どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年12月15日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング キムチ鍋風やきそば」(236円+税)の実食レビューです。
俺たちが知ってるキムチ鍋じゃない!? ハングルの誤訳や訴求と仕上がりの剥離など、いろいろ残念だったペヤングの新作をカップ麺研究家が徹底解説。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング キムチ鍋風やきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品の代名詞となっているブランドで、1973年(昭和48年)7月16日に発売された「ペヤングヌードル」を皮切りに発足。その約2年後、1975年(昭和50年)3月13日に後の絶対的エース「ペヤング ソースやきそば」が現れ、屋台のパックを模した四角い容器に、まろやかな味の液体ソース、さらに具材の個包装など、現在は当たり前のように採用されているカップ焼きそばの基盤を築き上げました。

このページでレビューする「ペヤング キムチ鍋風やきそば」は、キムチの旨味と辛味を効かせたソースを特徴とする変わり種で、パッケージに “ペヤングやきそば50周年記念品„ を意味する『50th! anniversary』のロゴをプリントしたスポット商品。
過去に「マヨネーズソース風キムチ焼そば」や「超超超大盛GIGAMAX納豆キムチ味やきそば」「超大盛もつキムやきそば」「豚キムチ味やきそば」さらに廉価版の「ペヨングやきそばキムチ味」なども発売しているため、これがブランド史上初のキムチ系フレーバーではないけれど、寒い冬に嬉しい「キムチ鍋風」は前例がありません。それとは別に、ちょっと触れておきたいのが油揚げ麺の “香辛料„ について(専門的なこと書きますよ)
2025年12月現在、ペヤングやきそばに使用されている油揚げ麺には2つのパターンがありまして、ひとつは原材料名の末尾に「香辛料」が記載されています。これは「超大盛やきそばハーフ&ハーフ 沖縄そば風&台湾まぜそば風」(2024年11月18日発売品)までのペヤングやきそば全商品に共通する特徴となっていたのですが、翌年1月20日発売の「ペヨネーズやきそば」から “香辛料を配合していない油揚げ麺„ を搭載し始めたペヤング。

理由は製造ラインの変更で、ある期間から新しいラインを導入するようになったから——と、まるか食品の関係者から聞いていたのですが、新作の「キムチ鍋風やきそば」をレビューするにあたり、あらためて「ペヤング ソースやきそば」の原材料名を確認してみたところ “香辛料„ の記載がない‥‥だと‥‥? いやもうビックリ。どのタイミングでマイナーチェンジしてん。

というのも筆者のYouTubeチャンネル『カップ麺TV.』にて公開中の動画『実は別物!ペヤングソースやきそば50周年の秘密を暴いた』収録時に「ペヤング ソースやきそば」の油揚げ麺には間違いなく “香辛料„ が配合されていたんです。ただ、いろいろありましてYouTubeは休止中、ブログの更新も思い通りにならない期間がありましたので、その間に製造ラインが変わったんだろうなと。
ちなみに現在、定番の「激辛やきそば」及び「塩やきそば」「ソースやきそば超大盛」「超大盛やきそばハーフ&ハーフ激辛」「同 カレー」「ソースやきそば超超超大盛GIGAMAX」「超超超超超超大盛やきそばペタマックス」並びに「ペヨング ソースやきそば」などの油揚げ麺には “香辛料„ が配合されているため、完全にラインが停止したわけではないようです。はい、そろそろ話を「キムチ鍋風やきそば」に戻しましょうか。

パッケージで “ニラ香る本格的な味わい„ を訴求していることから、鍋風の表現力についてはもちろん、ニラのインパクトにも期待したい展開——っていうか「キムチ鍋」のハングル表記これでいいのか??? などと思って検索してみたところ案の定、SNSで誤訳を指摘している方が多数。最初の二文字「김치」は “キムチ„ なので、これについて何の問題もありません。
ただ、その後に続いている「냄비(ネムビ)」は “調理器具としての鍋を意味する単語„ なので「김치냄비(キムチネムビ)」だと “キムチ製の調理鍋„ みたいなことになってるんですよね。正しくは「김치찌개(キムチチゲ)」または「김치전골(キムチチョンゴル)」です。Google翻訳に頼った結果なのか、あえて残念さを演出しているのか理由は定かでないけれど、もしも “話題性の喚起が目的„ だとしたらアプローチの仕方がダサすぎる。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「ソース」の組み合わせで、前述のように公式は “キムチの旨味と辛味をしっかりときかせたソース„ を訴求しているのですが、問題は辛さレベル。パッケージに注意書きこそ見当たらないけれど、他社でいうところの中辛以上をピリ辛と表現してくる企業なので、油断できません。

麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。公式サイトの商品情報には “鍋の〆のような満足感を最後までお楽しみいただけます„ と記載されているのですが、これまで通り定番の「ソースやきそば」と同じフライ麺を‥‥っていうか鍋の〆がコンセプトだったのか。斬新ですよね、鍋の〆でラーメンじゃないパターンのカップ麺。
ちなみにメーカー希望小売価格は236円(税別)で、2025年12月8日にセブンイレブンで先行販売されていたのですが、12月15日より量販店・一般小売店などにも流通しています。コンビニで購入した場合の税込価格は1食あたりの254円になりますけど、これから探す予定の方は最寄りのスーパーマーケットやドラッグストアを優先したほうが安上がりです。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:ペヤング キムチ鍋風やきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:+H 本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1) 内容量:116g(めん90g) 商品コード:4902885013020(JAN) |
| 発売日:2025年12月08日(セブン-イレブン先行) 2025年12月15日(一般発売) 実食日:2025年12月19日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:236円(税別) 購入価格:254円(税込) |
| 麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩)、添付調味料(糖類、食塩、植物油脂、みそ、魚醤、たん白加水分解物、香辛料、あさりエキス、おきあみエキス、チキンエキス、コチュジャン、かつおぶし粉末)、かやく(キムチ、豚肉、豆腐、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、増粘多糖類、酸味料、カラメル色素、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香料、かんすい、凝固剤、香辛料抽出物、加工デンプン、リン酸塩(Na)、シリコーン樹脂、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始

