どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年5月18日(月)新発売のカップ麺、まるか食品「ペヤング 豚脂MAXやきそば」の実食レビューです。
ペヤングの変わり種やきそば「MAXシリーズ」から “胸焼け注意” の新作やきそば登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング 豚脂MAXやきそば
「ペヤングやきそば」とは、まるか食品を代表するカップやきそばのロングセラーブランドで、初めて発売されたのは1975年(昭和50年)3月。当時まだカップ麺が高価な食べ物だった頃、若いカップルにも “2人で1つのものを仲良く食べてほしい” という願いから、ペア(pair)とヤング(young)で「ペヤング(peyoung)」と名付けられ、2020年3月に発売45周年を迎えました。
現在ではカップやきそば業界の標準仕様となっている “四角い容器” と “液体ソース” ですが、どちらも1975年3月に発売されたペヤングの「ソースやきそば」が先駆けて導入したもので、さらに具材のパック包装や麺重量90gを汁なしカップ麺(レギュラーサイズ)の基準にしたのもペヤング。今でこそ奇抜で変化球な商品を数多くリリースしているブランドですが、現在の主流とされる基盤を構築してきたパイオニアです。
そんなペヤングやきそばが展開している特化型の「MAX(マックス)シリーズ」は、2012年2月20日から販売されている激辛カップ麺「ペヤング 激辛やきそば」を皮切りに発足したブランドで、まるか食品の開発課所属・小島裕太氏が仕掛け人。今回の新商品「ペヤング 豚脂MAX(とんしマックス)やきそば」は、豚脂を豊富に使用した変わり種で、パッケージには見覚えのある “胸やけにご注意ください” の文字‥‥
豚脂(とんし)とは、料理などに用いられる豚の脂肪全般を指し、日本では豚の脂肪組織から精製した食用油脂を「ラード」として販売しているため、馴染みのある素材。動物油脂である豚脂は常温で白く濁ったクリーム状の半流動体を成し、内臓の蓄積脂肪は摂氏30~40℃と融点が高いのですが、部位によって融点が変わり、背・腹などの皮下脂肪組織から精製したラードは摂氏27〜30℃と融点が低いのも特徴です。
食用としてはラーメンのスープに焼きそば、炒飯などの中華料理をはじめ、串カツの揚げ油、パンやスイーツなど、もちろんカップ麺を作る際にも多様される豚脂。まるか食品における豚脂を大量に使用したカップやきそばといえば、2017年3月27日発売のMAXシリーズ第4弾「ペヤング 背脂MAXやきそば」が皮切りで、レギュラーサイズにもかかわらず総カロリーは696kcal、脂質は44.7gと規格外の数値を叩き出した問題児。
レギュラーサイズなのにカロリーがヤバかったペヤングといえば、2019年10月28日発売の「ペヤング 牛脂MAXやきそば」が記憶に新しいところ。そちらは商品名の通り豚脂ではなく牛脂(ヘット)を使用したカップやきそばだったのですが、牛脂の使用量は伊達じゃなく、総カロリーは726kcal、脂質も50.8gと「背脂MAXやきそば」を上回り、なるほど胸焼け注意の警告にも素直に肯ける仕上がりでした。
そして再び動物油脂を牛の脂から豚の脂に戻した今回、念のため「豚脂MAXやきそば」のカロリーと脂質をチェックしてみたところ、総カロリーは748kcal、脂質は55.5gで、おそらくレギュラーサイズのペヤングとしては過去最大値。ちなみに定番「ソースやきそば」のカロリーは544kcal、脂質は27.6gなので、その重さは数値で見ても比べ物になりません。
まるか食品の公式ウェブサイトには “醤油ベースのソースに豚脂をたっぷりと使用した、こってり好きにはたまらないやきそばです” という商品説明に加え “豚脂を豊富に使用しているため「胸やけ」にはご注意ください” との注意喚起あり。前回の「牛脂MAX」が容赦なかったので、コンディションを万全に整えたうえで挑んだほうがいいでしょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、大きめの「ソース」と「かやく」の合計2袋。ソースの中身は液体で、小袋には “フタの上で温めて下さい” と記載してあります。実食前の現在、極端に室温が低いわけではないのですが、常温で凝固し始める豚脂の含有量が多いため、小袋の中身は明らかに触って分かるほど固まっていました。
麺は芳ばしい香りの漂う油揚げ麺で、若干ながら普段よりも色が濃い目に見えたのですが、基本的にペヤングやきそばシリーズの麺は定番の「ソースやきそば」と共通です。まるか食品の工場では、この麺を揚げるために使用している油にもラードを用いているため、麺にもソースにも豚脂が含まれている、ある意味かなり徹底したシチュエーション。
メーカー希望小売価格は定番の「ソースやきそば」が税別193円なのに対し、今回の「豚脂MAXやきそば」は税別205円と若干ながら高めに設定されているのですが、前回のオイル推し「牛脂MAXやきそば」と同じ値段。取扱店・販売店などは特に限定されていませんが、コンビニの “セブンイレブンでは2020年5月25日まで売ってない” とのことなので、購入の際は注意してださい。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング 豚脂MAXやきそば 製造者:まるか食品株式会社 本社工場 製造所:群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1 内容量:129g(めん90g) 商品コード:4902885006121(JAN) 商品サイズ:縦162mm×横127mm×高さ57mm |
