どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月8日(月)新発売のカップ麺、明星食品「セブンプレミアム 横浜ラーメン 六角家監修 家系豚骨醤油まぜそば」の実食レビューです。
家系ラーメンを代表する神奈川・横浜の名店「六角家」の鶏油豚骨醤油スープをカップまぜそばにアレンジ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
六角家 家系豚骨醤油まぜそば
「六角家(ろっかくや)」とは、通称「家系ラーメン」と呼ばれるラーメンジャンルの元祖「吉村家(よしむらや)」と「本牧家(ほんもくや)」に並ぶ “家系ラーメン御三家” の一角とされ、横浜・新杉田「吉村家」の2号店として営業していた「本牧家」で修行し、そこで店長を務めていた神藤隆氏が当時33歳の頃、昭和63年(1988年)に創業したラーメン店です。
1974年に創業した家系総本山「吉村家」店主・吉村実氏が家系ラーメンの源流とされ、その流れを汲む店は屋号の末尾が「○○家(○○や)」となっているのですが、家系ラーメンの読み方は「いえけいラーメン」。ただ、神藤氏が「本牧家」を退社して独立した際、他の弟子たちも次々と退社したことに激怒した吉村氏が「本牧家」を一時営業中止にして新聞沙汰になったこともあるので、両店主の間には大きな確執があり、「六角家」は源流「吉村家」の流れを汲んだ独立店でも暖簾分けではありません。
と、いきなりコアな歴史に触れてしまいましたがw 家系ラーメンの特徴は、豚骨や鶏ガラを煮込んだスープに醤油ダレを合わせた豚骨醤油ベースが基本となっていて、そこに多めの鶏油を浮かべているのも重要なポイント。吉村家の直系店や本牧家・六角家系譜では酒井製麺の太ストレート麺を使用し、海苔やチャーシュー、ほうれん草が定番のトッピングとなっている濃厚な味覚のラーメンで中毒性が高く、根強いファンが多いことでも有名です。
セブン&アイグループ(セブンイレブン)と六角家、そして明星食品との歴史は深く、以前から六角家監修のカップラーメンは明星食品が製造しているのですが、現存している通年商品のカップ麺はタテ型ビッグの「セブンプレミアム 銘店紀行 六角家」(2019年3月11日リニューアル)のみ。どんぶり型の定番商品も展開されていましたが、おそらくカップ焼そばタイプの汁なしカップ麺(まぜそば)は今回が初の試みになるでしょう。
セブン&アイグループのプライベートブランド「セブンプレミアム」ということで、もちろんセブン系列店でのみ取り扱いになるのですが、私はオムニ7(イトーヨーカドー ネット通販サイト)で購入しました。というわけでコンビニ限定商品というわけではないんですけど、「六角家 家系豚骨醤油まぜそば」は全国発売品ではありません。
同時発売品として「セブンプレミアム 博多だるま 背脂豚骨まぜそば」という期間限定の汁なしカップ麺も発売されているのですが、「博多だるま 背脂豚骨まぜそば」は『西日本(中京以西)』限定、「六角家 家系豚骨醤油まぜそば」は『東日本(静岡以東)』限定となっています(※それぞれ各地域のセブン-イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマートなどが対象店舗)。私は販売エリア外の兵庫県に住んでいるので、公式のネット通販サイトを利用しました。
パッケージには「お店では味わうことのできない限定メニュー」として、 “芳醇な鶏油の香りと豆板醤の辛み” と特徴が記載されているのですが、卓上調味料に豆板醤(辛味噌)を置いている家系ラーメンの店舗もありますし、まぜそば(油そば)をサイドメニューとして提供、またカップ麺にもなった「違う家(ちがうか)」のように家系油そばを専門的に提供している店もあります。
しかし、おそらく六角家が正式に汁なしカップ麺として「まぜそば」を商品化したのは今回が初めてで、そもそも六角家の汁なしカップ麺アレンジ自体が初の試みかもしれません。ちなみに同時発売品の「セブンプレミアム 博多だるま 背脂豚骨まぜそば」はレビュー済みなんですけど、かなり完成度の高い仕上がりでした。
開封
容器の大きさは明星食品の角型ビッグ・大盛焼そば用の規格サイズ(縦176mm×横176mm×高さ65mm)となっていて、お湯の目安量は770mlという大容量カップ。別添の小袋は先入れの「かやく」が1袋、後入れの「液体ソース」「ふりかけ」「特製豆板醤」が各1袋ずつで合計4種類の小袋が入っているのですが、液体ソース・かやくのデザインは同時発売品の博多だるまと色違いです。
麺は丸刃でカットされた縮れ麺で、サイズは中太。熱湯5分の油揚げ麺なんですけど、これについても同時発売品の博多だるまと同じ——いや、ちょっと麺の色が濃い目ですね。ちなみに原材料は同じで比較的に白っぽい見た目ですが、隠し味にソースが練り込まれています。家系ラーメンの基本は太ストレート麺なんですけど、今回はカップ麺だけの限定メニューなので、麺の再現度に関しては御愛嬌でしょうか。
そして、なぜかオムニ7で取り扱われているのは今回の「六角家 家系豚骨醤油まぜそば」のみ、残念ながら「博多だるま 背脂豚骨まぜそば」の取り扱いはありませんでした(※2019年4月11日現在)。しかし、東日本(静岡以東)限定とされている「六角家」のカップまぜそば版は全国配信のネット通販サイトで購入可能、つまり実質的には全国のユーザーが楽しめる商品ということですね。
