どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年5月29日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「激旨!にんにくラーメンガーリッ喰う!醤油とんこつ味」の実食レビューです。
九州史上最強のニンニク推し!? にんにくを存分に味わうために3種類の後入れニンニクを使用した “にんにく特化型” のカップめん爆誕!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
激旨!にんにくラーメンガーリッ喰う!醤油とんこつ味
サンポー食品(SANPO FOODS Co.,Ltd.)とは、佐賀県三養基郡基山町を拠点に即席めん(カップめん、棒状ラーメン)及び乾めんの製造を生業としているメーカーで、同社の絶対的エースといっても過言ではない「焼豚ラーメン」を中心に、近年はマルチな総菜ふりかけ「DelicaDeli 辛子高菜」を展開するなど、これまでにないアプローチも取り入れながら “九州の「うまい」をカタチに” しています。
今回の新商品「激旨!にんにくラーメンガーリッ喰う!醤油とんこつ味」は、コロナ禍によるマスクの習慣化を背景に、右肩上がりの伸長を見せているニンニク市場の動向及び人気の継続を見据えて開発された一杯で、これまでにも “にんにく特化型” のカップラーメンを何度かリリースしているサンポー食品ですが、過去作品との大きな違いは3種類の後入れニンニクを特徴としていること(詳しくは後述)。
サンポー食品のニンニク推しカップ麺といえば、祭盛 ——MATSURIMORI(まつりもり)驚くほどの具材を使用した、インパクトのあるシズル感がコンセプトのブランド—— 第2弾として、2023年(令和5年)3月20日に発売された「祭盛 にんにく醤油豚骨ラーメン」の存在が記憶に新しいところ。しかし、さらに遡ること30年以上‥‥
1990年前後に「僕のスタミナ源は、にんにく入りラーメン男性専用!(NA:サンポーから、男のラーメン新発売)」「ん〜にゃ、あなたはまだまだ元祖焼豚ラーメンよ」のテレビCMで九州を風靡した「にんにくラーメン男性専用 好・多・源(スタミナ)」に始まり、その再販を望むファンの要望が相次いだ結果、後に何度か再販&復刻版も発売するなど、にんにくブーム到来前から推していたサンポー食品。
そんな「にんにくラーメン男性専用」にも3種のニンニクを使い、なおかつマー油(焦がしニンニク油)も別添していたのですが、マー油を除くニンニクの内訳は粉末スープの小袋に充填されていた大量の「ガーリックパウダー」と「細かく刻まれたフライドガーリック」そして先入れ(かやく)に入っていた「大きなフライドガーリック」の計3種だったと記憶しています。
しかし、今回の「激旨!にんにくラーメンガーリッ喰う!醤油とんこつ味」に搭載されている3種のニンニクは “すべて後入れ” らしく、内訳は「フライドガーリック」「ガーリックダイス」「にんにくパウダー」の計3種で、にんにくパウダーも3種のニンニクをMIXするなど、調理の段階からスメハラ待ったなしの仕上がりに期待できる展開。
ダイス状の後入れニンニクだったり、スライスした後入れフライドガーリックだったり、ペースト状の後入れ生おろしニンニクだったり、それらについては他社の製品に何度も導入されているのですが、この仕事 ——カップ麺を評論するブログの運営やライティング業務—— を始める前にも後にもガーリックパウダーの後入れを真っ向から訴求した商品に出会ったことはありません。
というわけで、ニンニクの威力については申し分なさそうな雰囲気ではあるものの、これでもかとニンニクを感じさせたいなら極論 “大量に入れたら済む” だけの話。ただ、それでは芸が無いので、ニンニクのインパクトを最大限に引き出すような味付けなのか、強烈なインパクトを打ち出しながらも最後まで飽きることなく食べ切れるような工夫が凝らされているのかどうか、そういった部分にも注目です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」に「あといれ粉末スープ」と「あといれかやく」の計3種で、それぞれ中身は見えないのですが、先入れ粉末スープの味は “醤油のキレを感じる醤油とんこつ” とのこと。かやくはフライドガーリックとガーリックダイスの組み合わせで、後入れ粉末スープはガーリックパウダーとなっているようですが、それ100%なのかどうかが気になるところ。
麺はラードを揚げ油に使用したフライ麺で、基本的には熱湯60秒の細麺〜熱湯3分の中細麺を使い分けているサンポー食品ですが、今回は “熱湯5分” の太麺を採用と変わり種では珍しいパターン。同社の通年販売品で太麺が使われているのは「ごぼう天うどん」「九州三宝堂 長崎ちゃんぽん」「ばりよか ちゃんぽん」「井手ちゃんぽん」の計4品なので、ちゃんぽん用の麺を使用しているのでしょうか。
ちなみにメーカー希望小売価格は245円(税別)なので、2023年5月現在の大盛りカップ麺における標準的な値段に設定されているのですが、2023年6月1日の出荷分から適用される価格改定により、この価格帯に位置しているサンポー食品のカップ麺は271円(税別)に値上がりします。それに伴い、しれっと途中で販売価格を変える店舗が出てくるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:激旨!にんにくラーメンガーリッ喰う!醤油とんこつ味 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町大字長野230) 内容量:104g(めん80g) 商品コード:4901773101375(JAN) |
