どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月26日(火)新発売、明星食品のカップ麺「支那そばや監修 醤油らぁ麺」の実食レビューです。
自称日本一ラーメンを食べた男・大崎裕史推薦 “ファミリーマート×ラーメンデータバンク共同開発企画” 第2弾は「支那そばや」監修のカップラーメンを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
支那そばや監修 醤油らぁ麺
ファミリーマート×ラーメンデータバンク共同開発企画とは、ファミリーマートの創立40周年に向けたチャレンジ「40のいいこと!?」の一つ『もっと美味しく』の一環で、国内大手カップめんメーカー5社(エースコック・サンヨー食品・東洋水産・日清食品・明星食品)協力のもと、ラーメンデータバンクが推薦する有名店の味わいをカップ麺として商品化し、5回に分けて発売する企画。
今回の新商品「支那そばや監修 醤油らぁ麺」は、神奈川県横浜市に本店を置く「支那そばや」監修のもと、同店を代表する「醤油らぁ麺」の味わいを再現したカップラーメンで、以前から付き合いのある明星食品と共同開発。ファミリーマート×ラーメンデータバンクの共同開発企画としては、2021年9月28日発売の「利尻らーめん味楽本店監修 焼き醤油味らーめん」に続くシリーズ第2弾の新作です。
支那そばや(しなそばや)とは、素材に対する徹底した姿勢から「素材の鬼」との異名を持ち、誰よりもラーメンを愛したが故に「ラーメンの鬼」として名を馳せた故・佐野実(さの みのる)氏が立ち上げたラーメン店で、創業は1986年(昭和61年)8月6日。現在のラーメン業界では当たり前のように語られている “自家製麺” や “厳選素材” の火付け役として、常に業界を牽引してきました。
そんな佐野実氏と明星食品のコラボが始まったのは、現在を遡ること14年以上、2006年(平成18年)1月16日の話。明星食品のロングセラー「チャルメラ」が発売40周年を迎えたことを記念して、当時のインスタントラーメン業界では初となる佐野実氏とのコラボ商品「明星 チャルメラ 佐野実限定しょうゆ 5食パック」を市場に投下。
業界初の佐野実氏監修商品には、焙煎した黒胡椒を軸に、焼津産の鰹節粉末や焼き味噌粉末、さらに隠し味として醪(もろみ)粉末や魚醤粉末など、計8種の厳選した原料を配合した「佐野 実」オリジナル処方のスペシャルスパイス(SPECIAL – SPICE)を別添し、既存の「明星 チャルメラ しょうゆラーメン 5食パック」では味わえない特別感を演出。
続けて「チャルメラカップ」や「一平ちゃん夜店の焼そば」「中華三昧」など、明星食品を代表する商品を矢継ぎ早に監修し、2010年(平成22年)3月15日には当時の明星食品が力を入れていた「究麺(きわめん)」のCMにも出演。同年9月20日には「支那そばや」の数量限定メニューを再現した縦型カップ麺「明星 佐野実 限定味噌らぁ麺」を発売し、新規ユーザーの獲得と市場活性化を図りました。
以降、2012年2月から2013年12月にかけて、店舗ではなく佐野実その人が監修したカップ麺「明星 佐野実 限定塩らぁ麺」「明星 究麺外伝 佐野実 限定香味塩らぁ麺」「明星 佐野実 限定醤油らぁ麺」「明星 佐野実監修 冬限定 塩らぁ麺」を発売していたのですが、2014年(平成26年)4月11日 午前2時57分、佐野実氏(享年63)多臓器不全のため永眠——。
その後、佐野実氏が生前に残した傑作レシピを元に、明星食品が「明星 ラーメンの鬼の伝説の一杯 豚骨」というカップ麺を2016年3月21日に新発売。続けて2018年7月16日に「明星 ラーメンの鬼 焦がし牛塩らぁ麺」を発売しているのですが、それを最後に明星食品のNB(ナショナルブランド)から「支那そばや」関連のカップ麺が出ることはなかったので、今回の「醤油らぁ麺」は3年ぶりの展開です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「液体スープ」が1袋。それを取り外した先にある天面には「想」の文字と “支那そばや初のカップめん化。佐野実の思いを紡いだ淡麗でありながらコク深い味わいをご賞味ください。” というメッセージをプリント。
フタを開けると具材はチャーシュー、メンマ、ねぎとシンプルで、フタ裏には「ラーメンデータバンク×SmartNews(スマートニュース)」の広告。なにやらSmartNewsの「ラーメンチャンネル」を登録すると、コラボカップ麺の開発秘話が読めるらしく、さらに「支那そばや監修 醤油らぁ麺」が50円(税込)で買えるクーポンも当たるそうなので、興味のある方はチェックしておいてください。
ちなみにファミリーマートのニュースリリースでは “今回は「支那そばや」店舗初監修で開発” という大崎裕史氏のコメントや “初の「支那そばや」監修のカップ麺となりますが-・” という「支那そばや」の現店主・佐野しおりさん(佐野実氏の妻)のコメントを紹介していますが、2018年7月発売の「焦がし牛塩らぁ麺」は「支那そばや」監修となっていたので、今回が初監修ではありません。
※ただし、商品名に「支那そばや監修」と入るのは、今回の「支那そばや監修 醤油らぁ麺」が初めてです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:支那そばや監修 醤油らぁ麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4902881476225(JAN) |
