どうも、taka :aです。rairai
本日の一杯は、2019年10月15日(火)新発売のカップ麺、エースコック「来来亭 こってりラーメン」の実食レビューです。
ファミリーマート限定カップラーメン「来来亭」のタテ型シリーズに「こってりラーメン」が仲間入り!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ファミマ×来来亭 こってり 2019
「来来亭(らいらいてい)」とは、滋賀県中洲市に本社を置くラーメンチェーン店で、創業は1997年(平成9年)3月。その1号店「野洲店」に入社した豆田敏典氏(現「来来亭」代表取締役社長)は、京都ラーメンの老舗「第一旭」出身という経歴の持ち主で、まだ当時27歳の頃に経営不振で閉店した来来亭を3,800万円で買い取り、わずか10年で年商100億円企業に成長させます。
再現カップラーメンの製造は、大阪府吹田市に本社を構えるエースコック株式会社の担当で、2006年5月発売「来来亭 特製しょうゆラーメン」が両社の初コラボ作品。そして現在、縦型ビッグの「来来亭 しょうゆラーメン」をファミリーマートの定番商品として販売しているのですが、今週から「来来亭 こってりラーメン」が新商品として登場しました。
京都発祥の “こってり” といえば、言わずと知れた天一(てんいち)こと「天下一品(てんかいっぴん)」のラーメンが有名です。しかし、「来来亭」の “こってり” もファンの中では人気のあるラーメンで、これは単純に背脂の量を増やしたラーメンではありません。「こってりラーメン」と定番の「ラーメン」の何が違うのかというと、ずばり「スープ」が違います。
定番の「ラーメン」は “鶏ガラ醤油ベース” なのに対し、「こってりラーメン」は “豚骨醤油ベース” なので、そもそもの土台が別物。2019年10月15日現在、Wikipediaには “鶏ガラを長時間煮込んだ——” と書いてありますが、以前に知り合いの関係者(独立店のオーナー)から「鶏ガラじゃないよ、豚骨が軸」と教わりました。
カップ麺の「しょうゆラーメン」は、実店舗の定番メニュー「ラーメン」を再現したもので、今回の新商品発売にあわせてリニューアル(※マイナーチェンジ)。そして、2018年12月4日(火)にも “まったく同じ商品名” で「こってりラーメン」を再現しているのですが、昨年と比較して製品スタイルは大幅に異なります。
(2018年発売「来来亭 こってりラーメン」)
今回は既存の「しょうゆラーメン」と同じく大盛りタテ型カップに油揚げ麺を採用しているのですが、2018年12月発売の「こってりラーメン」は大判どんぶり型カップにノンフライ麺を採用したもので、当時の評価は可も無く不可も無し。上質な背脂のクオリティは手放しに好印象だった反面、実売価格は税込278円だったこともあり、厳し目に評価せざるを得えない内容でした。
2019年10月現在、記憶に新しい「来来亭」の新作カップ麺といえば、これまでのコラボ商品で “いちばん辛かった” 激辛カップラーメン「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」があります。この商品は “次のシリーズ新作が出たら販売終了” とエースコックから聞いていたので、今後どうなるのか念のためエースコックに確認したところ——
安心してください、まだ終売ではありません。すでにファミリーマートの公式ウェブサイトから商品情報は削除されていますが、今回より来来亭のカップ麺は「しょうゆラーメン」「こってりラーメン」「旨辛麺MAX」の3つが定番商品になるようです(※関連記事「来来亭 こってりラーメン 2018」「来来亭 旨辛麺 辛さMAX」)。
開封
「来来亭 こってりラーメン」が商品化されるのは2回目で、つまり手軽な縦型カップになったのは今回が初。毎度お馴染みエースコックらしく別添の小袋は最初から容器の中に入っていて、粉末スープまみれ‥‥しかも1袋ではなく「液体スープ」が2袋。ついでにリニューアル後の「しょうゆラーメン」も確認してみたところ、そちらにも液体スープが2袋入っていました。
ちなみにファミリーマートの公式ウェブサイトには、「来来亭 しょうゆラーメン」及び「来来亭 こってりラーメン」どちらも[ファミリーマート限定・数量限定]と書いてありますけど、ぜんぜん “数量限定じゃない” です。「期間限定」は文字通り日数的に製造を制限したもの、「数量限定」というのは最初から生産数が決まっているもので、生産数に達したら製造終了になる商品のこと。
「しょうゆラーメン」「こってりラーメン」「旨辛麺MAX」いずれも現段階で生産終了・期間限定・数量限定などの予定はなく、重要が続く限りファミマの定番カップ麺(通年商品)として製造を続けるとのことでした。さて、とりあえず熱湯を注ぐ前に、粉末スープまみれの小袋を取り出しましょう。今回、いつも以上に粉まみれです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:来来亭 こってりラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(K)埼玉県川越市大字今福461-1 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901071288136(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年10月15日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体スープ×2) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、砂糖、しょうゆ)、スープ(動物油脂、食塩、ポークエキス、しょうゆ、しょうゆ加工品、糖類、ポーク調味料、香辛料、おからパウダー、乳化油脂、ポークコラーゲン、たん白加水分解物、酵母エキス、発酵調味料、粉末しょうゆ、オニオンパウダー、全卵粉)、かやく(焼豚、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、炭酸カルシウム、重曹、カラメル色素、香料、かんすい、酒精、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、香辛料抽出物、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(スクラロース)、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む) |
