またもや常套手段を発動か。ペヤングの新作「イカトパスやきそば」は過去作の “寄せ集め” で、しかも‥‥

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まるか食品

どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。

本日の一杯は、2023年4月17日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング イカトパスやきそば」の実食レビューです。

イカ焼きとタコ焼きが同時に味わえる新感覚の焼きそば!? 二番煎じ? 三番煎じ? もはや何番煎じか分からないペヤングの新作に飽き飽きしながらも食べてみた結果——。

実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。

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ペヤング イカトパスやきそば

ペヤング(peyoung)とは、まるか食品を代表する即席カップめんのブランドで、1973年(昭和48年)7月16日発売の「ペヤングヌードル」を皮切りに発足。その約2年後、1975年(昭和50年)3月13日に「ペヤング ソースやきそば」が現れ、屋台のパックを模した四角い容器に、まろやかな味の液体ソース、具材の個包装など、当時としては業界初となる仕様で世間を驚かせました。

ネーミングセンスは秀逸

今回の新商品「ペヤング イカトパスやきそば」は、現在のカップ焼きそば市場におけるディファクトスタンダードを築いた「ソースやきそば」とは一線を画す “イカ焼きとたこ焼きを同時に味わえる新感覚の商品” で、タコはオクトパス(octopus)表記なのに、なんでイカはスクイード(squid)表記じゃないんだろう‥‥などと、商品名についての疑問は扨措き、いくつか触れておきたいことがあります。

まるか食品は群雄割拠の即席カップめん業界でも特に奇抜なフレーバーを展開していることで知られますが、冒頭でも触れたように過去作の焼き直しも得意なメーカーで、顕著な例を挙げるとペヤング(メーカー希望小売価格が設定されている正規品)をペヨング(メーカー公認のニセモノとして話題になった廉価版ブランド)にスライドする手法が分かりやすく、しかしながらそれだけではありません。

たとえば公式ウェブサイトに記載されている「ペヤング イカトパスやきそば」の商品情報から引用すると “噛むほどに旨味あふれるタコ入りすり身ボールを使用” について、これは宮城県志津川高等学校との共同企画で実現した「たこめし風やきそば」(2022年2月7日発売品)の “タコ入りすり身ボール” と同じ代物。

ペヤングの「たこやき風」といえば‥‥

さらに、ペヤングやきそばシリーズにおける “たこ焼き” といえば、現在を遡ること5年前、2018年(平成30年)3月5日に上記画像(左)の「たこやき風やきそば」を発売しているのですが、直近だと大黒天物産が展開する激安スーパー「ラ・ムー」の店舗に併設されているタコ焼き店「PAKU-PAKU(パクパク)」とコラボした「超大盛たこ焼き風やきそば」(2022年8月1日発売品)が記憶に新しいところ。

「超大盛たこ焼き風やきそば」は手に入らなかったので、このブログではレビューしていませんが、それにも「たこめし風やきそば」のタコ入りすり身ボールを使用していた様子。そして、もうひとつ注目しておきたいのが添付調味料(ソース)に使われている野菜や果物なのですが、なかでも “デーツ” を使用している点。

デーツとは、日本でナツメヤシと呼ばれているヤシ科ナツメヤシ属の果実で、木に実をつけたまま自然に乾燥・完熟していく生態から、天然のドライフルーツともいわれています。まるで干し柿や黒糖に似た、コク深い甘さを味の特徴とし、たとえばオタフクソース社の「お好みソース」などにも使われているため、意識せずとも口したことがある方は少なくないでしょう。

「ペヤング イカトパスやきそば」の原材料名

そんなデーツを使用していることに加え、トマトや玉ねぎ、にんじん、りんご、みかん、桃といった野菜・果物から始まり、末端にはオイスターエキスや昆布、椎茸を配置した並びといえば、2022年11月29日にセブンイレブン先行で復活を遂げた「オムそば風やきそば」(リンク先のレビューは二代目)に共通するフレームワーク。

この添付調味料は、2020年7月21日にローソン先行で販売していた「超超超大盛GIGAMAX関西風天かす」にルーツを持つ構成で、同年12月14日発売の「ポテトやきそば」にも配合を調整せずに使用していました。というわけで、もはや過去作の寄せ集めみたいになってるんですけど、そこに “いか焼き” の要素を組み込んできたのはペヤングやきそば史上初の試みです。なんでもありだな‥‥w

