どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月7日(月)新発売のカップ麺、エースコック「ラーメンモッチッチ ワンタン麺」と「ラーメンモッチッチ 野菜タンメン」の実食レビューです。
苦節3年——もちもち食感で人気の「モッチッチ」シリーズより待望のラーメンが新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ラーメンモッチッチ 第1弾
「モッチッチ」とは、エースコックの独自技術 “真空仕立て麺” が特徴的なシリーズで、2017年6月19日に発売された「焼そばモッチッチ」からスタート。もとは「JANJAN(ジャンジャン)」という若者向けのボックス型カップ焼そばを前身としているのですが、「モッチッチ」では企画段階から女性を強く意識して開発されたもので、今回そのカップラーメン版が満を持す発売となりました。
モッチッチを発足するにあたり、エースコックが首都圏でマーケティングリサーチ(市場調査)を行ったところ、 “6割以上の方がカップ焼そばを食べた経験がない、または食べても頻度が少ない” という事実が判明。さらにカップ焼そばに対するイメージ調査では、「生麺の食感と違う」「麺に歯ごたえがない」という不満が多かったそうです。
そして、カップ焼そばの麺について改良すべきポイントを募った結果、もっとも「生麺の食感に近づけてほしい」という希望が多く、次いで「コシを改良してほしい」「もちもち感を出してほしい」という要望を受けたことから、 “徹底的に「めん」の食感にこだわり” 独自製法の「真空仕立て麺」を開発。まるで湯戻し調理とは思えない、家庭で調理した焼そばのようなモチモチ食感を打ち出すことに成功しました。
セールスプロモーションにおいては、初代イメージキャラクターには現役モデルのローラ(佐藤えり)さんを起用し、大々的なCMも大量投下。まさに鳴り物入りの登場を果たし、それに伴う実力の高さからエースコックの定番ブランドの中でも主力商品となっているのですが、待望の「ラーメンモッチッチ」の発売を開始した今回、イメージキャラクターはテレビCMを含めて菜々緒さんを起用。
発売日にあわせ、菜々緒さん主演(協力:振付稼業 air:man)のモッチッチ新TVCM『菜々緒 ロボットダンス ラーメン』篇を全国に大量投下。再び鳴り物入りで登場した「ラーメンモッチッチ」の開発期間は、なんと約3年。あの “真空仕立て麺” をカップラーメンに落とし込むために、およそ3年もの期間を要したそうです。
真空仕立て麺をカップラーメンに、それも麺の技術を最大限に活かしつつベストな状態で仕上げるには “麺を太くする必要がある” という結論に至ったそうですが、容器は標準サイズのタテ型カップ。同社の「スーパーカップ」なら余裕かもしれませんが、それでは女性向けの商品にはならないため、麺の戻りに制約のあるタテ型カップでも適切に戻る麺にしなければいけないのが最大の課題——
なかなかエースコックの開発サイドとしても納得のいく麺質を作り出すことができず、何十回もの試作を重ねた結果、麺の配合を工夫することで湯戻りの問題を解決。「焼そばモッチッチ」の “真空仕立て麺” をカップラーメンに落とし込むことに成功した次は、スープの味わいにも徹底的にこだわり、出汁(だし)を効かせながらも即席麺らしいクセになるような味わいを実現したとのこと。
2019年10月現在、カップ焼そばタイプの定番モッチッチは「焼そばモッチッチ」及び「塩焼そばモッチッチ ふわり鰹だし」の2品。どちらも味付けはソースに和風だしを効かせているのが特徴で、ラーメン版との共通点になります(※焼そばモッチッチの詳細は、「『焼そばモッチッチ』湯戻し時間を5分から4分に短縮! 2019年リニューアル」の記事をご参考ください)。
開封
「ラーメンモッチッチ」第1弾は、「ワンタン麺」と「野菜タンメン」の2品同時リリースで、どちらもメーカー希望小売価格は税抜193円と標準タテ型サイズの平均的な値段。それぞれ1袋ずつ後入れの小袋が別添されており、ワンタン麺には「液体スープ」、野菜タンメンには「調味油」、どちらも “フタの上に” 貼り付けてあります。
両商品ともに製造所は埼玉県にあるエースコックの東京工場[製造所固有記号(K)埼玉県川越市大字今福461-1]で、エースコックのカップラーメンといえば “最初から容器の中に小袋が入っていて粉末スープまみれ” なのが定番のパターンなのに、今回は女性層のユーザーに向けた配慮なのか、小袋が粉末スープまみれではありません。
