どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年4月10日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング ディアーヌードル しょうゆ味」の実食レビューです。
ペヤングヌードルの廉価版だけどペヨングじゃない!? リーズナブルな価格で楽しめるカップラーメンのペヤング “DEAR NOODLE” とは何なのか——。
おいしい? まずい‥‥? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング ディアーヌードル しょうゆ味
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品の代名詞といっても過言ではないブランドで、1975年(昭和50年)3月13日の発売以来、今では永遠のスタンダードとしての確固たる地位を築き上げたカップ焼きそば「ペヤング ソースやきそば」を主力商品としていますが、1973年(昭和48年)7月16日に登場した同社初のカップラーメン「ペヤングヌードル」が最初の商品である、というのは知る人ぞ知る話。
今回の新商品「ペヤング ディアーヌードル ショウユ味(DEAR NOODLE Shoyu)」は、どこか懐かしく、心温まる味わいが特徴の「ペヤングヌードル」をベースにしたオープン価格のカップラーメンで、オープン価格のペヤングといえば “メーカー公認のニセモノ” として話題をさらった安売り用のブランド「ペヨング」が存在するのですが、パッケージには「ペヤング」のロゴと「復刻」の文字‥‥。
ペヤングの「ディアーヌードル」が初めて発売されたのは、ちょうど現在を遡ること20年、2003年(平成15年)4月のこと。そのためネット上にも詳しい情報は残っていませんが、当時の「ペヤングヌードル」と同じPS樹脂(ポリスチレン樹脂)のフタ付き容器に身を包み、ブランドも「ペヤング」としつつ、しかしながら「ペヤングヌードル」よりも低めの販売価格(約80円)を想定して市場に投下。
まさに現在のペヤング(正規品)とペヨング(公式が本気で作った偽物)の関係に似た‥‥というか、ほぼ同じような関係性で、フレーバーは「しょうゆ味(Shoyu)」「しお味(Shio)」「みそ味(Miso)」の計3種を展開していたのですが、いつの間にシレッと姿を消し、それ以降は姿を見せず、それ以外の新しい「ディアーヌードル」が発売されることもありませんでした。
しかし、発売から20年の時を経て、突然の復刻を果たした「ショウユ味」「ミソ味」「シオ味」のディアーヌードル。現在も一部では “幻” ともいわれている「ペヤングヌードル」も一時的に販売を休止していた時期があり、紆余曲折あって2016年(平成28年)10月10日に復活を果たしたのですが、まるか食品曰く “1973年の発売以降変わらない味付け” とのこと。
ちなみにペヤングヌードルが復活を果たす約7ヶ月前、2016年3月14日に「ペヨング ソースやきそば」が登場し、例のニセモノ騒動を招くことになるのですが、ペヤングヌードルの復活から約2ヶ月後、2016年12月12日にペヨングの新作として「ペヨングヌードル」がリリースされています。しかし、すでに「ペヨングヌードル」は製造・販売終了品のため、その穴を埋めるべくディアーヌードルを——
——いや、ディアーヌードルを復刻させるためにペヨングヌードルを退かせたのかも? などと考察しつつ、それはさておきTwitterなどのSNSを中心に「どこにも売ってない」「どこに売ってる?」「どこで買える?」「おいしい?」「まずい‥‥?」などなど、詳細を求めるコメントが目に入ったのですが、そもそもの流通数が少ないのか評判・口コミは少なく、販売店に関する情報も少ない現在。
残念ながら私も同時発売品の「みそ味」と「しお味」は見付けられなかったのですが、普段からペヤングの新作を積極的に入荷してくれているウエルシア薬局にて「しょうゆ味」のみ捕獲に成功。オープン価格のカップラーメンなので、コンビニよりもスーパーやドラッグストア、ディスカウントストア(ドンキホーテなど)での取り扱いがメインになると思います。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、お湯を注ぐ前に入れる「かやく入りスープ」1パックのみで、ペヤングヌードルに別添されている “スパイス” は省かれているのですが、オープン価格に抑えるためのコスト調整とみて間違いありません。スパイス(コショー)なら常備している方も多いので、真っ先にリストラを宣告されたのでしょう(小袋ひとつ減らすだけで大幅なコストカットになりますし)。
麺は油で揚げたフライ麺で、日清食品の「チキンラーメン」よろしく濃いめの色合いが特徴的‥‥なんですけど、その芳ばしい色味も然る事乍ら、しょうゆの他に糖類や香辛料、ポークエキスパウダー、魚介エキスパウダー、ビーフパウダーなどを練り込んでいる、なんとも複雑な原材料名の構成が “既存の「ペヤングヌードル」と完全に一致する” ため、そこが気になるところ。
また調理前の麺重量も「ペヤングヌードル」と同じ76gなのですが、2023年4月現在の「ペヤングヌードル」に設定されているメーカー希望小売価格は170円(税別)なのに対し、復刻版「ディアーヌードル」は3品すべてオープン価格のカップラーメンなので、先に触れたスパイスの有無然り、ほかにも目立ったコスト調整が見て取れるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング ディアーヌードル しょうゆ味 製造者:まるか食品株式会社 製造所:+A 赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触1101-1) 内容量:82g(めん76g) 商品コード:4902885009528(JAN) |
