どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年4月6日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん」の実食レビューです。
福岡でしか食べられない地元の行列店「ShinShin(しんしん)」のカップラーメンが肉具材2倍で再登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ShinShinのカップ麺
「博多純情らーめん ShinShin」とは、有限会社Shin-Shinが運営する豚骨ラーメン専門店で、2003年(平成15年)10月に福岡県福岡市中央区天神で1号店「博多らーめん ShinShin 天神本店」をオープン。今回のカップ麺「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん」は、博多純情らーめんの礎「博多ShinShinらーめん」を再現したもの。
サンヨー食品とShinShin(シンシン)のコラボは、2018年4月9日発売の第1弾「サッポロ一番 博多純情らーめんShinShin 炊き出し豚骨ら一めん」から続いていて、翌2019年4月8日に同じ商品名のカップラーメンを第2弾として発売。初代ShinSshin監修カップ麺は熱湯2分の油揚げ麺を使っていましたが、今回を含む二代目以降の商品には熱湯90秒(1分30秒)のカタ麺を採用しています。
というわけで、今回の「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん」は、ShinShin監修カップめん第3弾(三代目)に該当する新作。微妙に公式の商品名が変わっているのですが、初代・二代目と同じくサブタイトルが “炊き出し豚骨らーめん” となっているように、再現元のメニューは引き続き「博多ShinShinらーめん」とみて間違いありません。
「博多ら一めん ShinShin」の創業者で運営母体「有限会社 Shin-Shin」の代表取締役・中牟田信一(なかむた しんいち)氏は、10代の頃に福岡県福岡市中央区渡辺通の「中華山庄(やましょう)」でアルバイトをしていたらしく、そこで経験した出前をキッカケにラーメン業界に興味を抱き始め、東京で2年間のサラリーマン生活を経てから兄弟子を頼って博多に帰還。
20代前半で福岡・中洲の人気屋台「ともちゃん」に入り、お客様に楽しんでもらうため、ラーメンの味はもちろんトークやパフォーマンスなど屋台特有のスキルを取得。それから兄弟子と「屋台おかもと」に行き店長を務め、その後「屋台けいじ」でも働いて腕を磨き、屋台で10年以上の修行を積んでから2003年10月(当時34歳の頃)に「博多ら一めん ShinShin」を開業します。
ShinShin(しんしん)という屋号の由来は “博多屋台人” こと創業者・中牟田信一氏の名前に因み、カップ麺の再現元にもなっている「博多ShinShinらーめん」は屋台時代に叩き上げてきた「長浜ラーメン」の流れを汲んでいるのですが、いにしえの「博多ラーメン」が持つ魅力も加え、懐かしさの中にも新しさを備えたShinShinの「博多純情らーめん」が完成したとのこと。
「ShinShin」のスープは職人・吉田茂広(よしだ しげひろ)氏が培ってきた “長年の経験による味” と中牟田店主が培ってきた “屋台叩き上げの味” を組み合わせ、国産の豚頭や背骨に佐賀の銘柄鶏・あたりどりの鶏ガラも使い、地元九州の香味野菜と一緒に地下水で焚き出すこと12時間——臭みを抑えたスープは “誰もが飲み干してしまう” と高い口コミ評価を得ています。
2020年4月現在は福岡県内に5店舗(福岡天神本店、博多住吉店、博多デイトス店、KITTE博多店、小倉駅店)を構え、いずれの店舗も安定して “おいしい” と評判も上々。けれども2018年4月に発売された初代カップ麺は、こだわりの感じられないシャビーな油揚げ麺が全体の足を引っ張り、移転前のブログではイマイチ(10段階基準で★2)と評価していました。
開封
そのため2019年4月発売の二代目はスルーしてしまったのですが、そのタイミングで麺の仕様が変わっているので、今回は評価が変わってくるかもしれません。とりあえず別添の小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。初代カップ麺はPS(ポリスチレン)製のプラ容器に銅巻き紙でしたが、二代目から紙容器に変わっていたようです。
具材は鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、キクラゲとシンプルな構成で、ラインナップは初代から変わっていませんが、今回の三代目は2019年販売品と比較して肉具材を2倍に増量してリニューアル。二代目はレビュー枠の関係もあってスルーしてしまったので、どのくらい増えているのか分からないのですが、今のところ頼りない印象はありません。
メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで買った場合の税込価格は232円が2020年4月現在の相場。全国のスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアなども販売店に含まれているため、コンビニでしか買えないカップ麺ではないのですが、コンビニでは「ローソン」「ミニストップ」「セブンイレブン」での取り扱いを確認しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん 販売者:サンヨー食品株式会社 製造者:太平食品工業 関西工場 製造所:奈良県大和郡山市額田部北町944(W) 内容量:100g(めん70g) 商品コード:4901734039938(JAN) 商品サイズ:φ112×118(mm) |
