どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年2月3日(月)リニューアル新発売のカップ麺、ヤマダイ(ニュータッチ)「凄麺 横浜発祥サンマー麺(七代目)」の実食レビューです。
“かながわサンマー麺の会” 推奨カップラーメン「凄麺(すごめん)横浜発祥サンマー麺」が数年振りにリニューアル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
凄麺 サンマー麺(七代目)
2020年2月現在、ヤマダイの公式ウェブサイトにリニューアル回数を示す “何代目” の表記は廃止されているのですが、2016年5月23日に発売された「凄麺 横浜発祥サンマー麺(六代目)」以来のリニューアルになるので、おそらく今回で「七代目」のサンマーメン。ここ最近、ニュータッチ製品の順次リニューアルが目立っていますね。
たしか2004年頃に発売された「凄麺 横浜とろみもやしそば 中華風醤油味」というサンマー麺ライクなカップラーメンが前身で、2006年にリニューアル。まだサンマー麺(サンマーメン)を名乗る前からオマージュしていたのは間違いないのですが、2010年6月7日に発売された「凄麺 横浜発祥サンマー麺(初代)」以降、正式に「かながわサンマー麺の会 推奨品」になりました。
というわけでパッケージには「かながわサンマー麺の会 推奨品(2011年より)」と表示されているのですが、2010年6月発売の “初代” から現在と同じ「かながわサンマー麺の会」のイメージキャラクター(名前は「マーちゃん」)及び実店舗の加盟店が店頭に掲げている “会員のぼり旗” をデザインしていたので、正しくは2010年より(ですよね)。
かながわサンマー麺の会とは、昭和40年(1965年)改正の法令により厚生労働省の許可を得て発足した「神奈川県中華料理業生活衛生同業組合」に属す団体で、カップ麺のパッケージにもデザインされている “会員のぼり旗” を掲げている加盟店は現在も数多く存在します。そもそもサンマー麺とは何か——ええ、よくいわれる秋刀魚(サンマ)をのせたラーメンではありません。
たとえば岩手県大船渡市の人気ラーメン店「黒船(くろふね)」をはじめ、実際に秋刀魚節を使ったラーメンを提供している店も存在するのですが、神奈川横浜市中区発祥の「サンマーメン」は漢字で「生馬麺(生碼麺)」と書きます。もともとは中華街で働く従業員の賄(まかない)として親しまれていた食べ物で、正式にメニュー化されたのは戦後(昭和22年~23年頃)以降の話。
生馬麺の「生(サン)」は “新鮮でシャキシャキした” を意味し、「馬(マー)」は “上にのせること” を表しているらしく、お店によって具材の内容が違ったり、スープと具材の味付けが塩味と醤油味でバラバラだったり、サンマーメンを名乗る上で厳密な定義などはないようですが、具材の野菜はシャキッと手早く炒めて餡掛けにしている、というのが普遍的な共通点。
発祥の店については諸説あるようですが、大正7年(1918年)創業の老舗「三国料理」(初代・井田小三郎氏が開業)を前身とする「玉泉亭」(読み方は “ぎょくせんてい” )の二代目店主・井田辰雄氏が始めたという説。もう一つは明治17年(1884年)創業の老舗「聘珍樓」(読み方は “へいちんろう” )が昭和初期から取り扱っていた、という2つの説が有力とのこと。
さて、話を「凄麺」に戻しまして——初代(2010年6月7日)の商品名は「サンマー麺」だったのですが、二代目(2011年4月25日)、三代目(2012年5月7日)、四代目(2014年5月26日)、五代目(2015年1月26日)はカタカナ表記の「凄麺 横浜発祥サンマーメン」となっていて、前回の六代目(2016年5月23日)から「凄麺 横浜発祥サンマー麺」に戻ります。
開封
そして七代目(2020年2月3日)も一部漢字表記の「サンマー麺」となっていて、カロリーは前回の311kcalから309kcalにダウン。なお、歴代のカロリーは「初代:311kcal」「二代目:310kcal」「三代目:313kcal」「四代目:310kcal」「五代目:327kcal」「六代目:311kcal」「七代目:309kcal(いまココ)」なので、五代目だけ突出しているのですが、おおむね310kcalが平均。
別添の小袋は「調理済具材」「調味油」「粉末スープ」「かやく」の合計4袋。それぞれ小袋の色やデザインは変わっているのですが、リニューアル前の六代目と比較して構成そのものは変わっていません。調理済み生タイプ具材(レトルト調理品)の量が減っているように見えたのですが、内容量(総重量)は六代目も七代目も113gだったので、特に減っているわけではない様子。
メーカー希望小売価格は税別220円=凄麺ご当地シリーズの標準で、他にもヤマダイの商品にはサンマーメンにインスパイアされた “出荷数量No.1を誇る” 税別180円の「ニュータッチ 横浜もやしそば(中華風とろみ醤油味)」があり、「凄麺 横浜とんこつ家」と「ニュータッチ 横浜家系豚骨醤油ラーメン」も入れると “4種類の横浜ご当地ラーメン” が現行商品として存在します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 凄麺 横浜発祥サンマー麺 製造者:ヤマダイ株式会社 本社工場 製造所:茨城県結城郡八千代町平塚4828 内容量:113g(めん60g) 商品コード:4903088011653(JAN) 商品サイズ:縦175mm×横175mm×高さ78mm |
発売日:2020年02月03日(月) 実食日:2020年02月17日(月) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:235円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:4袋(調理済具材・調味油・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、食塩、大豆食物繊維)、かやく(モヤシ、ニンジン、ニラ、キクラゲ、味付タケノコ、食塩)、スープ(食塩、糖類、動物油脂、しょうゆ、植物油脂、でん粉、オイスターソース、ポークエキス、香辛料、オニオンパウダー、たん白加水分解物)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、香料、かんすい、カラメル色素、トレハロース、酒精、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、乳酸Ca、クチナシ色素、甘味料(スクラロース)、(一部に乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。 |
