どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月2日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ラ王 濃香トリュフ醤油」の実食レビューです。
2023年の最新トレンドはハイクラス系!? 日清ラ王30周年を記念してプチ贅沢 “世界三大珍味” の「トリュフ」を全面に押し出した一杯を市場に投下!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清ラ王 濃香トリュフ醤油
日清ラ王(にっしんらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、変化の大きいラーメン業界において “その時代の王道とされる味” に進化し続けてきたブランドで、名前の由来はラーメンの王様。その歴史はカップ入り生タイプめんから始まり、2023年1月現在はノンフライタイプの即席カップめん及び即席袋めん、並びに常温保存を可能にした生タイプめんの鍋焼ラーメンを展開しています。
今回の新商品「日清ラ王 濃香(のうこう)トリュフ醤油」は、高級食材を使ったラーメンが注目を集めている昨今、なかでも “トリュフ” の人気が高まっていることを背景に開発された即席カップめんで、昨年9月21日に発売30周年を迎えた「日清ラ王」渾身の一杯。実際に黒トリュフを使用した「特製トリュフペースト」と「特製トリュフオイル」を別添しているのですが、それだけではありません。
麺は現在の日清食品が誇る “まるで、生めん。” のような質感のノンフライ中細ストレート麺で、スープは日本三大地鶏の中でも代表的な存在として知られる名古屋コーチンで仕込み、タレには杉樽で熟成させた和歌山県産の湯浅醤油(ゆあさしょうゆ)を使うなど、並々ならぬ気合を感じる新年1発目のフレーバーです。
ただ、ひとつ見逃せないのがメーカー希望小売価格で、定番の「日清ラ王 背脂醤油」及び「同 濃厚味噌」「同 麻辣担々」「同 汁なし担々麺」は254円(税別)、並びにブランド発売30周年を記念して昨年9月19日にリリースされた新定番「日清ラ王 濃厚担々」及び「同 台湾まぜそば」も254円(税別)となっているのですが、最新作の「日清ラ王 濃香トリュフ醤油」は500円(税別)と強すぎる値段。
ハイクラス系の「日清ラ王」といえば、まだラ王がカップ入り生タイプめんだった頃、2003年(平成15年)12月1日に “ラーメンフリークを唸らせる究極のラ王” を目指して発売された「Premier(プレミア)日清ラ王 極厚チャーシュー麺」まで遡り、当時としては異例ともいえる300円(税別)の希望小売価格に驚いたことは、今でも朧げに覚えています。
それから時は流れ‥‥昨年の商品を例に挙げると、健康に配慮した「完全メシ 豚辛ラ王 油そば」や、その真逆を歩む「豚ラ王まぜそば」のメーカー希望小売価格も398円(税別)と高額で、さらに企画としては三代目となる「日清トリプルニンニク豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」のメーカー希望小売価格も368円(税別)で売り出すなど、ある意味 “暗黙の了解” 的な基準を覆してきた日清食品。
2、3年前からコロナ禍で激辛系やニンニクを容赦なく効かせた商品の需要が飛躍的に伸長し、2022年6月1日(水)からの価格改定(日清食品は即席袋麺、即席カップ麺、即席カップライス、即席カップスープの製品価格を5~12%アップ)も重なったことで、現在はコンビニで購入すると税込300円前後のカップ麺も珍しい話ではなくなりました。
かくして2023年は高価格帯商品(ハイクラス系)への期待が例年以上に高まっているように感じていたので、そこを業界最大手のメーカーが新年早々ピンポイントに突いてきた現状から、仕上がり次第では「日清ラ王 濃香トリュフ醤油」が最新トレンドの基盤を固めることになるかもしれません。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れ「特製醤油スープ」「特製トリュフオイル」「特製トリュフペースト」の計3種。特製醤油スープに杉樽仕込みの湯浅醤油(醤油中9.9%)と名古屋コーチン(チキンエキス中12.4%)を、特製トリュフオイルと特製トリュフペースに黒トリュフ(製品中0.2%)を配合しているようですが、自慢の厚切焼豚なしは寂しいポイント。
