どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年1月4日(月)新発売のカップ麺、明星食品「札幌らーめん信玄 コクみそ味」の実食レビューです。
札幌っ子も観光客も認めた “なまらうまい” 行列の絶えないラーメン店「信玄」のカップラーメンが今年も登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
信玄 コクみそ味(三代目)
らーめん信玄(しんげん)とは、北海道内で2店舗を展開しているラーメン店で、北海道札幌市中央区南六条西8丁目・東本願寺前に店を構える「南6条店」が注目を集めているのですが、そのルーツは北海道石狩市花川南一条にある「花川本店」にあり、どちらも北海道を代表する名店として知られます。
今回の新商品「明星 札幌らーめん信玄 コクみそ味」は、明星食品株式会社(東京都渋谷区)と「らーめん信玄」の共同開発商品で、信玄を代表する白みそ仕立ての看板メニュー「信州(コク味噌)」を縦型ビッグのカップラーメンで再現。2019年2月と2020年3月にも同じ商品名のカップ麺を発売しているため、2021年1月発売品で明星食品とは3回目のコラボになりました。
実は2012年(平成24年)頃、株式会社とかち麺工房(旧「十勝新津製麺株式会社」)がサンクス限定商品として「らーめん信玄 信州コク味噌」という “氷結乾燥ノンフライ麺” を使用したカップ麺を発売しているのですが、とかち麺工房は競争激化などを理由に業績が悪化して、2014年(平成26年)7月に事業を停止。同年8月5日付で釧路地方裁判所帯広支部から破産手続きの開始決定を受け、とかち麺工房は倒産。
その後、とかち麺工房の破産管財人(岩田明子弁護士)より株式会社力の源ホールディングス(「一風堂」の運営母体)傘下の株式会社渡辺製麺が用地・設備及び製麺技術を買収し、同年12月からカップめん事業をスタート。2016年(平成28年)2月4日(木)北海道内のローソンで開催された「北海道味紀行第4弾~空知・石狩・後志地域編~」にて、渡辺製麺からは初となるカップ麺「らーめん信玄 コク味噌」を発売します。
2016年2月発売の「らーめん信玄 コク味噌」は、北海道内のローソン限定商品だったのに対し、今度は株式会社ラーメンデータバンク協力のもと、同年6月28日(火)全国のローソンを対象に「らーめん信玄 コク味噌味」を展開しているのですが、2018年(平成30年)3月下旬、即席カップめん類の製造・販売事業から手を引いた渡辺製麺。
そのため信玄の再現カップ麺も打ち切りかと思いきや、名乗りを上げたのが日清食品ホールディングス傘下の明星食品で、2019年2月11日に縦型ビッグのカップ麺「明星 札幌らーめん信玄 コクみそ味」を、2020年3月9日にも同じ商品名のカップ麺を再販し、ラーメン激戦区・札幌が誇る「信玄」の名を全国に轟かせました。
ちなみに「らーめん信玄」では、花川本店及び南6条店共通のメニュー「越後(辛味噌)」「信州(コク味噌)」「土佐(あっさり塩)」「播磨(こってり塩)」「尾張(あっさり醤油)」「水戸(こってり醤油)」をはじめ、花川本店でしか食べられない限定メニュー「蝦夷(こがし背脂醤油)」に「謙信セット(ハーフラーメン・ミニチャーシュー丼)」など、商品名に日本の旧国名(古称)を冠しているのが印象的。
その中でも不動の人気を誇り、歴代カップ麺のモデルにもなっている注文率No.1メニュー「信州(コク味噌)」は、豚骨をベースに煮干しや数種類の野菜を加え、じっくり煮込むこと50時間。それでいて濁りのない清湯(チンタン)に仕上げ、なおかつ味噌ダレには白味噌を使用した、札幌みそラーメンの中でも上品かつマイルドなテイストを特徴としています。
開封
北海道を代表する名店なのに1番人気は信州(コク味噌)とは是如何に——と、それはさておき今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「調味油」が1袋。この構成については前回・前々回の「明星 札幌らーめん信玄 コクみそ味」と変わっていませんが、2019年2月発売品の小袋は赤色、2020年3月発売品の小袋は茶系の色、2021年1月発売品の小袋は深緑色なので、中身もマイナーチェンジしている可能性大。
パッケージには “札幌っ子も観光客も認めた! 行列の絶えないラーメン店” とあるため、おもわず今年も期待が高まるところ。
具材の構成は、チャーシューチップ、もやし、キャベツ、ネギの4種類。開封直後、お湯を入れる前から野菜を炒めたような芳ばしい香りが漂い、白味噌の柔らかい香りが重なって、はやくも高評価を叩き出しそうな予感。どちらも「らーめん信玄」の信州(コク味噌)を象徴するポイントなので、掴みはバッチリ。
ちなみに2019年2月発売品のメーカー希望小売価格は205円(税別)だったのですが、同年6月1日(土)出荷分から実施された価格改定により、2020年3月発売品から220円(税別)に値上げ。このページでレビューする2021年1月発売品のメーカー希望小売価格も220円(税別)となっているため、前回から据え置きです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 札幌らーめん信玄 コクみそ味 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場 内容量:104g(めん80g) 商品コード:4902881450645(JAN) 商品サイズ:縦109mm×横109mm×高さ119mm |
