どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年9月5日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 THE濃厚 背脂豚骨醤油ラーメン」の実食レビューです。
ウマさズッドーン!? 大盛りカップ麺のパイオニア「スーパーカップ」に “こってり濃い味” な「THE濃厚」シリーズ新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップ1.5倍 THE濃厚 背脂豚骨醤油ラーメン
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップ麺の牽引役として重要な位置を占めるエースコックのブランドで、同社の2代目経営者を務める村岡寛(むらおか ひろし)現社長が発起人。当時の開発担当が「ルート2の法則」で従来品比めん1.5倍が “適量” と弾き出し、現在は他社も導入している大盛りバケツ型の金字塔を打ち立てました。
今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 THE濃厚 背脂豚骨醤油ラーメン」は、 若者が好む “こってり濃い味” をコンセプトに、スーパーカップだからこそできる “濃厚感” を徹底的に追求したカップラーメンで、パッケージにある『ウマさズッドーン!』のキャッチコピーが印象的。エースコックのニュースリリースには新シリーズの表記があるため、その第1弾を飾る一杯です。
ふわふわの泡と塩分濃度の高さが特徴的だった「スーパーカップ1.5倍 衝撃の泡立ち 豚骨醤油」に、ワンランク上の味わいを目指した「三つ星スーパーカップ1.5倍 コク濃豚骨醤油ラーメン」ほか、栄養成分表示がゾロ目の「スーパーカップ1.5倍 ラッキーカロリー777 豚骨醤油ラーメン」や「スーパーカップMIX 豚骨しょうゆラーメン MAXふりかけ仕上げ」など‥‥
過去にリリースされた豚骨醤油系の「スーパーカップ」を振り返ってみたところ、なにか一つ突出した個性を持っている、ちょっと奇抜な商品が多かったのに対し、今回の「THE濃厚 背脂豚骨醤油ラーメン」は “シンプルにスープの濃さを追求している” のがポイント。
エースコックが自社のホームページで公開している商品情報には、ガッツリと効かせたニンニクと背脂の甘みに、醤油のキレが鼻を突き向ける、こだわりの濃厚豚骨醤油スープが特徴-・といった旨の記載があるため、シンプルだからこそ小手先の誤魔化しが通用しない展開。
近年の「スーパーカップ」における油揚げ麺のクオリティは、ほとんど安定して高い水準をキープしているので、それについての懸念はないけれど、スープを特化させているだけに「スーパーカップ」といえば具材の頼りなさが足を引っ張りそうな予感——。
それが気にならないほどスープの満足度が高いかどうか‥‥という部分が評価の分かれ目になりそうなのですが、ひとまず実食前に栄養成分表示の数値を確認してみたところ、カロリーは492kcalということで、既存の商品を例に挙げると「(コンビニ限定)スーパーカップ1.5倍 ブタキムラーメン」(487kcal)と大差ない値。
脂質の量(19.8g)も大盛りサイズのカップラーメンとしては珍しい値ではなく、食塩相当量(6.9g)についても「スーパーカップ」としては常識的なので、どのように濃厚なのか、その指標に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、まさかの「液体スープ」1袋のみで、かやくは最初から容器の中に入っている状態。たとえば既存の「しょうゆラーメン」に入っている四角い焼豚などの別添はなく、この時点で具材に対する “こだわり” は感じられません。
しかも、かやくは「ごま、大豆加工品、ねぎ」と極限までコストを削っているような内容で、もはや潔いとすら感じるラインナップ。せめて背脂を乾燥させた加工品が入っていると嬉しかったんですけど、液体スープの小袋がズッシリと重たいので、やはりスープにステータスを全振りした様子。
メーカー希望小売価格は232円(税別)なので、スーパーカップ1.5倍の通年品である「しょうゆラーメン」や「とんこつラーメン」「みそラーメン」「新・豚キムチラーメン」「新・野菜タンメン」よりも高めの設定になりますが、先月の変わり種を例に挙げると「スーパーカップ1.5倍 北海道 コーン塩バター味ラーメン」と同じ値段。
2022年9月現在、大盛りサイズのカップラーメンにおけるメーカー希望小売価格は245円(税別)が標準的なので、それよりも安く販売できるのは大きな強みです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップ1.5倍 THE濃厚 背脂豚骨醤油ラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(兵庫県加東市河高1816-175) 内容量:125g(めん90g) 商品コード:4901071235796(JAN) |
発売日:2022年09月05日(月) 実食日:2022年09月09日(金) 発売地域:全国 希望小売価格:232円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(しょうゆ加工品、ポークエキス、背脂加工品、しょうゆ、たん白加水分解物、鶏油、チキンエキス、食塩、ガーリックペースト、豚脂、ポーク調味料、香味油、カツオ調味料)、かやく(ごま、大豆加工品、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、酒精、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、カラメル色素、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、酸味料、甘味料(スクラロース)、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。エースコックのニュースリリースにある解説は “滑らかさのある丸刃のめんです。口の中で存在感をしっかりと感じられる、食べごたえ抜群のめんに仕上げました” とテンプレ気味ですが、前述のように近年の「スーパーカップ」における麺のクオリティは安定してきたので、ここは安心して楽しめそうな雰囲気。
