どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年9月23日(月)全国発売、ヤマダイのカップ麺「ニュータッチ 凄麺 茨城けんちんそば」(255円+税)の実食レビューです。
凄麺ご当地シリーズ28商品目にして史上初、常陸秋そば粉を配合したノンフライそばと茨城県産れんこんを使い地元の郷土料理を本格再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
凄麺 茨城けんちんそば
凄麺(すごめん)とは、ニュータッチのヤマダイが展開している本格志向のブランドで、2001年(平成13年)10月29日発売の「これが煮玉子らーめん」を皮切りに、妥協を許さない作り込みで多くのファンを獲得。現在は豊富なラインナップを展開している「ご当地シリーズ」を中心に「逸品シリーズ」や「期間限定」にも力を入れ、数々の名作を生み出し続けているのですが‥‥
今回の新商品「ニュータッチ 凄麺 茨城けんちんそば」は、ヤマダイが本社を構える茨城県の郷土料理を再現した「ご当地シリーズ」28品目の新作で、発売23周年を目前に初めて地元「茨城」の味を商品化。いばらき観光キャンペーン推進協議会全面協力のもと、茨城県出身の社員も多いヤマダイが膝を突き合わせて開発した “茨城らしさ„ が詰まった一杯ということで、こだわりが強いのなんの。
ヤマダイが誇る特許製法の独自技術「凄麺ノンフライ製法」をもって実現した、他社が真似できないほど本格的な「ノンフライそば」を搭載している——というのは、2003年(平成15年)12月発売の「手緒里庵(ておりあん)」にルーツを持ち、直近だと「凄麺 そばの逸品 鴨だしそば」のレビューでも解説した特徴になりますが、そば粉のうち20%「常陸秋そば」を配合しているのがポイント。
常陸秋そば(ひたちあきそば)とは、1978年(昭和53年)から茨城県が育成に取り組み、1985年(昭和60年)には奨励品種として認定された、そば職人の間で玄そば(※米で例えると玄米よろしく種皮ごと挽いた蕎麦 ⇔ 抜き実)の最高峰とも評価されているブランド品種で、通を唸らせるほど豊かな風味が “玄そばの最高峰„ と絶賛されている所以。
さらに、蓮根(レンコン)の収穫量が日本一とされる茨城県の強みを活かし、県産のレンコンを具材に使用するなど、凄麺の「ご当地シリーズ」らしく地元に根付いた商品となっているのですが、そもそも「けんちんそば」とは何ぞやと。調べてみたところ「つけけんちん」と呼ばれる郷土料理がモデルになっているようで、具沢山な「けんちん汁」に「そば」をつけて食べるスタイルが主流だとか。
今回の「凄麺 茨城けんちんそば」も作り方を工夫すると「つけけんちん」にアレンジできるようで、ヤマダイが自社のYouTubeチャンネルに動画を限定公開‥‥チャンネル登録者数15人!? などと、そっちに気を取られてしまったのですがw さておき肌寒くなってきた季節、まずは通常の手順通り「かけそば」スタイルでレビューしようかなと。
ちなみに2024年9月9日から関東エリア及びヤマダイの公式通販サイトで先行発売されていたのですが、2週間遅れの9月23日より全国発売解禁。基本的にはコンビニ以外の店舗(スーパーマーケット、ドラッグストアなど)に出回っているようなので、最寄りの販売店が気になる方はヤマダイに問い合わせください。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「液体スープ」を組み合わせた合計3パック構成で、かやくは片側に茨城県産のレンコンを、もう片側にサトイモ・味付油揚げ・ねぎ・豆腐を充填した、なんとも具沢山なラインナップ。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライそばで、そば粉の含有率までは発表されていませんが、手緒里庵からの変遷を辿る限り、おそらく三割蕎麦(小麦粉に占める割合の30%)かなと。ただ、そば粉のうち20%は常陸秋そば使用ということで、前述した「凄麺 そばの逸品 鴨だしそば」よりも若干ながら色が濃いめに見える佇まい。
そんな特別感を打ち出しながらも「ご当地シリーズ」の例に漏れず、メーカー希望小売価格は255円(税別)ということで、あいかわらず大丈夫なのかと。たとえば同じようなポジションに位置している日清食品の「ラ王」は285円(税別)ですし、東洋水産の「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」も278円(税別)を基準にしているため、ここも「凄麺」のスゴいところ。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 凄麺 茨城けんちんそば 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:109g(めん60g) 商品コード:4903088017488(JAN) |