配送料・支払手数料が別途必要(購入金額の合計が税込3,240円以上で送料無料 ※ただし720ml以上の飲料をケースで購入する場合は別途1ケースにつき税込540円必要)になりますが、値段は税込235円なので、セブンイレブンと同じ価格。売ってない! という場合には、選択肢の一つとしてアリだと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 横浜ラーメン 六角家監修 家系豚骨醤油まぜそば 販売者:明星食品株式会社 製造所:埼玉工場・埼玉県比企郡嵐山町川島2360(製造所固有記号 R) 内容量:166g(めん130g) 商品コード:4902881483940(JANコード) 規格サイズ:縦176mm×横176mm×高さ65mm 発売日:2019年04月08日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用・中華麺) スタイル:角型ビッグ・大盛カップ焼そば用 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:770ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:4袋(液体ソース・かやく・ふりかけ・特製豆板醤) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、粉末油脂、ソース)、ソース(しょうゆ、糖類、香味調味料、香味油、チキンオイル、植物油脂、豚脂、ポークエキス、食塩、豆板醤、たん白加水分解物、香辛料)、かやく(チャーシュー、ほうれん草、ねぎ、のり、香辛料(赤唐辛子))/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、酒精、炭酸カルシウム、かんすい、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・りんご(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)※コンタミネーション:本商品製造工場では、えび・かにを含む商品を製造しています。原料の海苔は、えび・かにが混ざる漁法で採取しています。 |
実食開始
先入れの「かやく」を開封すると中には家系ラーメンらしくホウレン草が入っているのですが、チャーシューはチップ状、あとは大きめにカットされたネギが入っています。いずれもタテ型カップ麺の「セブンプレミアム 銘店紀行 六角家」に共通する内容で、もちろん本物の家系ラーメンには劣りますが、ある意味これはこれでカップ麺サイドから見ると正統な流れを汲んだアレンジと言えますよね。
外装フィルム(容器底面)及び外装フィルムを剥がした後のフタ上に記載されている調理方法、並びに別添の「特製豆板醤」と「液体ソース」の小袋にもフタの上で温めてください・温めないでください等のアドバイスはありませんが、液体ソースは量が多い上に動物油脂が含まれているので、お湯を注いでから5分間、待っている間にフタの上で温めておくのが得策です。
5分経ったら湯切り口からお湯を捨て、液体ソースを混ぜ合わせてから、お好みで特製豆板醤・ふりかけをトッピングして完成です。博多だるまは黒マー油でオリジナリティを表現していましたが、六角家は豆板醤が変わり種の個性を演出するアイテムですね。やはり液体ソースは温めたほうがよさそうですが、特製豆板醤は温める必要性を感じない‥‥というか、むしろ温めないほうがいいかもしれません。
それでは、豆板醤の辛さやソースの家系ラーメンらしさに注目しつつ、「めん」「ソース・特製豆板醤」「かやく・ふりかけ」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(166g)当たり
熱 量:737kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
同時発売品の「博多だるま」と同じ麺かと思いきや、似ているようで違いました。まず形状が異なっているのですが、博多だるまの背脂豚骨まぜそばに使用されていた麺は丸刃でカットされていて、断面も楕円形ではなく丸型。しかし、こちらも鋭利な角刃ではない丸刃の切刃が使用されているのですが、どちらかというと断面の四角い厚みのある平打ち麺となっています。
口当たりはソフトな質感ですが、もっちりというよりもギュッと中まで詰まっているような密度の高い噛み応え。けっこう反抗的な弾力で、何度も何度も跳ね返してきます。家系ラーメンの太ストレート麺と比較した場合、縮れは強いし太さ的にも正直かなり遠い立ち位置ではあるものの、麺自体のクオリティは低くありません。
まぜそばの麺としては細い部類に属しますが、密度の高い弾力からサイズ以上の存在感で、後述する今回のインパクト抜群な液体ソースに負けないベストバランス。強めの縮れでソースとの一体感は高く、カップまぜそばに強い明星食品の製麺技術が遺憾無く発揮されていました。繰り返しになりますが家系らしくはないんですけどねw でも、特に不満は感じませんでした。
ソース・特製豆板醤
特徴の鶏油豚骨醤油スープをまぜそば用にアレンジ!
