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中國菜・老四川 「飄香(ピャオシャン)」監修カップ麺 “四川風麻婆麺” 現代に蘇る伝統の四川料理を再現!?

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サンヨー食品

どうも、taka :aです。

本日の一杯は、2020年3月9日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「中國菜 老四川 飄香監修 四川風麻婆麺」の実食レビューです。

 “現代に蘇る老四川” 東京・麻布十番本店「老四川 飄香(ピャオシャン)」の味わいをカップラーメンで再現!!

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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飄香監修カップ麺

「中國菜 老四川 飄香(ラオシセン ピャオシャン)」とは、東京都港区麻布十番で “伝統的な四川料理” を提供している高級四川料理専門店で、2005年4月6日に創業した代々木上原の「飄香」を前身とし、2012年12月10日に現在の「麻布十番本店」に移転。日本で四川料理といえば辛い食べ物の印象が強くありますが、古くから伝わる四川料理は辛い食べ物ばかりではありません。

中國菜・老四川 飄香(ピャオシャン)

痺れる辛さの麻辣(マーラー)がトレンドになっている現在、たしかに多種多様な香辛料を使うのも四川料理を代表する特徴の一つですが、もともと赤唐辛子は中国に存在しなかった植物の一つ。中国に唐辛子が伝来したのは日本よりも遅い17世紀の半ば、つまり17世紀以前の四川料理に唐辛子は使われていなかったので、現在の日本で一般的な四川料理とは異なるメニューも数多く存在します。

本場の四川料理は成都の「蓉派」と重慶の「渝派」があり、さらに「蓉派」は伝統的な四川料理「経典川菜」と1990年代以降に生まれた新しい四川料理「新派川菜」に分けられ、今回の「老四川 飄香」が探究しているのは成都・蓉派の伝統的な経典川菜。たとえば陳建民氏が日本人好みにアレンジした担担麺や麻婆豆腐など、いわゆる “日本式の四川料理” を実店舗で提供することはありません。

老四川(ラオシセン)の「老」には “歴史を重ねた昔からの” といった意味があり、中國菜「老四川 飄香(ピャオシャン)」という名前の由来は “昔の四川が漂い香る” に因んだもの——伝統四川料理のルーツともいえる老舗「栄楽園」(創業1911年)の流れを汲む「松雲澤」で修行した井桁良樹(いげた よしき)シェフが代表を務めます。

店舗イメージ

1971年1月13日、千葉県千葉市に生まれた井桁良樹氏は、高校時代のアルバイト先で食べた回鍋肉の美味しさに衝撃を受け、その店のシェフから言われた「料理の世界に進みなさい」という言葉をキッカケにプロの料理人になることを決意。高校卒業後は千葉調理専門学校の中華コースに進み、専門学校卒業後は当時の講師だった斎藤文夫氏が経営する店「岷江」(現在閉店)で修行を始めました。

「岷江」で8年間中華料理を学び、その後は千葉県柏市の老舗「老中国菜 知味斎」に入門。さらに3年間の修行を積んだ後、当時29歳の頃に中国へ渡り、そこで「飄香」の原点ともいえる “伝統的な四川料理” に出会います。中国での修行期間は約2年、帰国後は資金調達など3年の準備期間を経て2005年4月に「中國菜 老四川 飄香」を開業するのですが、井桁良樹シェフの探究は止まりません。

井桁良樹シェフが四川省の省都・成都市にある「松雲澤」で修行を始めたのは、2018年4月と比較的に最近のこと。そこで修行するために必須条件とされる成都の流派「松雲門派」に弟子入りし、松雲門派の川菜(四川料理)を伝承する正統な後継者の証「中国川菜松雲門派技藝傳承人」を会得。日本人としては2人目ですが、その流れを汲む専門店を日本で営んでいるのは「飄香」ただ1店です。

麻婆麺は実店舗にもある‥‥?

