どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年3月4日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 醤油の神 絶品鶏だし中華そば」(285円+税)の実食レビューです。
厳選した天然醸造木桶仕込み醤油を使用し、ポルチーニ香る淡麗醤油スープを実現。大盛りカップめんのパイオニアに “第4の神” 降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
スーパーカップ1.5倍 醤油の神 絶品鶏だし中華そば
スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、大型カップ麺の牽引役として重要な位置を占めているブランドで、大阪府吹田市に本社を置くエースコックの主力商品。大盛りの麺重量と濃いめの味付けを特徴としているため、一部から敬遠される側面も備えているのですが、この道を切り開いたパイオニアであり、日清食品や東洋水産など、競合他社の追随を誘発させた歴史を持っています。
今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 醤油の神 絶品鶏だし中華そば」は、ラーメン業界の王道である「中華そば」をテーマに、厳選された素材にもこだわった、いつもの「スーパーカップ1.5倍」とは一線を画す新作で、○○の神シリーズ第4弾。前回の新作から1年以上の空白期間があるため、すこし過去の作品を振り返っておきましょう。
「スーパーカップ1.5倍」における “○○の神” とは、砕き豚骨が生み出す力強い豚骨スープと湯戻し2分の細カタ麺を特徴としていた「豚骨の神 超濃厚どトンコツラーメン」(2021年5月17日発売品)を皮切りに「鶏白湯の神 濃厚鶏白湯麺」(2022年4月11日発売品)、「味噌の神 超まろ濃厚味噌ラーメン」(2022年10月17日発売品)と続いたシリーズで、いつもよりプレミアムな味わいがコンセプト。
豚骨の神には砕き豚骨エキスを使用し、鶏白湯の神にはブランド史上最大量の鶏エキスを配合。味噌の神にはブランド史上最大量の味噌を使用するなど、それぞれ「神ポイント」と題した “こだわり” を訴求しており、それは「醤油の神」も例に漏れずなのですが‥‥
スープに天然醸造木桶仕込み醤油を(しょうゆ中に天然醸造木桶仕込み醤油を52%)使用し、某ミシュラン掲載店よろしくポルチーニオイルの芳醇な香りを効かせ、スープと相性抜群の大盛り麺を搭載するなど、食べ応えに感けて大味に傾く傾向がある「スーパーカップ1.5倍」のイメージを覆すような一杯。
最近は有名なラーメン店でも目にする機会が増えたポルチーニですが、あらためまして‥‥ポルチーニとは、ハラタケ目イグチ科ヤマドリタケ属(Agaricales, Boletaceae, Boletus,)に分類される食用のキノコで、トリュフや松茸と並び称される “世界三大きのこ” の一つ。ヤマドリのように膨よかな見た目から、和名をヤマドリタケ(山鳥茸)といい、北海道のエゾマツ林など、実は日本にも自生しています。
ちなみにドイツではシュタインピルツ(Steinpilz)、フランスではセップ(Cèpe)と呼ばれているのですが、ポルチーニはイタリア語のフンギ・ポルチーニ(Funghi Porcini)に由来。ポルチーニの語源については諸説あるけれど、イタリア語で子豚を意味する “Porcellini” 説が有力で、キノコの王様とも称される高級食材です。はい、そろそろ本題に戻りましょうか。
そんなポルチーニに由来する芳醇な香りについてはもちろん、しょうゆ中に天然醸造木桶仕込み醤油を52%使用ということで、醤油の打ち出し方も見どころ。また麺とスープの相性についても “3つの神ポイント” に含まれているため、そこも意識しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に、後入れ「液体スープ」の組み合わせで、エースコック曰く “チキンをベースに天然醸造木桶仕込み醤油を使用した醤油スープです。別添の後入れ液体スープを加えることで、醤油の深みやチキンの旨み、ポルチーニオイルの香りが加わる芳醇な一杯に仕上げました。” とのこと。
かやくは最初から容器の中に入っている状態で、内容は玉ねぎ、味付鶏肉そぼろ、ねぎとシンプルなラインナップ。大きめの玉ねぎは嬉しい具材になりますが、ライバル関係にある東洋水産(マルちゃん)の「でかまる」とは反対に、スポット商品の「スーパーカップ1.5倍」は具材が貧弱になりがちで、今回も麺とスープに注力している様子。ただ、ちょっと気になるのがメーカー希望小売価格の設定で——
同ブランドの定番商品を例に挙げると、スーパーやドラッグストア向けの「しょうゆ」「みそ」「とんこつ」「豚キムチ」などは240円(税別)、コンビニ限定の「ブタキム」でも271円(税別)なのに、こちら「醤油の神」は285円(税別)と比較的に高めの設定。それだけ高級感のある仕上がりなのか、エースコックの手腕が問われるところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:スーパーカップ1.5倍 醤油の神 絶品鶏だし中華そば 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:115g(めん90g) 商品コード:4901071403638(JAN) |
