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夏のスーパーカップ1.5倍「沖縄 島そば」は “沖縄そばじゃない„ その理由を解説

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エースコック

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2025年8月18日(月)新発売、エースコックのカップ麺「スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば」(240円+税)の実食レビューです。

豚骨と鰹が規格外!? 大盛りカップめんのパイオニアが “いわゆる沖縄そばとは違う„ 濃厚な「島そば」を商品化!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば

スーパーカップとは、1988年(昭和63年)7月25日の発売以来、エースコックを代表するロングセラーとなったブランドで、食べ応え抜群のサイズと濃いめの味付けを特徴とする大型カップ麺のパイオニア。現在はライバル関係にある東洋水産の「でかまる」をはじめ、競合他社の追随を誘発させるなど、この業界に多大な功績を残しました。

「沖縄そば」じゃなくて「島そば」

今回の新商品「スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば」は、夏に人気の観光地「沖縄」をテーマにした期間限定の一杯で、公式曰く “ポークと鰹だしの旨みをがっつり利かせた沖縄風„ とのこと。出ました、何かと都合がいい○○風。さておきタイトルが「沖縄そば」ではなく「島そば」となっているように、いわゆる沖縄そばをイメージしたカップ麺ではありません。

「沖縄そば」として全国的に認知されているのは、琉球王国(1429年–1879年)の宮廷料理にルーツを持つ沖縄の国民食で、主に那覇市を中心に提供されているオーソドックスなスタイル。

比較的に澄んだ見た目の豚出汁(だし)に、鰹や昆布などを加えて旨みを抽出したスープが定番で、トッピングには “ラフテー„ と呼ばれる三枚肉(豚のバラ肉)の煮付け・かまぼこ・ねぎ・針生姜(または紅生姜)などを使用した、もっともポピュラーなタイプを指します。

※画像は「きしもと食堂」1905年(明治38年)創業

ほかにも豚の骨付きアバラ肉(スペアリブ)の煮付けをトッピングした「ソーキそば」だったり、じっくりと煮込んだ豚足をのせた「テビチそば」だったり、たっぷりのアオサが目にも身体にも優しい「アーサそば」だったり、多種多様なメニューが存在するのですが、沖縄本島を離れると——

出典:https://daitousoba.okinawa/

島こしょう(ヒバーチ、ヒハツ)のアクセントを特徴とする「八重山そば(石垣そば)」だったり、かつての風習から具材を麺の下に隠す様式が生まれた「宮古そば」だったり、それらと比較して豪快な太ちぢれ麺と乳化感が強い濃厚スープを特徴とする「大東そば」だったり、地域によって呼称や個性が変わる奥深い世界。

このページでレビューする「スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば」のパッケージには “豚骨とかつおだしを利かせた沖縄風„ としか記載されていませんが、ブランドの方向性を踏まえると「大東そば」をイメージしているのではないかと。

それにしてもカラーリングすごい

現在を遡ること7年以上、2018年(平成30年)5月14日にブランド30周年記念商品として「スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば」をリリースしているため、今回が初めての試みではない上にタイトルも丸かぶりなんですけど、それとの違いや島そばのタイプに注目しながらレビューします。

開封

2つの小袋を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」と、後入れ「調味油」を組み合わせた計2パック構成で、かやくは最初から容器の中に入っている状態。先述のブランド30周年記念商品には “コーレーグース風特製調味料„ を別添していましたが、そういった訴求はパッケージや該当のニュースリリースにも見当たりません。

熱湯5分の太麺を使用

エースコックの島そばといえば、昨年4月22日に「わかめラーメン」のブランドから「全国グルメ旅×わかめラーメン 沖縄 島そば」を発売しており、そちらにも泡盛(あわもり)を使用した “コーレーグース風調味料„ を別添していたので、もしかしたらと特殊なアクセントに期待しちゃってる現在。はたして今回の「調味油」にもコーレーグース風の調味料を仕込んでいるのか、それとも方向性を大きく変えているのか。

ちなみにメーカー希望小売価格は240円(税別)ということで、コンビニ限定の「ブタキム」を除く「スーパーカップ1.5倍」シリーズと同じ値段。2025年8月現在、大盛りカップ麺の希望小売価格は271円(税別)が基準となっているため、この値段設定は嬉しいポイントになります。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:スーパーカップ1.5倍 沖縄 島そば
製造者:エースコック株式会社
製造所:+K 東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1)
内容量:103g(めん90g)
商品コード:4901071407872(JAN)
発売日:2025年8月18日(月)
実食日:2025年8月22日(金)
発売地域:全国
小売価格:240円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:大盛バケツ型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:500ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:2袋(粉末スープ・調味油)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白)、スープ(食塩、糖類、ポークエキス、植物油脂、豚脂、香味油、カツオブシパウダー、粉末しょうゆ、ポーク調味料、魚介エキス、魚介調味料、でん粉、コンブエキス、酵母エキス、香辛料、チキンエキス、オニオンパウダー、魚醤(魚介類)、全卵粉)、かやく(味付豚肉、かまぼこ、卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、香料、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、カラメル色素、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・魚醤(魚介類)を含む)