先入れの「かやく」に入っているのは、細切れながらも多めのキムチに、本物の豚肉と豆腐、ネギの組み合わせで、小袋を開封した直後から攻め寄せてくるキムチの香りが印象的。ただ、パッケージには “ニラ香る„ の訴求がありましたけど、具材としてのニラは入っていません。このパターンも珍しいな‥‥

などと思いながら熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったら麺の戻し湯を捨て、別添の「ソース」を混ぜ合わせたら出来上がり。引き続き “ニラ香る„ についてはピンと来ない状態なんですけど、想像以上に魚醤の主張が強く、おきあみエキスのクセも相俟って、けっこうクサいw
現時点で「激辛やきそば」(獄激辛やきそば)系統のヤバい薬品臭や唐辛子特有の香りも目立っていないため、辛さについては‥‥いや、わからん。というわけで、引き続き辛味の強さや鍋の〆らしい雰囲気、それと “ニラ香る„ にも注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(116g)あたり |
| カロリー:540kcal たん白質:9.4g 脂 質:29.2g 炭水化物:59.9g 食塩相当量:3.8g |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん


ソースを選ばない万能麺
ペヤングの油揚げ麺に配合されている “香辛料„ の内訳は「ガーリックフレーク」と「脱脂大豆」なので、多少なりとも味に影響する原材料を使っているわけなんですけれども、ぶっちゃけ体感的に大きな差が生じることはありません。

今回の油揚げ麺に “香辛料„ は配合されていませんが、いつものペヤングらしい油揚げ麺なので、ソースの味付けを選ばないところは大きなメリット。ただ、けっこうソースの味付けが濃かったので、ちょっと麺が負けている印象が無きにしも非ずだったのと、鍋の〆っぽさは微塵も感じられないところはデメリット。
ちなみに外装フィルムの賞味期限横に「+H」と記載してあったら群馬県伊勢崎市戸谷塚町の本社工場で、同じ箇所に「+A」と記載してあったら同県同市下触町の赤堀工場で製造したことを意味しているのですが、レシピそのものは同じです。
ソース


味だけでいえば悪くないが‥‥
調理直後の香りからも伝わってきたように、実際の味わいも魚醤が強く、あさり&おきあみエキスの旨みも特筆すべき存在感を——っていうかこれエバラ食品の「キムチ鍋の素」かなり意識してますよね。
| 【ペヤング キムチ鍋風やきそば】糖類、食塩、植物油脂、みそ、魚醤、たん白加水分解物、香辛料、あさりエキス、おきあみエキス、チキンエキス、コチュジャン、かつおぶし粉末 |
| 【キムチ鍋の素】果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、みそ、醸造酢、魚醤(魚介類)、アミノ酸液、魚介エキス(オキアミ、鮭、アサリ、ホタテ)、食塩、りんごパルプ、砂糖、チキンエキス、にんにく、乳酸発酵調味料、唐辛子、酵母エキス、かつお節、ローストガーリック |
もちろんペヤングやきそば用にチューニングされていますけど、上記の原材料名を比較してみても分かるように、糖類・味噌・魚醤の占める割合が大きく、アサリやオキアミの旨みを強めに主張させていたり、かつお節の隠し味を効かせていたりと共通点が多くて、実際の味わいも「キムチ鍋の素」の原液に近い雰囲気。
かなり味付けが濃かったこともあり、いろんな具材を楽しんだ後の鍋〆というよりも、焼きそば作るときに「キムチ鍋の素」使ったらこうなりそうだよね、みたいな。それだけに分かりやすく、なかでも魚醤と魚介系のエキスについては本格的に思えたんですけど、肝心の “ニラ香る„ については正直そんなに目立ってないというか、リアルなニラの風味は伝わってこなかったので、訴求と内容の乖離は否めませんでした。
かやく


ニラの不在を除けば素晴らしい
メインの白菜キムチは量が多く、それも酸味を強めに効かせた本場風だったので、これについては手放しで好印象。片や豚肉は濃いめのソースと対比を描く甘さを強めに効かせた味付けで、大豆たん白加工品に逃げなかったところも高く評価できるポイント。
さらに豆腐もキムチ鍋の雰囲気を底上げしてくれていたのですが、如何せん小さかったので、実食中は埋没気味。熱風乾燥のネギは特有の繊維質が残るため、その歯触りが食感のアクセントに効果的ではあったものの、ニラを入れてくれニラをw
総評
単純に味だけで評価するなら★4以上ですけど、パッケージで “ニラ香る本格的な味わい„ を謳うのであれば、かやくにニラを使ってほしかったのが一つ。また “鍋の〆のような満足感„ を訴求するのであれば、ソースに野菜エキスを使用するなど、そういった工夫を凝らすべきだったのではないかと思い、星の数を差し引きました。
実食前に触れたハングルの誤記しかり、詰めが甘いというかなんというか——。どうにも解像度が低い部分が目立っていたので、キムチ鍋の素が好きなら素直にハマってくれる味だとは思いますが、ニラの香りや鍋の〆っぽい雰囲気には期待しないほうが安全です。【author・taka :a(大石敬之)】


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