どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年10月11日(月)新発売、サンポー食品のカップ麺「長浜ナンバーワン監修 長浜とんこつラーメン」の実食レビューです。
セブン&アイ限定で5年ぶりに復活!? 半世紀にわたり愛され続ける屋台の味「長浜ナンバーワン」監修のカップラーメンが久々に登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
長浜ナンバーワン監修 長浜とんこつラーメン
長浜(ながはま)ナンバーワンとは、初代店主・竹中忠勝(たけなか ただかつ)氏が1971年(昭和46年)に創業した一軒の屋台「昇龍軒(しょうりゅうけん)」を前身とする長浜とんこつラーメン専門店で、現在は株式会社テイクワンの代表取締役を務める種村剛生(たねむら たけお)氏が二代目店主として跡を継ぎ、その伝統を守りながら進化を続けています。
今回の新商品「長浜ナンバーワン監修 長浜とんこつラーメン」は、種村店主監修のもと、同店の「らーめん」を再現した大盛りバケツ型のカップラーメンで、佐賀県三養基郡に本社・工場を置くサンポー食品と共同開発。ネットで調べても詳細な情報は出てきませんが、セブン&アイグループ限定と思われるPB商品で、筆者はイトーヨーカドーのネット通販サイト「オムニ7」で購入しました。
「長浜ナンバーワン」監修のカップ麺といえば、現在を遡ること2013年(平成25年)4月2日、サークルK・サンクス(当時)限定のオリジナル商品としてリリースされた「長浜ナンバーワン とんこつラーメン」というノンフライ麺を使用した大判どんぶり型のカップラーメンがあり、サッポロ一番として知られるサンヨー食品(SANYO FOODS.Co.,Ltd)と共同開発。
その後、同じ年にPrimeONE(プライムワン)からもサンヨー食品とコラボした「長浜ナンバーワン とんこつラーメン」を発売しているのですが、2016年(平成28年)4月11日に発売されたサンポー食品の “豚骨ラーメンコラボ企画” 第1弾「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」という大盛りバケツ型のカップラーメン(写真左)を皮切りに、サンポー食品とのコラボがスタート。
続けて2018年(平成30年)9月18日に「棒状 長浜ナンバーワン監修 長浜豚骨ラーメン」という2食入りの棒ラーメン(写真右)をサンポー食品が発売し、その棒ラーメンは2021年10月現在も絶賛販売中なのですが、大盛りバケツ型の「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」は製造・販売を終了しています。
その後継と思われる今回の「長浜ナンバーワン監修 長浜とんこつラーメン」に関する情報を集めてみたところ、山口県のセブンイレブン店舗では販売されているらしく、前述のようにイトーヨーカドーのネット通販サイトでも取り扱いを確認。加えてサンポー食品が独自のプレスリリースなどを配信していない状況から察するに、すくなくともセブン&アイ限定のPB商品であることは間違いないでしょう。
ただ、ちょっと気になったのがサンポー食品の公式Twitterアカウントにも情報がアップされていないこと。サンポー食品の公式Twitterアカウントは、イトーヨーカドーやローソン、ヤオコーなど、同社の公式ウェブサイトには掲載できない販路限定商品の情報も積極的にツイートしているのですが、そこに「長浜ナンバーワン監修 長浜とんこつラーメン」に関するツイートはありません。
はたして試験的な商品なのか、それとも複雑な事情があるのか、ちょっと謎多き商品ではあるものの、筆者が「長浜ナンバーワン」監修のカップラーメンを目にするのは5年ぶり。2016年4月発売の “豚骨ラーメンコラボ企画” 第1弾「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」や「棒ラーメン」との違いも気になりますし、今後のレビューに活かすための記録も兼ねて、商品の特徴を掘り下げていきます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「粉末スープ」と「かやく」に、後入れの「かやく」と「調味油」で合計4袋。焼豚ラーメンとのコラボ企画ではないので、かやくの焼豚は丸型(「焼豚ラーメン」ではハート型)なのですが、たっぷりの後入れネギが嬉しく、2016年4月発売の「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」には入っていなかったキクラゲを新たに追加。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。2016年4月発売の「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」には、福岡県産のラーメン用小麦 “ラー麦” を100%使用した油揚げ麺を搭載し、なおかつ湯戻し時間を「カタメ:2分半」と「フツウ:3分」の2パターンから選べる仕様になっていたので、この変更は大きな違い。
ただ、フタの一部が日本国内の「長浜ナンバーワン」店舗で使える「替え玉1杯無料券(有効期限:2022年10月30日)」になっているのはステータス。オムニ7での本体価格は198円(税込213円)だったので、極端に安いわけではなかったものの、4つの小袋を別添した大盛り(めん85g)のカップラーメンという製品スタイルを思えば極端に高いわけでもありません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:長浜ナンバーワン監修 長浜とんこつラーメン 製造者:サンポー食品株式会社 製造所:本社工場(佐賀県三養基郡基山町長野230) 内容量:117g(めん85g) 商品コード:4901773101177(JAN) |
発売日:2021年10月11日(月) 実食日:2021年10月24日(日) 発売地域:不明 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 本体価格:198円(税込213円) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:500ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:4袋(粉末スープ・調味油・かやく2袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、ラード、食塩、植物たん白)、スープ(ポークエキス、豚脂、チキンエキス、食塩、香辛料、しょうゆ、たん白加水分解物、植物油脂、魚介エキス)、かやく(ねぎ、焼豚、きくらげ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、pH調整剤、かんすい、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン・ごまを含む)※本品は、えびを使用した設備で製造しています。 |
