どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月14日(水)新発売[2019年10月15日(火)再販]のカップ入りコンビニラーメン、セブンイレブン「すみれ監修 札幌濃厚味噌ラーメン」の実食レビューです。
セブンイレブンのレンジ麺シリーズに札幌の名店「すみれ」監修商品が期間限定で仲間入り!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
すみれ監修 札幌濃厚味噌ラーメン
「すみれ」とは、札幌・中の島に本店を構える札幌ラーメン界の重鎮で、創業は1964年(昭和39年)8月2日。セブンイレブンでは日清食品と共同開発したカップラーメン「日清名店仕込み すみれ 札幌濃厚味噌」が定番商品として扱われ、2000年4月の発売当初からセブン&アイの最上級ブランド「セブンプレミアム ゴールド」に位置しています。
今回、その「セブンプレミアムゴールド」ではありませんが、電子レンジ加熱調理タイプのカップ入りチルド麺「すみれ監修 札幌濃厚味噌ラーメン」を全国のセブンイレブンにて販売開始。要冷蔵のコンビニラーメンで、文字どおり「すみれ」が監修しているのですが、厳密には “お店のメニューを再現した商品ではない” とのこと。
前述したセブンプレミアムゴールドのカップラーメン「すみれ 札幌濃厚味噌」は、「すみれ」の実店舗で提供されている「味噌ラーメン」を再現した通年商品なのに対し、セブンイレブンのホームページに掲載されている「すみれ監修 札幌濃厚味噌ラーメン」の製品情報(商品のご案内)には “再現” の文字が見当たりません。
念のため製造者の「株式会社武蔵野 京都工場」(セブンイレブンの弁当・おにぎり・寿司・調理パン・調理麺等を担当しているメーカー)に確認を取ったところ、あくまで人気の有名店が監修したコンビニ限定の「オリジナル商品」なので、 “お店のメニューを再現した商品ではない” との回答でした。しかし、「すみれ」ならではの個性にも期待したいところ——
(カップ麺は2018年5月28日にリニューアル)
1964年(昭和39年)8月2日、初代店主・村中明子(むらなか あきこ)さんが札幌市豊平区中の島に開いたラーメン店「すみれ」。開業当初は「純連」と書いて「すみれ」と読み、姓名判断をする方に名付けてもらったそうですが、当時は閑古鳥が泣き続け、売り上げは今ひとつ‥‥しかしながら次第に努力が実を結び、雑誌などにも取り上げられる名店になりました。
そんな忙しい毎日が続く中、1982年(昭和57年)7月——初代「純連(すみれ)」は店主・明子さんの抱えていた足腰の痛みが悪化したことを理由に惜しまれつつも閉店します。そこで一度は引退を決意したそうですが、再び店主のラーメン熱が再発。1983年(昭和58年)、店舗を札幌市中央区南11条西1丁目に移転して再スタート。
以前から屋号を “じゅんれん” と読む客が多く、より親しみが持てるようにと移転後は屋号を「じゅんれん」に改め、再び経営が軌道にのった1987年(昭和62年)、実子である長男・村中教愛(のりよし)氏に店の経営権を譲渡。それが現在の「純連(じゅんれん)」で、「すみれ」は明子さんのもとで修行を積んだ三男・村中伸宜(のぶよし)氏が1989年(平成元年)に開業したお店です。
そんな歴史があって現在の札幌には「純連(すみれ)」をルーツとする「純連(じゅんれん)」と「すみれ」が存在し、セブン&アイ限定のカップ麺や今回の「すみれ監修 札幌濃厚味噌ラーメン」を監修しているのは「すみれ」の店主・村中伸宜氏。ちなみにサンヨー食品が販売しているカップ麺「サッポロ一番 名店の味 純連 札幌濃厚みそ」は、「純連(じゅんれん)」の店主監修商品です。
作り方と注意事項
さて、ここからは製品の本体に触れていきましょう。まずチェックしたいのは帯状のフィルム(開け口)に記載してある調理方法で、 “1.「電子レンジ」で加熱。2. フィルム・フタを取る” とあります。以前、同社が製造する「中華蕎麦とみ田監修 豚ラーメン(豚骨醤油)」を帯なしで調理したところ、具材や麺の表面が乾きやすかったので、このフィルムは剥がさずに加熱するのが正攻法。
パッケージに記載されているレンジ加熱の目安は、500Wの電子レンジで6分30秒、1500Wの電子レンジで2分10秒となっているので、もしご家庭の電子レンジが600Wなら5分25秒、700Wなら4分40秒、800Wなら4分、900Wなら3分35秒、1000Wなら3分15秒を目安にしてください。これは単純計算なので、調理後に冷たかった場合、10秒ずつ様子を見ながら追加熱です。