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、その仕上がりを日清食品は “まるで、生めん。” と表現しているのですが、ひとつの懸念が無きにしも非ず。というのも同社のハイクラス系に使われるノンフライ麺は、指定の時間になっても適切に戻らなかったり、いつまでも端の部分が硬いままだったり、そういった不具合が多発していた時期もあったので、ここが最初の関門になります。
前述のようにメーカー希望小売価格は500円(税別)と高額で、参考までに私が購入した店舗での販売価格は398円(税込429円)だったのですが、コンビニで購入した場合の税込価格は540円とレンジ麺に匹敵する勢い。たとえばセブンイレブンのハイクラス系「日清 最高に面倒で、最高にうまいラーメン。家系豚骨醤油」でさえ398円(税込429.84円)だったので、コスパ的な部分も見過ごせません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清ラ王 濃香トリュフ醤油 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:121g(めん70g) 商品コード:4902105278239(JAN) |
発売日:2023年01月02日(月) 実食日:2022年01月04日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:500円(税別) 購入価格:429円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:八角どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(特製醤油スープ・特製トリュフオイル・特製トリュフペースト) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、大豆食物繊維、卵粉、植物油脂、チキン調味料、植物性たん白)、スープ(しょうゆ、鶏脂、トリュフ調味油、チキンエキス、植物油脂、きのこ調味料、マッシュルームペースト、糖類、魚介エキス、しいたけ粉末、ポークエキス、食塩、こんぶ粉末、しいたけエキス、香辛料、魚介調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、かんすい、カラメル色素、香料、酒精、リン酸Ca、増粘剤(加工でん粉、キサンタンガム)、焼成Ca、酸化防止剤(ビタミンE)、マリーゴールド色素、クチナシ色素、フラボノイド色素、シリコーン、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は3つ “すべて後入れ” なので、それらを取り出してから内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと5分。ちなみにカップ麺の調理方法を見ると、小袋を入れる順番が並びで分かるようになっているのですが、今回の「特製醤油スープ」「特製トリュフオイル」「特製トリュフペースト」には番号が振ってあります。
熱湯を注いでから最初に入れるのは「特製醤油スープ(後入れ①)」と「特製トリュフオイル(後入れ②)」の計2袋で、それらは調理方法の欄に “よく混ぜ合わせ” と記載されているのですが、パッケージのイメージ画像よろしく「特製トリュフペースト(後入れ③)」をトッピングしてからは “混ぜない” のが正解となっているため注意してください。
さて、特製醤油スープを入れた途端に漂ってくる動物系の濃密な香りも然る事乍ら、黒トリュフのベクトルが想像以上にナチュラルで意表を突かれた調理直後。引き続きトリュフの効かせ方についてはもちろん、湯浅醤油と名古屋コーチンの存在感にも注目しつつ「めん」「スープ・トリュフオイル」「トリュフペースト」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(121g)あたり |
カロリー:481kcal たん白質:11.4g 脂 質:22.6g 炭水化物:58.0g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:2.1g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.22mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:159mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:481kcal(めん・かやく:301kcal)(スープ:180kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