実食開始
写真の向かって左が「こってりラーメン」の麺で、右が「しょうゆラーメン」の麺。せっかくなので比べてみたところ、粉末スープの色が違うので分かりづらいのですが、どちらも熱湯3分の白っぽい油揚げ麺で、原材料名も同じですし、ほぼサイズも変わりません。本店も「ラーメン」と「こってり」の麺は基本的に共通なので、麺の使い回しは再現度の高さに貢献しています。
別添の液体スープは両方とも後入れで、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めます。同社の「飲み干す一杯」シリーズでも定番の “深うまいの素” と記載されている白い小袋は、毎度お馴染み液体スープとは名ばかりの背脂で、これについては「しょうゆラーメン」「こってりラーメン」どちらの商品にも同じサイズの小袋が別添されていました。
お湯を注いでから3分後にフタを剥がし、まずは銀色の小袋に入っているタレから馴染ませて、仕上げに背脂(白い小袋の中身)をトッピングすると “背脂チャッチャ系” の雰囲気がアップしますよ。それでは、見るからに “こってり” している実食前の現在、豚骨感と醤油のバランスにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)当たり
カロリー:430kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:430kcal(めん・かやく:295kcal)(スープ:135kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
実店舗の麺は丸刃でカットされた縮れのないストレート中細麺で、やや加水率は低めに設定されているのに対し、カップラーメンの麺は角刃でカットされた縮れのある平打ち麺という形状から、完璧に再現できているとは言えません。それに油揚げ麺特有の芳ばしい風味も強く、その風味が前に出てくるインスタント感の強い麺ですが、なかなかどうして悪くない。
なんというか素直に “カップラーメンとしての美味しさ” が楽しめるというか、こってりとした背脂豚骨醤油味のスープと油揚げ麺特有の芳ばしい風味は相性がよく、むしろ豚脂の芳ばしさと油揚げ麺の風味には相乗効果があって、逆にノンフライ麺だったら合わなかったかも——とまで思わされた抜群の組み合わせ。
麺のサイズは中細ですが、思いのほか食べ始めはコシが強く、ちょっとゴムっぽい弾力(悪い意味ではなく)。スパッと歯切れが良さそうに見えて、実は密度の高い独特の反発を備えています。ついでに「しょうゆラーメン」も食べて比較してみた結果、ほぼ質感は遜色なかったですし、醤油味にも豚骨醤油味にも合うクオリティの高い油揚げ麺です。
スープ
最初から入っている粉末スープには、とろみ成分やエースコックお得意の “おからパウダー” が入っていて、やや人工的にザラついた舌触り。けれども同時に豚骨の “骨っぽい旨味” を備えていて、思いのほか丁寧に土台を支えていることが分かります(※お湯を入れてから3分後、粉末スープが部分的に固まっているので、液体スープを入れる前に溶かしてください)
そして銀色の小袋に入っている液体スープには、濃口醤油をベースにした醤油ダレと動物油脂が仕込まれていて、豚骨臭のベクトルとは違うものの、なかなか硬派な獣臭を漂わせてくる頼もしい香り。かなりオーソドックスな豚骨醤油味で、醤油も豚骨も濃いめの仕上がりなんですけど、やや豚骨が強く、キリッとしながらも舌を刺してくるような鋭い刺激はありません。
このまま鶏油を浮かべたら家系ラーメンのスープになるかも‥‥などと思いつつ、白い小袋の中に入っているのはフルで背脂(動物油脂)。一瞬で湯気が立たなくなるほどの量が入っていて、かなり風味は芳ばしく、こってり感も申し分なし。この豚脂が適度にタレのエッジを包んでくれるのですが、全体的に味がボヤけることはない、これまでの集大成的な出来栄えに驚きました。
具材
具材は気の抜けたベーコンみたいなチップ状の豚肉‥‥あ、ジャーキーが近いかもしれない。そんな肉具材と歯触りだけが取り柄のネギ、なぜか切れ端ばっかり寄せ集めたようなメンマと立派な具材は入っていませんし、やはり「来来亭 しょうゆラーメン」と同じ具材構成です。
ただ、あの味気ないスポンジ食感の肉そぼろ(ハズレた時の程良く味付けした肉そぼろ)と比較した場合、歯ごたえのある今回のチャーシューチップは意外と悪いやつじゃありません。それに、スープ表面の芳ばしい背脂を纏った豚肉も満更ではなく、エースコックの縦型で頻繁に見る丸いプリプリ焼豚よりも好印象。
歯触りだけが取り柄のネギも己が取り柄を全力で活かし、シャキッとした食感で自己主張。中でもハイライトだったのは小さなメンマで、開封した直後から香りが強く、コリコリとした歯ごたえと特有の風味が濃厚なスープにベストマッチ。最初は小さいと思ったけど、最初から最後までバランスよく飛び込んできて飽きさせない、なかなか計画的なサイズでした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
まず再現度について、今回の「来来亭 こってりラーメン」は、だいぶインスタントラーメンに寄ってます。しかし、これまで培ってきたエースコックのノウハウを全力で体現してきたような、とにかくリアルな背脂の存在感を筆頭に全体の統一感が素晴らしく、コンビニ限定でもカップ麺の値上げ(価格改定)を無視した税込216円という値段も高く評価すべきポイント。
単純に各項目の評価(星の数)から平均を算出すると約5.8になりますが、スープの満足度、総合力の高さ、そしてコスパも含めた結果 “星6つ” としました。前回は税込278円もする本格路線の大判どんぶり型・ノンフライ麺でしたけど、明らかに今回のほうが美味しかったです。