どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月1日(月)新発売のカップ麺、日清食品「日清麺職人 蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」の実食レビューです。
今話題の新トレンド最有力候補‥!? 中国・蘭州市発祥のパクチー香るソウルフード「蘭州拉麺(牛肉面)」を日清麺職人がカップ麺にアレンジして再現!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
麺職人 蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば
「日清麺職人(にっしん めんしょくにん)」とは、スーパーマーケットやドラッグストアなどでも重宝されているコストパフォーマンスの高い日清食品の看板ノンフライ麺ブランドで、ハイクオリティなノンフライ麺を手頃な価格で楽しめることから主婦層を中心に人気を集めているのですが、今回の新作は “全粒粉入り麺職人×今話題のメニュー” がテーマ。
同時発売品として「日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば」という台湾のソウルフード・台湾麺線を再現したカップ麺もリリースされているのですが、こちら「日清麺職人 蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」は中国・西北部にある甘粛省(かんしゅくしょう)の省都・蘭州(らんしゅう)発祥とされる「蘭州拉麺」をカップ麺で再現したものになります。
「蘭州拉麺(らんしゅうラーメン)」とは、牛肉から取った薬膳系のスープに手打ち麺を合わせた中国・蘭州市発祥のソウルフード的ご当地ラーメンで、本場のメニューでは「牛肉面(ぎゅうにくめん)」と表記されるのが一般的なのですが、日本では2017年の後半から特に注目され、そろそろ一世を風靡するのではないかと期待されている有望な麺料理です。
まだ全国的に知れ渡っているメニューではないかもしれませんが、中国政府に認められ、2017年8月22日に日本初上陸。東京・神保町にオープンし、開店当初から話題沸騰で連日行列の早仕舞いが続いた創業100年余の伝統を誇る老舗蘭州ラーメン店、「馬子禄(マーズルー)牛肉面」が日本における蘭州拉麺ブームの火付け役と見て間違いないでしょう。
ラー油を浮かべた牛骨ベースのスープに薬膳スパイスのエキゾチックな香りを効かせ、トッピングは牛肉とパクチーが基本。麺の種類は細麺・平麺・三角麺の3種類が基本となっているのですが、お店によってサイズや形状は様々で、蘭州拉麺(牛肉面)は清真料理に分類されている、つまり中国圏の料理としては珍しく豚肉を使用していないハラル(ハラール)認証フードというのも特徴です。
発祥の地である蘭州市は、漢族に次いで回族と呼ばれる中国最大のムスリム(イスラム教徒)民族集団が多く、他にもサラール族、ユグル族、ドンシャン族など、中国大陸の中でも特にイスラムが多く住んでいる中国北西部のイスラム文化圏なので、そういった理由から牛肉文化が根付き、現在に至っているわけですね。
「馬子禄 牛肉面(蘭州ラーメン 馬子禄)」のブームに乗って、東京近郊では「蘭州拉麺店 火焔山(かえんざん)」や「極 蘭州拉麺(ごく)」などの専門店も人気を博しているようですが、その癖になる味わいがコアなファンを増やし、そろそろ爆発するのではないか――と、そこに業界でイチ早く着目したのがトレンドに敏感な日清食品。
来週・2019年4月8日(月)にはカップヌードルの新商品として「カップヌードル 蘭州牛肉麺」の発売も予定されているのですが、まずはコスパ高い系ノンフライ麺ブランド「日清麺職人」の「蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば」からお手並み拝見と参りましょう。
開封
別添の小袋は先入れの「粉末スープ」と「かやく」、後入れの「調味オイル」で合計3種類。かやくの中身は緑が生い茂っているのですがw パッケージにも “パクチー香る” とアピールされていたように、乾燥パクチーが仕込んであるよ模様。ただ、チラホラと唐辛子も見えますが、パッと見は圧倒的にネギの量が多いですね。
麺は全粒粉入りノンフライ麺で、調理前の段階から一見して明白に全粒粉の粒が視認できます。2019年4月2日現在、もれなくシリーズの全商品すべて全粒粉入り麺が採用されているのですが、スープによって微妙にサイズや色が異なっていて、今回の場合は既存の定番品「日清麺職人 しょうゆ」と比較して淡い色合いの麺がチョイスされていました。
