どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2025年11月18日(火)新発売、ファミリーマートのカップ麺「NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば」(267円+税)の実食レビューです。
とことんスープにこだわった【至高の一杯】東京屈指の名店「NIBOSHI MANIA(ニボシマニア)」と “水産加工のプロ„ が初コラボ!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば
NIBOSHIMANIA(ニボシマニア)とは、2022年(令和4年)9月17日のオープン以来、都内屈指のラーメン激戦区・大田区は西蒲田で絶大な人気を博している煮干そば専門店で、店主のタッキー氏は神奈川県横浜市中区福富町に本店を置く煮干蕎麦の名門「灰汁中華 丿貫(あくちゅうか へちかん)」で総店長(総料理長)を務めていた経歴の持ち主。

このページでレビューする「NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば」は、煮干しエキスがベースの液体スープに、粉末煮干しを使用したW粉末スープと “あえての具材なし„ を特徴とする一杯で、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産とファミリーマートが共同開発。
あえて「かやく」を省いたファミリーマート限定のカップラーメンといえば、このブログで超絶高評価を叩き出した「Japanese Ramen Noodle Lab Q かけ醤油らぁ麺」(レビューは2024年4月23日発売品)や「麺屋極鶏(ごっけい)鶏だく かけ極濃(ごくのう)鶏白湯」と同じカテゴリーで、いずれも製造者は東洋水産。
現在は即席めん(マルちゃん正麺・マルちゃんZUBAAAN!)、即席カップめん(赤いきつね・緑のたぬき)、低温食品(マルちゃん焼そば・えびシュウマイ)、加工食品(あったかごはん・おさかなでつくったソーセージ)など、幅広く事業を展開している東洋水産ですが、同社は1953年(昭和28年)3月創業の横須賀水産にルーツを持ち、現在も水産食品事業を手掛けている水産加工のプロ。

「赤いきつね」や「緑のたぬき」などを筆頭に使われている出汁(だし)のノウハウはもちろん、群雄割拠の即席カップめん業界において、煮干しを使わせたら右に出る者がいないほど。そんな東洋水産と「NIBOSHIMANIA」がタッグを組んだカップラーメンかつ「かけ」シリーズの新作ということで、これはもう絶対に押さえておかねばならんなと。
ちなみに「NIBOSHIMANIA」の実店舗では、限定のルーツとなった「ニラ煮干ソバ」をはじめとする創作系のラーメンに、王道のセメント系(煮干しを強烈に効かせた濃厚どろどろスープ)から淡麗系の「銀鱗煮干そば」まで、多種多様なメニューが提供されているようですが、今回のカップラーメンは濃厚な煮干しスープと加水率が低いストレート麺を合わせた「煮干そば」をイメージしている様子。
前述のように東洋水産は煮干し系のスープに長けたメーカーで、しっかりと煮干しを効かせながらも上品なタイプだったり、あえて特有の苦味まで打ち出したアグレッシブなタイプだったり、アプローチの仕方も多彩なのですが、ひとつ気になるのがノンフライ麺の仕様。

ファミリーマートの公式ウェブサイトやパッケージにも製法の記載はないけれど、原材料に「こんにゃく」を配合した東洋水産のノンフライ麺といえば、マルちゃん正麺カップが確立した特許技術「生麺ゆでてうまいまま製法」(特許5719064号)の流れを汲んでいることは確実。この製法は低加水麺に弱いので、そのあたりにも注目しながらレビューします。
開封

今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」2パックに、後入れ「液体スープ」の組み合わせで、先に触れたように「かやく」は入っていません。ただ、スープだけで合計3袋。なかでも粉末スープに大量の煮干し粉を配合している可能性が高いため、とんでもない煮干し感に期待できそうなラインナップ。

そして、これが少し不安なノンフライ麺。ファミリーマートの公式ウェブサイトには “生麺のようななめらかな口当たりと、やや硬めで歯切れのよい麺が特徴„ との記載があるため、加水率は比較的に下げている模様。はたして「生麺ゆでてうまいまま製法」の限界を超えているのか、それとも煮干し系の正麺カップに使われているテンプレなのか、そこも見どころのひとつ。
ちなみにファミリーマート通常価格は267円(税込288円)だったので、先にリリースされた「Lab Q かけ醤油らぁ麺」や「麺屋極鶏 鶏だく かけ極濃鶏白湯」などと同じ値段。2025年11月現在、正麺カップの定番商品(芳醇醤油・濃厚味噌・うま辛担々麺・ワンタン中華そば)をファミリーマートで購入した場合の税込価格は1食あたり300円なので、スープのインパクト次第でコストパフォーマンスについても高く評価できそうです。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名:ファミマル NIBOSHIMANIA かけ濃厚煮干そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:108g(めん70g) 商品コード:4901990382304(JAN) |
| 発売日:2025年11月18日(火) 実食日:2025年11月22日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 販売価格:267円(税別) 購入価格:288円(税込) |
| 麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ×2) |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(煮干しエキス、粉末煮干し、香味油脂、しょうゆ、食塩、乳等を主要原料とする食品、デキストリン、ポークエキス、砂糖、酵母エキス、たん白加水分解物、植物油)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、カラメル色素、かんすい、酒精、炭酸カルシウム、増粘多糖類、レシチン、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始

