どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月1日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば」の実食レビューです。
“全粒粉入り麺職人×今話題のメニュー” 台湾のソウルフード「麺線」を日清麺職人が表現すると——
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば
2000年の発売以来、主婦層を中心に本格的なノンフライ麺を手頃な価格で楽しめるヘルシーなカップラーメンとして、安定の人気を集めている日清食品の看板ノンフライ麺ブランド「日清麺職人」ですが、今話題の “アジアの麺メニュー” を麺職人らしくアレンジしたエスニック系の新作カップ麺が今回の商品コンセプト。
中国の蘭州市発祥とされる歴史的ご当地ラーメン・蘭州拉麺(牛肉面)を再現した「日清麺職人 蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」は一つ前の記事でレビューしているのですが、こちらの「日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば」は台湾で人気の麺メニュー「麺線(めんせん)」を再現したカップ麺。 “台湾煮込みそうめん” とも呼ばれている「麺線」とは、いったいどんな食べ物なのでしょうか——
「麺線(miàn xiàn – ミェンシェン)」とは、外食文化が根付いているB級グルメの宝庫・台湾グルメの中でもソウルフードの一角とされる伝統的な台湾料理で、鰹の出汁(だし)が効いたトロミの強い餡掛けスープが共通点として挙げられる特徴の一つ。まさにテイストは日本の和風出汁に近く、いつ食べても胃もたれしないような優しい食べ物で、日本人の味覚にも合う台湾料理の代表格としても有名です。
現地では道路に面したお店や屋台などで小腹に嬉しい小サイズから注文できる、サクッとファストフード感覚で食べられる手軽な食べ物で、辛さを足すための辣椒醤(ラージャオジャン)やジャンクなパンチを演出してくれる蒜醬(おろしにんにく)、烏醋と呼ばれるウスターソースっぽいテイストの調味料(※黒酢ではない)など、お店に備え付けの味付アイテムで自分好みに味を変えられるのも人気の秘訣。
スープの味は台湾の中でも南の地域にかけて甘みが増す傾向にあると言われているのですが、麺は基本的に日本でいうところの素麺(そうめん)を平打ちにしたものに近く、しかもクッタクタになるまで煮込まれていることから箸で持ち上げることが困難なので、注文すると写真のようにレンゲだけ突っ込まれて提供されることも珍しくない——というか、麺線だけ単品注文して箸を頼もうものなら “そのままレンゲで食べろ” と言われます。←
豚の大腸を輪切りにしてトッピングしたホルモン系の「大腸麺線(ダーチャン ミェンシェン)」と台湾の名産である牡蠣(カキ)をトッピングした「蚵仔麺線(オア ミェンシェン)」が麺線の中でも特に代表的な二大メニューで、今回のカップ麺や日本の専門店では “パクチー” のアクセントもアピールされているのですが、現地では九層塔(Jiǔcéngtǎ – ジョウツェンター)という台湾バジルを使用しているお店も多いです(※どっちにしろ好き嫌いの分かれる香りですがw)。
つまり麺の質感に関しては「麺職人」シリーズに使用されているコシの強い全粒粉入りノンフライ麺とは程遠く、ほぼ対極に位置しているため、あくまでも “日清麺職人らしくアレンジした” という部分を尊重するスタンスで臨まなければいけないのですが、あらためて「麺線」を解説し終わった実食前の現在‥‥冷静に考えたら別物感すごいですねw
前述した豚の大腸や牡蠣などの具材も入っていないようなので、とろみの強い沖縄そばにパクチーをトッピングしたような雰囲気(?)が無きにしも非ずではあるものの、きちんと台湾の伝統的なソウルフード「麺線」らしさを表現できているのか再現性にも注目しながら実食レビューします。
開封
別添の小袋は「粉末スープ」と「かやく」の2種類で、それぞれパッケージのテーマカラーに合わせたカラーリングとなっているのですが、どちらの小袋も熱湯を注ぐ前に入れる先入れ仕様となっています。台湾麺線風鰹 “とろみ” そば‥‥つまり粉末スープの中にトロミ成分が仕込んであると思うので、麺が適切に戻るかどうかが第一関門。
麺は全粒粉を練り込んだノンフライ麺で、一見して明白に台湾麺線での一般的な麺とは異なります。ザ・麺 職 人w ただ、同時発売品の「蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」と比較して、同じく熱湯4分の全粒粉入り麺ではあるものの、すこしだけ「台湾麺線風鰹とろみそば」のほうが細めに調節されているように見えますね。
