どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年2月6日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清ラ王 鯛パイタン」の実食レビューです。
これはゼッ “タイ” 食べなきゃ損!? 日清ラ王の「プチ贅沢」第2弾は高級魚の鯛(たい)が存分に味わえる上質×濃厚なカップラーメンを展開!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清ラ王 鯛パイタン
日清ラ王(にっしんらおう)とは、1992年(平成4年)9月21日の発売以来、変化の大きいラーメン業界において “その時代の王道とされる味” に進化し続けてきたブランドで、名前の由来はラーメンの王様。その歴史はカップ入りの生タイプめんに始まり、2023年2月現在はノンフライタイプの即席カップめん及び即席袋めん、並びに常温保存を可能にした生タイプめんの鍋焼ラーメンを展開しています。
今回の新商品「日清ラ王 鯛パイタン」は、柚子香る濃厚鯛白湯(たいパイタン)に “まるで、生めん。” のようなノンフライ麺を合わせた一杯で、ラ王史上最も豪華な「濃香トリュフ醤油」(2023年1月2日発売品)に続く “プチ贅沢” シリーズ第2弾。スープには2種類の鯛を、さらに具材の摘入(つみれ)にも2種の鯛を練り込み、仕上げに加える別添は「特製調味鯛オイル」と気合は充分。
鯛の旨みを存分に引き出し、そこに柚子の清涼感を添えたラーメンといえば、2016年(平成28年)1月6日の創業以来、東京都墨田区江東橋2丁目に本店を置く「真鯛らーめん 麺魚(めんぎょ)」が代表格で、それにインスパイアされたのか‥‥? などと一瞬だけ思ったのですが、麺魚のスープは少し濁りのある清湯(ちんたん)なのに対し、日清ラ王の「鯛パイタン」は文字通り白湯なのがポイント。
ラーメンのスープをカテゴライズするとき、必ずといっても過言ではない頻度で使われる清湯と白湯。前者の「清湯」は透き通ったスープを指す用語で、後者の「白湯」は白湯(さゆ)とも読みますが、ラーメン業界では白濁したスープ(九州を発祥とする豚骨スープなど)のことを指し、骨などの食材を強火でガンガンに焚き出す調理方法から、いわゆる乳化が起きて白く濁ります。
ちなみに中国料理での清湯は、火加減に注意しながら弱火で作る毛湯(マオタン)をベースに、鶏ひき肉で濁りを除去したもの。片や白湯をベースに濁りを除去したスープは掃湯(サオタン)と呼ばれ、同じ澄んだスープでも清湯より重厚的な味わいに仕上がるのですが、日本のラーメン業界における清湯は単純に澄んだスープの総称となっているようで‥‥はい、そろそろ本題に戻りましょう。
日清食品における “鯛” が題材のカップラーメンといえば、古くは2002年(平成14年)6月に発売された「日清麺の達人カップ 鯛の炊きだし風味 しょうゆ仕立て」まで遡り、直近だと2017年(平成29年)12月18日発売の「日清麺職人 鯛だし」が記憶に新しいところ。しかし、思い返してみると “鯛” を題材にした「日清ラ王」は前例がありません。
また商品名に “鯛” を冠した日清食品の即席カップ麺を例に挙げると「日清もてなしの極品 白だしつゆの鯛うどん」や「日清のごんぶと 年明けうどん 鯛だし仕立て」「カップヌードル そうめん 鯛だし柚子風味」など、過去に和風系のフレーバーも展開しているのですが、いずれも澄んだ鯛の出汁を特徴としていたので、もしかすると鯛白湯そのものが日清史上初の試みかもしれません。
2種類の鯛を使用したという濃厚な「鯛白湯」も然る事乍ら、同じく2種の鯛を練り込んだ「鯛つみれ」の仕上がりに、別添の「特製調味鯛オイル」や「柚子」の香りなど、かなり注目すべきポイントが多いので、きちんと “プチ贅沢” な気分が味わえるのかどうか、お手並み拝見です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製調味鯛オイル」のみで、食べる直前に加える後入れ仕様。日清食品のニュースリリースにある商品特長に詳しい情報は書かれていませんが、本文中には “別添の「特製調味鯛オイル」を加えれば、鯛の旨みが口いっぱいに広がります。” との訴求あり。
かやくは2種類の鯛を練り込んだ「鯛つみれ」に、フリーズドライの「ねぎ」が合わせられ、上記の画像で確認することは困難を極めますが、小さく刻んだ「柚子皮」も入っている様子。魚くさッ! くらい強烈なニオイではないけれど、この時点で魚の存在感は明白で、麺に由来する小麦の香りも印象的。
ちなみに “プチ贅沢” 第1弾「濃香トリュフ醤油」のメーカー希望小売価格は500円(税別)だったのに対し、今回は276円(税別)に下げられているのですが、コンビニで購入した場合の税込価格は298円とハイクラス寄り。2023年2月現在、縦型ビッグ製品におけるメーカー希望小売価格の標準は245円(税別)なので、その差も踏まえた上で評価します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清ラ王 鯛パイタン 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:91g(めん70g) 商品コード:4902105278413(JAN) |