発売日:2024年09月23日(月) 実食日:2024年09月29日(日) 発売地域:全国 小売価格:255円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、そば粉、植物性たん白、食塩、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、糖類、食塩、動物油脂、鰹節エキス、ポークエキス、昆布エキス、植物油脂、たん白加水分解物、野菜エキス、シイタケエキス、米糖化調味料、酵母エキス)(国内製造)、かやく(豆腐、サトイモ、味付油揚げ、ねぎ、レンコン)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、増粘剤(キサンタン)、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、トレハロース、(一部に小麦・そば・ごま・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」2袋のみ先入れで、内容は先述の通り。けんちん汁の具材といえば、ゴボウとニンジン、あと蒟蒻(こんにゃく)も‥‥いや、蒟蒻はレトルトじゃない限り無謀か。でもゴボウとニンジンは入れてほしかったよなー、と思いながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。
時間になったら先に麺をほぐさなければいけないのですが、その段階で「凄麺 そばの逸品 鴨だしそば」は若干ながらほぐれにくさが気になったのに対し、こちらは抵抗なくすんなりと。続けて「液体スープ」を投入した瞬間、太めの濃口しょうゆに支えられながら、ゴボウをはじめとする野菜の香り、さらに胡麻油のアクセントが相俟って、なかなかの雰囲気を感じる調理直後。
あらためてニンジンの彩って大切だなとw そんなことを考えつつ、これはこれで渋い? 茶色い食べ物は美味しいっていう話も有名ですし、うん。それに香りの掴みはバッチリなので、引き続き常陸秋そば使用の恩恵や茨城県産のレンコンにも注目しつつ「めん」「つゆ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(109g)あたり |
カロリー:309kcal たん白質:12.8g 脂 質:3.5g 炭水化物:56.5g 食塩相当量:7.2g (めん・かやく:1.2g) (スープ:6.0g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
こうも変わるか‥‥
常陸秋そば使用のキャッチコピーに引っ張られて‥‥とかではなく、そば粉の風味は「凄麺 そばの逸品 鴨だしそば」よりも明らかに強く主張してくるので、これが常陸秋そば使用の恩恵なのか、それとも実は四割蕎麦(そば粉40%、内20%は常陸秋そば使用)なのかは定かでないけれど、手緒里庵の頃を思い出すほど豊かな香り。
また「凄麺 そばの逸品 鴨だしそば」よりも細めに切り出されているため、小麦粉のグルテンに由来する粘りも比較的に弱く、本格さ爆上がり。いやマジで、まったく大袈裟な話ではないですよ。小麦粉ならではの風味も主張が弱かったり、歯切れの良さも増していたり、こうまで変わるのかと。
後述する液体スープは “けんちん風„ にアレンジされていますが、土台は濃口しょうゆ特有のキレを中心に、オーソドックスなタイプだったので、ノンフライそばとの相性も申し分ありません。さらに複雑な旨みも加わってくるのですが、そば粉の香りが埋没することはなく、むしろ引き立て合っているような取り合わせでした。
つゆ
そばつゆ×けんちんが調和
前述のように「液体スープ」の土台はオーソドックスなタイプになりますが、濃口しょうゆの存在感は力強く、それに負けじと鰹も強め。しかし、めちゃくちゃ荒々しいわけではありません。あくまでも繊細に、それでいて濃密な鰹の出汁(イノシン酸)と、味に膨よかさを持たせている昆布(グルタミン酸)、さらに椎茸の旨み(グアニル酸)を掛け合わせ、うま味の相乗効果を発揮。やや甘さも強いけど、わざとらしくない加減。
そこにポークエキスと動物油脂を加えることで厚みを持たせ、ごま油の芳ばしさと野菜の旨み、なかでもゴボウの風味を強調することで “けんちん風„ を表現しているのですが、ハッキリと個性を打ち出しつつ、そば粉の香りは阻害しない絶妙な効かせ方。また米糖化調味料を使用している点も面白く、けっこう「そば」寄りにアレンジされているような気もしますけど、その折り合いが絶妙に思えました。
かやく
しっかり具沢山かつ個性的
豆腐は直近だと「凄麺 うどんの逸品 豆腐チゲうどん」にも入っていましたが、サトイモとレンコンは珍しく、前者はネットリ、後者はシャッキリ。油揚げの味付けは特筆するほど個性的ではなかったけれど、甘さは控えめだったので、全体の輪郭がボヤけることはなく、大きめのネギもフリーズドライで本格的。
前述のように具材としてのゴボウやニンジンも入っていると嬉しかったんですけど、レンコンは印象に残る存在感を放っていたので、パッケージの訴求も誇張ではありませんでした。
総評
というわけで、茨城県産のレンコンと、じっくり野菜を煮込んだような “けんちん風„ の液体つゆも然る事乍ら、常陸秋そば粉を配合したノンフライそばの出来栄えが素晴らしく、いばらき観光キャンペーン推進協議会とヤマダイの本気をダイレクトに感じた一杯。ちなみに「フタの裏ばなし」には、茨城県が生み出した地域密着型バーチャルキャラクター(茨城県公認Vtuber)の「茨ひより」さんが起用されていて‥‥
頭にアンコウ? 個性的でカワイイけど、なんでアンコウ? などと調べてみた結果、あんこう鍋のルーツは茨城県の「どぶ汁」にあるらしく、またひとつ勉強になりました。けっこう「そば」の要素も強かったので、どストレートな「けんちん汁」ではないけれど、それだけにノンフライそばとの一体感は高く、かなりの完成度だと感じました。他に類似品もないですし、やってくれましたね。【author・taka :a(大石敬之)】