今回のカップ麺は日清食品グループのオンラインストアで購入しているのですが、税込194円‥‥地味に高い(苦笑)。一般的なスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアであれば税込100円〜130円前後が基本ですし、割高のコンビニで購入しても税込184円が相場なので、平均購入価格を130円前後と想定して評価します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(製造所固有記号 A) 内容量:77g(めん65g) 商品コード:4902105250075(JANコード) 〃 :14902105250072(ITFコード) 規格サイズ:縦144mm×横144mm×高さ72mm 発売日:2019年04月01日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺(全粒粉入り中華麺) スタイル:どんぶり型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、しょうゆ、大豆食物繊維、チキンエキス、卵粉)、スープ(食塩、かつお節粉末、糖類、魚介調味料、粉末しょうゆ、ポーク調味料)、かやく(卵、ねぎ、パクチー)/ 加工でん粉、増粘剤(加工でん粉、キサンタンガム)、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸Ca、香料、カラメル色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、カロチノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、炭酸Na、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
「粉末スープ」の量は多く、開封した瞬間からカツオの香りが強めに漂ってきて、いまのところ台湾感みごとに皆無。「かやく」の小袋にはパクチーが仕込んであるはずなんですけど、同時発売品の「蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」と同じく熱湯を注ぐ前は独特の香りが強く主張してくることはありません。
で、4分経ったら粉末スープの溶け残りがないよう念入りに混ぜなければいけないのですが、とろみ成分の粘性率が尋常じゃなくて、たとえば麻婆豆腐とか餡掛けうどんを作るときに、あれ‥やばい水溶き片栗粉ちょっと入れ過ぎたか‥‥? みたいな。取り返しのつかない粘度ではありませんが、けっこうガチの餡掛けです。
だいぶ念入りにかき混ぜても若干ながら容器の底に粉末スープの溶け残りが見られたので、熱湯を注ぐ段階から粉末スープを集中的に溶かすように意識する、4分経ったら最短でも2分以上は混ぜ続ける、というのを面倒でも徹底してください。大丈夫、良し悪しですが麺のコシは衰えませんw
それでは、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力と台湾麺線の再現度を判定します。
栄養成分表示:1食(77g)当たり
熱 量:269kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:269kcal(めん・かやく:259kcal)(スープ:10kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
“全粒粉” を練り込むことで小麦本来の風味が感じられる、しなやかなノンフライ細ストレート麺。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば / 蘭州ラーメン風ピリ辛 牛だしそば』」)
同時発売品の「蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」の製品説明は “しなやかなノンフライ中細ストレート麺” となっていたのですが、今回の「台湾麺線風鰹とろみそば」では “しなやかなノンフライ細ストレート麺” となっているように、やはり熱湯4分は同じでも比較して一回り細いノンフライ細麺が採用されています。
おそらくシリーズの中でも細麺が採用されている「日清麺職人 とんこつ」からの流用ではないかと思われますが、念入りに2分以上かき混ぜて、なおかつ保温性の高い温度低下の緩やかな高粘度スープの中にあっても伸びにくく、食べ終わる頃になってもコシの強さを楽しませてくれるクオリティの高いノンフライ麺です。つまり、麺線からは程遠いw