開封

2種の小袋を別添

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「ソース」の計2パックで、ふりかけの別添は無し。ちなみにソースの原材料名について前述しましたが、厳密にいうと「オムそば風やきそば」や「超大盛たこ焼き風やきそば」とは並びが異なるため、まったく同じソースではないようです(ただ、小さく「P」と記載されている製造所固有記号を覚えておいてください)。

いつもの見慣れた油揚げ麺を搭載

麺はラード配合の油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。余談を挟みますが、まるか食品が誇る永遠のスタンダード「ペヤング ソースやきそば」が発売された当時、カップ焼きそばの麺重量は60g前後が標準で、しかしながら「ペヤング ソースやきそば」は発売当初より麺重量を90gとし、それが現在の湯切りタイプにおける標準的なサイズとして定着しました。※これがパッケージに「Big!」と書いてある理由

メーカー希望小売価格は「ソースやきそば」の193円(税別)よりも高い214円(税別)に設定されていますが、これが2023年4月現在の即席カップめん業界におけるレギュラーサイズ製品の標準的な値付け。2023年6月1日(木)の出荷分以降、この価格を236円(税別)に値上げすると多くのメーカーが発表しているのですが、2023年4月18日時点、まるか食品は価格改定の知らせを出していません。

製品詳細情報・購入価格等

製品名:ペヤング イカトパスやきそば
製造者:まるか食品株式会社
製造所:本社工場(群馬県伊勢崎市戸谷塚町49-1)
内容量:118g(めん90g)
商品コード:4902885009443(JAN)
発売日:2023年04月17日(月)
実食日:2023年04月18日(火)
発売地域:全国
取得店舗:スーパー
小売価格:214円(税別)
購入価格:192円(税込)
麺の種類:油揚げ麺
スタイル:角型レギュラー
容器材質:プラ(PS)
湯量目安:480ml
調理時間:熱湯3分
小袋構成:2袋(ソース・かやく)

原材料名とアレルギー表示

【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(野菜・果物(トマト、りんご、たまねぎ、にんじん、もも、みかん、デーツ)、糖類、醸造酢、食塩、アミノ酸液、食用ごま油、かつおだしの素、香辛料、酵母エキス、キャベツエキス、肉エキス、煮干エキス、オイスターエキス、しいたけ、昆布)、かやく(キャベツ、タコ入りすり身ボール、イカ)/ 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘剤(増粘多糖類、加工デンプン)、膨張剤、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、セルロース、リン酸塩(Na)、ビタミンB2、香辛料抽出物、香料、(一部に小麦・卵・いか・ごま・大豆・豚肉・もも・りんごを含む)

実食開始

調理前は視認できるイカ

別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、志津川高校と共同で企画した「たこめし風やきそば」の大きなタコ入りすり身ボールを筆頭に、対して小さめのイカとキャベツの組み合わせ。ペヤングにイカが入っていた場合、それはそれは強烈な勢いで特有の香りが漂ってくるのですが、例えるなら今回は “たこせん” みたいな香りが印象的。

イカ、逃亡(※ちゃんと入ってます)

かやくを入れたら内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「ソース」の小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら湯切り口から湯を捨てて、仕上げに「ソース」を馴染ませたら完成です。ぶっちゃけイカは小さすぎて存在感ほとんどないんですけど、香りは‥‥いや、香りも弱い。

商品名が「イカトパスやきそば」なので、イカの存在感も重要になってくるのですが、ちょっと不穏な空気が漂っている実食前。はたして商品名に嘘偽りない仕上がりなのか、引き続きイカの主張にも注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。

栄養成分表示:1食(118g)あたり
カロリー:545kcal
たん白質:9.4g
脂  質:26.4g
炭水化物:67.5g
食塩相当量:3.6g
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。

めん

ソースとの相性は可もなく不可もなしか‥‥

3.0

ペヤングやきそばシリーズに使われている油揚げ麺は、基本的に「ソースやきそば」と共通で、レギュラーサイズ比2倍(めん180g)になると超大盛、約4倍(めん330g)になると超超超大盛GIGAMAX、約7倍(660g)になると超超超超超超大盛ペタマックス、反対に11%減の量(めん80g)になると廉価版のペヨングという単純な計算式。