発売日:2023年02月06日(月) 実食日:2023年02月08日(水) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:276円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製調味鯛オイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(植物油脂、食塩、クリーミングパウダー、糖類、でん粉、小麦粉、鯛調味料、粉末しょうゆ、鯛調味油、香辛料)、かやく(魚肉練り製品、ねぎ、ゆず皮)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、増粘多糖類、香料、炭酸Ca、カラメル色素、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、カロチノイド色素、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・いか・ごま・大豆・鶏肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、サイズは中細ですが、湯戻し時間は長めの熱湯5分。角刃で切り出された平打ちストレートの形状に、チキンエキスでスープとの一体感を高め、大豆食物繊維で食感を強化するなど、いかにも日清食品らしいノンフライ麺を合わせています。以前は致命的な戻りムラが気になることも多かったのですが、最近は比較的に安定しているイメージ。
別添の小袋は後入れなので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「特製調味鯛オイル」を温めながら待つこと5分。その間に漂ってくるのは、香り高いノンフライ麺に由来する小麦感で、それ以上に鯛が目立つことはありません。しかし、5分後に「特製調味鯛オイル」を加えると、ふわっと鯛の芳ばしさが加速する仕組み。
さらに柚子の香りも増したように感じたので、引き続き鯛白湯の濃度と柚子の風味、そして2種類の鯛が練り込まれた “鯛つみれ” にも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(91g)あたり |
カロリー:350kcal たん白質:8.0g 脂 質:7.9g 炭水化物:61.8g 食塩相当量:6.8g (めん・かやく:2.5g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.30mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:147mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:350kcal(めん・かやく:268kcal)(スープ:82kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちょっと小麦感が強すぎるかも
数年前の大判どんぶり型ほど頑固ではないけれど、熱湯5分きちんと待っても若干ほぐれにさが気になったり、調理直後から数分はノンフライめん特有のゴムっぽさが気になったり、前述の “まるで、生めん。” とは異なるベクトルを歩んでいるのですが、どちらも日清食品の縦型ビッグに使われるノンフライ麺において共通する項目。
ただ、戻りムラについては許容できないレベルではなく、ゴムっぽい質感も捉え方によっては強靭なコシとして楽しめるポイントで、なんといっても凄まじいまでに強い小麦の風味が特徴的。それはスープに対しても強く影響を及ぼすため、よくも悪くも-・といった部分ではあるけれど、それも日清食品らしい特徴の一つ。
鯛のインパクトを強めるために、もうちょっと麺の小麦感を抑えたほうが‥‥などと思った節もありましたけど、これが現在の日清食品が見据える “その時代の王道” なので、あとは好みの問題かもしれません。食べ始めの強靭なコシも然る事乍ら、ゆっくりと馴染ませると “まるで、生めん。” に近付くので、好みに合わせて調節してください。
スープ
荒々しくはないけど濃密
まずは「特製調味鯛オイル」を加える前に味を確認してみたところ、たとえば鯛の頭をはじめとするアラを豪快に炊き上げたような味ではなく、むしろ身の甘さと良質なコラーゲンを尊重している感じの上品な味わいで、さては大将‥‥ラーメン屋になる前は高級な和食料理店の板前さんやってましたね? みたいな(知らんけど)。
もっと荒々しいテイストを想像していたので、最初はインパクト不足に思えたのですが、生臭さなどのネガティブな部分は徹底的に取り除き、じんわりと染み込んでくる鯛の旨みと余韻は印象的。だからこそ麺の強い小麦感が勿体無いと感じたのですが、とろみの加減も自然に思えるコクがあり、野生的ではないけど濃密な味わいです。
続けて「特製調味鯛オイル」を加えると、ふわっと鯛の芳ばしさが強くなるのですが、極端に鯛脂が目立つわけではありません。それよりも印象的だったのは、パッケージでも訴求されていた柚子の風味。柚子そのまま搾りました的なフレッシュ感ではないけれど、ほんのり抜ける清涼感だったり、ほんのちょっと柑橘系の酸味だったりが印象に残りました。
かやく
鯛つみれプリップリ
メインの鯛つみれは魚肉練り製品なので、よくある○○ボール的なプリッとした食感。しかし、鯛の旨みも明白で、そこそこ数も多く、メーカー希望小売価格を加味してもネガティブではありません。ネギも前述のようにフリーズドライなので、高級感の演出に一役買ってくれています。
柚子皮については2欠片なんとかサルベージに成功したのですが、実際それほど多く入っているわけではなく、存在感については「特製調味鯛オイル」による影響のほうが大きいように感じました。
総評
コンビニ限定のカップラーメンではないけれど、相場以上のメーカー希望小売価格に加え、麺の小麦感がスープに干渉するほど強いことから、もうちょっと鯛が暴走する感じでも‥‥と、すこし厳し目に評価したことは認めます。しかし、麺の小麦感については「日清ラ王」らしいポイントで、鯛と柚子の存在感も分かりやすいといえば分かりやすく、結果的な印象としては悪くありません。
ちなみに2023年はハイクラス系が盛り上がると睨んでいるのですが、すでに2ヶ月連続で “プチ贅沢” な「日清ラ王」を出してくれている日清食品なので、この勢いに乗って第3弾・第4弾と年内に新作がリリース可能性大。このジャンルだと縦型ビッグは中途半端な印象に傾くおそれがあるので、次は第1弾と同じく徹底的に高級な大判どんぶり型の新作に期待しています【author・taka :a(大石敬之)】