から関東風に一瞬で変わる “東西ご当地一気食い„ を訴求しているわけなんですけれども、西日本風ではなく関西風の豚骨醤油=和歌山の中華そば(和歌山ラーメン)→ 関東風の魚介豚骨醤油=またおま系にチェンジする感じ?
エースコックの公式ウェブサイトや商談用と思しき資料のコメントを調べてみても、ご当地ラーメンの名前までは記載されていなかったので、和歌山の中華そば → またおま系の考察は私個人の見解に過ぎませんけど、そんなふわっとした状態でも旅行気分が楽しめるのか、エースコックの手腕が問われるところ。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく入り粉末スープ」に、後入れ「液体スープ」と「ふりかけ」を組み合わせた計3パック構成で、液体スープは食べる直前に使う仕様。ふりかけは “半分食べて、味チェンジ„ するときに使うため、その通りに調理します。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。エースコックのニュースリリースには “適度な弾力のある角刃のめんです。程良く味付けを行い、スープと相性良く仕上げました„ としか記載されていないため、超大盛りスーパーカップ2.0倍のために新開発したわけではない様子。この時点で同社の揚げ油に由来する特有のニオイが漂ってくるので、そこはスーパーカップらしいなと。
ちなみにメーカー希望小売価格は「タンメンカラタンタンメン」と同じ348円(税別)に設定されているのですが、現在の基準で計算すると標準サイズ(236円+税)と大盛りサイズ(271円+税)の価格差は15%。さらに既存の「スーパーカップ1.5倍」は240円〜271円(税別)を希望小売価格の基準としているため、ちょっと割高? もちろん仕上がり次第ですけど、手放しに安いとは思えない値段。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:超大盛りスーパーカップ2.0倍 豚骨醤油ラーメン 関西風から関東風 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816−175) 内容量:152g(めん120g) 商品コード:4901071406097(JAN) |
発売日:2024年12月16日(月) 実食日:2024年12月17日(火) 発売地域:全国 小売価格:348円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:寸胴型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:650ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(かやく入り粉末スープ・液体スープ・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、ポークエキス、豚脂、植物油脂、発酵調味料、ポーク調味料、たん白加水分解物、チキンエキス、ガーリックペースト、果糖ぶどう糖液糖、酵母エキス、香味油、食塩)、かやく入りスープ(食塩、鶏・豚味付肉そぼろ、たん白加水分解物、酵母エキス、ポーク調味料、ねぎ、粉末しょうゆ、ポークエキス、チキン調味料、コラーゲン、香辛料、オニオンパウダー、乳化油脂、魚介調味料)、ふりかけ(乳化油脂、ポーク調味料、魚介パウダー、砂糖、魚介エキス、ポークエキス、メンマパウダー)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、カラメル色素、香料、増粘多糖類、かんすい、重曹、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく入り粉末スープ」のみ先入れで、かやくの内容は “程良く味付けした肉そぼろ、色調の良いねぎ„ のみ。まともな肉そぼろなら少し評価も上がってきますけど、この歪な見た目はスポンジみたいな食感の虚無そぼろ(このネーミングいいな、我ながら)なので、348円(税別)の商品に使われる肉具材としてはイマイチと評価せざるを得ません。
あとは「かやく入り粉末スープ」を溶かしながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。時間になったら「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら “関西風„ の出来上がり。この時点で感じる香りはカップラーメンの豚骨醤油ど真ん中というか、関西ならではの臨場感は可も無く不可も無しに思えますけど、エースコックが本社を構えているのは大阪府吹田市。
‥‥いや、さすがにフォローの仕方が強引すぎますね。はたして実際の味わいに関西風と思える個性は備わっているのか、そして味チェンジ後は関東風と思えるのか、さらにコストパフォーマンス的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ・ふりかけ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(152g)あたり |