さて、今回の新商品「中國菜 老四川 飄香監修 四川風麻婆麺」は、サッポロ一番ことサンヨー食品及び「飄香」の共同開発商品で、サンヨー食品の公式ウェブサイトには “四川料理の有名店「飄香」監修のもと、四川風麻婆麺の味わいをタテ型ビッグカップで再現” と書いてあるのですが、調べてみたところ本店のメニューに麻婆麺(マーボーメン)はありませんでした。

開封

別添の小袋は1種類

そもそも麻婆麺といえば新潟県を発祥とする日本生まれの麺料理なので、もしかすると「飄香」が定義する “伝統的な四川風の” 麻婆麺ということなのかも——と、それはさておき今回のカップラーメンに別添されている小袋は「仕上げの小袋」が1袋。パッケージに描かれている水墨画は、実店舗の壁や公式ウェブサイトのヘッダーにも描かれている絵と同じデザインです。

ちょっと具材は少なめ

具材は鶏・豚味付肉そぼろ、豆腐、ねぎ、唐辛子とシンプルな構成。実店舗の麻婆麺が見つからなかったので、再現度のほどは分かりませんが、いわゆる麻婆豆腐を彷彿とさせる定番のラインナップ。ちょっと量は少ないのですが、サンヨー食品の縦型カップ麺は基本的に具材が少ないので、まぁこんなもんかな‥‥というのがファーストインプレッション。

メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入した場合の税込価格は232円、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ)の中では「ローソン」での販売を確認。公式もコンビニでは取扱店としてローソンを挙げていたので、おそらく全国的にもローソンでの取り扱いが多いと思います。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:中國菜 老四川 飄香監修 四川風麻婆麺
販売者:サンヨー食品株式会社
製造者:太平食品工業株式会社 関西工場
製造所:奈良県大和郡山市額田部北町944
内容量:92g(めん70g)
商品コード:4901734039594(JAN)
商品サイズ:φ112×118(mm)
発売日:2020年03月09日(月)
実食日:2020年03月12日(木)
発売地域:全国(全チャネル)
取得店舗:コンビニ(ローソン)
商品購入価格:232円(税込)
希望小売価格:220円(税別)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:縦型ビッグ
容器材質:プラ(PP)
湯量目安:420ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:1袋(仕上げの小袋)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、大豆食物繊維)、スープ(糖類、食塩、中華調味料、ビーフエキス、植物油脂、香辛料、たん白加水分解物、豚脂、香味油、クリーミングパウダー、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、豆腐、ねぎ、唐辛子)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、加工でん粉、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、クチナシ色素、パプリカ色素、レシチン、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む)

実食開始

麺は特殊切刃で切り出したフライ麺

麺は熱湯3分の油揚げ麺で、ちょっと油揚げ麺特有のニオイが気になったのですが、それについては許容範囲内(サンヨー食品のカップ麺ではマシなほう)。また今回の麺は特殊切刃を使用した “手もみ風ちぢれめん” を採用しているため、ちょっと独特な見た目をしています。あとは熱湯を注いで3分後、仕上げの小袋を入れてから、よく混ぜ合わせて出来上がり。

パッケージのイメージ通りw

やはり具材は頼りなく思えますが、見た感じは当たり障りのない麻婆麺で、香りもオーソドックスな印象となっている調理直後。スープはビーフのうまみをベースにし、独特の甘さと辛さがある中華調味料をバランスよく使用して麻婆豆腐をイメージしているそうなので、麺の個性もさることながらビーフの旨味なども注目のポイント。

なお、容器の材質にはカップ麺で一般的なPS(ポリスチレン)ではなくPP(ポリプロピレン)を採用しているため、持っても熱くなりにくいのが嬉しいですね。それでは、念のため唐辛子の辛さレベルや花椒の痺れといった刺激的な要素にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(92g)あたり
カロリー:428kcal
たん白質:7.8g
脂  質:19.2g
炭水化物:56.1g
食塩相当量:6.3g
(めん・かやく:1.7g)
   (スープ:4.6g)
ビタミンB1:0.78mg
ビタミンB2:0.59mg
カルシウム:231mg
参考値(調理直後に分別した値)
熱量:428kcal(めん・かやく:337kcal)(スープ:91kcal)
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

