どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月9日(火)新発売、ファミリーマート限定(ファミマル)のカップ麺「三宝亭 咖哩担々麺」の実食レビューです。
酸辣湯麺と麻婆麺で人気を博す専門店の咖哩!? 濃厚担々スープにスパイスの香り広がる “季節限定の研究麺” をカップラーメンで再現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
三宝亭 咖哩担々麺
新潟三宝亭(さんぽうてい)東京ラボとは、都内における人気店としてのポジションを確立したラーメン店で、2015年(平成27年)11月27日に「中目黒店」をオープン。運営母体は1967年(昭和42年)4月創業の株式会社三宝(本社:新潟県新潟市)ですが、東京ラボでは独自の「酸辣湯麺(さんらーたんめん)」及び「全とろ麻婆麺(まーぼーめん)」並びに “季節限定の研究麺” にも力を入れています。
今回の新商品「三宝亭 カリー担々麺」は、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定のカップラーメンで、製造者は日清食品。Family Mart×NISSIN×三宝亭といえば、過去に「全とろ麻婆麺」や「とろみ酸辣湯麺」「全とろ麻婆旨辛豆腐スープ」などを展開しているため、すっかり定番のコラボとなっているのですが、変わり種の「カリー担々麺」は前例がありません。
実店舗での「カリー担々麺」は、2019年10月下旬から2020年3月上旬までの期間中「中目黒店」及び「渋谷宮益坂店」(2018年7月14日 – 2020年7月閉店)でも提供されていた “季節限定の研究麺” で、三宝亭の咖哩といえば渋谷宮益坂店限定の「咖哩麻婆飯(カリーマーボーハン)」というメニューもありましたが、それはさておき「咖哩担々麺」の歴史は渋谷宮益坂店のオープンよりも古く‥‥
まだ “季節限定の研究麺” に番号(ナンバー)が振られていた頃、その “No.012” として2018年4月に登場したのが初代「咖哩担々麺(980円)」で、当時のメニューには “白胡麻を贅沢に使用した濃厚スープ。ピリ辛の中にカレー風味のアクセント。” との記載があり、トッピングは肉味噌、もやし、薄切りにした人参の素揚げ、パクチー、そして丼の縁に櫛型切りのレモンが添えられていました。
その次に登場したのが2019〜2020年の二代目「カリー担々麺(1,000円)」で、メニューには “白胡麻を贅沢に使用したカリー風味の濃厚スープ。お好みでレモンを絞って爽やかな酸味をアクセントに。” との記載があり、丼の縁に添えられたレモンも継承されていたのですが、トッピングは揚げ茄子、赤大根、味玉、ちんげん菜、肉味噌、パクチー、千切りにしたサツマイモの素揚げにリニューアル。
さらにプラス450円で排骨(パイコー)の追加トッピングも選べるなど、彩り鮮やかで賑やかな構成に変わり「すごく美味しかった。花椒、青山椒、ぶどう山椒などなど自由にトッピングできるの最高。また行こう」「またまた季節限定の研究麺『咖哩担々麺』を食べた」「ととのったー!(誤用」など、Twitterでの評判・口コミを調べてみても目立ってネガティブな投稿は見当たりませでした。
はたして今回のカップラーメンは初代「咖哩担々麺」をイメージしているのか、それとも二代目「カリー担々麺」をイメージしているのかは定かでないけれど、注目すべきは共通点である「白胡麻を贅沢に使用した濃厚スープ」と「カレー風味(カリー風味)」のバランス、そして「レモンのアクセント」あたりでしょうか。
ほかにもパクチーの有無だったり、山椒・花椒(ホワジャオ)の清涼感だったり、唐辛子の辛味だったり、トッピングの個性だったり、もちろんPB(プライベートブランド)ならではの強みといっても過言ではないコストパフォーマンスも含め、見どころが多そうです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「特製香味油」1パックのみで、白を基調にしたモノクロームのデザインがシャレオツ。容器側面には “辛さレベル” の表示があり、5段階基準で中間の「3」となっているため、ただのピリ辛ではない様子。
かやくは、味付豚ミンチ(謎肉)、ごま、チンゲン菜、卵(かきたま系のフレーク)、赤唐辛子の組み合わせで、開封した途端に‥‥いや、外装フィルムを破った瞬間から漂ってくるカレーの香りが食欲を刺激してきます。斬新なトッピングは入っていませんが、もやし不使用・たまご使用の構成から察するに、強いて選ぶなら二代目「カリー担々麺」をイメージしているような雰囲気です。
ちなみに2023年5月現在、NB(ナショナルブランド)の縦型ビッグ製品をコンビニで購入した場合の税込価格は264円が相場になっているのですが、今回のファミリーマート通常価格は239円(税込258円)ということで、ここはPBならではの強みを感じるところ。ただ、同じファミマルに位置する「来来亭 背脂しょうゆラーメン」は221円(税込238円)なので、特筆するほど安いわけではありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ファミマル 三宝亭 カリー担々麺 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:116g(めん80g) 商品コード:4902105274460(JAN) |
発売日:2023年05月09日(火) 実食日:2023年05月13日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:239円(税別) 購入価格:258円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、たん白加水分解物、チキンエキス、卵粉、香味調味料、香辛料)、スープ(豚脂、ごま、小麦粉、糖類、食塩、でん粉、クリーミングパウダー、脱脂大豆粉、香辛料、植物油脂、乳等を主要原料とする食品、カレー粉、ねりごま、ポークパウダー、ピーナッツバター、香味油)、かやく(味付豚ミンチ、ごま、チンゲン菜、卵、赤唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、カラメル色素、増粘多糖類、炭酸Ca、かんすい、乳化剤、香辛料抽出物、酸味料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、くん液、ビタミンB2、シリコーン、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・落花生・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、そこまで厚みがあるわけではないけれど、湯戻し時間は5分と長めに取ってあります。かんすいを使用しているため、もちろん分類としては中華麺にカテゴライズされますが、まるで日本蕎麦を彷彿とさせる洗練された佇まいが印象的。
