どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月18日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「カップしお台湾ラーメン」の実食レビューです。
辛い? 辛くない?「カップ台湾ラーメン」の姉妹品にアレンジメニューの「塩台湾ラーメン」登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
寿がきや カップしお台湾ラーメン
1999年(平成11年)8月から販売されている寿がきや食品の定番カップ麺「カップ台湾ラーメン」(最終リニューアル:2018年3月12日)ですが、この度その姉妹品として新たに開発されたのが「カップしお台湾ラーメン」。愛知県を中心とするラーメン店や台湾料理店で幅広く親しまれている台湾ラーメンのアレンジメニューで、文字通り台湾ラーメンの「塩」バージョンです。
名古屋を中心とした台湾ラーメン専門店、台湾料理店、中華料理店などではグランドメニューにあることも多く、中には台湾ラーメンよりも塩台湾ラーメンのほうが有名な店もあり、数年前から地元では新定番とされる特別に珍しいメニューではないのですが、まだ県外では知名度が低いため、けっこう新鮮味がありますよね。
「台湾ラーメン(たいわんラーメン)」とは、言わずと知れた愛知県名古屋市の名古屋めし、または名古屋のB級グルメ・ご当地ラーメンとして全国な知名度を誇っている辛い(場合によっては激辛クラスの)ラーメンで、発祥の店は台湾ではなくメイドインジャパンの「中国台湾料理 味仙(みせん)今池本店」。
創業者は台湾出身の郭明優(かくめいゆう)さんで、自身の故郷である台湾の小皿に盛って食べる「担仔(たんつー)麺」を自分好みに激辛アレンジして賄いに提供したのが最初とされているのですが、基本は鶏がらベースの醤油味。しかし、店舗によっては「みそ」や「とんこつ」、また「しお」を変わり種のメニューとして提供しているお店もあるようですが、麺や具材は同じでスープが塩味になった、というイメージが基本です。
台湾ラーメンの元祖は「味仙」ですが、塩台湾ラーメン発祥の店と言われているのは「TOBiMARU -TAIWAN SIO-(トビマル タイワン シオ)」という店で、カップ麺のパッケージではニンニクと青唐辛子がイラスト付きでアピールされています。しかしながら今回はトビマル監修のカップ麺ではありませんし、特に塩台湾ラーメンの名店を起用した「○○店監修」みたいな製品ではありません。で、ちょっと気になるのが製造所‥‥
たとえばノンフライ製品の場合、群馬県高崎市にある加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場(群馬県高崎市新町2330-26)となっていることが多かったりするんですけど、今回の「販売者」は寿がきや食品株式会社(愛知県豊明市沓掛町小所189)、「製造所」は山本製粉株式会社(愛知県豊川市小坂井町八幡田37番地の1)となっています。
愛知県外では馴染みの薄いメーカーかもしれませんし、私自身兵庫県在住なので馴染み深いメーカーではないのですが、「旨華楼」シリーズや「ポンポコラーメン」が特に有名な大正5年(1916年)創業の老舗で、2018年8月27日(月)新発売の「カップみそ台湾ラーメン」や2018年3月12日(月)新発売の「カップとんこつ台湾ラーメン」も山本製粉が製造所として記載されていました。
開封
いざ開封‥‥の前に、もうひとつ気になるのが「ふつうの開封口」。というのも姉妹品の姉にあたる寿がきや食品のカップ台湾ラーメン(どんぶり型・油揚げ麺)は開け口が二股になっているのに対し、今回の「カップしお台湾ラーメン」は何の変哲もない開け口なんです。ただ、「カップみそ台湾ラーメン」も開封口は普通だったのと、フタのパッケージデザインも色違いレベルで酷似していますね。
なんで「ここから開ける」が2つあるんだろう‥と疑問に思ったこともあったんですけど、お湯を注いでから再度フタをする際にツメが2つあるとフタが開きにくい、という大きなメリットがあったので、けっこう便利。最近あまり私の行動圏内にはノーマルバージョンの「カップ台湾ラーメン」が売ってないんですけど、まだ二股なのでしょうか。