「ワンタン麺」の具材にはワンタン3個、メンマ、ネギが入り、「野菜タンメン」にはキャベツを筆頭にチンゲン菜、コーン、人参、キクラゲと両者ともに充実のトッピング。麺は油揚げ麺ですが、調理前の見た目は “まるでノンフライ麺のような雰囲気” で、早くも他のカップラーメンとは一線を画す雰囲気を漂わせています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ラーメンモッチッチ ワンタン麺 / 野菜タンメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(K)埼玉県川越市大字今福461-1 内容量:69g(めん55g)/66g(めん55g) JANコード:4901071246549 / 4901071246556 個装サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm 発売日:2019年10月07日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(真空仕立て麺) スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(液体スープ / 調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【ラーメンモッチッチ ワンタン麺】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(しょうゆ加工品、しょうゆ、植物油脂、糖類、食塩、動物油脂、粉末しょうゆ、カツオブシパウダー、大豆たん白、カツオブシエキス、オニオンパウダー、チキン調味料、香辛料、酵母エキス、たん白加水分解物、全卵粉)、かやく(ワンタン、メンマ、ねぎ)/ d加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、炭酸カルシウム、香料、かんすい、カラメル色素、酒精、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘剤(アルギン酸エステル)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【ラーメンモッチッチ 野菜タンメン】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖)、スープ(食塩、植物油脂、チキンエキス、粉末しょうゆ、動物油脂、香辛料、チキン調味料、ポークエキス、野菜エキス、オニオンパウダー、香味油、発酵調味料、酵母エキス、魚介エキス、シイタケエキス、たん白加水分解物、ポーク調味料)、かやく(キャベツ、チンゲン菜、コーン、キクラゲ、人参)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、炭酸カルシウム、かんすい、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸エステル)、カロチノイド色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・えび・いか・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
カフェのコーヒーを彷彿とさせるスリーブ調のパッケージは、女性の方でも片手で持ちやすく、さらに熱の伝導率も悪いため、熱湯を注いだ後も容器が熱くなりにくいのが利点。「ワンタン麺」は大きなワンタン3個でボリュームを演出し、メンマの素朴な香りが雰囲気を高めます。それにしても、ぜんぜんスープが減ってないですね。
販売店は全国のスーパーやコンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアなどの全チャネル販売で、明らかにスーパーマーケット向けの商品ですが、「ワンタン麺」はセブンイレブン・ファミリーマート・ミニストップでも取り扱いを確認。比較的に「野菜タンメン」の取り扱いは少なかったんですけど、ファミリーマートでは両方とも入荷している店舗が多かったです。
麺の湯戻し時間は熱湯5分、ワンタン麺の液体スープ及び野菜タンメンの調味油は後入れなので、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めてください。それでは、麺の仕上がりとスープの組み方にも注目しつつ、それぞれ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(69g / 66g)当たり カロリー:290kcal / 285kcal ※ラーメンモッチッチ ワンタン麺 / 野菜タンメン |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:290kcal / 285kcal(めん・かやく:240kcal / 232kcal)(スープ:50kcal / 53kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