発売日:2020年04月06日(月) 実食日:2020年04月09日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯90秒 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、粉末卵)、スープ(ポークエキス、糖類、食塩、豚脂、植物油脂、香辛料、油脂加工品、しょうゆ、でん粉、チキンエキス、ゼラチン、調味油脂、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、キクラゲ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、カラメル色素、香料、かんすい、甘味料(カンゾウ)、酸味料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は熱湯90秒の油揚げ麺で、形状はストレートではないものの、白っぽい見た目と細めに切り出された形状は豚骨ラーメンにピッタリな雰囲気。なお、フタ上に「麺のかたさ目安表」が書いてあったように、超カタ麺=80秒、カタ麺=90秒、普通=120秒となっているため、お好みに合わせて調節してください(※メーカーのオススメは90秒のカタ麺)。
別添の小袋は後入れなので、お湯を注いで時間になったらフタを全部剥がし、粉末スープを溶かしてから「仕上げの小袋」を入れましょう。ShinShinの “博多純情らーめん” は基本的に肉そぼろではなくチャーシューなので、再現度は遠くなってしまうのですが、とりあえず量的な印象は悪くありません。
ちなみに取扱店の一つに含まれているセブンイレブンですが、コンビニの中でもセブンイレブンだけは “九州地区から関西地区のみ” となっているため、購入の際は注意してください。それでは、お店のコンセプトを意識しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)あたり |
カロリー:474kcal たん白質:11.1g 脂 質:22.7g 炭水化物:56.3g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:1.8g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.58mg カルシウム:209mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:474kcal(めん・かやく:331kcal)(スープ:143kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
初代よりはマシだけど‥‥
加水率の低い細めの油揚げ麺で、とりあえず熱湯90秒で開封してみたところ、たしかに「カタ麺」ではあるのですが、とんこつラーメン専門店の “バリカタ” みたいな食感ではありません。熱湯90秒ではサクサク・パキパキとした部分が多発しているので、なんというか “そりゃ早めに開けたら歯応えも強くなるよね” みたいなw だいぶスナック的な食感です。
原材料は小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、粉末卵とシンプルなのですが、だいぶ風味もスナック的で、本格さは感じません。まだ半分くらいしか戻ってないパキパキ感が醍醐味(だいごみ)なんだよ! という方におかれましてはセオリーどおり調理していただいて問題ありませんが、そうでなければ熱湯90秒+かきまぜ後に30秒ほど放置するのがベストかも。
ちぢれの強い低加水麺タイプということでスープとの一体感は申し分ないのですが、本店の極細ストレート麺は川部食品と共同開発した “とにかく細い特注の激細麺” なので、お世辞にも再現度が高いとはいえません。しかし、まったく個性の感じられなかった初代(2018年販売品)の麺からは確実に成長していました(それでも大目に見て及第点ですが‥‥w)。
スープ
割り切れば悪くない
別添の小袋を入れる前の粉末スープは、すでに醤油の風味があり、やや塩気は強めの設定で、とろみ成分が含まれています。ポークエキスを筆頭に香味野菜のアクセントを効かせ、かるめにチキンエキスを重ねるなど、たしかに「ShinShin」のフレームワークを意識しているのですが、ちょっと糖類による人工的な甘さが気になるところ——
「仕上げの小袋」には、豚脂(ラード)と食部油脂をブレンドしたアブラ成分のみ入っていて、しょうゆダレに該当する要素は事前のスープに仕込まれていた粉末しょうゆのみ。そのためタレのキレに臨場感はないものの、さすが豚脂の風味と厚みは効果的で、粉末スープだけでは出せないコクを打ち出してくれていました。
ただ、とんこつ特有のネガティブなクセは抑えているため、けっこう味は濃いめでも骨のコクが伴っておらず、ギミック的な旨味が優勢で、糖類の甘さが悪い意味で目立ってしまっているのは残念なポイント。そのためトロミも不自然に思えてしまったので、もっとクリアに豚骨を突き詰めてほしかったです。
具材
具材は及第点以上
鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、キクラゲ、いずれも新開発の具材ではないのですが、コリコリとしたキクラゲの食感は豚骨ラーメンのイメージ的にも相性がよく、ネギもシャキシャキと歯触り強め。ネギは後入れできるタイプの乾燥ねぎ(小葱)だったらベストではあったものの、邪魔にならないくらいに量が多く、印象は悪くありません。
鶏・豚味付肉そぼろはスパイシーな味付けで、その味付けも食感もインスタント的なのですが、今回のスープが本格的ではなかった分、そういった意味では結果オーライ。2倍とはいえ大量に入っているわけではないものの、サンヨー食品(太平食品工業)の縦型ビッグは具材に貧弱なことが多いので、これなら値段相応の内容といえるでしょう。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
「ShinShin」の “博多純情らーめん” は、老若男女を問わず誰もが食べやすい味わいが特徴となっているため、とんこつ感が弱いのは問題ないのですが、骨っぽさを疎かにしていいわけではありません。まったく旨味やコクがないわけではないものの、とろみ成分が自然に思えるほどの濃度は備わっておらず、人工的な要素が前に出ているのが気になりました。
新商品に強いコンビニでの販売を意識して開発し、利便性の高さと記憶に残るインパクトを両立しなければいけない縦型ビッグのカップラーメンなので、それなりに制約があるのも分かります。美味しいかマズいかでいえばマズいわけではないのですが、そろそろノンフライ麺・どんぶり型で本気を出してもいい頃かなと——第4弾に期待ですね。