私は日清食品グループのオンラインストアにて購入したのですが、中身は一般発売品と同じですし、全国のスーパーマーケットやドラッグストア、ディスカウントストアでも絶賛発売中。本日、火曜日からコンビニでも取り扱われているのですが、コンビニなら税込184円が相場、日清食品の公式ネット通販サイトを除くコンビニ以外の店舗であれば税込100円〜130円前後が平均的な販売価格になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清麺職人 蘭州ラーメン風ピリ辛牛だしそば 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(製造所固有記号 A) 内容量:77g(めん65g) 商品コード:4902105250082(JANコード) 〃 :14902105250089(ITFコード) 規格サイズ:縦144mm×横144mm×高さ72mm 発売日:2019年04月01日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺(全粒粉入り中華麺) スタイル:どんぶり型レギュラー・標準サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(粉末スープ・調味オイル・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、小麦全粒粉、食塩、植物油脂、卵粉、しょうゆ、チキンエキス、大豆食物繊維)、スープ(牛脂、食塩、香味調味料、糖類、香辛料、酵母エキス、香味油)、かやく(ねぎ、赤唐辛子、パクチー)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸Ca、香料、増粘剤(アルギン酸)、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、乳化剤、香辛料抽出物、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、炭酸Na、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・牛肉・大豆・りんご(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
先入れの「かやく」を開封すると、ほのかにパクチー(コリアンダー)の香りが——いやでも圧倒的にネギですねw 麺の上にあける前に近距離で香りを確かめてみましたが、ネギです。ほぼほぼネギ。ただ、「粉末スープ」の香りは実に個性的で、大茴香(八角)やシナモンを想起させる甘くてスパイシーな香りが漂ってきました。
「調味オイル」に強烈なパクチーオイルが含まれていたら話は別ですが、いまのところ現段階ではパクチーが苦手な人でも大丈夫そうなパクチー感。しかしながら薬膳スパイス系のエスニックな香りが強いので、大茴香や五香粉、オールスパイスなどのエキゾチックな香りが苦手な場合、この時点で苦手意識が働いてしまうかもしれません。
お湯を注いで4分後、麺をほぐしてから「調味オイル」を浮かべて完成です。調味オイルの小袋にも記載されていますが、牛脂を中心とした動物油脂が小袋の中で凝固していたので、カップに熱湯を注いでから待っている間に小袋をフタの上で温めておきましょう。
それでは、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(76g)当たり
熱 量:276kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:276kcal(めん・かやく:257kcal)(スープ:19kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
“全粒粉” を練り込むことで小麦本来の風味が感じられる、しなやかなノンフライ中細ストレート麺。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば / 蘭州ラーメン風ピリ辛 牛だしそば』」)
2013年9月2日(月)発売品から麺の美味しさに磨きをかけ、 “まるで、生めん。” のような麺にリニューアルされたのですが、2017年8月から通年商品(レギュラー商品)及び数量・期間限定のスポット商品を含むシリーズすべてのノンフライ麺を小麦の風味がクセになる “全粒粉入りノンフライ麺” に刷新し、大きく麺のスタイルが変わった麺職人——
