どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、農心ジャパン(NONGSHIM JAPAN)のカップ麺「辛ラーメン ブラック バケツカップ」の実食レビューです。
NYタイムズが選ぶ最も美味しい即席めんランキング1位に輝いた “あのBLACK” をカップラーメンに!? 世界が認めた「プレミアム辛ラーメン」大盛りサイズで日本に上陸!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
辛ラーメン ブラック バケツカップ
辛ラーメン(Shin Ramyun)とは、即席めん類及びスナック菓子などの製造・販売を生業とする株式会社農心(NongShim Co., Ltd. – 주식회사 농심)の主力商品で、1986年10月発売のロングセラー。韓国では150種の製品が角逐している即席めん市場において「辛ラーメン」は国内シェア25%という脅威の市場占有率を有し、韓国を代表するインスタントラーメンとしての地位を確立しました。
今回の新商品「辛ラーメン ブラック バケツカップ」は、通常の「辛ラーメン」よりもマイルドな辛さとコク深いスープを特徴とする「辛ラーメン ブラック(BLACK)袋麺」の味わいを再現したカップラーメンで、しかしながら農心ジャパンの公式ウェブサイトに製品情報は掲載されておらず、突如として全国のセブン-イレブン店舗に現れた謎多き一杯。
あらためまして「辛ラーメン ブラック(신라면 블랙)」とは、農心が誇る「辛」ブランドに “牛骨を中心にした韓国の保養食文化を加えたい” というストーリーが込められた袋麺で、前述のように通常の「辛ラーメン」と比較してスープの辛さは控えめ。またパッケージにPREMIUM(プレミアム)の文字があるように、W(ダブル)の粉末スープが織り成すリッチな味わいを特徴としています。
もともとは「辛ラーメン」の発売25周年を記念して開発された商品で、2011年4月15日に韓国で新発売。従来の美味しさは残しながら、ソルロンタン(牛骨スープ)の要素を加えた「ブラック」は瞬く間にファンを獲得。2020年にはニューヨーク・タイムズのレビュー専門コーナー「wirecutter(ワイヤーカッター)」に掲載された “The best instant noodles” にて1位を獲得し、大きな話題になりました。
NYタイムズの “The best instant noodles” で1位を獲得した、それはつまり「世界で最もおいしい即席麺」に選定されたことを意味する栄誉。私が袋麺の「辛ラーメン ブラック」を食べたのは7、8年ほど前の話になりますけど、たしかに牛骨由来のスープが味わい深く、いつもの「辛ラーメン」とは違う美味しさに感銘を受けたことを思い出s‥‥と、とんことぅ〜???ww
いや、えっと‥‥なんで?? シンプルにw 前は牛骨推しだったんですよ、間違いなく。そういえばコロナ禍で「辛ラーメン ブラック」の生産ラインが逼迫(ひっぱく)したことを受け、農心は同商品の販売を2021年3月から一時的に休止せざるを得ない状況となり、2022年9月5日から販売再開の運びとなった——というニュースリリースは読みましたけど、そのタイミングで変わったのか?
というわけで、販売休止直前の商品画像(日本語パッケージ)を確かめるために検索してみたところ、裏面に「1.特製辛味粉末スープ」「2.特製豚骨粉末スープ」というダブルスープについての記載があったことから、販売休止〜再開のプロセスは関係ない様子。ただ、2020年頃の商品には “牛骨×辛味” と書いてある日本語パッケージもあったので、その刹那に配合を変更したのだろうか——。
などと疑問に思いつつ、真相を確かめるために「辛ラーメン ブラック バケツカップ」の原材料名をチェックしてみたところ、スープの項目に「ビーフ風味パウダー」や「牛骨エキスパウダー」の表示を発見。ただ、筆頭に「豚骨エキスパウダー」が位置しているため “原材料名は、使用した原材料を全て重量順に表示するのが原則” というJAS法のルールに基づき、パッケージのデザインを改めたのかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「辛味粉末スープ」と「特製粉末スープ」の計2種で、かやくは最初から容器の中に入っている状態。ちなみに上記の画像では分かりにくいのですが、アレルゲン情報の下(「移り香注意」の右)に “일본용-1” とあり、これは直訳すると “日本用-1” つまり‥‥えっと、文字通りの意味ですw
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。かやくは “チンゲンサイ、味付かまぼこ、しいたけ、唐辛子フレーク” の組み合わせで、やけにデカい椎茸が目を引きます。詳しくは後述しますけど、肉そぼろに見える具材の原材料は肉ではないので、ここは残念なポイント。ただ、現行の袋麺に別添されている「かやく」にも牛肉は入っていないようですね。
前述のように農心ジャパンの公式ウェブサイトに製品情報がアップされていないため、下記の希望小売価格はコンビニでの販売価格に基づいているのですが、どうもコンビニではセブンイレブンにしか売ってない様子。ちなみにオンラインストアでは “eBay Japan” のネット通販サイト「Qoo10」での取り扱いを確認済みで、値段は12個入り3,650円(送料無料)でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:辛ラーメン ブラック バケツカップ 輸入者:株式会社 農心(ノンシン)ジャパン 製造元:株式会社 農心(韓国) 内容量:101g(めん74g) 商品コード:8801043042734 |