希望小売価格のわりに斬新さが足りない
熱湯5分きちんと待機し、添付調味料を加える前に箸を入れてみたところ、ほんのすこしだけ解れにくい部分もありましたが、おおむねストレスを感じるほどではありません。形状は角刃で切り出された平打ち麺で、断面は四角。幅は広くないけれど、適度に厚みのあるサイズ感で、加水率は若干ながら低めでしょうか。
妙にプリプリと弾むので、そこがノンフライ麺らしさを決定付ける項目になっているのですが、特筆すべきは芳醇な小麦感。しなやかさとコシについては “まるで、生めん。” と異なるベクトルにあるものの、口に入れた瞬間に駆け抜ける小麦の風味は見どころで、全体の高級感を高めることに寄与しています。
はたして500円(税別)というメーカー希望小売価格に見合った品質なのかと聞かれたら、もうちょっとリアリティを追求してほしかったと答えますけど、油揚げ麺のような雑味は皆無なので、後述するスープの世界観を壊すことはありません。
スープ・トリュフオイル
こっちはスゴいな‥‥
まずは「特製醤油スープ」単体の味を確認してみたところ、この時点でトリュフの存在感は皆無に等しく、ラーメンのスープには必須といっても過言ではないアブラも希薄かつ昆布や魚介、椎茸なども使用しているため、どちらかといえば蕎麦つゆのような印象を抱きます。また名古屋コーチンも特段に目立って主張してくることはないけれど、面白かったのが湯浅醤油。
これも醤油がギンギンに攻めてくるようなタイプではないのですが、いったん口の中を通り越したタイミングで深呼吸を挟んでみると、ふんわり口の中に広がる杉の香りが “杉樽仕込み” たる所以なのだなと繊細に体感。その先に残る絶妙な甘さも心地よい、ファーストインプレッションよりも余韻で感動させるタイプ。そして、たっぷりと充填された「特製トリュフオイル」を解放すると‥‥
ええ、これが意外にも優しくてビックリ。手元の資料には “日清最大量のトリュフオイル” との記載があって、実際に量も多いのですが、ラードのようにギトギトしたタイプではなく、まろやかなオイル感。鶏脂とトリュフ調味油を中心とする油脂成分が「特製醤油スープ」を優しく包み込むように行き渡り、ラーメンらしさを表現しながらも上品で、しっかり重厚。
トリュフには大きく分けて「白」と「黒」があり、希少価値が高いのは「白トリュフ」とされているのですが、今回は「黒トリュフ」を使用とのこと。ただ、カップ麺のスープに有り勝ちな香料でゴリ押し系のトリュフ感ではなく、香料を併用しながらも “自然なトリュフの香りを最重要視” しているような、目が覚めるほど芳醇で、しかしながら誇張しない、なんとも高級感のある打ち出し方でした。
トリュフペースト
トリュフペーストの使用は日清史上初の試み
まずはペーストを単体で舐めてみたところ、ちょっと「うにくらげ」っぽいというか‥‥いや、たまたま正月に食べたから出てきた例えなんですけどw 酒粕っぽい感じのクセを覚えるファーストインプレッションから入り、次に主張してくるのは黒トリュフの香りとマッシュルームペーストのコク。
前述の「特製トリュフオイル」と同様に、あくまでもトリュフの膨よかでポジティブな部分だけを強調しているようなフレームワークで、これまでのトリュフの名を冠した即席カップ麺のスープにはなかった方向性を実現。個人的に香料でゴリ押し系も分かりやすくて嫌いじゃないんですけど、流行りのトリュフ系スナック菓子とも方向性が違う、まるで加工食品とは思えない工夫が凝らされていました。
たとえば2021年5月31日発売品以前の「セブンプレミアム 蔦 醤油Soba」みたいなインパクトに期待していた場合、高確率で物足りなさを感じるおそれもありますが、いい意味でカップ麺らしからぬトリュフ感に脱帽です。
総評
まずは実際の仕上がりと販売価格の均衡について、ぶっちゃけ高いです。なかでも麺は値段相応と思えなかったので、もうちょっと斬新な感動がほしかったなと。しかし、これまで他社がリリースしてきたトリュフ系のカップラーメンとは完全に別のベクトルで、黒トリュフのインパクトを香料で全面に押し出すのではなく、黒トリュフが持つ芳醇な部分を限界まで引き出そうとしている姿勢が高級で個性的。
また杉樽仕込みの湯浅醤油に由来する余韻も面白く、値段とトリュフにさえ抵抗がなければ試すべき価値のある一杯だと感じました。おそらく続編にキャビアやフォアグラが使われることはないと思いますけどw 相場を無視した高級路線のポテンシャルは高く、その価値があれば相場より高額でも売れる時代なので、ぜひ年内に第2弾・第3弾と畳み掛けてほしいです【author・taka :a(大石敬之)】