実食開始
先入れの小袋は乾燥具材の「かやく」のみ、上記の画像ではニラしか目立っていませんが、他にキクラゲと味付タケノコも入っていて、調理済み生タイプ具材のモヤシとニンジンも合わせると “5色” の具材。ちなみに今回の「フタの裏ばなし」は “No.サ – 12” となっていて、かながわサンマー麺の会に関する紹介文が書いてありました。
湯戻し時間は熱湯4分、待っている間に調理済具材と調味油をフタの上で温めて、ここからがポイント。後入れ粉末スープにはトロミ成分が入っているので‥‥ 1.まずは粉末スープを入れる前にノンフライ麺をほぐす 2.後入れ粉末スープを入れて混ぜる 3.調味油を加えてからも入念に混ぜる 4.最後に調理済具材をトッピングしたら出来上がり! なんですけど、特に重要なのが「3」の工程。
たしかに粉末スープの中にもトロミ成分が含まれているのですが、実は調味油にもトロミ成分が含まれている感じだったので要注意。それから調理済具材の中に入っている液体はヤマダイも破棄を推奨しているため、可能であれば捨ててください。それでは、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(113g)あたり |
カロリー:309kcal たん白質:8.8g 脂 質:4.9g 炭水化物:57.4g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:2.8g) (スープ:4.6g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安定のノンフライ麺
凄麺シリーズには、極太麺・太麺・平打麺・中細麺・細麺と5種類の汎用麺があって、稀にパターンを外れることもあるのですが、今回は角刃でカットされている中細ストレート麺を採用しています。おそらく「奈良天理スタミナラーメン」や「さいたま豆腐ラーメン」、逸品シリーズの「酸辣湯麺」「中華そば」「鶏しお」あたりとも共通かもしれません。
前回の六代目サンマー麺からも特に変わった様子は見られず、熱湯4分ジャストでフタを開けてもストレスフリーにほぐれ、とろみの強いスープの中にあっても伸びにくいのが凄麺らしいポイント。とはいえ熱湯5分の極太麺ほど不自然な耐久力ではなく、数年前はネックだったノンフライめん特有のゴムっぽさもナチュラルになってきました。
しかし、なんやかんや熱湯7分前後までゴムッぽいタイプの強靭な伸びを誇っています。それはそれで独特の噛み応えが魅力的でもあるのですが、とろみの強い中華風スープとの相性を考慮すると、あえて最初に5分30秒くらい放置するのも手。そう簡単には伸びない麺ですし、1〜2分ほど長めに待つとコシをキープしたまま一体感が大幅にアップしますよ。
スープ
絵に描いたような中華風とろみ醤油味w
スープは安売り用の「ニュータッチ 横浜もやしそば」と互換性があるというか、けっこう味の方向性は似たようなタイプで、とろみのついた中華風しょうゆ味ど真ん中。それもコース料理で出てくるような高級感のある中華風とろみ醤油味ではなく、化調と胡椒を遠慮なく効かせている下町の大衆中華料理店っぽい雰囲気で、どこか懐かしいテイスト。
動物湯系は豚を軸にオイスターソースを重ね、漠然と歴史を感じるような深みのあるコクを打ち出しているのですが、味付けは粉末スープが軸なので、液体スープほどの臨場感はありません。しかし、日本に現存する最古の高級中国料理店「聘珍楼」よりも「玉泉亭」を意識しているようなイメージというか、いい意味で敷居の低い親しみやすさにホッとします。
中でも面白かったのが調味油で、これを入れた瞬間かなり甘い香りが漂ってくるのですが(それも異様に甘いw)、同時に胡麻油っぽい芳ばしさが中華鍋で煽ったような調理感を演出します。ちなみに全体の食塩相当量は7.4gと凶暴な数値を叩き出しているのに対し、スープの食塩相当量は4.6gとなっていて、塩気の強い「凄麺」にしては穏やかな味わいでした。
具材
さすがレトルトもやしの存在感すごい
乾燥具材の中ではパンチのあるニラの風味とキクラゲのコリコリとした食感が効果的だったのに対し、サイズの小さいタケノコは意識して食べないと気が付かないような存在感だったので、可能であれば千切りのタケノコをレトルト調理品に加えてもらいたいところ——とはいえレトルトもやしとニンジンの存在感は秀逸です。
レトルトもやしといえば東洋水産(マルちゃん)の「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」が定番ですが、太さと雑味の無さでいえばヤマダイがリード。やや酸味と塩気を伴うものの、レトルト調理品特有の酸味が今回の中華風しょうゆ味のスープにベストマッチだったので、むしろポジティブに思えました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
ヤマダイ曰く “今回のリニューアルでは今まで以上にスープの本格感、臨場感をアップさせ、お店で食べるような自然な美味しさを追求しました” と、ニュースリリースに記載していたのですが、ほぼほぼマイナーチェンジです。大人の事情でリニューアルを銘打ったコスト調整も珍しくない昨今、そういったマイナスは目立っていません。
というわけで下町ライクに臨場感のある本格的なカップラーメンですが、調理の手順を間違えると情けない味になってしまうので、後入れ粉末スープを完全に溶かしてから調味油を入れること、また調味油を入れてからも念入りに混ぜ合わせるのがポイントです。なお、凄麺のサンマーメンには “ほんのすこし「酢」を入れてアレンジすると激ウマ” なので、よかったら試してみてください。