どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月1日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん正麺 カップ 汁なし担々麺 〜濃厚コク痺担々味 “花椒仕立て” 〜」の実食レビューです。
“湯切ったら生麺の味わい” マルちゃん正麺カップから革新的な湯切りタイプのカップ麺ついに初登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
マルちゃん正麺 カップ 汁なし担々麺
「マルちゃん正麺(せいめん)」とは、 “いま抜群においしく、そして10年後・20年後も古びることなく愛され続ける即席麺” をコンセプトに、乾燥麺でありながら生めん本来の自然な食感と味わいを実現した袋麺として2011年11月7日に発足したブランドで、初めてカップ麺タイプ「マルちゃん正麺カップ」が発売されたのは2015年10月5日——
“マルちゃん正麺でカップ麺ができないか?” という多数の要望に応え、4年の歳月をかけて研究開発に取り組んだ結果、袋麺の「生麺うまいまま製法」とは違う「生麺ゆでてうまいまま製法」の開発に成功。 “即席麺で済まそう” ではなく “即席麺を楽しもう” と思ってもらえる商品を作り、再び市場に新しい風を吹き込みたい——そんな思いから満を持して発売されました。
「生麺ゆでてうまいまま製法」とは、生の麺を茹でてから乾燥させ、乾燥麺でありながら生めん本来の味と滑らかでコシのある食感が楽しめる東洋水産(マルちゃん)の特許製法(特許5719064号)。基本的な仕様は加水率の高い多加水麺となっているのですが、熱湯を注いで5分待っただけとは思えない重量感を再現しているリアリティの高いノンフライ麺です。
私自身、これまでにマルちゃん正麺カップのノンフライ麺を使用した汁なしカップ麺を思い描いていたことは一度や二度の話ではなく、何度か東洋水産に掛け合ったこともあるのですが、ついに2年以上の歳月をかけて新しい麺の開発に成功。新元号「令和」が発表された2019年4月1日、シリーズ初の汁なしタイプとなる「マルちゃん正麺 カップ 焼そば」と「マルちゃん正麺 カップ 汁なし担々麺」が世に解き放たれました。
役所広司さんと二階堂ふみさんが原始人に扮する新CM「マルちゃん正麺 カップ『原始人・汁なし担々麺篇』(15秒CM)」も公開され、企画段階から原始人を演じることを楽しみにしていたという役所広司さんと二階堂ふみさんが商品を強力にバックアップ。そして、新規に開発されたのはCMやノンフライ麺だけではありません。
見慣れた高級感のあるパッケージですが、たとえばスープありのマルちゃん正麺カップと比較して、汁なしタイプでは混ぜやすさを考慮して容器底面の凹凸を減らし、湯切りの安定性を高めるためにカップの持ち手となる部分を長めに調節するなど、満を持して発売された湯切りタイプに最適な新容器を開発・採用しています。
同時発売品の「マルちゃん正麺 カップ 焼そば」は王道のテーマですが、こちらも王道となりつつある人気の「汁なし担担麺」をテーマの主軸に捉え、サブタイトルは「〜濃厚コク痺(しび)担々味 “花椒仕立て” 〜」とトレンドの花椒(かしょう)をアピール。ただならぬオーラを放っているパッケージなのに、どこか安心感を覚えるのはブランドが培ってきた信頼の為せる業でしょうか。
唐辛子の辛さについては言及されていませんが、「コク」「痺れ」「花椒」がキーワードになっているので、2年の歳月をかけて新規に開発されたノンフライ麺の完成度も然る事乍ら、スープ(タレ)の作り込みにも期待ですね。
開封
別添の小袋は先入れの「かやく」、後入れの「液体スープ」「粉末スープ」で合計3種類。かやくの小袋はサイズが小さく、中に入っている具材も多いとは言えませんが、けっこう液体スープは重くてズッシリです。ただ、こんなに量が多いのにパッケージの調理方法や液体スープの小袋に “温めてください” の文字はありません。
先ほど湯切りの安定性を高めるためにカップの持ち手となる部分が長めに調節されていると書きましたが、この部分(写真でフォーカスが合っている容器のフチ)です。たしかに通常の湯切りなし・汁ありタイプの「マルちゃん正麺 カップ」と比較して幅があり、実際に持ってみるとフチが持ち易い構造になっていました。
麺は幅のあるノンフライ麺で、他社になりますが雰囲気にはヤマダイ(ニュータッチ)の凄麺シリーズに使用されている太めのノンフライ麺に近く、ファーストインプレッションではマルちゃん正麺カップらしからぬ印象を覚えました。ちなみに今回のカップ麺はコンビニ(ファミリーマート)で購入したのですが、コンビニで買うと税込235円が相場になります。
製品情報詳細・購入価格等
製品名:マルちゃん正麺 カップ 汁なし担々麺 販売者:東洋水産株式会社 製造所:東洋水産株式会社 関東工場 内容量:132g(めん90g) 商品コード:4901990362757(JANコード) 規格サイズ:縦180mm×横180mm×高さ77mm 発売日:2019年04月01日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺(中華麺) スタイル:正麺カップ湯切り専用新容器 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、こんにゃく、大豆食物繊維、植物性たん白、植物油脂)、添付調味料(植物油、香味油脂、米黒酢、チキンエキス、ねりごま、デキストリン、食塩、糖類、ごま、香辛料(花椒、唐辛子、にんにく)、酵母エキス)、かやく(チンゲン菜、味付挽肉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、かんすい、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、クチナシ色素、パプリカ色素、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】えび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入すると税込235円ということで、どちらかというと高い部類のカップ麺になるのですが、あまり具材の量は多くありません。しかし、北近畿のローカルスーパーでは同時発売品の「マルちゃん正麺 カップ 焼そば」が税込181円で販売されていたので、取扱店によっては売値の振り幅が激しいようです。