ノンフライ麺を搭載したカップラーメンに小袋が別添されていた場合、熱湯を注ぐ前にスープ類を入れると麺の戻りが悪くなるので、基本的には「召しあがる直前にお入れください」となっているのですが、今回の「粉末スープ」は2袋とも先入れ指定。

それらを麺の上にあけてから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら先入れの粉末スープを念入りに溶かし、それから「液体スープ」を加え、再度よく混ぜたら完成です。当たり前のように麺とスープだけの状態ですが、煮干しの存在感が凄いのなんの。
ただ、マルちゃん正麺カップのブランドから「ニボ玉」や「濃ニボ」を定期的に展開している東洋水産なので、それらと違う煮干しの表現方法にも注目しつつ「めん」「スープ」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示:1食(108g)あたり |
| カロリー:357kcal たん白質:15.0g 脂 質:6.5g 炭水化物:60.9g (糖 質:58.1g) (食物繊維:2.8g) 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.22mg ビタミンB2:0.32mg カルシウム:386mg |
| 参考値(調理直後に分別した値) 熱量:357kcal(めん・かやく:259kcal)(スープ:98kcal) |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん


正麺カップ系だけど歯応えが印象的
原材料名の構成と色合いから「推しの一杯 魁龍 どトンコツ」のノンフライ麺を使っているのでは‥‥などと予想していたんですけど、それと比較して微妙に配合を変えているのか、それとも先入れ粉末スープの影響か、食べ始めに固ゆで系の歯応えと歯切れの良さが楽しめる仕様。

実際の「煮干そば」には、ザクッとした歯切れの良さを特徴とする東京製麺(東京都大田区京浜島)の低加水麺を使用しているようなので、それとは異なるベクトルを歩んではいるけれど、近年の「生麺ゆでてうまいまま製法」にありがちな反発性は目立ちません。
それなりに時間が経つと例の反発性が顔を出し始めますが、それでも従来の「生麺ゆでてうまいまま製法」とは微妙に違う、意外とありそうでなかった食感は予想外。再現度については高く評価できない仕上がりになりますけど、後述するスープとの相性に問題はなく、ひとつのカップラーメンとして違和感なく成立していました。
スープ


しゅごい
お湯を注ぐ前に粉末スープの味を確認してみたところ、オレンジの小袋に入っていた粉末は煮干し+砂糖が目立つ味わい。一方で緑の小袋に入っていた粉末は比較的に甘さを控えめに感じたので、ただ小袋を分けただけの演出ではありません。とはいえ熱湯を注いだ後に味見してみると、しっかり煮干しを打ち出しながらもエッジは抑えている、いかにもマルちゃんらしい優等生なニボ感でした。

——しかし、別添の「液体スープ」を入れた途端に豹変。煮干し粉末だけでは表現できない、エキス特有の炊き出し感や若干のエグみと苦味が加わって、いっきに臨場感のあるスープにシフト。また煮干しの表情も複雑で、焼きアゴを配合しているのか独特の芳ばしさがあり、それが生臭さを消してくれているようなフレームワーク。
エグみや苦味をゴリゴリに押し出したセメント系のインパクトに期待していると肩透かしを食うことになりますが、しょうゆもポークエキスも土台を支えることに徹底している、とにかく煮干しを全面に押し出した設計にビックリ。とろみの付け方も自然だったので、ちゃんと煮干しを食らってる感が味わえました。
総評
途中で引き合いに出した「ニボ玉」や「濃ニボ」のスープと比較して、あきらかに煮干しの密度が高く、それも銀色のシャープな煮干し感と焼きアゴっぽい芳ばしさが同居している複雑な作り。魚粉が容器の底に溜まりがちだったので、定期的に混ぜながら食べることをオススメしますが、あえて魚粉を残して〆の白飯どぼんをキメるのもアリ。煮干し系のカップラーメンは数あれど、この配合は今までに経験したことがありません。
かやくは入っていませんが、そんなの気にならないくらいスープがギラギラとしているので、これが267円(税込288円)で楽しめるなら高コスパ。それでも具材がほしいんじゃ! という方は、王道ですけど刻み玉ねぎと岩のりをトッピングしてください。マジで飛べると思うので。それにしてもファミリーマートの「かけ」シリーズえぐいすね‥‥。早くも第4弾の登場が待ち遠しいです。【author・taka :a(大石敬之)】


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