どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年2月1日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」の実食レビューです。
白いのにフツーのU.F.O.ソース味!? 見た目と味のギャップに驚く “無駄に白い” 新感覚U.F.O.爆誕!! せっかくなのでフツーの「日清焼そばU.F.O.」と食べ比べてみた結果——
おいしい? まずい? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
無駄に白い日清焼そばU.F.O.爆誕
日清焼そばU.F.O.(にっしんやきそばユーフォー)とは、日清食品が誇るカップ焼きそばのロングセラーブランドで、1976年(昭和51年)5月21日に初代「日清焼そばUFO」を市場に投下。その約1年前となる1975年(昭和50年)4月23日に発売された「ジョイカップ101焼そば」が日清食品初のカップ焼そばなので、実は後発組の「日清焼そばU.F.O.」ですが、業界初の皿型容器に身を包み、当時の若者を中心に人気を博します。
日清食品が公表しているブランド名の由来は “U=うまい、U=太い、O=大きい” の頭文字ですが、パッケージに小さく未確認飛行物体(Unidentified Flying Object)と書いてあるように、こちらが真実。発売当初の商品名は「日清焼そばUFO」としていましたが、1997年(平成9年)9月発売品以降は商標権の問題でUFOの間に「.(ドット)」が入り、現在の商品名「日清焼そばU.F.O.」になりました。
恵比寿産業が1974年(昭和49年)7月に発売した日本初の即席カップ焼そば「エビスカップ焼そば」を皮切りに、ニュータッチことヤマダイが同年8月に「ニュータッチ焼そば」を市場に導入。さらに同年12月、エースコックが業界初の縦型容器を採用した「カップ焼きそばBanBan(バンバン)」を発売し、後の熾烈なカップ焼きそば商戦の幕が切って落とされた1974年。
その後、まるか食品が1975年(昭和50年)3月13日に「ペヤング ソースやきそば」を、同年4月23日に日清食品が「ジョイカップ101焼そば」を、同年8月に東洋水産が “西日本” で「やきそば弁当」を発売し、本格的なカップ焼そばブームが訪れた1975年。さらに翌1976年(昭和51年)3月、サンヨー食品が「サッポロ一番 カップスター やきそば」を発売した直後、いよいよ現れたのが日清食品の新兵器。
その仕掛け人は、当時の日清食品マーケティング部に所属していた安藤宏基(あんどう こうき)取締役開発部長(現・日清食品ホールディングスCEO)その人で、最初に取り組んだのは新しい容器の開発。そこで生まれたのが現「日清焼そばU.F.O.」と1976年8月9日に発売された「日清のどん兵衛」で、どちらも日清食品を代表するヒットブランドに成長した現在。
なかでも日清焼そばU.F.O.は、カップ焼そばカテゴリーでNo.1の売上を誇るブランドに成長し、何度も食べたくなる濃厚な “濃い濃いソース” と改良を重ねて辿り着いたストレート麺を特徴としているのですが、このページでレビューする新作「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」は、いつもの “濃い濃い濃厚ソースを白くした商品” ということで、見た目は白いのにフツーのU.F.O.ソース味が楽しめる変わり種。
たとえば2010年頃から飲料業界で流行っている、本来は透明ではないはずの飲み物(ミルクティーやカフェラテなど)が立て続けに透明化されたフレーバーウォーター(透明飲料)のように、見た目とのギャップが楽しめる商品ということで、漫画風のパッケージには「無駄に白い」「オフホワイト系」なのに「フツーのU.F.O.ソース味!!」であることを表示。
日清食品曰く “ロングセラーに甘んじることなく、新しい驚きをお客さまに提供したいとの想いから、100回以上もの試作を重ねて開発しました” とのことで、かなり試行錯誤した様子。果たしてソースは白いのか、ほんとうにフツーのU.F.O.ソース味なのか、このページでは通常の「日清焼そばU.F.O.」と食べ比べながら違いや共通点を掘り下げていきます。
開封
フツーの「日清焼そばU.F.O.」に別添されている小袋は、容器の中に入っている「ソース」とフタの上に貼り付けてある「ふりかけ」の合計2袋。一方の無駄に白い「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」に別添されている小袋も2種類かつ同じ別添方法を採用していますが、ソースの小袋はフツーのU.F.O.よりも大きく、ふりかけもとい「あとがけスパイス」を別添しているのがポイント。
