どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年6月7日(月)新発売、ヤマダイ(ニュータッチ)のカップ麺「凄麺 徳島ラーメン 醤油とんこつ味」の実食レビューです。
「徳島ラーメン」で定番の味「茶系」をカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
凄麺 徳島ラーメン
凄麺(すごめん)とは、ニュータッチのブランドで知られるヤマダイの本格ノンフライめんブランドで、2001年(平成13年)10月29日に発売された「これが煮玉子らーめん」を皮切りに発足。ゆでたての旨さを再現したノンフライ麺を武器に、通年販売の「ご当地シリーズ」をはじめ、王道を極めた「逸品シリーズ」や季節に合わせた「期間限定」など、バリエーションに富んだ商品を展開しています。
今回のカップ麺「ニュータッチ 凄麺 徳島ラーメン 醤油とんこつ味」は、自宅に居ながら手軽にご当地ラーメンの味が楽しめる「ご当地シリーズ」からの新作で、意外にも “四国” は「凄麺」ブランド史上初の舞台。醤油ダレを効かせた醤油とんこつ味のスープに、卵黄ソースを別添ということで、徳島ラーメンの中でも “茶系” をイメージしたカップ麺とみて間違いありません。
徳島ラーメン(とくしまラーメン)とは、徳島県を中心に提供されているラーメン(中華そば、支那そば)の総称で、1966年(昭和41年)創業の老舗「中華そば いのたに(旧・猪谷食堂)」が “徳島ラーメン” の名を定着させた立役者。現在を遡ること1999年(平成11年)9月、新横浜ラーメン博物館(神奈川県横浜市)から要請を受けて出展し、徳島ラーメンの魅力を全国に広げました。
もちろん「徳島ラーメン」と呼ばれるラーメンでも、それを提供している店や地域によって異なる個性を備えており、たとえばスープを例に挙げると分かりやすく、徳島県小松島市の「岡本中華」を代表的なスタイルとする白濁とんこつスープは “白系” に、中華食堂の「八万屋」や「多良福家」をルーツに持つ澄んだ黄色のスープ、あるいは薄茶色のスープは “黄系” に分類され‥‥
徳島ラーメンの呼び名を定着させた「中華そば いのたに 本店」をはじめとする “とんこつスープに濃口しょうゆベースのタレを加えたスタイル” は「茶系」(または「黒系」)と呼ばれており、なかでも茶系のラーメンには “甘辛く味付けした豚バラ肉と生卵のトッピングが定番である” ことから、ヤマダイの新作「凄麺 徳島ラーメン 醤油とんこつ味」は茶系をイメージしていることが伝わってきます。
ちなみに2021年8月現在、今回の「徳島」を含む「凄麺ご当地シリーズ」のラインナップは、北から順に「札幌」「函館」「青森」「仙台」「喜多方」「新潟」「信州」「佐野」「千葉(竹岡式)」「横浜(家系、サンマー麺)」「静岡」「富山」「名古屋(台湾ラーメン、台湾まぜそば)」「奈良」「京都」「和歌山」「広島(尾道、汁なし担担麺)」「博多」「長崎」の合計23種類。
おおむね有名どころは押さえているのですが、まだ商品化されていない地域のラーメンもあり、かつては「徳島」もスポットが当てられなかったエリアの一つ。そもそも「凄麺」が四国(徳島・香川・愛媛・高知)を題材にしてきたこと自体が初の試みで、スープは超特選濃口醤油と再仕込み醤油をベースに、数種類のポークエキスを配合しているらしく、卵黄ソースの別添も嬉しいポイント。
本文の途中で掲載した写真のデータを見返してみたところ、筆者が「中華そば いのたに 本店」に行ったのは2014年(平成26年)11月1日だったので、けっこう前の話になってしまうのですが、こってりしたスープの見た目とは裏腹に、あっさりと食べやすい味だったと記憶しています。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」が1袋に、後入れの「液体スープ」と「卵黄ソース」で合計3袋。パッケージには徳島県のマスコット・すだちくんの姿があり、デザイン承認済(すマ第20-119号)となっているのですが、本品に酢橘(すだち)は使用していません。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。今回もフタの裏面に “フタの裏ばなし” をプリントしているのですが、No.徳-1は手書き調のデザインに変わっています。はたして「徳島」だけ特別なのか、それとも既存の裏話も順次切り替えていくのか‥‥
などと思いつつ、それはさておきメーカー希望小売価格は220円(税別)なので、凄麺ご当地シリーズにおける標準的な値段。正式な発売日は2021年6月7日(月)とレビュー当日から2ヶ月以上前になりますが、2021年8月現在も製造・販売中の通年商品なので、遅ればせながら取り上げることにしました。
ちなみにヤマダイの公式ウェブサイトをチェックしていたところ、手緒里庵(ておりあん)を前身とする「凄麺 鴨だしそば」に “製造終了” の表示が追記されているのを発見。2021年5月20日(「凄麺 徳島ラーメン」新発売のニュースリリースが発表された日)の時点では通年商品だったので、すこし驚きました。※2021年8月現在、販売店に残っている「凄麺 鴨だしそば」は在庫限りで終了です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 凄麺 徳島ラーメン 醤油とんこつ味 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:124g(めん60g) 商品コード:4903088015477(JAN) |
