どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年10月22日(月)新発売・2019年4月1日(月)再販売のカップ麺、日清食品「日清麺職人 火鍋風麻辣麺(マーラーメン)」の実食レビューです。
辛い?辛くない?けっこう痺れる?そもそも火鍋って何?これまでの経験と実際に食べてみた感想に基づいて評価し、その疑問を解消します。分かりやすく丁寧なレビューを心がけておりますので、お時間よろしければ最後までご覧ください。
日清麺職人 火鍋風麻辣麺
2018年のトレンド味覚として、カップ麺界でも夏は特に盛り上がった痺れる花椒(麻味)とホットな唐辛子の辛さ(辣味)を合わせた「麻辣」味ですが、日清食品の全粒粉入りノンフライ麺シリーズ「麺職人」から女性に人気の鍋料理メニュー、「火鍋」をテーマにしたカップラーメンがリリースされました。
「日清麺職人」は、2000年の発売以来、 “まるで、生めん。” のような食感の麺を手頃な価格で味わえることから主婦層を中心に高い人気を集めているブランドで、2017年8月からノンフライ麺に全粒粉が練り込まれています。賛否両論ありましたが、特別感がありますよね。
「火鍋(ひなべ)」とは、中国語のピン音で “フゥオグゥオ” と発音し、日本での人気はもちろん台湾、香港、マカオなどでも食され、マレーシアやシンガポールでは “スチームボート” の定番フレーバーとしても楽しまれている辛味の強い鍋料理。
火鍋の発祥については諸説あるようですが、モンゴルの羊肉料理が起源とされていたり、磁器口の船乗りが考案した「重慶火鍋」や「四川火鍋」の名称で広まった四川省発祥の料理とも言われていて、特に女性を中心に人気の高い鍋料理ですね。薬膳系のスープも多く、専門店やコアなマニアも多いです。
(出典:Wikipedia)
日本にある中国料理店や韓国料理店では、中央を太極の「陰陽」に見立てて仕切った金属製の丸鍋を使用し、真っ赤な辛いスープ(麻辣)と白くて辛くないスープ(白湯)、またはカレー味などの変わり種から各店舗のオリジナルスープなど、2種類のスープを選んで楽しめるスタイルの店が多いですよね。ちなみに二色鍋は「鴛鴦火鍋(ユアンヤンフゥオグゥオ)」といい、文字通り鴛鴦(おしどり)が由来だそうですよ。
そのスープに好きな具材を入れて食べる、日本でいうところの「しゃぶしゃぶ」的な鍋なんですけど(北京で食されている火鍋の一種「涮羊肉(シュワンヤンロウ)」が京都に伝来し、それが日本の「しゃぶしゃぶ」のルーツとも言われています)、白湯ではなく「麻辣」側のスープを麺職人流にアレンジしたのが今回のカップ麺。
一応、容器の側面には「※小さなお子様や、辛味が苦手な方の飲食には十分ご注意ください。」との注意事項が記されていますが、主婦層に愛されるブランドということで、麻辣の加減が気になりますね。
それでは、花椒の花や実、唐辛子などをモチーフにしている和モダンで可愛いデザインのパッケージを開封して、中身を確認してみましょう。
開封
小袋は「粉末スープ」「辛味オイル」「かやく」の3袋構成で、お湯を注ぐ前に粉末スープ・かやくを先入れし、4分待っている間に辛味オイルをフタの上で温めておきましょう。ノンフライ麺を採用した大手の製品なのに、粉末スープを先入れするように指示しているのは珍しいですね。
このようにノンフライ麺には小麦全粒粉が練り込まれ、それは熱湯を注ぐ前からハッキリと視認できます。「全粒粉(ぜんりゅうふん)」とは、小麦を丸ごと粉状にしたもので、通常の “白い小麦粉” を精米した “白米” とするならば “全粒粉” は “玄米” のイメージで例えると分かりやすいでしょうか。
それでは、お湯を注いできます。たまに質問されるのですが、これリアルタイムレビューなので、ほんとに今から熱湯を沸かしてきます(笑)
製品情報・購入価格
製品名:日清麺職人 火鍋風麻辣麺 製造者:日清食品 製造所:関東工場 内容量:81g(めん65g) 発売日:2018年10月22日(月) JANコード:4902105246375 希望小売価格:180円(税別) 発売地域:全国(全チャネル販売) |
麺の種類:ノンフライ麺 容器材質:プラ(PS) 必要湯量:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(粉末スープ・調味オイル・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】 めん(小麦粉、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、卵粉、しょうゆ、チキンエキス、大豆食物繊維)、スープ(植物油脂、食塩、香辛料、チキン調味料、野菜調味料、粉末しょうゆ、香味調味料、香味油、糖類)、かやく(ごま、卵、赤唐辛子、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸Ca、香料、カロチノイド色素、増粘多糖類、香辛料抽出物、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【アレルギー表示】 小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・りんご |
実食開始