発売日:2021年01月04日(月) 実食日:2021年01月08日(金) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ローカルスーパー 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:340ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、酵母エキス)、スープ(みそ、ポークエキス、豚脂、デキストリン、糖類、香味調味料、食塩、香辛料、香味油、酵母粉末)、かやく(キャベツ、チャーシュー、もやし、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、炭酸マグネシウム、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む)※本品製造設備では、そば・かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。明星食品のニュースリリースには “お店の特徴である、しっかりした食感と色合いを再現した中太麺” とあり、なおかつ明星食品の縦型ビッグは麺の質感にも抜かりない商品が多いので、札幌みそラーメン特有のプリッとした多加水熟成ちぢれ麺の再現に期待したいところ。
あとは熱湯を注いで5分間、別添の小袋は後入れなので、お湯を入れてから待っている間に小袋をフタの上で温めた後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。ちなみに今回のパッケージにも書いてある「なまら」とは、北海道の方言で「とても」を意味する単語なので、なまらまろやか=とてもまろやかになるのですが、調味油を加えるとアグレッシブなニンニクの香りが漂い、ある種の攻撃性が並行するスタイル。
なお一部の地域では売ってない店舗もありますが、販売店は全国のスーパーやドラッグストア、ディスカウントなども対象で、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)すべての企業で取り扱いを確認しました。
それでは、みそラーメンの聖地である北海道で行列の絶えないラーメン店「らーめん信玄」監修の恩恵に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)あたり |
カロリー:467kcal たん白質:9.3g 脂 質:19.8g 炭水化物:63.0g 食塩相当量:4.2g (めん・かやく:1.9g) (スープ:2.3g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:115mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:367kcal(めん・かやく:384kcal)(スープ:83kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープにマッチする多加水ちぢれ麺
「らーめん信玄」の実店舗で使われている麺は、札幌らーめんの王道を地で行く黄色い見た目と縮れが強い熟成たまご麺で、製麺所は北海道札幌市手稲区に本社を構える小林製麺(株式会社太兵衛)。ぷりっとした歯切れのよさを特徴とする加水率の高い熟成多加水麺で、これぞ北海道の味噌ラーメンといわんばかりの風格。
それをイメージした今回の油揚げ麺は、実際の麺よりも黄色味が弱く、食感のベクトルも熟成たまご麺ならではのプリッとした弾力とは異なりますが、密度の高い反発性が食べ応えを打ち出し、後半は適度な歯切れのよさも並行する食感。食べ終わる頃になると油揚げ麺特有のフカフカとした弾力が目立ち始めますが、それもネガティブに思わせません。
徹底的に再現度を追求した場合、油で揚げていないノンフライ麺を使うのがベストではあるものの、簡便性に優れた縦型ビッグの油揚げ麺としては及第点以上の水準。なによりスープとの相性も悪くなかったので、油揚げ麺ならではのインスタント感を素直に楽しむことができました。
スープ
優しいスープにアグレッシブな調味油
調味油を入れる前のスープは、野菜の甘みと白味噌のコクを基調とする優しいテイストで、にんにくなどの香味野菜を適度に効かせているのですが、ほぼほぼ攻撃性はありません。それよりも濃厚なポークエキスと味噌の複雑な旨みで食わせるようなスープに仕上がっており、なかでも白味噌ならではの優しい発酵感が印象的なフレームワーク。
しかし、そこに調味油を加えると一変。もやしを中華鍋で炒めたような調理感もさることながら、にんにくのエッジがプラスされ、膨よかでありながらキレのあるテイストを実現。オイルを直接なめると分かりやすいのですが、香り以上に刺激が強く、ニンニク特有の辛味を感じるレベルでした。
ちなみに粉末スープにトロミ成分が含まれているのですが、濃厚さの指標を履き違えていなかったので、とろみの過言が自然だったのもよかったです。
具材
原材料は汎用だけど好印象
実店舗の信州(コク味噌)にはメンマが入っているのに対し、カップ麺ではキャベツが代打を務め、ネギも汎用の乾燥ネギを使用。もやしも大量とはいえない内容ですが、短めでも地味に太めのサイズなのが嬉しく、もやし特有の風味と食感が調理感のあるスープにベストマッチ。
チャーシューもチップ状にカットされているハムみたいな食感の肉具材ですが、そこそこ多めに入っており、いずれの具材も存在感は明確。可能であればキャベツをメンマに置換してほしいところではあるものの、結果的にボリューム感を稼げるキャベツで正解かもしれません。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
麺と具材はインスタント感の強い内容ではあるものの、それが全体の雰囲気を損なうことはなく、白みそ仕立ての優しいスープもさることながら、ニンニク特有の辛味を効かせた調味油を合わせているのが個性的で、札幌・石狩の有名店監修ならではの臨場感が楽しめました。
いつか大判どんぶり型の容器に身を包み、ノンフライ麺を搭載した本気モードも開発してほしい思いもあるけれど、それはさておき一つのカップラーメンとしてクオリティの高い一杯です。コンビニでの取り扱いも多かったので、優しさと攻撃性を兼ね備えた白みそ仕立ての札幌ラーメンが気になる方は、これを機に試してみてください(author・taka :a)