実食開始

粉末スープをあけてから熱湯を注ぐ

別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、熱湯を注ぐ前から鰹のアプローチが強く、同時にポークエキスも主張してくるのですが、現時点で優勢なのは圧倒的に鰹。とはいえ沖縄そば系のカップ麺で頻繁に受けるファーストインプレッションとは違う、豚骨ラーメン用のポークエキスを使用しているような香りが印象的。

調理後の雰囲気も独特

あとは「粉末スープ」を溶かしながら熱湯を注ぎ、フタの上で「調味油」を温めながら待つこと5分。時間になったら「調味油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。この時点でコーレーグースを彷彿とさせる香りは漂ってきませんが、あきらかに豚の存在感が増した調理直後。

ちなみに同時発売品として「スーパーカップ1.5倍 北海道 コーン塩バター味ラーメン」もリリースされましたが、エースコックのバター系にはポジティブなイメージがない上にクソ暑いので、先に「沖縄 島そば」の「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(103g)あたり
カロリー:459kcal
たん白質:9.2g
脂  質:17.9g
炭水化物:65.3g
食塩相当量:6.0g
(めん・かやく:1.9g)
   (スープ:4.1g)
ビタミンB1:0.39mg
ビタミンB2:0.44mg
カルシウム:285mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:459kcal(めん・かやく:400kcal)(スープ:59kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

わかめラーメンの「島そば」と同じかな?

3.5

ときどきノンフライ麺もありますけど、沖縄そば系の商品に使われる油揚げ麺は比較的に加水率が低く、ごわごわとした食感がテンプレ化している現在。大手メーカーの中ではマルちゃんの東洋水産が得意としているフィールドですが、その質感が苦手な方も少なくないでしょう。しかし、今回の加水率は比較的に高く、独特の強付きは随分と控えめ。

ぴろぴろしてる

表面のキメは細かく、なめらかな口当たりで、噛み込むとモチモチした弾力が楽しめる作り。麺重量(調理前)90gの大盛りサイズでありながら、わりと早い段階でフカフカとした軽めの食感に変わるため、やや頼りない印象が無きにしも非ずではあるものの、その段階に入るとスープの個性が前半よりも目立ち、エースコックの油揚げ麺にありがちな独特のニオイも気にならないなど、頭ごなしにネガティブな変化ではありません。

系統的には昨年の「全国グルメ旅×わかめラーメン 沖縄 島そば」に似ている‥‥というか原材料名まったく同じなんですけど、いわゆる沖縄そばっぽい質感ではないため、イメージ次第で物足りなさを感じてしまうおそれあり。とはいえ後述するスープとの相性は悪くないですし、メーカー希望小売価格が271円(税別)だったら “もうひと押し„ ですけど、それについても事実上の標準を下回っていますからね。

スープ

豚骨の打ち出し方に注目

4.5

まずは「調味油」を加える前に味を確認してみたところ、フロントに陣取っているのはカツオブシパウダーで、調理後のポークエキスは控えめなスタンス。しかし、この時点で豚のベクトルは出汁というよりも豚骨ラーメンのスープに寄せているような打ち出し方。一般的にネガティブとされるクセは感じませんが、出汁にはない骨っぽさが穏やかに存在しています。

豚の主張UP

続けて「調味油」を加えた途端、人を選ぶ豚骨臭とは異なるものの、豚脂に由来する芳ばしさとオイル特有のコクが加わって、フロントに陣取っていたカツオブシパウダーと拮抗し始める豚の要素。

とはいえゴリゴリに牽制し合っているのではなく、お互いの個性を尊重しながら調和しているような、沖縄をテーマに据えたカップ麺は数あれど、他に類を見ない味わいです。でもってコーレーグース風のアクセントは微塵もありませんでした、はい。

かやく

値段を思えば及第点

3.0

かやくの内容は味付豚肉・かまぼこ・たまご・ネギで、味付豚肉はファミマルの「来来亭」なんかに使われているアレと同じヤツ。主役級に目立っているわけではないけれど、エースコックの商品で頻繁に見かけるスカスカ食感のスポンジ野郎とは比べ物にならないほどマシな肉具材。

その他、かまぼこ・たまご・ネギについても新開発の具材ではなく、全体的に量も少なめですが、スーパーカップのスポット商品ですからね。こんなもんでしょう(待て)

総評

4.0

もしもメーカー希望小売価格が271円(税別)に設定されていた場合、油揚げ麺の食感やポークエキスの使用量、さらには具材にも特別感を持たせられたはず。けれども既存の定番「スーパーカップ1.5倍」シリーズと同じ240円(税別)の枠内なので、おそらくスーパーマーケットやドラッグストアでの販売価格は150円前後。その手軽に楽しめる価格帯と他の沖縄系にはない個性を踏まえ、及第点に星ひとつプラスしました。

いかにもザ・沖縄そば的な仕上がりに期待していた場合、おそらく物足りなさを感じてしまうでしょう。けれども反対にカップ沖縄そばらしいゴワゴワした油揚げ麺が苦手だったり、デフォルトで入っている紅生姜の酸味は必要ないと感じていたり、そういった部分に抵抗がある方にとっては朗報の一杯になるかもしれません。【author・taka :a(大石敬之)】

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