(出典:オムニ7「イトーヨーカドー ネット通販 > 食品・飲料・お酒 > 食品 > めん類・パスタ > ラーメン・冷やし中華・冷麺 > セブンプレミアム 六角家 豚骨醤油まぜそば」)
これはカップラーメンの「銘店紀行 六角家」にも通じる——というか、それに別添されている特製オイルを惜しげも無く液体ソースの中に仕込んでいるようなテイストで、のっけからガツーン!! と鶏油(チーユ)の芳ばしさが攻め込んできます。ごま油の風味も強めなんですけど、黄金に輝くオイルは芳ばしく、かなりインパクトのあるファーストインプレッション。
豚骨はクセが抑えられていて(というか豚が鶏に丸呑みされているようなバランスで)豚骨特有のクセはなく、しかしながら鶏では出せない豚骨(ポーク)特有の重厚感が土台を支え、まろやかな印象は「銘店紀行」に通じます。食塩相当量の数値は高く、実際にキリッと塩気も強めですが、鋭く舌を刺してくるほど鋭利な塩気ではありません。
存在感の強い麺と強烈な鶏油のインパクトを思えば適切な塩分濃度だと思いますし、とにもかくにもクラクラするほど凄まじい鶏油の芳ばしさは特筆すべきレベルにあって、思わず唸ってしまいました。
アクセントとして豆板醤ペーストで辛味を追加!
(出典:オムニ7「イトーヨーカドー ネット通販 > 食品・飲料・お酒 > 食品 > めん類・パスタ > ラーメン・冷やし中華・冷麺 > セブンプレミアム 六角家 豚骨醤油まぜそば」)
そして別添の特製豆板醤ですが、食塩相当量の数値が高いのはコッチが原因です。辛さレベルは直接なめてみると意外に強く、激辛とかではありませんが、すくなくとも中辛以上。実際に豆板醤を原材料に使っているように、ちゃんと豆板醤がベースとなっているのですが、キリッと強い塩気を感じます。
かなり液体ソースの鶏油が強烈なので(※ひとくち目から唇がテカテカになるくらいのオイル感なので)、特製豆板醤のアクセントは効果的ですね。変な甘さも添加されていませんし、ピリッとした輪郭のある辣味と塩気がコッテリまろやかなソースを引き締めてくれます。ただ、液体ソース以上に体感的な塩分濃度が高く、凝縮してあるような塩気だったので、いきなり全部入れるのではなく、タイミングを見計らって部分的に使用するのがいいかもしれません。
試しに麺が残り1/5くらいになったところで特製豆板醤を全体に攪拌してみましたが、それでもなお鶏油のインパクトが鳴りを潜めることなく主張を続け、その存在感には驚きました。というわけで大きく馴染ませても液体ソースの魅力が失われることはありませんが、けっこう塩気も強くなるので、まったりとした液体ソースのマイルドな油脂感と強烈な鶏油のインパクトを楽しんだ後、少しずつ特製豆板醤を麺に付けながら味の抑揚を意識するのがオススメの食べ方です。
かやく・ふりかけ
チャーシュー、ほうれん草、ねぎ、のり——と、文字にしたらザ・家系の定番具材ですが、チャーシューはチップ状、ほうれん草は少量、ネギも多くありません。かやくの小袋に入っていたチャーシュー、ほうれん草、ねぎのクオリティは「銘店紀行」に入っている物と共通ですが、およそ半分くらいの量でしょうか。
▼こちらがカップラーメン版の具材量
チップ状のチャーシューは明星食品の変わり種カップ麺で頻繁に見られる甘辛い味付け肉具材で、インスタント的だけど同族の中ではポジティブな家系(かけい)。ほうれん草は液体ソースだけの段階だと特有の風味が個性的なアクセントになっていたのですが、特製豆板醤が絡むと風味が鳴りを潜めるので、液体ソースの鶏油を絡めてから豆板醤を入れる前に食べるのがオススメ。ほうれん草のバターソテーじゃないけれど、ほうれん草と鶏油の相性は抜群です。
ふりかけの中身は海苔と赤唐辛子。家系ラーメンの海苔は大判ですが、まぜそばバージョンでは正方形の小さな海苔が入っています。ただ、ここにデカい大判海苔が入っていても食べにくいでしょうし、鶏油がガンガンに効いた液体ソースと海苔の相性は抜群で、粗挽きタイプの赤唐辛子も芳ばしく、ちょっと量は少なかったけどアクセントとしては好印象でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5++)
「六角家」(本物)のラーメンを「まぜそば」にアレンジしたというよりも、現行のカップラーメン「セブンプレミアム 銘店紀行 六角家」を汁なしカップ麺に落とし込んだような仕上がりだったので、本店の味をイメージしているとギャップを感じてしまうかもしれませんが、今回のコンセプトは “お店では味わうことのできない” 限定メニュー‥‥
って、それ言っちゃうと何でもありになっちゃうんですけどw これはいいですよ。強烈な鶏油の芳ばしさが人を選ぶ要因になりますが、まぜそば自体それなりに人を選ぶ食べ物ですし、とにかく惜しげも無い鶏油のインパクトに魅了されました。評価は★6にしようか最後まで迷ったので、後日しれっと改めるかもしれません。ここまで鶏油がガツンと効いた汁なしカップ麺も珍しいですし、まぜそばにアレンジされた横浜家系ラーメンが気になる方は、ぜひ。