どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年10月9日(月)リニューアル発売、ヤマダイのカップ麺「ニュータッチ 凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん(二代目)」の実食レビューです。
2023年の凄麺(すごめん)総選挙・第1位は仲間入り1年目のルーキー!? 八幡浜製造じゃこ天使用、八幡浜ちゃんぽんのカップラーメンが二代目にリニューアル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん 2023
凄麺(すごめん)とは、ニュータッチで知られるヤマダイの即席ノンフライめんブランドで、2001年(平成13年)10月29日発売の「これが煮玉子らーめん」が最初の商品。2023年11月現在は、全26種を展開している「ご当地シリーズ」をはじめ、こだわりの「逸品シリーズ」や「期間限定」のフレーバーにも力を入れており、いずれも本格的な味わいに定評があります。
今回の新商品「ニュータッチ 凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん」は、2022年10月31日に凄麺ご当地シリーズの仲間入りを果たし、2023年9月1日〜10⽉27⽇の期間中に実施されていた『凄麺総選挙』で見事1位を獲得した実力派「愛媛八幡浜ちゃんぽん」のリニューアル版で、製造者のヤマダイ曰く “ベースになる動物系の旨みを豚から鶏ガラに変更し、より現地の味の再現度を高めました。” とのこと。
八幡浜ちゃんぽん(やわたはまちゃんぽん)とは、1948年(昭和23年)創業の「丸山ちゃんぽん」を元祖・発祥の店とし、現在は愛媛県八幡浜市のソウルフードとして幅広い層に愛されている “ご当地ちゃんぽん” で、たっぷりの具材と白濁した魚介とんこつスープを特徴とする「長崎ちゃんぽん」とは異なるベクトルを歩む麺料理。
スープは鶏ガラを中心に、鰹節や昆布などから旨みを抽出した、黄金色に輝く醤油ベースの清湯(ちんたん)で、あっさりとした風味が特徴的。具材に野菜や豚肉を使用するところは「長崎ちゃんぽん」との共通点になりますが、愛媛県は八幡浜の特産品である蒲鉾(かまぼこ)や「じゃこ天」など、地元ならではの水産練り製品を取り入れ、特色を出しているところが押さえておきたいポイントです。
ときに「じゃこ天」といえば、佐竹北家(さたけほっけ)の末裔で21代目に当たる、秋田県の佐竹敬久(さたけ のりひさ)知事が行った自らの講演『秋田の未来を創る協議会』(2023年10月23日)で “貧乏くさい” などと発言し、X(Twitter)などのSNSで炎上した結果、その2日後に開かれた臨時の記者会見で “大変に不穏当、不見識な発言だったと思います。” などと陳謝する事態に追い込まれ——
それに対し、愛媛県の中村時広(なかむら ときひろ)知事は “秋田県の料理を褒めるために、ユーモアを交えて発言されたのではないかと思います。愛媛には美味しい食べ物や地酒がたくさんあるので、是非またお越しになってご堪能いただきたいです。” と寛大な対応を見せ、秋田県の市民から “うちの知事がすみません” と愛媛県に「じゃこ天」の注文が殺到し、話題になったのは記憶に新しいところ。
「凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん」のリニューアル日は “じゃこ天騒動” 以前の話なので、もちろんヤマダイが狙っていたわけではないのですが、創業70年を迎える安岡蒲鉾(愛媛県宇和島市)が11月4日・5日に東京の代々木公園で「じゃこ天の実演販売」を実施するらしく、なんと隣のブースには秋田県の特産「きりたんぽ」が並ぶミラクルが起きるなど、なにか目に見えない力が働いているのかもしれません。
話を戻しまして‥‥二代目「凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん」の見どころは、前述のようにスープの動物系を “豚から鶏ガラに変更” していること。初代には “そもそもチキンエキスを使っていなかった” ので、再現度を重視した場合、そこがネックになると初代をレビューした際に言及していたのですが、ピンポイントに修正してきたヤマダイ。スープの変更は規模が大きいので、仕上がりが楽しみです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」2袋に、後入れ「液体スープ」の計3袋で、かやくの小袋は初代と完全に一致するデザインですが、液体スープの小袋は水色から紫色に変わり、識別番号も “55” から “144” に変わっています。なかには例外もありますけど、カップ麺の小袋は中身が変わると外見にも変化が生じるため、小ネタ程度に頭の片隅にでも。