サンヨー食品の十八番

5.0

たとえばサンヨー食品の特殊切刃でカットされた麺といえば、最近(といっても数ヶ月前ですが‥‥w)だと “3種の乱切り麺” を使用した「麺創研紅監修 濃厚辛味噌ラーメン 紅」が記憶に新しく、その中に入っていた1種類とみて間違いありません。今回は混合麺ではないものの、ランダムな縮れが施されている特殊な形状で、これまでにも何度か採用されてきました。

ちょっと休ませたほうがいいかも

ちょっと上記の写真では分かりづらいかも‥‥なんですけど、かなり極端な例をあげると “断面が三角” で、麺を噛み切った時の断面図を見ると片側が薄く、その反対側が分厚くなっており、縦溝とランダムな縮れが施されているのもポイント。このランダムな縮れによって口当たりが不規則になり、通常の麺とは違った個性が楽しめます。

ただし、熱湯3分きっちり待っても部分的にサクッとした戻りムラが目立つのが玉に瑕——とりあえず最終的に熱湯5分前後で戻りムラは気にならなくなりますし、よほどダラダラしなければ食感の持久力も悪くなかったので、とりあえず熱湯3分+かき混ぜてから「仕上げの小袋」を投入+再度かき混ぜてから1分ほど休ませるのがベストかもしれません。

スープ

なるほど個性的

5.0

どちらかというと日本人でも抵抗なく親しめるようなタイプの味付けではあるのですが、日本式の麻婆系に使用される頻度の高い和味噌は不使用で、注目したい素材は「中華調味料」と「ビーフエキス」の2種類。めちゃくちゃ牛の味がするとかではないものの、中華調味料をベースに牛の旨味を効かせているのが今までにリリースされてきた「麻婆麺」との大きな違い。

土台のスープは濃いめの味付けで、とろみ成分が含まれており、けっこう味としては重厚感あふれるテイスト。すでに花椒(かしょう, ホワジャオ)の痺れも感じるのですが、きもち和山椒もブレンドしているようなベクトルで、そんなに刺激は強くありません。ほんのちょっとでもビリッときたら無理!! だと厳しいかもしれませんが、ふつうに市販の中辛が大丈夫なら余裕です。

ぜんぜん見た目ほど辛くない

仕上げの小袋にはオレンジっぽい色合いの調味油が入っていたのですが、これ全部が辣油ではなく、むしろ辛味は控えめなくらい。どちらかというと風味付けの役割を担っていて、野菜を炒めたような調理感が付与されます。最終的な辛さレベルは花椒・赤唐辛子ともにピリ辛~贔屓目にみて中辛ちょい下だったので、辛さには期待できないものの、きちんと個性は感じられました。

具材

量は少ないけど質は悪くない

3.0

原材料名(かやく)に記載されている唐辛子の辛味は目立っておらず、ほぼ飾りにすぎない存在で、汎用のネギ(青葱)も特に書くことはありません。また豆腐も挽肉も小さいうえに量が少ないため、ちょっと上出来とはいえない内容ではあるものの、ジャンクな味付けの挽肉は口に飛び込んできた時の存在感けっこうあり。

ちゃんと豆腐

小さな豆腐も味・食感ともに豆腐らしく、雰囲気を演出するという点においては悪くありません。もし、コンビニで購入した場合は頼りないかもしれませんが、とりあえずイメージの基本は押さえています。欲をいえば、それぞれ倍は入っていると嬉しかったのですけど、麺の個性やスープの出来を踏まえ具材の評価は及第点としました。

総評

★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)

実際の「老四川 飄香(ピャオシャン)」で本物の麻婆麺を食べたことがないため、再現度については評価できないのですが、特殊切刃で切り出したサンヨー食品特有の油揚げ麺に中華調味料とビーフエキスの旨味が効いたスープなど、既存のカップ麻婆麺との違いが感じられる仕上がりです。もうちょい具材が多ければ——などと思いつつ、悪い商品ではありません。

刺激に期待していると肩透かしではあるものの、それだけに多くの方が安心して楽しめる商品といえますし、おそらくコンビニ以外の店舗であれば、税込200円前後~200円以下で捕獲できるかと思います。食べ始め直後は麺の戻りムラが気になったので、ほんの少し休ませてみてください。

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