今回の新商品は通年商品ではなく期間限定商品で、おそらく販売期間は1~2ヶ月程度。セブンイレブンの公式ウェブサイト内にある「こだわり」には “粉の配合を見直し、温度管理された部屋で麺を熟成。食感と風味がアップした中太麺です” と、あたかもリニューアル品のように書いてありますが、近年に発売された商品の再販ではありません。
実は2010年1月にも電子レンジ調理タイプの同店監修商品がセブンイレブン限定で販売されていたのですが、そのリニューアルではなく、上記の解説は武蔵野で製造している麺がブラッシュアップされたことを意味しています。以前に「濃厚味噌ラーメン」というチルド商品があったので、それをベースに「すみれ」がブラッシュアップをかけた可能性がありますね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:すみれ監修 札幌濃厚味噌ラーメン 製造者:(株)武蔵野 京都工場 製造所:京都府八幡市戸津55 内容量:570g(めん150g) 商品コード:2091709200530 実食日:2019年08月15日(木) |
名 称:ゆで中華麺 麺の種類:中華麺(かんすい使用) スタイル:コンビニ限定レンジカップ 容器材質:プラ(PS) 調理時間:電子レンジ加熱6分30秒(500W) 小袋構成:1袋(一味唐辛子) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】ゼラチンスープ(味噌風味調味料、味噌、ラード、ゼラチン、その他)、ゆで中華麺(小麦粉、卵加工品、食塩、水あめ)、玉ねぎもやし炒め、豚挽肉炒め、にんにく風味油脂、豚肉チャーシュー、ねぎ、味付メンマ、醤油たれ、調味料(アミノ酸等)、加工澱粉、かんすい、pH調整剤、酢酸Na、カロチノイド色素、グリシン、カードラン、乳化剤、焼成Ca、酸味料、(原材料の一部に卵・乳成分・小麦・鶏肉・さば・ごまを含む)/〈添付唐辛子〉赤唐辛子 |
実食開始
帯とフタの間に一味唐辛子の小袋が挟まれていたので、これも小袋ごと一緒に電子レンジで加熱してもいいのだろうか‥‥などと何気に不安だったんですけど、そのまま加熱しても小袋に問題は起きませんでした。それに謎のOEMメーカーではなく、大手加工食品メーカーS&B(エスビー食品株式会社)の一味唐辛子なのも嬉しいですね。
加熱後はプラ製のフタを剥がし、お好みで一味唐辛子をかけたら完成です。調理方法の「3」には “よく混ぜ合わせてお召し上がりください” と書いてあるので、全体を大きく混ぜてから食べましょう。ちなみに実店舗の味噌ラーメンに丸型のチャーシューは入っていませんが、村中伸宜氏(すみれ店主)の発案で追加されたそうです。
どちらも母の築いた「純連(すみれ)」をルーツとし、たっぷりのラードがスープの表面を覆っている、まさに札幌ラーメン(濃厚こってり味噌)の基盤を作った王道の味噌ラーメン。けれども長男の「純連」は母親譲りの “味噌感が強い” 伝統的な味わいなのに対し、三男の「すみれ」は比較的に味噌感が弱く、油脂の “こってり感が強い” というのが大きな特徴の違いでしょうか。
最近、さらに「すみれ」が食べやすくなったという声も耳にしているのですが、他にも「純連」は森住製麺の麺を使用し、「すみれ」は西山製麺の麺を使用するなど、製麺所も違います。あと「純連」は地元民に、「すみれ」は観光客に支持されているような印象ですね。それでは、すみれ監修の個性と札幌ラーメンらしさに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説します。
栄養成分表示:1食(570g)当たり
カロリー:730kcal |
食塩相当量(推定値):7.62g(当ブログ調べ) (計算式 “ナトリウム3000mg×2.54÷1000” ) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺は本店御用達の西山製麺ではなく、武蔵野が徹底して温度管理した部屋で熟成させている中太サイズの縮れ麺で、粉の配合を見直すブラッシュアップが入った今回、たしかに鼻を抜ける小麦の風味が強化されたように思います。もともとレベルの高い麺なので、その変化はマイナーチェンジの範囲内ではあるものの、さすが信頼と実績の武蔵野ですね。