コシの強さは麺職人の個性であり魅力的なポイントなので、単純にレギュラー価格のカップ麺に使われているノンフライ麺としてはレベルが高く、まさに値段以上のクオリティではあるものの、お世辞にも再現度が高いとは言えません。そもそもの質感が違うので、30分以上経過しても麺線の頼りなさを再現することは不可能でした。
スープ
鰹だしのうまみが溶け込んだとろみのあるスープ。パクチーの香りがアクセントのやみつきになる味わいで
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば / 蘭州ラーメン風ピリ辛 牛だしそば』」)
とにもかくにもカップ麺では最強クラスの粘性率を誇っていて、そんじょそこらの餡掛けうどんじゃ太刀打ちできないくらい、徹底された超高粘度ぽってりスープに仕上がっています。まさに台湾の麺線らしい——いや、お店にもよりますが本場の麺線よりも高粘度かも。細麺が容赦無くスープを絡め取るので、もはや食べるスープと言っても過言ではありません。
スープ単体のカロリーは10kcalというダイエット中でもノーカウントで差し支えないような驚きの低さなのに、けっこうガツンと腹に溜まる重量感。また鰹節粉末の量が多く、旨味成分は濃厚で、繊細に出汁を取ったというよりも魚粉添加型の力強いテイストから、台湾麺線の基本を忠実に再現したスープと言えるでしょう。
動物系の旨味は下支えに過ぎず、具材のパクチーがエスニック感を醸し、台湾麺線らしい雰囲気に仕上がっていたのですが、あまりに高粘度過ぎてパクチーの香りがストレートに伝わってこないのと、 “あくまでも基本の再現” なので、オイスター(牡蠣)や豚ホルモン(大腸)を想起させるような一捻りある旨味は意識されていませんでした。
具材
パクチー、かきたま、ネギ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば / 蘭州ラーメン風ピリ辛 牛だしそば』」)
パッケージのイメージ写真ではスクランブルエッグ(カップヌードルに入っている卵具材)の系譜にあるような見た目ですが、実際は掻き玉(かきたま)系の卵具材が入っていて、しっかり混ぜると存在感は埋没します。現地に煮卵入りの麺線メニューもありますが、溶き卵入りは基本的に見かけません(※私が知らないだけだったらスミマセン)。
もちろん牡蠣や大腸は入っていませんし、パクチーは苦手だと厳しそうだけど存在感は軽めのアクセント。ネギは歯触りが高粘度スープに映えていたのですが、具材と呼べる具材は入っていませんでした。とはいえ粘度の高いスープと細切れ具材(薬味)の一体感は高く、麺職人は麺とスープを味わうもの——という基本の攻略スタンスさえ身に付けていれば許容範囲内かと思います。
総評
★★☆☆☆☆☆☆☆☆(★2)
総評は★2の低評価ですが、おいしい? まずい? と聞かれたら単純に味は悪くありません。ガツンとカツオが効いた規格外の超高粘度スープはインパクトがあり、異国情緒も感じられると思うのですが、肝心の麺質がブランドに不向きだったので、フォーを頼んだら讃岐うどん出てきたぞオイ‥‥みたいな。というのは極端な例えかもしれませんけど、台湾麺線としてはイマイチと言わざるを得ませんでした。
烏醋の再現は難しいかもしれませんが、例えば辣椒醤をイメージした激辛オイルや蒜醬の代替となるペースト状の生おろしニンニクなど、定番の味変アイテムを別添する、または粘性率と鰹だけでなくホルモンのクセや牡蠣の旨味をスープに仕込んでいたら、麺が別物でもギャップが補えたかもしれません。ただ、低カロリー・低脂質で腹持ちがいいカップ麺なので、その目線から見ると需要はありそうですし、繰り返しますが単純に味としてはイマイチではなかったです。
ところで「日清のどん兵衛」に “ミニでしか味わえない”「日清のどん兵衛 温つゆおそうめんミニ」というカップ麺があるんですけど、その油揚げ素麺を軸に「どん兵衛」(標準サイズ)からの変わり種として台湾麺線を再現したらイイ感じに仕上がりそうな気がするので、ぜひリベンジしていただきたいですね。
鰹の香りが強すぎて台湾感皆無? 現地の麵線食べたこと無いんですか? めちゃくちゃ再現度高いですよこれ。
> 鰹の香りが強すぎて台湾感皆無?
> めちゃくちゃ再現度高いですよこれ。
スープの再現度については “台湾麺線の基本を忠実に再現したスープ” と本文中にて高く評価しています。
> 現地の麵線食べたこと無いんですか?
ご存知かと思いますが、現地の麺線は麺職人のノンフライ麺のようにコシの強い麺ではないですよね?