別添の小袋は「かやく入スープ」と「液体スープ」の合計2種類で、かやく入スープは先入れ、液体スープは後入れです。かやく入スープで地味に高い身体能力(跳躍力)を見せているのは寿がきや食品のイメージキャラクター「スーちゃん」で、寿がきや食品が設立された1958年(昭和33年)より共に歩んできました。
麺は油で揚げたフライ麺(油揚げ麺)で、そこそこイイ感じに油揚げ麺特有のニオイが漂っています。既存の「カップ台湾ラーメン」と同じような雰囲気ですが、もしかすると油揚げ麺を製造しているのが山本製粉なのかもしれません。これは袋麺やノンフライめん製品にも言えることなんですけど、スープ類の製造は寿がきや食品、麺の製造は他社=製造所が違う、というパターンは多いんですよね。
概要(製品情報・購入価格等)
製品名:カップしお台湾ラーメン 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:山本製粉株式会社 内容量:94g(めん65g) 商品コード:4901677082466(JANコード) 規格サイズ:φ147×77(mm) 発売日:2019年03月18日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:どんぶり型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ・かやく入スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、小麦たん白、食塩、しょうゆ、砂糖)、スープ(チキンエキス、食塩、動植物油脂、香味油、砂糖、青唐辛子パウダー、ポークエキス、たん白加水分解物、ガーリックペースト、ガーリックパウダー、酵母エキス)、かやく(肉そぼろ、赤唐辛子、にら)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、香料、着色料(カラメル、クチナシ)、セルロース、酸化防止剤(V.E、V.C)、増粘多糖類、酸味料、トレハロース、香辛料抽出物、(一部に卵・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】卵・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン ※特定原材料及びそれに準ずるものを表示(27品目中) |
実食開始
お湯を入れる前に「かやく入スープ」を開封するのですが、早くも通常の台湾ラーメンとは大きな違い‥そう、青唐辛子(あおとうがらし,ハラペーニョ)の爽やかな香りが主張してきます。万願寺とうがらしや獅子唐(ししとう)など、稀に爆弾を抱えながらも辛さの弱い品種もありますが、今回この青唐辛子もパッケージでアピールされていたポイントですね。
青唐辛子はナス科トウガラシ属の植物で、万願寺とうがらしや獅子唐、伏見甘とうがらしなどの辛くない品種も多く、加熱して辛さが強くなる赤唐辛子とは違い、加熱すると辛さが和らぐのですが、たとえばタイのプリッキーヌ(プリックキーヌー)など、同じような見た目でも激辛クラスの青唐辛子も存在します。
お湯を入れて3分後、液体スープを馴染ませたら完成! なんですけど、液体スープには動物油脂も含まれているため、待っている間にフタの上で温めましょう。通常、台湾ラーメンはラー油で真っ赤な見た目に仕上がりますが、あまり赤くないのも塩台湾ラーメンの特徴ですね。それでは、辛さレベルや塩台湾ラーメンらしい個性に注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(94g)当たり
熱 量:403kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しっかりとしたコシとつるみのある油揚げめん。
(出典:寿がきや食品「商品情報」)
角のない丸刃でカットされた中細麺で口当たりに攻撃性はなく、ちょっと平たくて縮れの施された形状と加水率が低めの肌からスープ馴染みは抜群で、存在感は強すぎず弱過ぎす適切。最新の技術を駆使したような油揚げ麺ではなく、まさに風味・食感ともに古き良きノスタルジックな油揚げ麺ですが、カップラーメンでしか味わえない魅力にあふれているのが魅力的なポイント。
中盤以降(お湯を注いでから7,8分くらい経過すると)ふかふかとした食感に変わってくるのですが、食べ始めはコシがあり、いわゆるニュータッチ(ヤマダイ)やDAIKOKU(大黒食品工業)に通じるような、此れと言って特別な個性があるわけではないけれど、昔ながらの伝統的で気取らない‥私この麺とても好きです。