発売日:2021年06月07日(月) 実食日:2021年08月21日(土) 発売地域:全国(スーパー・ドラッグストア等) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・卵黄ソース) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】スープ(しょうゆ、ポークエキス、糖類、動物油脂、食塩、たん白加水分解物、卵黄加工品、でん粉、乾燥卵黄、酵母パウダー)(国内製造)、めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、かんすい、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香料、甘味料(ソルビトール)、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、(一部に卵・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、中身は四角いチャーシューとメンマ、それからフリーズドライのネギとシンプルなラインナップ。茶系にカテゴライズされる実際の徳島ラーメンもトッピングはシンプルですが、甘辛い味付けの豚バラ肉が定番なので、さすがにカップラーメンらしいといわざるを得ないところ。
しかし、今回のカップ麺には “とろ〜りまろやか卵黄ソース” を別添しているのがステータス。それを入れる前の味も確認したかったので、パッケージの写真よろしくレンゲを使って撮影しましたが、お召し上がりの際は好きなタイミングでトッピングしてください。
ちなみにフタの裏面には “おうちの生卵を追加するとさらに美味しくなるよ!” という生卵ちょい足しアレンジもオススメしていたのですが、ひとまずオリジナルの味わいと卵黄ソースの効果を確かめるべく、このまま「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(124g)あたり |
カロリー:378kcal たん白質:11.9g 脂 質:8.9g 炭水化物:62.5g 食塩相当量:8.1g (めん・かやく:1.3g) (スープ:6.8g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープとの相性ばっちり
たとえば前述の「中華そば いのたに」をはじめ、全国的な知名度を誇る「ラーメン東大(とうだい)」や「支那そば 王王軒(わんわんけん)」など、茶系の代表格とされる店のラーメン(中華そば、支那そば)には中細サイズの中華麺が合わせられる傾向があり、それをイメージしたと思われる今回のノンフライ麺もサイズは細く、やや加水率は低めの設定。
ヤマダイのニュースリリースには “当社独自製法のノンフライ麺を使用” と “徳島ラーメンのスープにあう、しなやかな中細ストレート麺” としか記載されていなかったので、新開発の文字はなかったのですが、スープとの親和性は高く、なかでも加水率の下げ方が絶妙な加減。なんかこう、歯切れのよさがクセになる感じで。
大判どんぶり型の容器に対し、調理前の麺量は60gなので、もうすこし増やして欲しい思いもありますが、凄麺のノンフライ麺は60gが標準的。なかには「佐野らーめん」のように麺量62gの商品もあれば、太麺だけ65gと差はあるものの、今回が特別に少ないわけではありません。実際の徳島ラーメンも “白ご飯と一緒に食べるために麺の量は少なめ” なので、多過ぎない麺量は再現度の高さに繋がります。
スープ
しょうゆ濃いめ甘さ強め
超特選こいくち醤油と再仕込み醤油を重ねて使用しているため、なるほど醤油の主張が強く、それを支える豚骨も丁寧に仕込まれているのですが、タイプとしては醤油がメインの醤油とんこつ味。加えて動物系の旨味も豚の骨だけにあらず、豚肉の塊も一緒に寸胴で炊き込んだような、畜肉系の旨味を感じるのも意識したい見どころ。
全体の食塩相当量は8.1gと多く、スープだけでも6.8gを占めているため、けっこうエッジは効いているのですが、それと同時に甘みも強いのが「徳島ラーメン」らしいと思える個性的なポイント。ただ、老若男女に愛される老舗の素朴な中華そばというよりも、体力仕事に従事している方や若者に好まれそうな味付けで、近年の「ラーメン」を食べ歩き、味を研究したような雰囲気のフレームワーク。
そこに別添の「卵黄ソース」を加えると、卵黄のコクでマイルドな雰囲気になるのですが、けっして味が薄くなることはありません。というのも卵黄らしさだけを再現したソースではなく、だし醤油っぽい味が施されているので、しょうゆ感を包みながらも味は濃くなったと感じるくらい。
徳島ラーメンを提供している店では、前述のように白ごはんとセットでラーメンを出すところが多く、それに合うようにスープを仕込んでいるので、カップ麺を食べながら無性に口が白ごはんを欲している現在、これも再現度が高いといえるポイントになります。
具材
卵黄ソースの別添を思えば悪くない
かなりシンプルかつ既存の汎用具材を使っているため、まったく特別な要素はないのですが、コリコリとした食感のメンマは風味も強く、前述の濃厚な豚骨しょうゆスープにもベストマッチ。フリーズドライのネギは後入れだと嬉しかったのですが、結果的に主張し過ぎないので、全体にアクセントとして寄与しつつ、それが邪魔になることはありません。
チャーシューはネギの色が移ったか、調理後に脂身の部分が緑色でビックリしたんですけどw 品質には問題なく、部位は豚のバラ肉を彷彿とさせるジューシーさが印象的。今回はノンフライ麺を使用しているのと、卵黄ソースの別添もありますし、そのコストを思えば充分だと感じました。
総評
いわゆる “茶系” と呼ばれる「徳島ラーメン」のイメージをピンポイントに強調したような、それでいてデフォルメされた味ではあるものの、ほかの商品にはない個性を備えた分かりやすい仕上がりだったので、徳島ラーメンの雰囲気を楽しめるカップ麺としては悪くありません。本物の徳島ラーメンよろしく白ご飯との相性も抜群ですし、ラーメンライス派の方にもオススメしたい一杯です。
ちなみに2017年9月25日、ヤマダイが「地元愛シリーズ」と題し、徳島ラーメンを再現したカップ麺「徳島東大監修 濃厚豚骨醤油麺(特製卵黄ソース付き)」を中四国エリアのローソン限定商品として発売(2018年1月22日以降、関西以西のデイリーヤマザキと四国のミニストップでも販売)していたので、もしかすると今回も「東大」の味がモデルかもしれません【author・taka :a(大石敬之)】