カロリー:633kcal たん白質:16.1g 脂 質:23.0g 炭水化物:90.4g 食塩相当量:9.1g (めん・かやく:2.5g) (スープ:6.6g) ビタミンB1:0.61mg ビタミンB2:0.71mg カルシウム:476mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
途中までは★4だった
エースコックが関西風ご当地ラーメンの定義を明確に開示していないため、勝手に「和歌山」と比較して評価するのは的外れになっちゃうのかなと。そんなことを思いつつ、あえて比較するのであれば、和歌山の中華そばに使われる加水率が低いストレート麺とは別物で、なかなか反発性が強く、しっかり噛み込むと内側から弾けるような歯切れの良さを兼ねた質感。
お湯を注ぐ前に感じた油揚げ麺臭は、調理後そこまで強烈に主張してくることはなく、ひとつの油揚げ麺としてのクオリティは低くありません。しかし、問題は2.0倍(めん120g)のボリューム感と耐久性の釣り合いが取れていないこと。湯切りタイプの大盛りカップ焼きそば(めん130g)に迫る勢いでありながら、食べ終えるまではスープに浸かっている状態なので、ラストスパートまでに頼りない食感に。
また味チェンジ後(魚介強めの豚骨醤油スープ)が「またおま系」を指しているのであれば、その系統に使われる極太麺のイメージとも結び付かないため、後半は何を食べているのか分からない感覚に陥るかも。折り返し地点までは比較的に耐久性が高く、残り1/4くらいから急に怠さを感じたので、スーパーカップ1.5倍(めん90g)だったら随分とポジティブな印象に変わったと思います。
スープ・ふりかけ
関西風は想像以上に良かった
お湯を注ぐ前に入れる「かやく入り粉末スープ」の内容は、香味野菜を強めに使いがちなエースコックらしいジャンクなテイストで、人工的な旨み成分もフルスロットルに効かせたテイスト。しかし、そこに「液体スープ」を加えると、炊き出し感のある豚骨のコクと豚脂の芳ばしさ、そして液体しょうゆ特有のキレが差し込んで、豚骨を強めに効かせた和歌山ラーメン(井出商店)風の味わいに。
和歌山を題材にしたエースコックのカップラーメンといえば、通年販売品の中に「ご当地の一杯 和歌山 こってり中華そば」が存在し、それと完全に同じ内容ではないけれど、共通点はあるように感じました。そして、半分ほど食べ進めてから別添の「ふりかけ」を加えると‥‥こちら、ただの魚粉ではありません。
「乳化油脂、ポーク調味料、魚介パウダー、砂糖、魚介エキス、ポークエキス、メンマパウダー」という原材料名の構成を見ても分かるように、ふりかけというよりも粉末スープの役割を持ったアイテムで、ポークの底上げとメンマパウダーの隠し味が面白いフレームワーク。ただ、魚介の打ち出し方が独特で、すこし生臭いというか、けっこう人を選ぶ系統の魚介感。
味の方向性としては、数年前から何度もエースコックとコラボしている「狼煙(のろし)」を背景に感じたんですけど、その劣化版みたいな。ちょっと生臭い感じは個人的に面白いと思った反面、これが関東風の豚骨醤油だ! みたいな説得力は感じなかったので、スープがドロッ、ザラッとするくらい魚粉を入れたほうが‥‥いや待てよ、それだと希望小売価格が400円以上に跳ね上がるか‥‥?
かやく
あかん
メイン具材(?)の程良く味付けした肉そぼろは、例のスポンジみたいな食感で、お世辞にもハイクオリティとはいえない仕上がり。けれども「かやく入り粉末スープ」に同梱されていたことが功を奏したのか、それとも悪あがきのマイナーチェンジを行なっているのか、この粗悪な肉そぼろにしては珍しく生姜の風味を強めに感じたので、虚無そぼろ一歩手前くらい。
それを踏まえたとしても、けっきょく348円(税別)の商品に相応しい質感とは評価できない具材で、量も少なく(逆に多くても嬉しくないですけど)ネギも熱風乾燥のジャキジャキした安っぽいタイプ。地域性もヘッタクレもない取り合わせだったので、なんの価値も見出せませんでした。
総評
というわけで、先にポジティブだった点を挙げると、食べ始めに感じた油揚げ麺の反発性と関西風(豚骨強め)の豚骨醤油スープ。これでボリュームと価格が「スーパーカップ1.5倍」(240円+税)であれば、すくなくとも麺とスープの評価には及第点を付けていたと思います。けれども今回は「超大盛りスーパーカップ2.0倍」なので、けっこう焦って食べない限り、後半は義務的な食事になる危険性が一つ。
それと関東風に味チェンジする「ふりかけ」の魚介が生臭かったので、それを面白いと受け取るか、あるいは下品と受け取るか、そこも人を選ぶ要素になるポイント。半分食べて、味チェンジ!! のアイディアは素直に面白いため、今後も続けてほしい気持ちはありますけど、スーパーカップ1.5倍じゃダメなんですかね? そのほうが値段的にも手を出しやすいし、おいしく食べ切れると思うのですが。。【author・taka :a(大石敬之)】