電子レンジ加熱の後、チャーシューや挽肉、野菜などの下にある麺は問題なく戻っていましたが、スープから露出していた麺の一部に若干ながら乾きが見られます。けれども乾いていたのは麺の表面だけだったので、大きく混ぜた後は気になることもなく、麺に卵加工品を練り込むことで札幌特有のプリッ、とした黄色い玉子麺(たまごめん)の特性が意識されていました。
しかし、この麺は「すみれ監修」専用の麺ではありません。武蔵野製造のコンビニチルド麺で汎用している熟成ちぢれ麺で、2019年8月15日現在発売中の商品では「炊出し鶏ガラスープの冷し醤油ラーメン」に使われている三層麺と同じもの。つまり、同社が製造している冷蔵タイプの中太熟成ちぢれ麺すべてリニューアルしています。これ、実は温冷両用なんですよ。
スープ
口当たりはゼラチン質が強かったので、ややファーストインプレッションは人工的に思えた反面、まったりとした豚骨と鶏ガラのコクに重心の低い味噌の旨味から、不自然なほどの粘性ではありません。味噌は赤と白をバランスよくブレンド、粉末味噌では出せない臨場感もさることながら、鼻を抜ける焼き味噌の芳ばしい風味が印象的(※実食途中に深呼吸推奨)。
そんな釜で焼いた味噌の風味と同時に分かりやすく香る生姜のアクセントも絶妙で、まったり濃厚かつコッテリとキレも両立した実にバランスのいいスープです。ただ、そこまでラードの油膜に厚みはなく、味噌は濃いめでもカドにヤスリをかけている穏やかな味噌感なので、濃厚でも食べ手を選ばないように調節しているような配慮が見られました。
一味唐辛子の辛さは標準的で、激辛唐辛子でも名物ご当地唐辛子でもありませんが、もっともポピュラーな瓶入り一味唐辛子と大差なく、これなら誰でも安心して使えます。量は全部入れて例の「一味唐からし(15g入り)」を3、4振りといったところ。もちろん、こってり濃厚な味噌スープと一味唐辛子は相性抜群。
電子レンジ加熱で辛味が弱くなったような気がしないではないものの(気持ちの問題かもしれませんがw)、どちらかというと辛さよりも芳ばしさが目立つタイプだったので、本家よろしく2種類の赤唐辛子(焙煎有り無し)をブレンドしているのかもしれません。札幌ラーメンのイメージ的に、もうちょっとラードの油膜が欲しくなりましたが、ちゃんと濃厚で味は上等です。
具材
チャーシューはカップ麺でいうところの「日清ラ王」に使われている大判チャーシューよりも大きくて、脂身の多いジューシーな豚バラ肉タイプ。ちょっと赤身の部分(フチ)が加熱中に乾いていたけれど、この程度であれば許容範囲内。加工肉特有の缶詰っぽさも控えめで、変な臭みも気になりません。
その横に写っている野菜炒めは、もやしと大きめにカットされた玉ねぎ。加熱した玉ねぎ特有の甘みとクタクタな食感がスープに優しく寄り添いつつ、同時にスープ自体のコクをアップさせる側面も。さらに6分30秒の電子レンジ加熱でくたばったかと思われたモヤシは意外にもシャッキシャキで、想像していたよりも存在感がありました。
ネギは長時間の加熱で風味が半減していましたが、玉ねぎとは違う香味がスープを飾り、3本の太いメンマは熟成感のある風味と甘めの味付けが箸休めに嬉しい存在。何気に豚挽肉炒めもサイズが大きくて(2cm以上の個体も)、量は写真の5倍以上。ちょっと旨味が抜けちゃった感は否めませんが、その分よく混ぜた後は挽肉の旨味が全体に行き渡るので、最初に混ぜるの大切です。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
もし「お店の再現もの」だったら油膜(ラード)の量に物足りなさが否めませんし、汎用の麺もナンセンス。さらに同種の中華麺は430円(税込464円)が平均売価なので、ちょっと高めに設定されているのですが、「とみ田監修豚ラーメン」より10円安く、「すみれ」にインスパイアされた武蔵野×セブンのコンビニチルド麺として税込540円の価値は充分あると感じました。
というわけで今回は再現度の高さ云々を評価すべきではないと思いつつ、セブンプレミアムゴールドから発売されている “カップラーメンとの違い” も気になるところ——というわけで比較レビューも企画しています。台風の影響で入荷が遅れているかもしれませんが、全国 “順次発売” となっているため、お近くのセブンイレブンをチェックしてみてください。
村中系の麺が西山?
ニワカかよ
くっそ笑えるんだがw
> saimi様
2019年8月現在、「さっぽろ純連(じゅんれん)」の麺は引き続き森住製麺ですが、「すみれ本店(中の島)」の麺は2017年10月の店舗リニューアルを機に “森住製麺から西山製麺に変更” しています。