麺は両方とも油で揚げたフライ麺で、若干ながら色が違って見えますが、おそら色に関しては揚げ加減(ロット差)の問題。どちらも具材は最初から容器の中に入っている状態で、フツーのU.F.O.には味付豚肉とキャベツを採用しているのに対し、無駄に白いU.F.O.にはキャベツのみ搭載ということで、これについては分が悪い新作のオフホワイト系。
ちなみに手元の商品は両方とも日清食品の自社工場で製造されているのですが、通常版の製造所は関西工場(滋賀県栗東市)なのに対し、無駄に白いU.F.O.の製造所は静岡工場(静岡県焼津市)ということで、製造所が異なります。とはいえ「日清焼そばU.F.O.」の製造所は一箇所ではないため、これついてはストイックにならなくてもよいでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:118g(めん90g) 商品コード:4902105264119(JAN) |
発売日:2021年02月01日(月) 実食日:2021年02月06日(土) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:138円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:皿型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(ソース・スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料)、ソース(糖類、植物油脂、還元水あめ、ポークエキス、食塩、香辛料、たん白加水分解物、醸造酢、ポーク調味油、粉末しょうゆ、ポーク調味料、香味油)、かやく(キャベツ)/ 加工でん粉、乳化剤、香料、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、かんすい、増粘剤(加工でん粉)、酸味料、香辛料抽出物、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
【日清焼そばU.F.O.(通常版)】栄養成分表示:カロリー 556kcal、たん白質 9.4g、脂質 20.9g、炭水化物 82.6g、食塩相当量 5.9g、ビタミンB1 0.47mg、ビタミンB2 0.69mg、カルシウム 167mg |
まずは「フツーのU.F.O.」の調理直後、経験者であれば目を瞑っていても “U.F.O.の匂い” と分かる強烈なソースの香りを筆頭に、縮れの少ない中太ストレート麺が「日清焼そばU.F.O.」ならではのアイデンティティを表現。レギュラーサイズのカップ焼きそばとしては高めの食塩相当量が表しているように、ちょっと濃すぎる‥‥という意見も耳にするのですが、その人を選ぶ濃さも魅力の一つ。
【日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース】栄養成分表示:カロリー 507kcal、たん白質 7.9g、脂質 21.7g、炭水化物 69.9g、食塩相当量 4.8g、ビタミンB1 0.39mg、ビタミンB2 0.58mg、カルシウム 114mg |
対して「無駄に白いU.F.O.」は、通常版と比較してカロリーや炭水化物、食塩相当量などの値が低く、反して脂質の量は多いなど、栄養成分表示の差が気になるところ。そしてホワイトソースよろしくオフホワイトな見た目(黄色がかった白)かつソース単体の香りには近いものを感じたのですが、如何せんスパイス(クローブ)の香りが強く、それが蛇足的に作用しないか不安に思ってしまう実食前。
なお実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」と「セブンイレブン」で “無駄に白いU.F.O.” の取り扱いを確認しているので、近くのスーパーやドラッグストアに売ってない‥‥という方は、販売店の参考にしてください。それでは、引き続き “フツーのU.F.O.” との違いや共通点に注目しつつ「めん」「ソース」「具材・ふりかけ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。以下、最後の総評は「日清焼そばU.F.O. 白い濃い濃い濃厚ソース」に基づきます。 |
めん
麺は共通の油揚げ麺を使用
