どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年9月18日(月)新発売、まるか食品のカップ麺「ペヤング アッラ・ナポレターナやきそば」の実食レビューです。
ペヤングとTABASCO(タバスコ)が正式にコラボ!? 今度の新作は日本のナポリタンではなくイタリアの “アッラ・ナポレターナ” をイメージ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ペヤング アッラ・ナポレターナやきそば
ペヤング(peyoung)とは、まるか食品の代名詞となっているブランドで、1973年(昭和48年)7月16日発売の「ペヤングヌードル」が最初の商品。その約2年後、1975年(昭和50年)3月13日に「ソースやきそば」が現れ、屋台のパックを模した四角い容器に、まろやかな味の液体ソース、かやくの個包装など、当時としては画期的な仕様を業界に先駆けて導入し、カップ焼きそばの常識を覆しました。
今回の新商品「ペヤング アッラ・ナポレターナやきそば」は、トマトの旨みを効かせたソースを特徴とする “脱やきそば系” の変わり種で、日本の「スパゲッティ・ナポリタン」ではなくイタリアの「スパゲッティ・アッラ・ナポレターナ」をイメージしているのがポイント。そもそもナポリタンとアッラ・ナポレターナは出自が異なるメニューなので、その違いについて触れておきます。
スパゲッティ・アッラ・ナポレターナ(Spaghetti alla napoletana)とは、イタリアのナポリを発祥とする古典的なメニューで、トマトケチャップは不使用。パスタを除く主な材料は、トマト、ニンニク、バジル、塩、コショウと極めて簡素なラインナップで、そのシンプルさについてはWikipediaに “トマトソースを用いたスパゲッティとして最もシンプルな料理である。” と記載されるほど。
スパゲッティ・アッラ・ナポレターナを直訳すると “ナポリ風のスバゲッティ” という意味合いになるので、日本風の寿司や日本風の味噌汁が我々の身近に存在しないように、現地では別の呼び方なのではないかと推測できますけど、それはさておき茹で上げたスパゲッティにトマトソースをかける調理方法から、一度茹でたスパゲッティをケチャップで炒める日本の「ナポリタン」とは完全に別物です。
ちなみに昔ながらの喫茶店で定番となっている日本の「スパゲッティ・ナポリタン」は、横浜ホテルニューグランドの第二代総料理長・入江茂忠さんが戦後に考案した説が有力だったり、味付けにケチャップを使い始めたのは横浜のレストラン「センターグリル」が元祖という説だったり、もともとはナポリタンではなくイタリアン説だったり、ここらへん掘り下げると大変なので詳細は省きますけどw
ナポリタンが日本で生まれたことは確実で、イタリアのナポリには存在せず、そもそもナポリタンのスペル(Napolitan)自体が和製造語。たとえば「ナポリやんやきそば」(2014年5月26日発売品)や「ナポリタン風やきそば」(2021年6月14日発売品)など、日本のナポリタンをイメージしたペヤングの変わり種は過去にリリースされているのですが、アッラ・ナポレターナの再現は初めての試み。
しかも、パッケージにTABASCO(タバスコ)ブランドのイラストと共に “後がけTABASCOソースでお好みの辛さに!” と訴求しているため、ソースとは別に本物の「タバスコ ペパーソース(TABASCO PEPPER SAUCE)」を搭載しているのであれば、ペヤングとタバスコによる正式なコラボ商品。ええ、タバスコが唆(そそのか)しでもしない限り、下手なことはできません。
お好みの辛さに! などと “こっち任せ” にしていますが、まるか食品といえば例の獄激辛(ごくげきから)シリーズを爆誕させてしまった企業。つまり、すべての決定権を持つ社長諸共、辛味水準が絶賛ぶっ壊れているイメージが強いので、念のため実際の辛さレベルに注意しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「やきそばソース」とミニパウチ(3ml)の「TABASCOペパーソース」計3パックで、TABASCOペパーソースはガチのやつ。ちなみにTABASCOの商標はアメリカのマキルヘニー社が保有しているのですが、日本での加工者は正田フーズで、正田フーズは「ペヤング×正田醤油 激辛ソース」の製造元‥‥なるほど、そういうパイプか。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。詳しくは後述しますが、ペヤングやきそばシリーズに使われているフライ麺は基本的に共通なので、いつもの「ソースやきそば」と同じヤツ、という認識で問題ありません。スパゲッティとは似ても似つかぬカテゴリーに属しているので、再現度については評価できませんけど、このブランドを支える上で欠かせない存在です。
メーカー希望小売価格は220円(税別)なので、いつもの「ソースやきそば」193円+税よりも高めに設定されているのですが、レギュラーサイズのカップ焼きそばにおけるメーカー希望小売価格は236円(税別)が標準となっている2023年9月現在。ペヤングやきそばシリーズの基準で見ると少し高めに思えますが、即席カップめん業界全体で見ると企業努力を感じますよね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ペヤング アッラ・ナポレターナやきそば 製造者:まるか食品株式会社 製造所:赤堀工場(群馬県伊勢崎市下触1101-1) 内容量:121g(めん90g) 商品コード:4902885010005(JAN) |