もし200円オーバーなら「ちょっと待て」かけますが、おそらく130円未満〜場合によっては100均コースなので、いい意味で値段相応。油揚げ麺特有のジャンクな風味も今回の辛い塩台湾スープとマッチしていたし、その中で奥からフッ‥と上がってくる油揚げ麺特有の甘みも絶妙で、スープとの取り合わせバッチリでした。で、そのスープなんですけど‥‥
スープ
鶏ガラスープにニンニクと青唐辛子を加えた塩ラーメンスープ。
(出典:寿がきや食品「商品情報」)
台湾ラーメンのように真っ赤なラー油は浮いていませんが、いきなり辛さレベルは中辛以上。辛い食べ物が好きならピリ辛以上かな? だと思いますが、カレーのルゥや麻婆豆腐など、一般的な市販品の辛さ表示基準を意識して、甘口(ピリ辛)・中辛・辛口・大辛・激辛でランク付けをするなら「辛口」です。辛味のタイプはハバネロのように遅効性・蓄積型の辛さではなく、のっけからシャープに痛覚を刺激する即効性で瞬発力があり、とても爽やか。
赤唐辛子の芳ばしさも感じるのですが、青唐辛子(ハラペーニョ)の青い香りが強く、しかしながら生臭いとまではいかない適切な立ち位置から個性を演出し、秋・冬よりも春・夏に食べたくなるような清涼感が得られます。それでいてカプサイシンの発熱&脂肪燃焼も感じるため、まだ肌寒い3月中旬(発売日)の季節的にもピッタリ。
土台を支える清湯系の鶏がらスープは脂っ気は控えめでもコク深く、青唐辛子の清涼感とカプサイシンの辛さにガツンとニンニクが重なって、塩台湾ラーメンらしい中毒性を演出しているのですが、ニンニクの指標はガーリックパウダーだけではありません。ガーリックペーストも仕込んであるのでニンニク感にも深みがあり、高級感のないカップラーメンでも塩台湾ラーメンらしいジャンクな中毒性が楽しめます。再現度の高さを打ち出しながら微塵の違和感もなくカップ麺というジャンルに落とし込んでいる、これは絶妙ですよ。
かやく
肉そぼろ、ニラ、唐辛子。
(出典:寿がきや食品「商品情報」)
言葉のニュアンスですが、まさに肉そぼろは「ミンチ」という表現が似合う肉質で、どうしてもカップ麺の乾燥具材らしい軽さはあるものの、台湾ラーメンの雰囲気を演出するにあたって申し分のない存在感。台湾ミンチみたいに辛くて濃い味ではありませんし、量も多くありませんが、かやく入スープと同梱型ということもあって味付けがスープと馴染み、一体感があります。
ニラは大量ではないものの台湾ラーメンを演出するにあたって必要不可欠な存在ですし、パンチのあるスープをニラの風味が囃子(はやし)のように盛り上げてくれていたのですが、もっとも存在感があったのは大きな輪切り唐辛子。このサイズに出会える確率は新作カップ麺だと高くありませんし、唐辛子の種まで入っているのは臨場感ありますね。
“唐辛子は種が一番辛い” という説もありますが、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンの根源は種が張り付いている「胎座」なので、種が一番辛いわけではありません。しかし、唐辛子を乾燥させると胎座が崩壊して飛散するので、内側から全体が辛くなり、また胎座に近い種も辛味を帯びて辛くなるため、そのように言われているわけですね。という蘊蓄はさておき輪切り唐辛子は直接かじったら当たり前のように辛いので、もちろん飾りではありません。スープは青唐辛子優勢ですが、多めの赤唐辛子で辛さと風味にバリエーションがあってよかったです。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
スープの色は台湾ラーメンのように仰々しくてワイルドな雰囲気とは真逆、むしろ大人しい見た目ですが辛さレベルは「辛口」クラスに辛いので、辛い食べ物が苦手な方は気を付けてください。逆に辛い食べ物が好きな方にとっては「ふつうに辛口」程度なので、激辛しお台湾ラーメンに期待してはいけませんが、うまさレベルは上出来ですね。
コクのある鶏しおスープに唐辛子の刺激、青唐辛子(ハラペーニョ)の爽やかな個性、ニンニクの中毒性など、インスタント感は強めのテイストでありながら再現度が高いと思わせる、なんとも落としどころが絶妙な一杯でした。2013年頃にも「名古屋の味 塩台湾ラーメン」というカップラーメンが発売されていたのですが、まだまだテーマとしても新鮮味がありますし、中辛以上にんにくOKならオススメです。