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日清ラ王の山頭火インスパイア!? 新定番「とろまろ塩」に7PGとの互換性を見た

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日清食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2024年3月25日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ラ王 とろまろ塩」(285円+税)の実食レビューです。

これまでの定番塩味とは完全に別物!? 厳選素材に赤穂産焼き塩を使用「日清ラ王」の定番に “あの「旭川とんこつ塩」を彷彿とさせる„ 新フレーバー登場!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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日清ラ王 とろまろ塩

日清ラ王(にっしんらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、その時代における王道の味に進化し続けてきたブランドで、名前の由来はーメンの様。当初は「スーパーネットワーク製法」と「三層めん製法」を組み合わせた生タイプのLLめん(※1)を特徴に掲げていましたが、物議を醸した追湯商法(※2)を経て次世代ノンフライめんブランドに切り替わり、現在に至ります。

日清ラ王の定番商品に「とろまろ塩」初参加!!

今回のカップめん「日清ラ王 とろまろ塩」は、こだわりの厳選素材を使用した「日清ラ王」の新たな定番フレーバーで、既存の「背脂醤油」や「とろ熟味噌」「焙煎ごま担々」も同日にリニューアル発売となっているのですが、このページで取り上げる「とろまろ塩」だけは純然たる新商品。

近年の「日清ラ王」が標榜している “まるで、生めん。„ のような美味しさを実現したノンフライストレートめんに、豚骨のコクとラードの旨みを詰め込んだ、ニンニクが香る白濁系の塩スープを合わせ、こだわりの厳選素材として「赤穂産焼き塩」を13%使用(スープの原材料に使用した食塩に占める割合)。

振り返ってみると「日清ラ王」初の塩ラーメンではないのですが、2016年(平成28年)9月19日発売のカップめん「淡麗鶏だし塩」しかり、直近だと2024年(令和6年)3月18日にリニューアルした袋めん「柚子しお 3食パック」しかり、このブランドにおける塩(しお)は基本的に清湯(ちんたん)系だったので、白湯(ぱいたん)系のフレーバーは新鮮味を感じる展開です。ただ‥‥

日清ラ王の新定番は山頭火インスパイア?

この商品を見て真っ先に思い浮かんだのは、セブンプレミアムゴールド(7PG)のカップラーメン「山頭火(さんとうか)旭川とんこつ塩」(リンク先のレビューは2021年7月12日発売品)で、公式のニュースリリースに「らーめん山頭火」監修などのアピールは記載されていませんが、どちらも製造者は日清食品。

念のため実食前に「山頭火 旭川とんこつ塩」と「日清ラ王 とろまろ塩」の特徴を比較してみた結果、どちらも塩とんこつ(豚骨しお)系のラーメンである、というのは漠然とした共通点になりますが、このジャンルに使われる原材料としては珍しい “ねりごまをスープに使用している„ ところは特殊な共通点。

途中で引き合いに出した「日清ラ王 柚子しお」も “AFURI(阿夫利、あふり)インスパイア„ 的な立ち位置なので、最新作の「とろまろ塩」は “山頭火インスパイア„ なんじゃないかと。私は「らーめん山頭火」監修のカップラーメンを食べるとき、いつも印象的に感じているポイントがあるので、その有無に注目しながらレビューします。

「日清ラ王 とろまろ塩」の原材料名

※1 Long Life(ロングライフ)めん:中華めん・うどん・そば等を茹で or 蒸した後、乳酸・酢酸・リンゴ酸・クエン酸・アジピン酸などの有機酸でpHを制御し、密封・加熱殺菌することで長期の常温保存を可能にした “生タイプ即席めん„ の旧称。なかでも中華めんは、アルカリ性の梘水(かんすい)を使用するため相性が悪く、日清ラ王の大ヒットは当時の同社が誇る技術革新の裏付けになった。

※2 2010年(平成22年)7月30日、公式Twitter(現 X)アカウントが「日清ラ王」の “追悼„ イベント「ラ王追湯(ツイートウ)式典」を開催し、20万件以上のツイートウ(Tweet)が寄せられたのも束の間、同年8月24日に次世代ノンフライめんを搭載した二代目「日清ラ王」を発売して炎上。ネット上では “追湯商法にしてやられた„ と騒がれ、結果的に多くのユーザーがブランドのプロモーションに貢献した。