いつもの油揚げ麺です

そば粉不使用の「蕎麦風めん」だったり、緑豆春雨の「ピーヤング」だったり、寿がきや食品の関東工場(旧・加ト吉水産フーズ部 群馬工場)に製造を委託している「ノンフライめん」だったり、なかには特殊な麺を搭載したペヤングのスポット商品もありますが、やきそばシリーズの油揚げ麺は基本的に共通という認識で問題ありません。

ちなみに外装フィルムの賞味期限右側に「+H」と記載してあったら群馬県伊勢崎市戸谷塚町の本社工場で、同じ箇所に「+A」と記載してあったら同県同市下触町の赤堀工場で製造したことを意味しているのですが、どちらも同じレシピに基づいているそうです。そのためクオリティも大きく変わらないのですが、後述するソースとは可もなく不可もなしの相性で‥‥いや、これはソース側の問題ですね。

ソース

マヨネーズが欲しくなる味

3.0

原材料名の内容が似ていると前述したように、お好みソース(オタフクソース)にインスパイアされていた「超超超大盛GIGAMAX関西風天かす」や「オムそば風やきそば」にルーツを感じる味わいなのですが、それをベースにしつつも比較的にサッパリとした味わいで、お好み焼き用ではなく焼きそば用のソースに寄せているようなイメージ。

野菜と果物を中心に、デーツのコク深い甘さも据え置いたまま、こっくりした糖類の甘さは少し控えめに調整して、ほんのちょっと醸造酢の酸味を強めているような、さらに粘度も「オムそば風やきそば」などと比べて低くなっています。ただ、うーん‥‥なんというか最終的に “ふつうにおいしい” くらいの感想しか残らないかも。

ここにマヨネーズが別添されていたら完璧というか、どうにもマヨネーズありきのソースに思えたので、後半にかけて盛り上がりに欠ける印象が否めませんでした。ちなみに小袋の「P」はソースを製造した工場を示す固有記号で、さすがに委託先(下請け企業)の名前までは分かりませんが、このアルファベットから察するに「オムそば風やきそば」のソースを委託された工場で製造していることは確実です。

かやく

「イカ入りすり身ボール」を開発してから商品化すべきだった

2.0

前述のように “タコ入りすり身ボール” は「たこめし風やきそば」と共通の具材で、白い部分はフワッフワ。その中に入っているタコは歯応えが強く、なかなか面白い具材なのですが、熱湯3分だと部分的に戻っていないところが玉に瑕。ときどき衝撃的に硬い部分と遭遇するので、ちょっとビックリしますw ——で、おそらくイカを入れたことによるコスト調整から、量は「たこめし風やきそば」の半分程度。

さらに調理後のイカは極小で、目立たないほど量も少なく、キャベツも多いとはいえません。たとえばソースの項目でも触れたマヨネーズとか、イカを粉末状にしたイカパウダーとか、せめて青のり(またはアオサ)や紅生姜なんかが別添されていたら多少は納得できたんですけど、なんせ物足りなかったです。そもそも商品化の前に “タコ入りすり身ボールのイカ版を開発する案” は出てなかったんですかね?

総評

2.0

というわけで、イカトパスのトパス(オクトパス)については「タコ入りすり身ボール」で成立していたのに対し、イカについては極小すぎて商品名に掲げられるほどの存在感は放っておらず、マヨネーズありきのソースも物足りなさを感じたポイント。おいしい・まずいの二択で聞かれたら “ふつうにおいしい” と答えますけど、商品名をイカトパスとするならイカの気合も感じたかったのが本音。

マヨネーズや青のり・紅生姜であれば自分でも用意できるトッピングなので、より美味しく食べる方法が皆無というわけではないけれど、ポップでインパクトが強いパッケージとは裏腹に、どうにも後味が悪い商品でした。これだとタコ入りすり身ボールの余剰在庫を消化したいだけ‥‥みたいに思えてならないため、今後は慎重になるべきかと存じます【author・taka :a(大石敬之)】

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