食用油で揚げたフライ麺なので、どうしても油揚げ麺特有の芳ばしい風味は並行するのですが、あくまで穏やかなもの。それも程よくインスタント感を演出する上で効果的な風味であり、反して食感はチルド麺に引けを取らないほどナチュラルなモチモチ感が素晴らしく、むしろゴリゴリとした食感のヘタなノンフライ麺より美味しいかもしれない。
おそらく麺は「ワンタン麺」「野菜タンメン」どちらも共通で、「焼そばモッチッチ」の真空仕立て麺と同じく “麺の内部に気泡を感じない” のが最大の特徴。その証拠に一般的なカップラーメンよりも麺の吸水率が悪く、つまり時間が経ってもスープの量が減らなくて、それも麺の密度を物語っている裏付けになります。
そんなにサイズは太くありませんが、麺の加水率は高く、かなり食べ始めはモチモチの多加水麺で、徐々に柔らかくなってくる食感の変化も自然なスピード。これまでタテ型レギュラーサイズのカップラーメンは、エースコックの親会社「サンヨー食品」(サッポロ一番)の「和ラー」に使われている麺が最強の座に君臨していたのに対し、その “和ラーに匹敵する完成度の高さ” で驚きました。
スープ
「ワンタン麺」のスープは、 “国産の鰹だし” をベースに鶏ガラを合わせた和風しょうゆ味で、別添の液体スープは少量の醤油ダレと7割くらいは香味油。エースコックのニュースリリース(PDF)には “キレのある醤油の旨み” とありますが、塩カドは弱く、これなら普段あまりカップラーメンを食べ慣れていない女性の方でも自然に楽しめそうな塩梅。
それでいて鰹の繊細な旨味が広がるテイストには、やはり「焼そばモッチッチ」の面影があり、にんにくは控えめで、玉ねぎや生姜を中心とした香味野菜を効かせているところにも女性への配慮が見られます。さらに液体スープの中に含まれていたオイル分には、葱油や揚げネギを彷彿とさせる芳ばしい香味とホロ苦いアクセント、加えて独特の甘みがあり、スープのコクをグッと深めてくれていました。
一方、「野菜タンメン」のスープには “国産の丸鶏だし” が使用されていて、どちらのスープも国産素材をアピール。同社の「ワンタンメン」も “タンメン味” とされていますが、ラーメンモッチッチに松茸の隠し味はなく、まさにカップ野菜タンメンの王道を地で行くような味わいで、攻撃性のない穏やかな塩味のスープに仕上がっています。
別添の調味油には野菜を炒めたような風味が添加され、丸鶏の膨よかな旨味に寄り添うオニオンの甘み、そして具材から滲み出る野菜の旨味もプラスされる優しいテイストでありながら、適度な食塩と黒胡椒のアクセントが旨味を引き立てているフレームワーク。ほんのり効かせてある煮干し系の魚介と椎茸の隠し味も効果的で、不思議と主張の強い麺とのパワーバランスも問題ありませんでした。
具材
あいかわらず「ワンタン麺」に入っているワンタンは、熱湯5分しっかり待っても皮の繋ぎ目が完全に戻ることはなく、食べ始めは部分的にパキッとしているのが難点。さらに5分ほどスープに浸けておいても硬い部分は硬いままなので、そこは要改善ではあるものの、メンマは大きめのサイズで香りが強く、ワンタン3個は素直に嬉しい食べ応え。
「野菜タンメン」の野菜具材は、もっともキャベツの量が多く、味は青梗菜とコーン、キクラゲが好印象で、青菜の風味と甘いコーン、キクラゲのコリコリとした食感が塩味のタンメンスープとマッチ。肉系の具材は入っていませんが、今回の優しいスープには野菜だけで充分ですし、スープの項でも触れたように具材から滲み出る野菜の旨味も効果的です。
ただ、基本的にタテ型カップの具材は “総重量判定” で、今回の写真ではニンジンが2個しか入っていませんが、撮影後に別の個体を調理してみたところ、そちらには人参5個、さらにコーンは18個も入っていました。こればかりは開けてみないことには分かりませんが、けっこう具材のバラツキは激しいかもしれません。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
世に送り出すまでに費やした期間は約3年間、議論と試作を重ねながら、繊細な調整の末ようやく完成したエースコックの自信作「ラーメンモッチッチ」第1弾。スープと具材に特筆したインパクトはありませんが、適度にカップ麺らしく、攻撃性のない優しいスープにトッピングも具沢山な内容で、こと “真空仕立て麺” においては感動を覚えたほど。
それも2016年10月に登場してから今もなお圧倒的な製麺レベルの高さを見せ続けている、サッポロ一番「和ラー」の麺と肩を並べる勢いだったので、今後さらなる展開が楽しみになりました。博多とんこつ系の豚骨スープに合わせる場合には調整が必要になってきますが、真空仕立ての多加水麺に合う “みそ系” のフレーバーが追加されるのも時間の問題でしょう。