どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月9日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 テリヤキパンチラーメン」の実食レビューです。
スーパーカップ史上初の新味!? まるでテリヤキバーガー風の味わいが楽しめる “あまから醤油味” の新春パンチ爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップ1.5倍 テリヤキパンチラーメン
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップ麺の牽引役として重要な位置を占めているエースコックのブランドで、2023年(令和5年)7月25日に発売35周年を迎えるロングセラー。めん1.5倍の食べ応えはもちろん、他社が真似できないようなフレーバーを積極的に展開し、即席カップめんの可能性を広げることに貢献してきたのですが‥‥
今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 テリヤキパンチラーメン あまから醤油味」は、新春の気分を高める “パンチを効かせたメニュー” をコンセプトに、スーパーカップ35年の歴史で初となるテリヤキバーガー風の味わいをイメージしたカップラーメンで、7年前の大ヒットから満を持す復活を果たした「ギョーザパンチラーメン」と同時発売。
あらためましてテリヤキバーガーとは‥‥などという解説は不要かと思いますが、その元祖であり、発祥の店とされているのが「モスバーガー(MOS BURGER)」で、マクドナルドの日本進出から遅れること約1年、1972年(昭和47年)3月12日にパイロットショップとしてオープンした、東京都板橋区成増の1号店(現「モスバーガー 成増店」)まで遡ります。
同年6月16日から本格的に営業を開始した「モスバーガー」は、当時から “日本人の味覚に合うオリジナル商品を作りたい” と考えており、試行錯誤の末に生まれたのが元祖「テリヤキバーガー」で、発売日は1号店のオープンから1年後、1973年(昭和48年)の話。ただ、当時の日本でテリヤキといえば「ぶりの照り焼き」をはじめとする魚料理のイメージが強く、発売当初は売れませんでした。
しかし、食に対してネガティブな先入観がなかった常連の女子高生たちが『お店で売れないなら学園祭で売ってあげる』と提案。それを切っ掛けに口コミで美味しさが広がって、後に「マクドナルド」や「ロッテリア」「ケンタッキーフライドチキン」「バーガーキング」「フレッシュネスバーガー」といった競合他社のメニューにも魚料理の照り焼きではない “テリヤキ” が定着することになります。
実はアメリカの「テリヤキハウス」で提供されていた商品から着想を得て開発したそうですが、海外仕様の甘ったるい醤油味ではなく、隠し味に味噌を使うなど、日本人好みの味で確固たる市民権を得ました。ちなみにカナダやアメリカなど、海外でもSUSHI(スシ)、TEMPRA(テンプラ)、RAMEN(ラーメン)に並ぶ勢いでTERIYAKI(テリヤキ)が認知されていますが、日本のテリヤキとは別物で——
——はい、このままだと違うブログになってしまうので、話を本題に戻しましょう。同時発売品の「ギョーザパンチラーメン」には、初代「ギョーザパンチラーメン」(2015年9月7日発売品)と差別化を図るため、新たに具材としての揚げギョーザを搭載し、パッケージでも “ついに!? ギョーザ入り!” とアピールしていましたが、こちらの「テリヤキパンチラーメン」にテリヤキバーガーは入っていない様子。
フタを開けてテリヤキバーガーが入ってたら怖いけどw めん・スープ・かやくの三位一体でギョーザを表現していた初代「ギョーザパンチラーメン」は、このブログで高評価を記録したのに対し、中途半端な揚げギョーザを搭載した二代目「ギョーザパンチラーメン」は及第点と評価しているため、スーパーカップ初となる「テリヤキパンチラーメン」の仕上がりや如何に、お手並み拝見と参りましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「調味油」の計2種で、テリヤキバーガーには必須といっても過言ではないマヨネーズ、あるいはマヨネーズ風のソースを模したアイテムの別添はありません。甘辛いソースにマヨのコントラストもテリヤキバーガーにおける醍醐味の一つなので、そこをカバーできているかどうかも注目すべきポイント。
かやくは最初から容器の中に入っている状態で、鶏・豚味付肉そぼろ、たまご、ねぎの組み合わせ。たまごはマヨネーズの主原料ですし、実際のメニューにも「月見テリヤキバーガー」(モス)や「てりたま」(マクド)などもありますから、イメージ的には悪くありません。またスーパーカップの変わり種にしては “まともな肉そぼろ” も多めに入っているのですが、熱風乾燥のネギには芸を感じません。
メーカー希望小売価格は245円(税別)に設定されているため、同時発売品の「ギョーザパンチラーメン」と同じ値段。今のところテリヤキバーガーとの共通点は “肉” と “小麦粉” くらいなので、テリヤキ風についてはスープで補えそうですが、どのようにバーガーらしさを打ち出しているのか-・という部分が重要になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップ1.5倍 テリヤキパンチラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:104g(めん90g) 商品コード:4901071300074(JAN) |