発売日:2024年03月04日(月) 実食日:2024年03月08日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:285円(税別) 購入価格:278.64円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ)、スープ(しょうゆ、植物油脂、チキンエキス、食塩、糖類、発酵調味料、香味油、鶏油、豚脂、オニオンペースト、オニオンエキス、香辛料、酵母エキス、オニオンパウダー、でん粉、全卵粉)、かやく(玉ねぎ、味付鶏肉そぼろ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、カラメル色素、酒精、香料、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、ソースっぽいフルーティーさというか、いわゆる醤油味のカップラーメンでは嗅ぎ慣れない香りが印象的。そんなに量は多くないけれど、小袋には “スープに充分熱湯をかけてよく溶かしてください。” とのアドバイスが記載されていたので、ゆっくりと粉末スープを狙いながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。
時間になったらフタを開け「液体スープ」の小袋を “もみほぐしてから” 投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。熱湯を注いだ瞬間は、エースコックの揚げ油に由来するニオイが強く、どうなることかと不安に思っていたのですが、液体スープを入れた途端、ポルチーニオイルの香りが強く主張してくるため、いっきにリッチな雰囲気に。
その強烈な香りが功を奏し、懸念していた揚げ油に由来するニオイは掻き消されたのですが、実食中も気にならないとは限りません。また今回は “神” を冠した商品なので、引き続き普段とは異なる高級感とコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(115g)あたり |
カロリー:494kcal たん白質:10.1g 脂 質:20.4g 炭水化物:67.5g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:1.9g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.40mg ビタミンB2:0.55mg カルシウム:309mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:494kcal(めん・かやく:416kcal)(スープ:78kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しっかりハイクオリティ
揚げ油に由来するニオイは「液体スープ」のオイルで紛れると前述しましたが、いざ口に含むと奥のほうに例の風味が構えているので、完全に払拭されているわけではありません。ただ、エースコックの他商品と比較して、その風味は極めて弱く、意識して探したら気になるかな——程度。そして、スーパーカップとは思えない‥‥などと書いたら失礼かもですけどw いやはや高品質でビックリ。
食べ始めは部分的に硬いところが残っていたので、すこし引っ掛かったんですけど、それが気になるのも最初だけ。適度なコシをキープしつつ、しなやかという表現がピッタリな、いわゆるアシ(伸び)が自然で密度も高く、たとえるなら “ノンフライめん” の組織に近いイメージ。
めん90gの大盛り仕様なので、それなりに後半は柔らかくなってきますけど、頼りない伸び方ではありません。むしろ “しっとり感が増す” というか、スープとの一体感が上昇し続けるので、最後までネガティブな印象を抱くようなことはありませんでした。
スープ
値段相応の‥…いや、それ以上か
まずはフルーティな香りが印象的だった「粉末スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、トマトっぽいというか、オレガノっぽいというか、そっち系の風味がチラホラと顔を覗かせる感じで面白かったんですけど、それ以上に揚げ油の風味が強く、いかにも「スーパーカップ1.5倍」だなと。ただ、コショウの風味が絶妙で、香辛料の使い方に “こだわり” が見えます。
続けて「液体スープ」を投入した途端、揚げ油の風味が掻き消されるほどポルチーニの香りが強く、丁寧な鶏の旨みと輪郭のある醤油感がプラスされ、有名店が監修した大判どんぶり型のカップラーメンにも引けを取らないスープにグレードアップ。
香料を併用している可能性もありますけど、ポルチーニの香りを取って付けたようなタイプではなく、きちんと味覚にも訴えかけてくるキノコの旨みがあったり、醤油感についても木桶の姿が見えるような臨場感を持っていたり、なるほど「神」の名は伊達じゃありません。イメージ的に「Japanese Soba Noodles 蔦」っぽいというか、そのあたりがモデルですかね。
かやく
スーパーカップのイメージを思うと頑張った感
ネギは熱風乾燥につき、ジャキジャキとした繊維質を強めに感じるため、ちょっと安っぽい印象を受けてしまうのですが、大きめにカットされた玉ねぎは適度にシャリッとした歯触りが心地よく、やさしい雰囲気。
鶏肉そぼろの量は多くないけれど、すこし生姜を強めに効かせた味付けで、その清涼感が多めのオイルに対する効果的なアクセントに。エースコックの肉そぼろには、スポンジみたいな食感のハズレも存在するため、そんなに高級感のある品質ではないけれど、まともな肉そぼろで安心しました。これってゲイン・ロス効果?
総評
過去にリリースされた「豚骨の神」「鶏白湯の神」「味噌の神」は、3神もれなく好印象だったので、第4の神も大丈夫だろうと思ってはいましたけど、醤油のフレッシュな風味とポルチーニオイルの香りは想像以上の存在感。さらに麺のクオリティも上々で、285円(税別)の値段設定にも素直に納得できる完成度の高さ。
具材だけ切り抜いて見た場合、値段相応とは評価できない内容ですが、ここも充実させるとなると、メーカー希望小売価格が300円(税別)を超えていたかもしれないので、いい意味で値段相応のコスト配分に思えました。なかでもポルチーニオイルの個性は記憶に残ること請け合いなので、キノコさえ苦手じゃなければ試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】