発売日:2023年04月10日(月) 実食日:2023年04月16日(日) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:オープン価格 購入価格:105円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(かやく入りスープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、しょうゆ、糖類、たん白加水分解、香辛料、ポークエキスパウダー、魚介エキスパウダー、酵母エキスパウダー、ビーフパウダー)、添付調味料(食塩、たん白加水分解物、ポテトスターチ、糖類、ガーリックパウダー、オニオンパウダー、香辛料、ビーフパウダー、粉末しょうゆ、ごま油)、かやく(かまぼこ、たまご、えび、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、グァーガム)、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(カンゾウ)、カロチノイド色素、乳化剤、重曹、リン酸塩(Na)、ビタミンB2、カラメル色素、ベニコウジ色素、酸味料、(一部に小麦・えび・卵・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の「かやく入りスープ」は先入れで、この見るからに怪しい顆粒スープは「ペヤングヌードル」と共通する項目。さらにエビや謎にシート状のタマゴ、ねぎ、かまぼこも「ペヤングヌードル」と共通する具材になるのですが、例の忌々しい味付け鶏ひき肉は入っていません。むしろラッキーじゃね?(あのザラッとした舌触りが個人的に苦手なので‥‥)
「かやく入りスープ」を入れたら熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら完成です。スパイスの別添がないのは寂しいポイントになりますが、それと忌々しい味付け鶏ひき肉の有無を除くと「ペヤングヌードル」と大差ありません。ちなみに「ペヨングヌードル」では “エビとスパイスを省いてコストを調整していた” ので、むしろ好印象まである。
ただ、あくまでも「ディアーヌードル」は安売り用の廉価版。さすがに20年前の商品と比較するのは難しいので、ペヤングヌードル(PEYOUNG NOODLE)やペヨングヌードル(PEYONG NOODLE)との違いや共通点に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(82g)あたり |
カロリー:378kcal たん白質:8.2g 脂 質:16.0g 炭水化物:50.2g 食塩相当量:5.3g (めん・かやく:4.5g) (スープ:0.8g) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
駄菓子的な魅力炸裂
細めの形状しかり、縮れの加減しかり、誰が見ても日清食品の「チキンラーメン」に酷似したビジュアルですが、まったくの別物。しょうゆで味付けを施し、高温の揚げ油を通過させる工程こそ「チキンラーメン」に通じるものの、原材料にチキンエキスや卵粉、オニオンパウダーなどは使用していないため、訴えられてもワンチャンなんとか言い逃れできそうなフレームワーク(知らんけど)
また「チキンラーメン」の麺はパーム油(アブラヤシから採れる植物油)を主原料とする植物油脂で揚げられているのに対し、復刻版「ディアーヌードル」の麺はラードを配合した油で揚げているため、ペヤングやきそばシリーズの油揚げ麺に通じる独特の芳ばしさが楽しめるのも魅力的なポイント。かなりスナック感が強いのも特徴で、食事というよりも駄菓子感覚で楽しめます。
——で、気になっていた「ペヤングヌードル」との違いなんですけど、まったくといっていいほど差を感じません。ちなみに廉価版の「ペヨングヌードル」では麺の量を65gに減らしていましたが、復刻版「ディアーヌードル」は “ペヤングヌードルと同じ76gの麺重量をキープしている” ので、ここに「ペヤング」たる所以(ペヤングよりも麺の量が少ない「ペヨング」としなかった理由)を感じました。
スープ
さりげなくウマい
原材料名の構成は「食塩、たん白加水分解物、ポテトスターチ、糖類、ガーリックパウダー、オニオンパウダー、香辛料、ビーフパウダー、粉末しょうゆ、ごま油」と複雑ですが、まったくもって本格的な味ではなく、むしろ昔ながらのチープさを頑なに守っているようなテイストで、後にも先にも高級感なんてありません。たけど、さりげなくウマい。
食後はカップラーメン特有のピリピリとした刺激が長く(そして強く)残るので、それが苦手な方にはオススメできないスープになりますが、前述の麺から滲み出るラードのコクだったり、ふわっと香るゴマ油のアクセントだったり、駄菓子っぽいんだけど「カップヌードル」のスープに通じるハイカラな部分もあったりして、これが意外と侮れません。
ちなみに原材料名の並びは「ペヤングヌードル」と完全に一致するのですが、別添のスパイスがないことに加え、ほんの少し顆粒スープの量を減らしているのか比較的に食塩のカドも弱く、そこに違いを感じました。でも、ぜんぜん薄味じゃないですよ。ただ、オリジナルの「ペヤングヌードル」が好きな方はコショーちょい足しアレンジお忘れなく。
かやく
カオスさがエモい
要約すると「ペヤングヌードル」から例の味付け鶏ひき肉を取り出し、なおかつ全体的に量を減らしたような構成となっているのですが、オープン価格であることを踏まえると余裕で許容範囲内。小振りながらも風味が強いエビに、ふんわりと甘い味付けタマゴの組み合わせは疑う余地もなく「カップヌードル」インスパイアで、その旨みがスープに滲み出るところもリスペクトを感じる部分。
前述のように「ペヨングヌードル」ではエビも省かれていたので、ここも企業努力を感じるポイント。そして、なぜかヌードル(NOODLE)なのに和風カップ麺で定番のカマボコを搭載している‥‥というのがカオスな部分なんですけどw 令和なら躊躇されるであろうラインナップに昭和〜平成中期の色を感じるというか、漠然とエモかったです。
総評
麺の量は「ペヤングヌードル」と共通で、なおかつ「ペヨングヌードル」では省かれていたエビも健在の内容から、170円(税別)の「ペヤングヌードル」よりも安っぽく、しかしながら「ペヨングヌードル」の上位版に位置しているのが「ディアーヌードル」といったイメージ。そのため新鮮味こそなかったものの、これでオープン価格ですから、コストパフォーマンスの高さについては侮れません。
正直、高級感は皆無に等しいです。ただ、それだけに “古き良きカップラーメンの魅力が令和の時代に楽しめる貴重な存在” とも評価できるため、及第点(★3)では勿体無いと判断しました。昔ながらの駄菓子的でチープな味わいに理解がある方にとっては、文句なしで「おいしい一杯」になると思います【author・taka :a(大石敬之)】