開封

4種の小袋を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」と「鶏チャーシュー」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の合計4パックで、当たり前のように小梅は別添されていなかったんですけど、そんなことより鶏チャーシューか‥‥などと落胆したのは私だけではないはず。淡麗系の鶏しお味や鶏白湯なら未だしも、今回の「とろまろ塩」は豚骨ベースなのに、わざわざ鶏チャーシューを採用した真意とは。

まるで、生めん。

——ええ、おそらくコストの問題なんでしょうけれど、それはさておき「めん」は油で揚げずに乾燥させたノンフライストレートめん。先に冒頭でも触れたように、日清食品は “まるで、生めん。„ を標榜しています。ちなみに7PGの「山頭火 旭川とんこつ塩」には縮れの強いノンフライめんを合わせているので、それとは別物。

メーカー希望小売価格は285円(税別)に設定されているため、カップラーメンとしては高めの部類に入りますが、同日にリニューアル発売となった「背脂醤油」「とろ熟味噌」「焙煎ごま担々」らと同じ値段。コンビニでの税込価格は1食あたり307.80円になりますが、スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれるNB(ナショナルブランド)の定番商品なので、発売当初は未入荷でも、徐々に取扱店は増えると思います(その逆も然りですが‥‥)。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:日清ラ王 とろまろ塩
製造者:日清食品株式会社
製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1)
内容量:112g(めん75g)
商品コード:4902105280485(JAN)
発売日:2024年03月25日(月)
実食日:2024年03月31日(日)
発売地域:全国
取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン)
小売価格:285円(税別)
購入価格:307.80円(税込)
麺の種類:ノンフライ麺
スタイル:八角どんぶり型
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:400ml
調理時間:熱湯5分
小袋構成:4袋(液体スープ・粉末スープ・鶏チャーシュー・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、チキン調味料、大豆食物繊維、卵粉)、スープ(ポークエキス、豚脂、たん白加水分解物、ごま、ねりごま、香味油、ポーク調味料、食塩、香辛料、小麦粉、糖類、たまねぎ、たらエキス)、かやく(鶏チャーシュー、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、リン酸Ca、pH調整剤、増粘剤(キサンタンガム)、香料、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、乳化剤、カラメル色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

鶏チャーシューなぁ‥‥

別添の小袋は「かやく」と「鶏チャーシュー」のみ先入れで、かやくの小袋に入っているのはネギのみと潔いラインナップ。ただ、ネギはFD(フリーズドライ、凍結乾燥)かつ大きめの斜め切りなので、ランニングコストが低いAD(エアドライ、熱風乾燥)の青ネギよりも高品質なのに対し、鶏チャーシューは‥‥後述します。

超シンプルだけど香りは厚い

かやく・鶏チャーシューを投入してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったらフタを開け、めんを軽くほぐしてから「粉末スープ」と「液体スープ」を投入し、よく混ぜ合わせたら完成です。そういえばパッケージのイメージ画像に映っていたチャーシューは、こんなに白くなかったのに‥‥

などと、苦言はさておき漂ってくる香りは「山頭火 旭川とんこつ塩」よりも圧倒的にラードの主張が強く、実食前のイメージとは異なるファーストインプレッション。はたして実際の仕上がりはどうなのか、それとコスパ的な部分にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(112g)あたり
カロリー:443kcal
たん白質:12.0g
脂  質:17.0g
炭水化物:60.4g
食塩相当量:6.0g
(めん・かやく:2.2g)
   (スープ:3.8g)
ビタミンB1:0.38mg
ビタミンB2:0.42mg
カルシウム:209mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:443kcal(めん・かやく:320kcal)(スープ:123kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

きちんと値段に見合ったクオリティ

5.0

パッケージに “豚骨のコクとラードの旨みで濃厚うまい” との訴求があるように、今回は塩とんこつ系のラーメンに分類される一杯で、しかしながら使用しているノンフライめんの加水率は中程度。九州発祥の細ストレートめんとは一線を画す、しっとりとした瑞々(みずみず)しさが印象的。