別添の液体スープは後入れなので、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で液体スープの小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら液体スープを加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。引き続き具材の貧弱さが否めないビジュアルではあるものの、香りの印象は悪くありません。
ただ、エースコックの “鼻を突き向ける” という表現に対し、ちょっと香りのインパクトが欠ける印象が無きにしも非ず。はたしてウマさズッドーン! な仕上がりなのか、濃厚さの指標と打ち出し方に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(125g)あたり |
カロリー:492kcal たん白質:12.1g 脂 質:19.8g 炭水化物:66.4g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:1.9g) (スープ:5.0g) ビタミンB1:0.42mg ビタミンB2:0.55mg カルシウム:351mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:492kcal(めん・かやく:409kcal)(スープ:83kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
高密度な反発性とアシのある質感が魅力
たとえば「焼そばモッチッチ」が誇る “真空仕立て麺” ほどではないけれど、それに近いノウハウを感じるというか、油揚げ麺の内部に発生する気泡が小さいイメージで、チルド麺のような密度が印象的。エースコックといえばの油揚げ麺臭も控えめで、これといった懸念は感じていなかったものの、大盛りサイズのカップラーメンとしては申し分のないクオリティの高さ。
生麺に見紛うほどのレベルには到達していませんし、コシのベクトルもノンフライ麺とは異なりますが、前述のように噛んだときの反発性と弾力はチルド麺での体験に近く、アシのある質感も印象に残る作り。今回は一見して明白にスープ特化型の商品ですが、なんのこれしき油揚げ麺の質感も見どころ。
たとえば10年以上前に力を入れていた「超大盛りスーパーカップ2.0倍」(めん120g)だったり、2022年6月1日出荷分からの価格改定を機に製造を終えてしまった「スーパーカップMAX」(めん100g)だったり、それほどのボリューム感ではないけれど、適度に食べ応えのある質感が功を奏し、量的な物足りなさを感じることはありませんでした。
スープ
濃厚さの指標は醤油とニンニク
エースコックのカップラーメンが “濃厚” を訴求していた場合、とろみ成分で不自然に粘度を高めてくる傾向があるのですが、そういった要素は控えめで、よほどテキトーに混ぜない限り、溶け残りの発生に不安を覚える必要はありません。でもって肝心の味付けは、二郎インスパイア系のスープを意識しているような味付けで、なかなかに鋭い面持ち。
しょうゆではなく “しょうゆ加工品” を使っていたり、とんこつの骨っぽさは控えめだったり、生おろしニンニクで攻撃性を高めていたり、横の膨よかさは二の次というか、縦向きのシャープな味わいで、ちょっと塩気も鋭いタイプ。濃厚さの指標は豚骨よりも醤油とニンニクに向いているため、淡麗系のスープが好きな方にはオススメできないけれど、カップ麺に白ごはん必須の方には朗報の味わい。
かやくに背脂加工品は入っていませんでしたが、四角い背脂がチラホラと浮いていて、こいつも塩っぱ旨いアイテム。可能であればエースコックが得意とする背脂メインの液体スープ(深うまいの素)を別添してほしかった気持ちもありますけど、醤油とニンニクの効かせ方にワザがあり、飲めば飲むほどクセになるような中毒性を備えていました。とりあえず、諸々の余裕がある方は白ごはんマストで。
かやく
しゃーない
麺とスープの印象は悪くなかったものの、それに伴う皺寄せが「かやく」に集中するのは「スーパーカップ」の悪い癖。ゴマの芳ばしさはスープと合っていたのですが、ネギは熱風乾燥の低コストな青ネギで、大豆加工品はグニッとした食感が否めない代替品。
ただ、エースコックといえばスポンジ食感の肉そぼろよりも大豆加工品のほうがプラスに左右する傾向があるので、あの “程良く味付した肉そぼろ” が入っていなかったのは、よしとすべきかもしれません。
総評
醤油のキレと生おろしニンニクに「THE濃厚」を感じたのですが、鼻を突き向けるほど極端に強烈なわけではなく、豚骨感と背脂の甘みについては目立っていなかったので、もうちょっとコクが欲しかったな‥‥と、そういった物足りなさが無きにしも非ず。
ただ、白ご飯とのマリアージュは申し分ない仕上がりなので、カップラーメンに白ご飯がマストな方におかれましては朗報の一杯。かやくの貧弱さについては妥協すべきポイントになりますが、スーパーカップのファンであれば許容範囲内かと思います【author・taka :a(大石敬之)】