別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「特製香味油」を温めながら待つこと5分。時間になったら「特製香味油」を加え、よく混ぜ合わせたら完成です。お湯を注いだ瞬間に花開く胡麻の香ばしさに、ふわっとカレーの香りが重なって、ありそうでなかったファーストインプレッションに個性を感じました。なんというかこう、見た目は酸辣湯麺っぽいですけどw
辛さレベルは5段階基準で中間の「3」と前述しましたが、容器側面に小さく “※小さなお子様や、辛みが苦手な方は注意してお召し上がりください。” との注意事項が記載されていたので、引き続きコストパフォーマンスと辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(116g)あたり |
カロリー:557kcal たん白質:13.6g 脂 質:27.9g 炭水化物:65.0g (糖 質:60.9g) (食物繊維:4.1g) 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.5g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.86mg ビタミンB2:0.37mg カルシウム:212mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:557kcal(めん・かやく:432kcal)(スープ:125kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
日清食品らしい上品な低加水麺
形状は平打ちのストレートで、見た目は白っぽく、加水率は低めの設定。例えるならノンフライ麺を導入する前の「有名店シリーズ」を彷彿とさせる、スパッと軽快な歯切れが心地よい低加水麺で、いかにも日清食品らしい質感から、ぶっちゃけ新鮮味はありません。しかし、クオリティの高さは一級品。
カップラーメンの麺に施されている縮れは本来 “麺と麺がくっつかないようにするための工夫” なので、ストレート麺は縮れ麺と比較して癒着する確率が高く、しばしば戻りムラが発生することも珍しくない話。それは今回の油揚げ麺も例に漏れず、やや部分的な戻りムラが気になったのですが、それ以上に日本蕎麦よろしく洗練された質感が優秀で、油揚げ麺でも下品なイメージは与えてきません。
系統はセブンプレミアムの「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」に似ているのですが、それよりも薄めで自己主張が弱く、スープに寄り添わせているような取り合わせ。さらに加水率の低さが功を奏し、縮れは弱くともスープとの一体感については問題ありません。本格さを優先するのであれば、やはりノンフライ麺がベストではあるものの、結果的な印象は悪くありませんでした。
スープ
幅広い層が楽しめるタイプの個性派
店舗の「咖哩担々麺(カリー担々麺)」は白味噌ベースと前述しましたが、カップラーメンのスープに味噌は不使用で、しかしながら脱脂大豆粉の使い方が面白く、漠然と味噌ラーメンの表情が見え隠れ。花椒の痺れは目立たないけれど、練り胡麻のコクは特筆すべきレベルにあり、なおかつ乳等を主要原料とする食品やクリーミングパウダー、さらにピーナッツバターを重ねるなど、徹底的にコクを強化。
これは担々麺なのかと聞かれたら、本場の四川とは異なるベクトルを歩んでいると答えますけど、ひとつの胡麻系担担スープとしては悪くありません。それに対して咖哩は全体を100とするなら30%程度の主張なので、イニシアチブを握っているのは担担ですが、クリーミーなスープに家庭的なカレー粉の組み合わせは味わい深く、キワモノ揃いの即席カップめん業界においても個性的。
別添の「特製香味油」は単なるラー油ではなく、炒め野菜のような風味と動物系の厚みを兼ね備えたオイルで、最終的な辛さレベルは “ピリ辛ちょい上〜中辛” くらい。引き続き山椒や花椒の清涼感は気にならなかったのですが、そこをカレー粉が補っているようなフレームワークで、ふと気が付けば後味に残る余韻の50%はカレーに染まっている、なんとも不思議で面白いテイストでした。
さらにパクチーのアクセントやレモンの酸味があると面白かったんですけど、好みによっては人を選ぶ要素になるため、あえて削ぐようにデフォルメしたのかもしれません。
かやく
謎肉が苦手でなければ好印象に映るはず
味付豚ミンチは「カップヌードル」の謎肉(なぞにく)なので、つまりはジャンクなこと此の上無い具材ではあるものの、目に余るような存在ではありません。むしろスープとの相性でいえばプラスに思えたし、量について取り立てた不満もなく、シャキシャキ食感と甘みが強いチンゲン菜も好印象なポイント。
掻き玉と唐辛子については飾りみたいな存在で、カレーを彷彿とさせる要素も少ないのですが、たっぷりの煎り胡麻は担々サイドから見ると素直に嬉しく、あえて具材を担々に寄せたからこそスープのカレーが絶妙に思えたのかもしれません。
総評
ファミリーマートの店内で向き合ったとき、インドと四川がバッチバチに火花を散らしているような味を想像したのですが、なんのなんの。実際はゴマのコクと芳ばしさを重視した日本式の担担スープに、なんとも家庭的な日本のカレー粉を添えるようにブレンドしている、たとえば “大正ロマン” じゃないですけど、日本人にしか作れないような一杯だったので、迷っているなら試す価値あり。
花椒の痺れをビッシビシに効かせた麻辣(マーラー)味だったり、本格的なカレーのスパイス感だったり、それが衝突するような仕上がりを想像していると優しすぎるランディングですが、とことんゴマのクリーミーな部分をプッシュしたスープに、家庭的なカレー粉の組み合わせは珍しく、得るものも多かったので、ノーマークの方は積極的にチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】