全粒粉入りノンフライ麺への刷新によってスープに滲み出るほど強烈だった小麦感や独特の甘味は鳴りを潜めてしまったので、リニューアル当時は賛否両論あったりもしたのですが、ライバル関係にあるマルちゃん(東洋水産)の「麺づくり」と明白な差別化となり、精製度の高い真っ白な小麦粉では出せない全粒粉ならではの芳ばしい風味と歯ざわりが楽しめるようになりました。
今回はネギの歯ざわりで全粒粉特有のプチッ‥とした粒感までは察知できなかったのと、調理環境(室温の低さ)によっては熱湯4分だと解れにくさが気になるかもしれませんが、あいかわらず値段以上のクオリティであることは間違いありません。小麦の香りはパクチーに押されていましたが、丸刃のストレート中細麺はスープに対して埋没することも主張し過ぎることもない適切な存在感でした。でも時間に余裕があれば、5分ほど待ったほうがナチュラルです。
スープ
あっさりとしながらもうまみたっぷりの牛だしスープ。ラー油の辛味とパクチーの香りがクセになる味わいです。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば / 蘭州ラーメン風ピリ辛 牛だしそば』」)
ベースはアッサリとした塩味のスープで、かなり原材料はシンプルな構図。スープのカロリーも19kcalという場合によっては味噌汁以下のヘルシーな数値を叩き出しているのですが、実際かなり透明感のあるクリアなテイストなので、こってり系のラーメンが好きな方は物足りないスープかもしれません。しかし、そのシンプルな土台が功を奏しています。
残念ながら牛の要素は牛脂(ヘット)頼みだったので、牛肉の旨味とは異なるベクトルになるのですが、別添の調味オイルに含まれている多めの牛脂がスープに厚みを持たせ、いい意味で癖のあるテイストを演出。ラー油の辛さはピリ辛の枠を出ませんが、けっこうピリッと硬派にピリ辛だったので、そのアクセントが牛脂をクドいと思わせない役割を担っていました。
さらに粉末スープを開封した時に感じた薬膳スパイス系のエスニック感が強く、調理前は目立たなかったパクチーも熱湯で戻った後は明白で、ほのかに調味オイル単体からもパクチーを感じたのですが、結果的にパクチーが苦手だったら厳しいかも‥‥くらいのレベルには到達しているため苦手な方は注意してください。ちょっと牛に物足りなさが否めなかったりもしたのですが、牛・ラー油・パクチー・薬膳系のスパイスなど、蘭州拉麺の押さえるべきポイントは押さえています。
具材
パクチー、唐辛子、ネギ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース >『日清麺職人 台湾麺線風鰹とろみそば / 蘭州ラーメン風ピリ辛 牛だしそば』」)
度を越して強烈なパクチー感ではないものの、とりあえずパクチーが苦手だったらヤメといたほうがいいレベル。そのエスニックな個性は好印象だった反面、乾燥パクチーに乾燥ねぎ、やや粗挽きの唐辛子だけなので、ほとんど具材と呼べるような物はありません。蘭州ラーメンの本名は「牛肉面」ですが、本来ならゼッタイに外せない牛肉も不在です。
もし日清食品が得意とする甘辛い味付けの大豆ビーフが入っていたら、今回のスープに対して確実に存在感が強すぎて合わなかったと思うので、とりあえず大豆ビーフを放り込んでこなかったことには好感が抱けましたが、残念なことに “麺職人は具材に弱い” という方程式が絵に描いたように成立していました。
麺のクオリティが高いのとパクチーの個性があったので、別に気にならないといえば気にならなかったりもしたのですが、蘭州牛肉面サイドから見ると極端な話、カツが入ってないカツ丼や玉ねぎだけの牛丼、鶏肉不在の親子丼やチャーシューの見当たらないチャーシューメン的なことになってますw
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
2017年頃から本物の牛肉を使用したカップ麺が極端に減っているので、そんな世知辛い現状と具材は二の次になりがちなブランドの傾向を思うと牛肉具材に関しては納得できなくもないのですが、それならそれとして、もうちょっとスープから牛脂以外の牛を感じたかった——というのが当ブログの評価基準で上出来を意味する★5に満たなかった要因です。ただ、けっしてイマイチというわけではありません。
マニア的には物足りなくても苦手な人は寄せ付けないレベルのパクチーに薬膳スパイスを思わせるエキゾチックなアクセント、そこに重なる牛脂の癖とラー油のピリッとした刺激は蘭州拉麺に通じる個性だと感じたので、及第点に★ひとつプラスしました。ところどころ妥協しなければいけない点はあるものの、ある意味これはこれでハードルの低さをプラスに評価することもできますし、手頃な価格で蘭州拉麺の雰囲気と値段以上のノンフライ麺が楽しめるヘルシーなカップ麺です。