麺はヤマダイ独自製法のノンフライ極太麺で、文字通り太めのサイズ感から湯戻し時間は5分と長めの設定。同社のニュースリリースに初代からのリニューアルポイントなどは記載されておらず、調理前の佇まいを見ても目立った変化は感じられないため、純粋にスープだけを変更したのかもしれません。つまり、この見るからに力強い麺を支えるだけの力がスープに備わっているのかどうか、そこがポイント。
ちなみに初代のメーカー希望小売価格は242円(税込261円)だったのに対し、二代目は255円(税込275円)に値上がりしているのですが、2023年6月1日の注文分より適用されている価格改定の影響で、これが2023年11月現在の凄麺ご当地シリーズにおける共通の値段。ここ最近、大判どんぶり型+ノンフライ麺の商品だとコンビニで300円超えもザラなので、ずいぶんと良心的な設定に思えます。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ニュータッチ 凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん(二代目) 製造者:ヤマダイ株式会社 製造所:本社工場(茨城県結城郡八千代町平塚4828) 内容量:119g(めん65g) 商品コード:4903088016054(JAN) |
発売日:2023年10月09日(月) 実食日:2023年11月04日(土) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:255円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、大豆食物繊維)、スープ(食塩、しょうゆ、食用風味油、たん白加水分解物、糖類、チキンエキス、動物油脂、ポークエキス、魚介エキス、植物油脂、香辛料、キャベツエキス、鰹節粉末、ニンニクペースト、酵母エキス、シイタケエキス、いか粉末)、かやく(キャベツ、じゃこ天(揚げかまぼこ)、えび団子、ニンジン、いか、ニラ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、酒精、乳化剤、増粘剤(加工でん粉)、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カラメル色素、膨脹剤、カロチノイド色素、香辛料抽出物、(一部にえび・小麦・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・魚肉すり身(魚介類)を含む)※本品製造工場では、そばを含む製品を製造しています。※本商品は、魚肉すり身(魚介類)を含みます。※本製品で使用している食用風味油に含まれる原料(えび)は、かにが混ざる漁法で採取しています。※本製品で使用している魚介エキスに含まれる原料(あさり)には、かにが共生しています。 |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、オレンジの小袋にキャベツ・えび団子・ニンジン・いか・ニラを、緑の小袋には “じゃこ天” を単体で充填しており、とんでもないボリューム感は初代と同じインパクト。ちなみにパッケージの表示は “八幡浜産じゃこ天” から “八幡浜製造じゃこ天” に変わっていますが、意味としては同じですし、調理前の色合いやサイズにも変化はありません。
添付調味料は後入れなので、かやく2袋をあけてから熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら軽く麺をほぐし、それから「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。ええ、二代目も粗利が心配になるくらい、たっぷりの具材と調理感のある香りも印象的な調理直後。
ちなみに内容量は前回発売品から変わっていませんが、カロリーは346kcalから343kcalに、炭水化物も63.6gから62.1gに微減して、食塩相当量は7.1gから7.4gに増えるなど、興味深い変化が生じていました。さらに、スープの原材料についてはガラッと変わっているので、引き続き初代との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(119g)あたり |