発売日:2023年04月11日(火) 実食日:2023年06月18日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブンイレブン) 小売価格:308円(税別) 購入価格:332円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:バケツ型 容器材質:紙 湯量目安:330ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(粉末スープ×2) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、でん粉、植物油脂、食塩、調味野菜エキス、植物性風味油脂)、スープ(豚骨エキスパウダー、マルトデキストリン、香辛料、ビーフ風味パウダー、牛骨エキスパウダー、糖類、調味酵母エキス、唐辛子調味パウダー、ごま、野菜粉末、粉末しょうゆ、しいたけ、昆布エキスパウダー、えびエキスパウダー、キムチシーズニング)、かやく(チンゲンサイ、味付かまぼこ、しいたけ、唐辛子フレーク)/ 加工でん粉、調味料(核酸等)、増粘剤(アラビアガム)、かんすい、乳化剤、香料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE、茶抽出物)、酸味料、ビタミンB1、微粒二酸化ケイ素、ナイアシン、鉄、ビタミンB2、葉酸、(一部に小麦・大豆・えび・豚肉・牛肉・ごまを含む)※本品製造工場では、そば・落花生・かに・鶏肉・乳成分・いか・さば・卵を含む製品を製造しております。 |
実食開始
別添の粉末スープは2袋とも先入れで、赤色の小袋には唐辛子色の辛味粉末スープを、金色の小袋には特製粉末スープを充填。日本のメーカーを例に挙げると、サンポー食品(「焼豚ラーメン」を製造している九州のメーカー)の粉末スープが特に多いのですが、それを凌駕する勢いです。
というわけで、大量の粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタをして待つこと4分。時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら出来上がり。ちょっとスープの量は少なめですが、でっかい椎茸を筆頭に具沢山なファーストインプレッション。湯気に備わる唐辛子のベクトルに「辛ラーメン」らしさを感じるけれど、それとは異なる濃密な香りが印象的。
ちなみにパッケージの天面や容器側面にも辛さレベルの表示はなく、辛いカップ麺で定番の警告文も見当たりません。しかし、韓国が誇る「辛」ブランドの一角。ブラックならではの個性はもちろん、辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(101g)あたり |
カロリー:415kcal たん白質:8.8g 脂 質:11.3g 炭水化物:69.4g 食塩相当量:4.3g (めん・かやく:0.9g) (スープ:3.4g) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:415kcal(めん・かやく:321kcal)(スープ:94kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
韓国のインスタントラーメンといえばコレ的な
「辛ラーメン ブラック 袋麺」の原材料名は “小麦粉、植物油脂、でん粉、食塩、野菜エキス” となっているのに対し、バケツカップでは “調味野菜エキス” や “植物性風味油脂” を練り込んでいるカップ専用の配合で、しかしながら表面の気泡が粗い感じだったり、もちもちとした粘りの強さだったり、これぞ韓国におけるインスタントラーメンの王道を地で行くような食感。
容器の形状が日本のバケツ型カップよりも浅く、必要なお湯の目安量も330mlと少なめ ——大盛りカップ麺のパイオニア「スーパーカップ1.5倍」(エースコック)を例に挙げると500mlが目安—— なので、どうしても麺の上面が熱湯に浸かりづらく、そもそも麺がキチッと容器にハマっていないこともあり、お湯を注いだ途端にプカプカと浮いてくる仕様から、どうしても戻りムラが発生します。
しかし、スープとの相性は申し分なく、また歯を包み込みながらも押し返してくる反発性と粘りのベクトルは、日本の工場で製造されている油揚げ麺のソレとは違うため、意識しながら噛み締めたいところ。戻りムラが気になる方は、熱湯4分で麺の上下をクルッと引っ繰り返した後、再びフタをして1〜2分ほど休ませてみてください。ちょっと手間ですが、ほとんど全体の食感が均等になりますよ。
スープ
いつもの辛ラーメンとは別物
たとえば唐辛子の芳ばしさだったり、天然調味料やダシに由来する後味だったり、きちんとオリジナルの「辛ラーメン」にルーツを感じるテイストではあるものの、それと比較して「ブラック」は清湯(ちんたん)と白湯(ぱいたん)くらい別物で、まったりとした豚骨と牛骨の旨みが口いっぱいに広がる様は、まさに「ブラック」ならではの魅力。
農心の公式ウェブサイトに記載されている辛さレベルを見ると “辛ラーメン=2.5/5、ブラック=2/5” となっているのですが、日本で販売されている「辛ラーメン」よりも明らかに辛さは控えめで、乳化感が強く、どっしり濃厚。そんな白湯の厚みも然る事乍ら、野菜や昆布、海老、キムチの隠し味など、それらの配合も絶妙で、これなら税込332円かけても惜しくないとレベルの高さを実感しました。
かやく
何回も書いてますけど椎茸でけぇ
肉そぼろに見える具材は味付かまぼこ(魚肉練り製品)なので、食感も風味も見た目に反して本物の肉からは程遠く、フカフカとしているのですが、ほんのり上がってくる甘さはスープと好相性。チンゲン菜はシャキシャキとした歯触りで、こちらもスープの世界観にフィット。
椎茸は日本のカップ麺に ——かやくとして—— 使われている、平均的な椎茸のサイズと比較して圧倒的に大きめで、漠然と農心らしいというか、異国情緒を感じるポイント。値段が値段だったので、本物の牛肉か豚肉を使ってほしかった不満もありますけど、でっかい椎茸は見どころです。
総評
日本での発売はセブン-イレブン店舗限定ではないようなので、もしかすると韓流グッズ専門の韓国ショップなどで販売されている可能性もありますが、たとえばネット通販サイトを経由すると「Qoo10」の場合は12個入り。また時期的にセブン-イレブンでは品切れの店舗もあったので、地域によっては入手困難な商品になるかとは思いますが、もし見かけたら試す価値あり。
そもそも「辛ラーメン」は口に合わないとか、辛い食べ物は苦手だとか、そういった方にはオススメできない一杯になりますけど、いつもの「辛ラーメン」とは一線を画す、クリーミーな魅力が味わえるので、バケツカップが手に入らなかった方は、これを機会に「辛ラーメン ブラック 袋麺」にも目を向けてみてください【author・taka :a(大石敬之)】