実食開始
別添の小袋は焼豚などが入っている「かやく」と「粉末スープ」のみ先入れとなっているのですが、それぞれ順番が決まっていて、まず「かやく」を麺の上にあけるのがポイント。次に「粉末スープ」の順にあけ、ゆっくりと内側の線まで熱湯を注ぎます。これは多めに入っている粉末スープを溶かすために必要な手順なのと、他のカップ麺にも応用できるので、調理の際は留意してください。
あとは内側の線まで熱湯を注いだら、フタの上に「調味油」の小袋をのせ、温めながら待つこと3分。時間になったら調味油を投入し、よく混ぜ合わせた後、仕上げに「あといれかやく」をトッピングしたら出来上がり。焼豚は丸型に変わりましたが、調理後の見た目は「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」よりも賑やかで、とにもかくにも大量に入っていたネギのインパクトたるや‥‥w
よく見ると “先入れのネギと後入れのネギは乾燥方法が違う” というのもポイントで、わざわざ使い分けているところにこだわりを感じました。しかし、漂ってくるのは「焼豚ラーメン」の流れを汲むジャンクな香り。はたして名店監修の恩恵が感じられるのかどうか、引き続き「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(117g)あたり |
カロリー:524kcal たん白質:13.7g 脂 質:23.2g 炭水化物:65.1g 食塩相当量:8.4g (めん・かやく:3.1g) (スープ:5.3g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.33mg カルシウム:206mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
体感的には「焼豚ラーメン」
「長浜ナンバーワン」の店舗では、忙しい長浜魚市場で働く人々にもサッと提供できるように、今も昔も茹で時間の短い低加水麺を使っているのが特徴で、形状は細めのストレート。対する今回の油揚げ麺は縮れの強い中細麺で、比較的に加水率を下げてはいるものの、再現度が高いとはいえません。
体感的には既存の「焼豚ラーメン」に使われている、熱湯3分の油揚げ麺と大差ない仕上がりで、原材料名の構成も完全に一致。サンポー食品が製造する油揚げ麺の例に漏れず、麺を揚げる工程で使う食用油にラードを配合しているのが特徴で、それに由来する独特の芳ばしい風味が昔ながらの魅力となっているのですが、それだけにカップラーメンらしいチープさが全面に主張してきます。
筆者はラードを使用した油揚げ麺の風味が嫌いではない(むしろ好物w)なので、これはこれと割り切れる方にとっては問題ないかと思いますが、お店の臨場感は皆無。以前、原材料名は同じでも “標準どんぶり型と大盛りバケツ型では小麦の比率を変えている” と聞いたことがあるので、そういった調整はしているようですが、お店のイメージ的に熱湯2分の細麺を合わせたほうがよかったかもしれません。
スープ
濃厚さの指標が “しょっぱさ” に向いてる感じ
絶賛販売中のNB(ナショナルブランド)商品「棒状 長浜ナンバーワン監修 長浜豚骨ラーメン」に別添されている添付調味料の原材料名は「ポークエキス、豚脂、香辛料、食塩、しょうゆ、植物油脂」とシンプルなのに対し、カップラーメンの粉末スープには “チキンエキス” や “魚介エキス” を配合しているため、純度100%の豚骨スープではなく、骨っぽさやシルキーなコクも感じられません。
たとえば既存の「焼豚ラーメン」と比較して、ホエイパウダー(乳製品)や乳等を主要原料とする食品は使っておらず、とろみ成分も強めに効かせるなど、異なるフレームワークとなっているのですが、味のルーツは「長浜ナンバーワン」よりも「焼豚ラーメン」サイド。思っていた以上に塩気が強かったので、パンチのあるテイストではあるものの、肝心な豚骨感よりも塩気がフロントに主張してきます。
そこに加える「調味油」は、動物油脂のラード(豚脂)を軸に、少量の植物油脂をブレンドした、サンポー食品が得意とする配分。獣臭は押さえてありますが、粉末スープだけでは出せないコクを与えてくれます。しかし、その量は「焼豚ラーメン×長浜ナンバーワン」時代のときよりも少量で、比較すると半分くらい。
もちろんアブラが多ければいいというものではないですが、粉末スープの塩気が終始強かったこと、加えて大盛りバケツ型の大容量カップを採用しているため、この倍は入っていてもいいように感じました。
かやく
後入れのネギはインパクト大
焼豚のサイズは小さめですが、例のハート型よりも厚みがあり、そこそこの食べ応え。ただ、コリコリとした食感のキクラゲは破片を集めたようなサイズだったのと、量も少なかったので‥‥というか、そもそも「長浜ナンバーワン」のグランドメニューにキクラゲは使っていなかったはずなので、サンポー食品のオリジナルかもしれません。
また先入れのネギは熱風乾燥だったので、これを後入れすると繊維が強すぎるのですが、きちんと後入れ用のネギはフリーズドライに変更しているところがポイント。量が量だけに風味も強く、スープのショッパさを誤魔化してくれるところにもメリットを感じました。それについては多少なりともですけどw
総評
筆者はサンポー食品のカップ麺が大好きなので、本音をいうと贔屓したい気持ちもあるのですが、ほぼほぼ「長浜ナンバーワン」らしさが感じられない仕上がりはナンセンス。ラードで揚げた麺を筆頭に、サンポー食品らしい魅力が皆無というわけではなかったものの、特に豚骨感よりも塩気が先行するスープについては “どうした?” というのが正直な感想で‥‥
たっぷりの後入れかやく(ねぎ)については素直に好印象ではあったものの、お互いの魅力が活かしきれていないというか、焼豚ラーメンの「豚骨ラーメンコラボ企画」みたいな “いいとこ取り” の着地ではなかったので、すこし残念に思えてしまいました。とろみ成分と塩気の加減を抑えるだけでも、だいぶ違った印象になると思うので、いつかのリベンジに期待しています【author・taka :a(大石敬之)】