発売日:2021年10月26日(火) 実食日:2021年10月26日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:228円(税込) ファミリーマート通常価格:212円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、クロレラエキス、卵粉)、スープ(しょうゆ、デキストリン、鶏・豚エキス、たん白加水分解物、香味調味料、チキンオイル、糖類、香味油、食塩、豚脂、酵母エキス、香辛料、かつおエキス、昆布粉末)、かやく(チャーシュー、メンマ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、カラメル色素、香料、微粒二酸化ケイ素、乳化剤、酒精、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落花生を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させた、明星食品が得意とする独自製法 “スチームノンフライ製法” のノンフライ麺で、支那そばやには欠かせない「ジェファー液(クロレラエキス)」を配合しているのがポイント。これは2018年7月に発売された「明星 ラーメンの鬼 焦がし牛塩らぁ麺」の麺にも用いられていた技法なのですが、当時の商品には油揚げ麺を使っていたので、そもそものスタイルが異なります。
さて、あとは熱湯を注いで4分間、フタの上で「液体スープ」の小袋を温めながら待ち、4分後に液体スープを加え、よくかき混ぜたら完成です。さすがにセブンプレミアムの「銘店紀行」ほどではないけれど、シンプルながらにボリューム感のある具材の構成をはじめ、液体スープを加えた後の香りも芳醇。あえて気を衒わないような、王道を地で行くシンプルな雰囲気の調理直後。
ちなみに「支那そばや」の現店主・佐野しおりさん曰く “麺との相性を大事にしつつ、キレのあるスープになっています。ただ、シンプルこそ難しく…。化調風味が強く出ないよう、明星食品さんに工夫していただきました。” とのコメントがあったので、良くも悪くも影響力の強い化学調味料の効かせ方にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)あたり |
カロリー:367kcal たん白質:10.0g 脂 質:7.7g 炭水化物:64.5g 食塩相当量:5.7g (めん・かやく:2.0g) (スープ:3.7g) ビタミンB1:1.46mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:154mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:367kcal(めん・かやく:303kcal)(スープ:64kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
独特の噛み応えがクセになる感じ
「支那そばや」店舗の自家製麺に使われているジェファー液(クロレラエキス)には、グルテンの網状構造形成を強化する効果があるらしく、麺を茹で上げる工程で澱粉の溶出を防ぎ、弾力性(コシ)と伸展性(アシ)のある麺に仕上がるそうです。その効果を湯戻し4分のノンフライ麺で明確に実感できるかどうかはさておき、ひとつのノンフライ麺としてのクオリティは低くありません。
形状は丸刃で切り出された中細麺で、縮れは強く、加水率は中位。どんぶり型に合わせるスーパーノンフライ製法のノンフライ麺と比較して、スチームノンフライ製法は “ノンフライ麺と油揚げ麺の中間的な麺組織を形成する” ための技術。そのため臨場感はスーパーノンフライ製法に劣るものの、油揚げ麺と違って雑味がなく、それでいて適度にカップラーメンらしさも表現できるのが強み。
お店の生麺とは系統の違う、ノンフライ麺ならではの質感ではあるものの、素朴な「支那そば」の雰囲気を壊さない仕上がりで、後述するスープとの相性も悪くありません。ジェファー液(クロレラエキス)を配合したことによる恩恵か “なめらかさ” と “しなやかさ” が独特で、その口当たりと噛むたびに感じる独特な歯応えに個性を感じました。
スープ
インパクトはないけど食べ飽きない
なるほど化学調味料の雑味は比較的に抑えてあるように感じますが、ややデキストリンに由来する口当たりが人工的なのと、鶏・豚エキスの旨みにも特筆すべき個性はなく、以前にも食べたことがあるような既視感が拭えません。しかし、別添の「液体スープ」を加えると一変。
明星食品の香味油は、けっこう複雑な旨みを醸してくれるので、もうすこしシンプルなオイルでも‥‥という思いもありましたが、その舌に残る旨みがクセになる感じ。ええ、それもまた人工的なんですけどw 香味油に含まれる若干の乾物系と隠し味の鰹エキスや昆布エキスが重なることで、うま味の相乗効果を図りつつ、豚脂と鶏油(ちーゆ)の芳ばしさで動物系の膨よかな旨味を底上げ。
そうこう吟味しているうちに、化学調味料特有の旨味も舌に蓄積されるので、段々とナチュラルではなくなってくるのですが、派手さはないけどクセになる、じんわりと後引く味わい。そこまで醤油の風味は強くないけれど、別添の液体スープには液体しょうゆベースのタレ(ちょっと焼豚の煮汁っぽい)も入り、粉末スープだけでは出せない醤油のコクと芳ばしい風味のアクセントがよかったです。
具材
ありきたりだけど量は多め
四角いカットのチャーシューチップを筆頭に、メンマもネギも汎用のトッピングですが、そこそこチャーシューチップは分厚めで、エアドライではなくフリーズドライのネギを採用しているのも好印象。メンマは小さめにカットされていましたが、コリコリとした食感が心地よく、箸休めに効果的でした。
総評
ラーメンの鬼・素材の鬼と呼ばれた男が創り上げた、天下の「支那そばや」監修というイメージに加え、現在の明星食品が保有している技術も加味すると、もうすこし特別な “こだわり” を感じたかった‥‥というのが正直な意見。ただ、けっして単調とか安っぽい感じではなく、カップラーメンらしさを保ちながら、それを洗練させたような仕上がり。
ファミリーマートのニュースリリースにあった “これぞ「支那そばや」と思っていただける美味しさに仕上がっています” という部分については賛否両論あるかと思いますけど、結論として「おいしい」か「まずい」かでいえば前者。シンプルだからこそ食べ飽きない、その素朴な味わいとノンフライ麺の仕上がりに価値を感じる一杯でした【author・taka :a(大石敬之)】