発売日:2023年05月29日(月) 実食日:2023年05月30日(火) 発売地域:全国 小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(粉末スープ・あといれ粉末スープ・あといれかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(香辛料、しょうゆ、ポークエキス、食塩、粉末油脂、チキンエキス、フライドガーリック、酵母エキス、ねぎ、たん白加水分解物、植物油脂、魚介エキス)、かやく(にんにく、フライドガーリック)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、増粘多糖類、pH調整剤、かんすい、セルロース、乳化剤、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、酸味料、香料、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で清蔵しています。 |
実食開始
別添の小袋は「粉末スープ」のみ先入れで、中にはネギと小さい唐辛子も入っていたのですが、それ以上に印象的だったのはニオイ。すでにニンニクけっこう強いんですけどw また定番の「焼豚ラーメン」などと比較して黒っぽい色合いから、そこそこ醤油も強そうな雰囲気。あとは粉末スープを溶かしながら熱湯を注ぎ、フタをして5分後‥‥
あえて混ぜる前に撮影した画像を上記に配置していますが、正しくは「あといれ粉末スープ」を投入した後よく混ぜ合わせ、仕上げに「あといれかやく」をトッピングしたら完成です。この時点でニンニクの香りは申し分ないけれど、生おろしニンニクに通じるインパクトは皆無に等しいため、それでも満足できる内容なのかどうか。
さらに、サンポー食品の強みとなっている動物油脂がメインの調味油も別添されていないため、そこを粉末スープとニンニクだけで補ているのかどうかにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)あたり |
カロリー:455kcal たん白質:11.2g 脂 質:16.3g 炭水化物:65.8g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:1.8g) (スープ:5.1g) カルシウム:225mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
たぶん「井手ちゃんぽん」と同じ
完全に同じ配合ではないかもしれないけれど、2020年9月28日にリニューアルした「井手ちゃんぽん」の太麺と似た質感で、長崎ちゃんぽんのソレとは違う、コリコリとした歯応えと加水率が低めの歯切れ感が印象的。いつもの「焼豚ラーメン」とは大幅に異なるタイプではあるものの、揚げ油のラードに由来する芳ばしさはサンポー食品らしいと思える普遍的なポイントです。
ただ、マスクを着用しているニンニクが印象的な天面のデザインにも “ガツガツガーリック!クセになる一杯を喰らえ!!!” とあるように、今回の主役は紛う方なしニンニク。そのインパクトに負けないように、あえて熱湯5分の太麺を採用したのだとは思いますが、むしろニンニクに麺を埋没させるくらいのパワーバランスが適切だったのではないかと。うーん、あとは好みの問題ですかね。
とりあえず食べ始めは独特の歯応えがクセになる感じだったし、スープとの相性もチグハグではなかったので、これはこれと割り切れば悪くありません。いつもの中細麺に期待していた場合、その欲求は満たされないでしょう。しかし、サンポー食品の太麺に馴染みのない方にとっては、それを体験するいい機会になると思います。
スープ
ニンニクも然る事乍らながら豚骨も深い
まずは先入れ「粉末スープ」だけの状態で味を確認してみたところ、前述のようにガーリックパウダーの主張が強く、同時にコショーのアクセントも明白で、しょうゆ感も強めの味わい。対して豚骨の乳化感は弱いため、ファンなら特にサンポー食品らしからぬ印象を抱いてしまうことになりますが、コショーの使い方と配合には「焼豚ラーメン」に通じる魅力を感じます。
次に「あといれ粉末スープ」を馴染ませてみたところ、めんの項目に使った画像のスープは濁っているように、この粉すべてガーリックパウダーというわけではありません。もちろん3種のMIXにんにくパウダーにより、全体のガーリック感は大幅にマシますが、まったりと乳化感の強い豚骨エキスの深いコクも見どころ。
いかにもサンポー食品らしい豚骨感というか、カップラーメンらしいベクトルを歩みながらも骨太で、ニンニクのインパクトに任せっきりではない、どっしりとした醤油とんこつ味でした。しかし、動物油脂が主体のオイルは別添されていなかったので、それについてはニンニクの強さを踏まえても物足りなかったです。
かやく
もうちょっと踏み込んでほしかった
粉末スープにネギや唐辛子を同梱していましたが、具材らしい具材は刻みニンニクとフライドガーリックのみで、どちらも「祭盛 にんにく醤油豚骨ラーメン」に使われていた代物。噛むと当たり前にニンニクですし、スープの底に沈みにくいところも評価すべきポイントです。ただ、刻みニンニクの量は「祭盛」よりも少なかったので、もうちょっと踏み込んでほしかった不満が無きにしも非ずでしょうか。
総評
スープの豚骨は最終的に骨太で、なるほどニンニクの存在感も申し分なかったのですが、サンポー食品の強みといっても過言ではないオイルは別添されていなかったこと。それに加えて麺のチョイスにも若干の疑問というか要望を感じたので、それが星ひとつマイナスした理由です。しかし、けっしてイマイチなわけではありません。
エッジの利いた生おろしニンニク特有の攻撃性こそ楽しめないけれど、ガーリックパウダー+ガーリックダイス+フライドガーリックの波状攻撃には人を選ぶくらいのインパクトを感じたし、既存の「九州三宝堂 久留米ラーメン」や「焼豚ラーメン黒 熊本とんこつ」とも毛色が違うため、ニンニクが差し支えない日に試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】