発売日:2023年01月09日(月) 実食日:2023年01月13日(金) 発売地域:全国 小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(粉末スープ・調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(植物油脂、食塩、香辛料、でん粉、粉末しょうゆ、ポーク調味料、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、増粘多糖類、香料、酸味料、かんすい、重曹、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、甘味料(スクラロース)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、びっくりしたのが生姜の香り。生おろし生姜とは異なるベクトルにあるけれど、たとえば生姜湯の素とか、生姜煎餅(しょうがせんべい)とか、そっち系の香りが強烈で、なるほど “パンチ” は申し分なさそうな雰囲気です。ただ、まったくもってテリヤキバーガー風ではないですけどねw
調味油は後入れなので、先入れの「粉末スープ」を加えてから熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」の小袋を温めながら待つこと3分。粉末スープが溶け残ると麺が適切に戻らないため、ゆっくりと粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぐのがポイント。時間になったら調味油を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。でもって香りなんですけど‥‥けっこうテリヤキバーガーかもしれないw
お店のテリヤキバーガーとは異なるベクトルを歩んではいるものの、例えるなら「うまい棒 テリヤキバーガー味」に近いというか、それっぽいジャンクさで掴みは悪くありません。さて、それに味も伴っているのかどうか「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)あたり |
カロリー:449kcal たん白質:9.7g 脂 質:15.8g 炭水化物:67.1g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:1.7g) (スープ:4.5g) ビタミンB1:0.45mg ビタミンB2:0.54mg カルシウム:340mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:449kcal(めん・かやく:392kcal)(スープ:57kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
バンズとは違うけど低品質ではない
同時発売品の「ギョーザパンチラーメン」には熱湯4分の太麺を使っていましたが、それより細めの油揚げ麺で、湯戻し時間も熱湯3分と標準的。ただ、噛んだときの密度感は「テリヤキパンチラーメン」のほうが高く、しっとりとした口当たりに、内部の気泡が少ない噛み応えなど、ひとつの油揚げ麺としてのクオリティも「テリヤキパンチラーメン」に軍配で、食べ応えについても申し分ありません。
テリヤキバーガーのバンズとは別物ですが、主原料は同じ小麦粉ですし‥‥というフォローは強引すぎるので扨措きw 粉末スープに強めのトロミ成分が入っていたので、その設置面は他の箇所よりも戻りが悪く、食べ始めは部分的にムラが気になったのですが、それ以外は高品質。
とろみの強いスープ、つまり保温性が高いスープの中にありながら、食感の劣化は控えめで、むしろ食べ始めは “歯切れが悪い” と感じたくらいアシとコシが強い食感。おそらく新開発ではないと思いますけど、かつての「ガッシリ3Dめん」や「カドメン」とは一線を画す、最新の水準に達していました。
スープ
調味油の香りに注目
まずは「粉末スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、スーパーカップらしくトゲトゲした味わいで、舌にピリピリとした独特の刺激を伴います。テイストとしては文字通り “あまから醤油味” なのですが、どギツい甘さではなく、しょうゆ感も粉末だけの安っぽいテイスト。とろみの強さでテリヤキのタレを表現しようとしていますが、おおむね納得できる味とはいえません。
ただ、別添の「調味油」を加えた途端、前述の「うまい棒 テリヤキバーガー味」に近い風味がプラスされ、バンズを彷彿とさせる要素とか、レタスのフレッシュ感とか、コク深いマヨネーズの酸味とか、元祖テリヤキバーガーよろしく味噌の隠し味とか、そういった部分は意識されていませんが、漠然と “それっぽい” 雰囲気に。
なんかこう、いかにもスーパーカップらしい味ですねw 高級感など皆無に等しく、ひたすらジャンクな方向性に振り切ってますけど、それが(好みに当たるかどうかは別として)清々しいと思えるフルスイングでした。
かやく
具材が二の次になる変わり種の弱点を克服
スーパーカップの変わり種といえば、いつもより値段が高い「コンビニ限定」などの特別な商品を除き、麺とスープの食べ応えを優先した結果、どうしても具材が貧弱に‥‥というパターンが定番。しかし、メインの肉そぼろはスポンジ食感の “程良く味付けした肉そぼろ” とは一線を画す、ちゃんと美味しくて肉らしい肉そぼろで、テリヤキバーガーのパテとは違うものの、単純に満足感は高め。
たまごはフワッと口当たりがよく、どうせラインナップの穴埋めでしょ? などと思っていたネギもスープとの相性良好で、結果的な印象はよかったです。
総評
ファストフード店やレストランで提供されるテリヤキバーガーとは完全に別物なので、それをイメージしていた場合、やっぱり無理があったか‥‥と、肩を落とすことになるでしょう。しかし、テリヤキ系の駄菓子をイメージしたスーパーカップなんだよ、みたいに説明されたら膝を打ってしまう感じというか、想像していたよりも遊び心のある一杯で、なかなかどうして悪くありません。
繊細なラーメンが好きな方にはオススメできない商品になりますが、スーパーカップらしいアイディアと遊び心に価値があり、なかでも「調味油」の香り印象に残ったので、そこが見どころです【author・taka :a(大石敬之)】