発売日:2023年09月18日(月) 実食日:2023年09月22日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:220円(税別) 購入価格:213.84円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(ソース・かやく・TABASCOペパーソース) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、しょうゆ、食塩、香辛料)、添付調味料(糖類、トマトペースト、トマトケチャップ、ペパーソース、醸造酢、食塩、植物油脂、たん白加水分解物、たまねぎ、ポークエキス、香辛料)、かやく(豚肉、レッドベルペッパー)/ 増粘剤(グァーガム)、加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、かんすい、リン酸塩(Na)、パプリカ色素、ビタミンB2、(一部に小麦・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は豚肉、レッドベルペッパーとシンプルなラインナップ。日本のナポリタンにはソーセージ、ピーマン、玉ねぎなどが定番の具材になっていますが、今回は “アッラ・ナポレターナ” をテーマにしているため、その世界観を崩さないように、できるだけシンプルな具材をチョイスしたことが伝わってきます(ええ、実食前は “このように” 思っておりました)。
かやくを麺の上、あるいは下にあけたら熱湯を注ぎ、フタの上で「やきそばソース」を温めながら待つこと3分。時間になったら湯切りして「やきそばソース」を絡め、お好みで「TABASCOペパーソース」をトッピングしたら出来上がり。上記の画像では判断しづらいですけど、ベースの辛さを確かめるために、まだ「TABASCOペパーソース」は使用していません。
——で、調理後の香りなんですけど、めちゃくちゃナポリタンっぽい。大丈夫なのかコレw ひとまずタバスコ投入前に辛味を帯びた湯気が襲ってくることはなかったので、それについては安心ですが、はたして “アッラ・ナポレターナ” らしさは伝わってくるのかどうかに注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(121g)あたり |
カロリー:536kcal たん白質:9.0g 脂 質:27.6g 炭水化物:63.0g 食塩相当量:3.3g |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつものアレです
ペヤングやきそばシリーズに使われている油揚げ麺は、前述のように基本は「ソースやきそば」と共通で、レギュラーサイズ(めん90g)対比×2倍(めん180g)だと超大盛、約4倍(めん330g)だと超超超大盛GIGAMAX(ギガマックス)、約7倍(660g)だと超超超超超超大盛ペタマックス、逆に11%減(めん80g)だと廉価版のペヨングになる、という認識で問題ありません。
たとえば汁ありの「らーめん」だったり、そば粉不使用の「蕎麦風めん」だったり、現在は寿がきや食品が保有している工場(加ト吉水産フーズ部 群馬工場)に製造を委託していた「ノンフライめん」だったり、なかには特殊な仕様の「ペヤング」も存在するのですが、今回は既存の「ソースやきそば」と完全に一致する仕様です。
揚げ油にラード(豚脂)を使用しているため、スパゲッティにはない風味が滲み出てくるのですが、それもペヤングやきそばのアイデンティティと思えるポイント。結果的に後述するソースとの相性も悪くなかったので、まるか食品の油揚げ麺に抵抗さえなければ、素直に楽しめると思います。しかし、問題視しなければいけないのはソースのベクトルで——。
ソース
アッラ・マー‥‥
「糖類」に始まり「トマトペースト」「トマトケチャップ」と続く原材料の構成も然る事乍ら、実際のテイストも分かりやすく甘めのケチャップ味で、これがアッラ・ナポレターナ? おもっくそナポリタンやないかいw っていう。しかも、鉄板で玉ねぎを炒めたような風味だったり、ソーセージを彷彿とさせる豚肉の旨みだったり、なかなかどうして本格的だった件。
別添の「TABASCOペパーソース」は、正真正銘の “タバスコ” なので、酢に由来する強めの酸味を筆頭に、唐辛子の辛さと塩の鹹味(かんみ)が甘いケチャップ味のソースを引き締めてくれる、それはそれは間違いのない組み合わせになりますが、結論としてアッラ・ナポレターナのイメージからは程遠い仕上がり。
喫茶店のナポリタン的な観点から見ると、まさに王道を地で行くスタイルで、きちんと調理感まで表現されている、きちんと本格的な味わいなのですが、アッラ・ナポレターナ的には厳しく評価せざるを得ない着地点。このパターン、扱いに困る‥‥w
かやく
たっぷりの豚肉と甘いパプリカ
豚肉はチップ状にカットされていますが、そこそこ厚みのある形状で、やや塩っぱめの味付けがソースとの一体感に寄与。レッドベルペッパーは “赤唐辛子ではなく「赤パプリカ」の別称” なので、当然ながら辛味は皆無に等しく、それよりも特有の甘さが特徴的な具材。それがソースの玉ねぎ風味と手を取り合い、ナポリタンらしい雰囲気を底上げしていました。アッラ・ナポレターナどこいってんw
総評
というわけで、商品名は「アッラ・ナポレターナやきそば」となっていますが、フタを開けると「ナポリタンやきそば」を絵に描いたようなオチ。つきましてはタイトル通り「前者」の観点から評価すると “★2以下が妥当” ではあるものの、単純に「後者」の観点から評価すると “★4以上でも差し支えない” と感じたので、ひとまず総評は及第点としました。
そして、これは今回の評価と関係ない話なんですけど、少しでも麺の流出を防ぐ目的か、湯切り口の穴が “縦” から “横” に変わっています。2023年9月22日現在、まるか食品の公式ウェブサイトに掲載されている「調理方法」のイラストでは縦向きのままなので、試験的な導入か、それとも順次切り替える予定なのかは定かでないけれど、ペヤンガー各位は要チェックです【author・taka :a(大石敬之)】