近年の「日清焼そばU.F.O.」といえば、極太サイズの平打ち麺も定期的に展開しているところ、フツーのU.F.O.に使われているのは中太サイズの油揚げ麺で、形状は丸断面のストレート。食べ始めはコシが強く、味付け濃いめの「濃い濃い濃厚ソース」に負けることのない存在感を放ち、それでいてソースが洋風に変わるとパスタっぽい洗練さを感じさせるのも面白く、油揚げ麺特有の風味が弱いのも利点。
一方の白いU.F.O.に使われている麺もフツーのU.F.O.と同じ油揚げ麺で、ほとんど体感的な差異もなく、原材料名も完全に一致。以前は塩焼きそば用の細麺も保持していた「日清焼そばU.F.O.」ですが、2021年2月現在の定番ラインナップに細麺を採用した商品は存在せず、白いU.F.O.とフツーのU.F.O.を並べて確認してみたところ、ほぼほぼサイズも変わらなかったので、同じ麺という認識で問題ありません。
ちなみにフツーのU.F.O.は麺量100gなのに対し、変わり種の白いU.F.O.は麺量90gと比較して10gの差が生じているのですが、基本的に麺量90gが汁なしカップ麺(レギュラーサイズ)の標準的な値。そのため今回が特別に少ないわけではなく、実際のところ食べていて少ないと感じることもないでしょう。
ソース
白いソースは変に薬品臭い‥‥
フツーのU.F.O.に搭載されている「濃い濃い濃厚ソース」の原材料名は “ソース、糖類、植物油脂、還元水あめ、食塩、香辛料、ポークエキス、ポーク調味油、たん白加水分解物、香味油” で、文字通り他社の定番カップ焼きそばよりも濃いめの味を特徴とし、いちど嗅いだら忘れられない独特の香りもファンの心を掴んで離さない要因の一つ。
ど濃厚なソース味を軸に、絶妙なスパイスの効かせ方とフルーティな酸味のアクセントもさることながら、鉄板で炒めたような調理感を彷彿とさせるメイラード反応(かるく焦げたような風味)も見どころです。
対して白いU.F.O.のソースにも “糖類、植物油脂、還元水あめ、ポークエキス、食塩、香辛料、たん白加水分解物、醸造酢、ポーク調味油、粉末しょうゆ、ポーク調味料、香味油” と近い原材料を使用しているのですが、味の決め手となっている「ソース」は使用しておらず、如何せん独特の薬品臭が気になるところ——。
薬品臭については多少なりとも後述のスパイスで誤魔化せますが、喉から鼻の奥にかけて残る “ヘアカラー剤のような臭い” が気になって、最終的には実食に集中できない始末。何味かと聞かれたらソース味が近いところではあるものの、鉄板で炒めたような調理感は意識されていませんし、後半は独特の薬品臭が許容できなかったので、そういうのがダメな人はダメかもしれません。
具材・ふりかけ
ふりかけは完全に別物
フツーのU.F.O.に入っている味付豚肉は、チップ状にカットされた成型肉なので、あまり情緒のある具材とはいえないけれど、鉄板で炒めたような調理感を特徴とするソースの効果で印象は悪くありません。また変わり種のU.F.O.では端材のようなサイズのキャベツを乱用するところ、定番のキャベツは大きめにカットしているのも特徴で、ふりかけには “あおさよりも風味の強い青のりを使っている” のもこだわり。
青のりに由来する磯の風味と紅生姜の酸味は定番の「濃い濃い濃厚ソース」と相性がよく、ソースの味を引き立ててくれるため、濃いめの味付けでも最後まで食べ飽きることはない、脇役以上の存在感。
対する白いU.F.O.の具材はキャベツのみ、なおかつスパイスの構成は「黒こしょう、クローブ、赤唐辛子」なので、キャベツのほかに共通点はありません。
かなりソースの薬品臭が気になったので、それを誤魔化すために香りの強いクローブや黒胡椒のアクセントを効かせたのかもしれないけれど、クローブ特有の香りが薬品臭とバッティング。オフホワイトな下地に唐辛子の赤が映えている、その見た目はよかったんですけどね。
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(★2)
なまじリアルタイムで食べ比べたのが敗因か、オリジナルと比較して “ほんと無駄に白い” なと。たしかにフツーのU.F.O.ソース味を再現しようと試行錯誤したことが伝わってくる仕上がりで、実際に共通する香りを感じたのですが、ヘアカラーリング用品などの薬品臭に敏感な方は厳しいかもしれません。
企画としては面白いので、物は試しに食べてみるのもアリかとは思いますが、オリジナルと比較してスパイスも完全に別物ですし、結果的な感想としては “フツーのU.F.O.でいいよね” に落ち着くかも。はたして次は「透明なカップヌードル」でも出してくるのか、もちろん続編がリリースされたら問答無用でレビューします(author・taka :a)