スープとの相性もバッチリ

熱湯5分ジャストでフタを開けた場合、ほぐれにくさが気になったので、もしや‥‥などと悪い予感が過ったんですけど、まったくの杞憂。めんの端(切り口)が束になって離れないとか、部分的にバキッとした戻りムラが残るとか、そういった致命的な不具合は皆無に等しく、すすりあげて噛んだ途端、口いっぱいに広がる小麦感たるや。

加水率は特別に高いわけでも低いわけでもないけれど、粘りに関しては控えめで、内側から押し返してくるような反発性と適度なタイミングで弾ける歯切れの良さを両立。はたして “まるで、生めん。„ のような質感かというと、まだ高みを目指せる伸び代は残っているのですが、値段相応の本格さが体感できる水準には充分に到達しています。

スープ

源流まで遡ったら「らーめん山頭火」に辿り着きそうだけど‥‥

6.0

まずは「粉末スープ」単体の味わいを確認してみたところ、この時点での印象は塩ラーメンで、白濁感は皆無に等しく、しかしながら下支えの枠に収まらない旨みの持ち主。商品名の「とろまろ」からは離れますけど、適度にスパイシーで、うまみ成分も力強く、すりごまの芳ばしさも印象に残るポイント。

ビックリするほど白いw

続けて「液体スープ」を加えた途端、やりすぎじゃない!? などとツッコミを入れそうになったほど、真っ白に濁る視覚効果のインパクトも然る事乍ら、味わいにも劇的な変化が生まれ、なるほど「とろまろ」という表現ど真ん中。それでいてラードの芳ばしさだったり、おろしニンニク系の風味だったり、盛り上げるところは盛り上げてくれる構成で、塩はカドを立たせず、全体に溶け込むような効かせ方。

「ねりごま」と「たらエキス」の隠し味により、ふわっと「山頭火 旭川とんこつ塩」に通じる表情を見せますが、いつも印象的に感じているポイントがあると前述した “酒粕っぽい風味„ は目立ちません。ただ、ここの店主って「らーめん山頭火」出身らしいよ? くらいのDNAは備わっている、似た者同士のフレームワークには互換性を感じました。

かやく

この鶏チャーシューが好きな方、申し訳ない

2.5

ラードの芳ばしさが顕著に攻めてくるので、そこに意識を持っていかれがちですが、まるで本物の長ネギよろしく‥‥いや、どこぞの大豆たん白加工品じゃあるめェし、清廉潔白モノホンのネギなんですけど、ふんわり優しい香りが心地好く、これぞFDの為せる業。それに比べてメインの鶏チャーシューは、例によって例の如し、コンビニのサラダチキンみたいな風味と加工感が目立つので、高級感なんぞ皆無。

同じ価格帯の「背脂醤油」には、丁寧に焼き目を付けた厚切焼豚を使用しているのに対し、なぜコイツを選んだのか。定番商品の間で同じ具材を使わないように、カニバリ回避を図ろうとした狙いも見えますが、それ以上にコスト調整の意味合いが強いんじゃないですかね。ましてや今回のスープは “豚骨のコクとラードの旨み„ を売りにしているわけですから、それに相応しい肉具材とは思えなかったです。

総評

5.0

真横に並べて比較した場合、大きな違いを感じることになるとは思いますが、ざっくり表現するなら “7PGの「山頭火 旭川とんこつ塩」を「日清ラ王」で再現したら、こうなった„ みたいな。あくまでも例えですけど、まったくの他人とは思えない、その親類筋に位置する味わいなので、山頭火のカップめんファンなら親しみやすいこと請け合い。

あの酒粕っぽい風味までは楽しめないけれど、たとえば動物系の存在感を比較すると「日清ラ王 とろまろ塩」のほうが圧倒的に強く、既存の「山頭火 旭川とんこつ塩」を除けば他に類を見ないタイプのラーメンなので、NB商品としては実に個性的。鶏チャーシューは、まぁ‥‥好みの問題もあるのでしょうけれど、それを踏まえても値段相応の価値は充分に見出せる一杯になると思います【author・taka :a(大石敬之)】

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