発売日:2020年05月18日(月) 実食日:2020年05月19日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:205円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(動物油脂、しょうゆ、ポークエキス、糖類、チキンエキス、ガラスープ、食塩、でん粉、ガーリックペースト)、かやく(メンマ、ナルト、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、カラメル色素、増粘剤(グァーガム)、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、クチナシ色素、ベニコウジ色素、ビタミンB2、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」1袋、中にはメンマ、ナルト、ネギが入っているため、焼きそばというよりもラーメン(油そば・まぜそば)のトッピングを彷彿とさせる内容です。残念ながら豚肉や背脂顆粒などは入っていませんが、定番の「ソースやきそば」にも入っている筒状の “味付け鶏ひき肉” は製品価値を下げかねない具材なので、それを使用していないだけプラスに捉えるべきかもしれません。
あとは熱湯を注いで3分待機、液体ソースは指示通りフタの上で温めて、湯切り後に満遍なく絡めたら完成です。牛脂MAXの時ほど香りのインパクトは強くありませんでしたが、ソースの小袋から大量に出てくる豚脂の量は凄まじく、あっという間にギットギト。さすが「豚脂MAX」というだけのことはあり、かつての「背脂MAX」に匹敵するインパクトを感じました。
というわけで、2017年3月にリリースされた “背脂MAX” との違いや胸焼け度合いに注目しつつ、「めん」「ソース」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。それにしてもレギュラーサイズの汁なしカップ麺で748kcal‥‥なかなか見られるものではないですよw
栄養成分表示:1食(129g)あたり |
カロリー:748kcal たん白質:8.8g 脂 質:55.5g 炭水化物:53.2g 食塩相当量:2.5g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
頼りなさがプラスに作用
麺は “いつものペヤングに使用されている油揚げ麺” なので、それ以上でもそれ以下でもありません。まるか食品は本社工場だけでなく、群馬県伊勢崎市下触町に赤堀工場(製造所固有記号・A)も所持しているため、工場やロット差による微妙な違いが生じることがあるものの、基本的に「ペヤングやきそば」の麺は共通という認識で問題ありません。
たとえば90gの麺が2玉も入っている「超大盛」や麺量330gの特大サイズ「超超超大盛GIGAMAX(ギガマックス)」など、容器のサイズに伴う湯量(湯切り時間)で仕上がりが変わることもありますが、いずれの麺もレギュラーサイズと同じ内容で、廉価版の「ペヨング」や具材・ふりかけ・スパイスなしの「ヨシモリ」に使用されている麺も量が違うだけで同じもの。
今回はソースに含まれる動物油脂の量が規格外に多いため、必然的に保温性が高く、やや早めに麺が柔らかくなってくるのですが、それどころではありませんw もともと主張の弱い麺なので、食べ始めからソースのインパクトに飲まれているような状態なんですけども、今回は麺が埋没していることでソースのインパクトが際立っている、ペヤングならではの頼りなさが功を奏していました。
ソース
もはや完全に油そば
ソースの原材料は動物油脂(豚脂)を筆頭にタレは濃口醤油、動物系の旨味はポークを軸に、チキンエキスとガラスープを重ね、粉末のガーリックパウダーとは違うガーリックペーストのアクセントも効果的。ただ、上記の画像を見ても分かるように、動物油脂の量が尋常ではありません。めちゃくちゃ重たいw と、そんな清々しいまでのインパクトもさることながら、そのアブラを美味しいと感じさせてくれる芳ばしさは見事。
液体ソースを馴染ませている間、どことなく胡麻油っぽい芳ばしさを感じたのですが、植物油脂や香味油などは併用していません。パッケージに表示されている原材料名を見る限り、使用している成分は動物油脂のみという潔さ。ちなみに2017年3月発売の「背脂MAXやきそば」と原材料は酷似した内容で、そこから単純に植物油脂を抜いたようなフレームワークです。
しっかり混ぜた後も容器の底にオイルが余って残るほど、かなり動物油脂の量が多いため、あっという間に唇はテッカテカの豚脂グロス状態。さらに全体の食塩相当量は内容量129gのカップ焼きそばにしては控えめな2.5gとなっているため、油脂に対してキレの要素が頼りなく感じるものの、あえて塩気を抑えているようなイメージ。おかげで後にも先にも豚脂の芳ばしさが楽しめる、そこに特化型の魅力を感じました。
具材
過不足なし
普段の「ペヤング ソースやきそば」と比較して、具材の量は特別に多いわけではないのですが、風味のいいメンマを筆頭にネギの歯触りやナルトの視覚的な効果など、蛇足も不足も感じません。前回の「牛脂MAXやきそば」と比較して小袋の色やデザイン、中身も同じなので、おそらく具材は共通だと思います。
そのため新開発の具材ではないものの、まるか食品と現在提携している下請業者の乾燥メンマはクオリティが高く、こりこりとした歯応えと適度な発酵感が好印象。今回はソースの豚脂がエグかったので、シャキッとしたネギの歯触りやメンマの存在感が実に効果的でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
2017年3月に発売された「ペヤング 背脂MAXやきそば」と比較して、カロリーや脂質の値は上昇し、なおかつ原材料から植物油脂がカットされましたが、ほぼほぼ背脂MAX再販の認識で問題ありません。そのため従来品との差別化がほしかったのと「牛脂MAX」ほど強烈なインパクトは得られませんでしたが、単純に “おいしい” か “まずい” かでいえば前者。
とりあえずアブラが得意ではない方にとっては胸焼け不可避の一杯になることは間違いなく、万人にオススメできるカップ麺ではないものの、タイトルの「豚脂MAX」に嘘偽りはありません。先ほどセブンイレブンでは2020年5月25日から取り扱い開始と書きましたが(厳密にいうと新商品が入荷する5月26日・火曜日以降)、それ以外のコンビニでは5月19日(火)から販売開始となっているので、興味のある方は挑戦してみてください。