カロリー:343kcal たん白質:9.8g 脂 質:6.1g 炭水化物:62.1g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:2.3g) (スープ:5.1g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく初代から変更なし
伝統を重んじる長崎ちゃんぽん専門店では、一般的な中華麺に使用される炭酸カリウムが主成分の梘水(かんすい)ではなく、炭酸ナトリウムが主成分の唐灰汁(とうあく)を使った “ちゃんぽん麺” を愛用しているのですが、八幡浜ちゃんぽんの提供店では “太めの中華麺” が一般的。
凄麺のノンフライ極太麺も梘水を使用した中華麺で、メーカー指定の湯戻し5分でストレスなくほぐれますが、食べ始めはモチモチとした粘りのある食感よりも強靭なコシが印象的。かなり自己主張が強いので、後述する透明度の高いスープを蹴散らしてしまうのではないかと、それくらいギラギラしているのですが、なんのこれしき問題ありません。
そのバランスに関しては、後述するスープ側の緻密な計算ありきではあるものの、前半はコシの強さを全力で楽しむスタンスで、後半はスープとの一体感と小麦の甘さを楽しむスタンスに切り替えると2度おいしい感じ。ただ、個人的には調理後、液体スープを馴染ませてから3、4分ほど休ませるのがベストだと感じたので、時間に余裕がある方は、あえて長めに待ってみるのもオススメです。
スープ
たしかに変わった、でもマイナスはない
リニューアル前と同様に、見た目は黄金色に輝く清湯で、表面に浮かぶオイルも多いわけではなく、あっさりとした雰囲気が伝わってくるビジュアルですが、なんのなんの。引き続きポークエキスを併用しつつ、それ以上にチキンエキスを多く配合した構成に方向転換。澄んだビジュアルとは裏腹に、いざ口に含むと密度は高く、前述のノンフライ極太麺に負けない重厚感。
重厚感についていえば、ポークエキスがメインの初代ほどではないけれど、チキンエキスの参加で旨みの幅が広がったイメージ。そんな動物系のコクも然る事乍ら、アサリやエビのエキスに加え、隠し味にイカ粉末を使用した魚介感も丁寧かつ明確。主役になり得る旨みが多いので、一見するとゴチャゴチャしてそうですけど、きちんと “ちゃんぽん” らしく渾然一体に仕上げているヤマダイの手腕たるや。
上品な醤油ベースの味付けに、鰹節粉末や椎茸エキスを重ねているため、和の面持ちを感じさせる要素もあり、同時に漠然と中華風の表情も兼ね備えている、かなり独特で個性的な味わい。そんな初代と同じ魅力を踏襲しつつ、チキンエキスの追加で広がった旨みの輪郭を胡椒でピシッと調えているのですが、初代よりも胡椒がハッキリしていたので、それも極太麺とのバランスに大きく寄与していました。
かやく
ほんとに採算が取れてるのか心配になる
キャベツ・えび団子・イカについては、凄麺ご当地シリーズの「長崎ちゃんぽん」と共通の具材なので、その使い回しではあるものの、口径が広い大判どんぶり型の容器でも寂しくないキャベツのボリューム感は見事。イカは少量ですが、どこぞの “ほぼイカ” みたいな魚肉練り製品でははなく本物で、えび団子のホロホロと崩れながらもプリッとした弾力は食感のアクセントに効果的。
そして、この商品のために開発された「じゃこ天」の完成度も凄まじく、たとえば薩摩揚げにも通じる表面の芳ばしさだったり、じゃこの風味だったり、どれをとっても本物さながら。ちゃんと小魚を磨り潰しているため、じっくり噛んでいると小骨に由来するザラ付きが舌に伝わってくる、その個性から他の商品に使い回すことが難しい具材になりますが、それだけにヤマダイの本気度が感じられます。
総評
2022年10月発売の「凄麺 愛媛八幡浜ちゃんぽん(初代)」とリニューアル後の商品を比較してみた結果、ノンフライ極太麺と具材は共通で、大きく変わっていたのはスープの動物系がチキンエキス主体になっていたこと。それに伴って旨みの幅が広がり、すこし厚みが減った部分を胡椒のアクセントで補うなど、緻密にバランスが調整されており、改悪された要素は微塵もありませんでした。
というわけで、引き続き強靭なノンフライ極太麺の仕様には賛否両論あるかと思いますが、じゃこ天を筆頭に赤字覚悟の具材は健在。スープもチキンエキスをベースにすることで再現度がアップしたので、二代目は “純然たる進化を遂げた一杯” といっても過言ではありません。しかも、いつでも買える通年商品なので、まだ食べたことがない方は、優先順位を上げてみてください【author・taka :a(大石敬之)】