粉末スープを入れると花椒に混じってクローブやシナモン、大茴香(八角・スターアニス)を思わせる複雑な甘い香りが漂い、エスニックな雰囲気を醸しています。ただ、お湯を注ぐ前に粉末スープを入れているので、きちんと4分待っても少し麺がほぐれにくい箇所がありました。
「麻辣」は特に辛味の強い四川料理では欠かせない刺激的な味覚なんですけど、主婦層に愛されるブランドとして、レベルの調節には苦労されたことでしょう‥それでは、花椒の痺れと唐辛子の辛さに注目しつつ、実際に食べてみた感想をもとに解説します。
1食(81g)当たり
カロリー:305kcal |
※参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:305kcal(めん・かやく:273kcal)(スープ:32kcal) |
めん
“全粒粉” を練り込むことで小麦本来の風味が感じられる、しなやかなノンフライ中細ストレート麺。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
「麺職人」のノンフライ麺はスープによって太さや色が微妙に異なっているのですが、今回は最もオーソドックスな中細麺だったので、おそらく同シリーズの「しょうゆ(鶏ガラ醤油)」と同じ麺でしょう。前述したように小麦全粒粉が練り込まれていて、しょうゆやチキンエキスなどで味付けを施し、卵粉と大豆食物繊維で食感を補強しています。
一応、許容範囲内ではあったものの、先に粉末スープを入れる仕様なので、しっかり4分待っても一部ちゃんと戻らなかった箇所がありました。後述する辛味オイルによって小麦の風味は「しょうゆ」や「柚子しお」ほど繊細に香ってくることはありませんし、やや存在感はスープに押され気味かもしれません。
しかしながら油揚げ麺のような雑味は皆無に等しく、辛味オイルが減ってくる後半は小麦の甘味が際立ち、控えめな主張と中細サイズが相俟って、特に前半はスープのインパクトをダイレクトに運んで楽しませてくれました。と言うのも‥
スープ
チキンベースのスープに花椒や唐辛子などのスパイスをきかせたうま辛スープ。しびれと辛さがやみつきになります。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
ええ、けっこう辛いですよ。花椒の痺れも唐辛子の辛さも激痺!激辛!とまでは言いませんが、少なくとも辛い食べ物が苦手な方は近づかないほうが賢明なレベルですし、一般的な観点から見てもパッケージの “フタ上に” 注意事項を記載しなければいけない刺激の強さかもしれません。
粉末スープだけの状態で味を確認してみると、やや食塩のキレが強く、その時点から花椒を感じるものの、まだまだ序の口。醤油は香り付けに過ぎず、前述した大茴香を思わせる独特の香りが印象的なスッキリとしたチキンベースのスープです。ただ、辛味オイルを投入したら一変、思いのほか頑張っているw
辛味オイルを直接舐めると分かりやすいのですが、唐辛子の辛さだけでなく花椒オイルも仕込まれていたので、さらに花椒のビリビリとした刺激が加速。刺激成分の含有量は圧倒的にオイルだったこともあり、麺に容赦なく纏わり付いてくることで常に辛く、しかも雑味のないノンフライ麺がクリアに刺激を伝えてくれていました。やや鍋風の旨味に欠けますが、薬膳っぽい香りも相俟って、火鍋のイメージは掴めるでしょう。
かやく
ゴマ、かきたま、ネギ、赤唐辛子。
(日清食品「ニュースリリース」より引用)
ネギがニラだったら少量でも言うことナシだったんですけど、麺職人はノンフライ麺とスープにコストを集中させているブランドですし、今回のスープにはインパクトがあったので、文句を言ったらバチが当たりそうですね。
刺激の強いスープの中で胡麻の芳ばしさがアクセントに嬉しく、そのスープとは対比を描くようなタマゴの優しさも効果的。辛味オイルのインパクトによって赤唐辛子は同化していましたが、刺激の強い火鍋というテーマで赤ピーマンに逃げなかったことは高く評価できるポイントです。
ネギがニラだったら‥などと書きながらネギの歯触りが気分転換に嬉しく、たっぷりの胡麻で物足りなさは感じませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(5+)
(標準は★3です)
いわゆるガチの激辛カップ麺には及ばないものの、刺激の強さは “麺職人シリーズ史上最強レベル” かもしれません。とにかく雑味のないノンフライ麺が辛味オイルの刺激をクリアに伝えてくれるのと、インターバルになるような具材は入っていないので、前半は逃げ場がないです。でもオイルが減ってくると見える景色が穏やかに変わってくるので、刺激の強さも然る事乍ら、弱まってからの変化も楽しいテイストでした。
辛い食べ物が好き、普段から火鍋に慣れている、そうであれば問題ない刺激ではあるものの、唐辛子の辛さや花椒の痺れが普通以上に得意じゃない場合、安全のためスルーされたほうがよいでしょう。反面、激辛はイヤだけどピリ辛程度じゃ満足できない、そんな方にとっては気持ちよくストライクゾーンかと思います。
具材の寂しさこそ否めませんが、これまでの無難で優等生なブランドイメージを覆す、とてもインパクトのある製品でした。正直、★6でも差し支えないかもしれません。あ、でも大茴香やシナモンっぽい香りも並行するので、それについて極端に苦手な方は少し気をつけてください。