液体スープの小袋はフタの上で “温めてください” とも “温めないでください” とも書かれていませんが、冷えると凝固する動物油脂の塊は目立っておらず、けっこう米黒酢の含有量が多かったので、今回はあえて温めませんでした(※ただし動物油脂が皆無ではないですし全体の温度低下が気になる方はフタの上で温めてください)。
スープ類は2袋とも後入れですが、液体スープを軽く馴染ませてから粉末スープの順に投入しましょう。やはり値段のわりに具材が貧弱なのと麺がほぐれにくく、スープ類を馴染ませるのに難儀しましたが、米黒酢・芝麻醤・花椒が織りなす香りは本格的ですよ。それでは、花椒の痺れと唐辛子の辛さレベルに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(132g)当たり
熱 量:522kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
生麺のようななめらかな口当たりと、粘りがあり、太くて食べごたえのある食感が特長の麺。
(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『マルちゃん正麺 カップ 焼そば』『同 汁なし担々麺』 新発売のお知らせ」)
加水率の高い平打ちタイプの多加水麺で、そこまで厚みのある麺ではないんですけど、かなりコシが強く、ギュッと詰まったような噛み応えと粘り気から、実際の厚み以上に存在感があります。そして表面は滑らかな多加水麺ですが、軽く手揉み風のウェーブが施されていて、スープとの一体感も申し分ありません。
原材料名にはマルちゃん正麺シリーズの例に漏れず「こんにゃく」が練り込まれているのですが、特に芯までギュッと詰まったような密度の高さは歴代の中で随一といっても過言ではなく、濃厚なスープの味覚にも負けないパワフルな自己主張が印象的だった反面、ちょっとモタつくというか、ほぐれの悪さが気になりました。
湯切りが終わった直後から麺と麺が癒着しているような状態で、さらに液体スープの粘度が高いこともあり、ちょっとダマになる感じになって液体スープと粉末スープを全体に行き渡らせるのに時間を要します。その苦労も忘れてしまうほど質感のクオリティは高かったので、個人的には許容範囲内ではあったものの、湯切りの前に軽く箸で麺をほぐしてから熱湯を捨てたほうがいいかもしれません。
スープ
チキンの旨味に黒酢の酸味を利かせたスープに、ラー油と花椒油を加え、刺激的で華やかな風味を出しました。粗挽唐辛子、すりごま入り。
(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『マルちゃん正麺 カップ 焼そば』『同 汁なし担々麺』 新発売のお知らせ」)
液体スープを開封して直後、ちょっと冷やし中華のタレっぽいというか、投入した瞬間から米黒酢の酸っぱい香りがダイレクトに伝わってきたので、だいぶスッキリ系のテイストなのかと思いきや、なんのなんの——超ど濃厚ですコイツw 動物系の旨味はチキンなので、ポークほど重くありませんが、とにかく芝麻醤(ねりごま)が強烈。
先ほどノンフライ麺がモタつくと書きましたが、そりゃほぐれないよね‥‥ってくらい濃厚。成分の含有量としては米黒酢の量が多く、実際ちゃんと酸味のアクセントを感じますし、バランスも取れてはいるものの、それ以上に重心の低い芝麻醤のコッテリが先行します。かなり突き抜けた濃度を誇っていたのですが、花椒の麻味(しびれ)も負けていません。
製品説明には “花椒油を加え” と書いてありますが、液体スープだけの段階だと花椒は軽く鼻を抜ける程度。しかしながら粉末スープに多めの花椒が仕込まれていて、途中から歯茎がビリビリしてくるほど、かなり容赦無く効かせてあります。唐辛子の辛さレベル(辣味)は中辛くらいかと思いますが、麻辣(マーラー)は圧倒的に麻味(痺れ)が優勢で、激痺レベルとは言わないものの、花椒に対する注意事項がパッケージにあってもおかしくない域には達していました。
具材
味付挽肉、チンゲン菜。
(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『マルちゃん正麺 カップ 焼そば』『同 汁なし担々麺』 新発売のお知らせ」)
新開発のノンフライ麺に超ど濃厚な担担スープのクオリティが高かったので、仕方ないといえば仕方ない結果かもしれませんが、お世辞にも具沢山と言える内容ではありません。ひき肉と青梗菜でカップ担担の定番具材は揃っていますが、東洋水産にしては珍しく青梗菜のサイズは小さめで、量も少ないです。
ただ、ジャンクでスパイシーな味付けの味付挽肉はサイズが大きく、大量とは言えないものの単発の威力は大きめで、きちんと意味のあるワイルドな肉具材。コンビニで買うと税込235円のハイプライス製品なので、値段に見合った内容とは言えないかもしれませんが、今回のカップ麺はコンビニ限定商品ではありませんからね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
さすがにコンビニ購入よりも54円安い税込181円は珍しいかもしれませんが、このクオリティであればコンビニで購入しても問題ありません。やや麺のモタつきが気になったのと具材の量に不満はありましたが、ずっしりと芝麻醤が効いた超ど濃厚なテイストに絶妙な米黒酢のアクセント、そしてバチッと効いた花椒が記憶に残る本格的なカップ汁なし担担麺でした。
おそらく麺のモタつきに関しては今後じょじょに改善されていくと思いますし、製造ラインが安定してきたら具材も強化されていくはずなので、今回だけの一発屋に終わることなく引き続き汁なしマルちゃん正麺カップの開発・ブラッシュアップに期待したいですね。花椒が苦手な方やカップ麺に200円は高いと感じる方にはオススメできませんが、そうでなければ一見の価値ありですよ。