どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年5月16日(月)新発売、明星食品のカップ麺「明星 麺神カップ 濃香豚骨」の実食レビューです。
とんこつラーメンに新時代到来!? 話題の豚骨×極太麺を「麺神」ならではの独自技術 “麺密もっちり製法” で表現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
麺神カップ 濃香豚骨
麺神(めがみ)とは、空前の極太麺ブームを背景に、従来の即席麺とは一線を画す “真のお店品質” を目指して生まれた本格ブランドで、2020年9月21日発売の袋麺「明星 麺神 神太麺(かみふとめん)×旨 醤油」及び「同 神太麺×旨 味噌」を皮切りに発足。常識を超えた7分の茹で時間と、それによって実現した超極太ノンフライ麺を看板に掲げ、唯一無二のポジションを確立。
常識破りの袋麺が登場してから2週間後、2020年10月5日に縦型ビッグの即席カップめん「明星 麺神カップ 神太麺×旨 醤油」が発売されるや否や、TwitterなどのSNSやニュースサイトを中心に話題沸騰。女優の新川優愛さんと千葉県松戸市の人気店「中華蕎麦 とみ田」代表・富田治さんを起用したCM効果も相俟って、その存在を瞬く間に浸透させることに成功しました。
今回の新商品「明星 麺神(めがみ)カップ 濃香(のうこう)豚骨」は、じっくりと炊き出した豚骨の旨みと豚脂(とんし)を凝縮させたスープに、明星独自の “麺密もっちり製法” で作るノンフライ極太麺を合わせた一杯で、とんこつラーメンといえば極細麺のイメージが強いところ、あえて自慢の極太麺で勝負した意欲作。
麺密もっちり製法とは、明星独自の乾燥技術を組み合わせた製法で、現在の「麺神」を象徴するキーワード。2021年9月20日のリニューアル発売より、全国屈指の有名ラーメン店で食べるような、超極太サイズなのに締まりのある食感を実現し、なおかつ生地に塩麹(しおこうじ)を練り込むことで、おいしさに磨きをかけているところも注目すべきポイント。
もうすこし掘り込んで解説すると、ノンフライ麺は蒸した麺を熱風で乾燥させる製法で、さらに麺が最高の状態で仕上がるように、風速・風向き・温度を調整しながら麺の気泡を自在にコントロールするのが「麺密もっちり製法」という明星食品の独自技術。これは既存の「スーパーノンフライ製法」や「スチームノンフライ製法」の流れを汲んでいるため、まさに明星食品だからこそ成し得た製法です。
そんな「麺神」における豚骨系の商品といえば、現在の “麺密もっちり製法” が完成する直前、2021年6月7日に発売された「極旨(ごくうま)塩豚骨」を皮切りに、それは同年9月20日に実施されたリニューアル発売(前述)にて「濃香塩豚骨(のうこうしおとんこつ)」に改められたのですが、通年販売の定番ラインナップから消えたのは最近の話。
このページでレビューする「濃香豚骨」は、ブランド的に三代目の豚骨ラーメンで、麺密もっちり製法によるノンフライ極太麺の仕上がりに懸念はないものの、問題は極太麺の存在感に負けないくらい “ちゃんと豚骨の炊き出し感が表現できているかどうか” という部分。
明星食品のニュースリリースには “じっくりと炊きだした豚の濃い旨みに、にんにく、ペッパーで風味を増し、背脂を加えたこってり豚骨スープです” とあり、商品のパッケージでも「炊きだした豚骨の旨み」と「にんにく」をアピールしているため、そこにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「濃香の一滴」が1袋。それを取り外した先の天面には “じっくりと炊き出した豚の旨みに にんにく、ペッパーを加えた豚骨スープ。「濃香の一滴」を加えると、焼豚とにんにくの香りが広がる超極太麺と相性抜群のスープに仕上がります” というメッセージが印刷されています。これ、ちょっと楽しみw
かやくは四角いチャーシューに、背脂加工品、キクラゲ、ニラの組み合わせで、前身に当たる「極旨塩豚骨」や「濃香塩豚骨」のトッピングとは異なるラインナップ。大きな違いとしてネギがニラに変わり、キクラゲが追加されている状態で、より全体のスタミナ感を強めてきたようなイメージ。
メーカー希望小売価格は230円(税別)なので、麺神カップの標準的な設定ではあるものの、2022年5月現在の縦型ビッグにおける平均・220円(税別)よりも若干ながら高めの値段。スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれますが、コンビニで購入した場合の税込価格は248.40円になるため、それも踏まえた上で評価しなければいけません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 麺神カップ 濃香豚骨 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4902881453301(JAN) |
発売日:2022年05月16日(月) 実食日:2022年05月17日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:205円(税込) 希望小売価格:230円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(濃香の一滴) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、たん白加水分解物、植物性たん白、酵母エキス、米麹調味料(でん粉、米麹加工品、塩麹、食塩))、スープ(ポークエキス、たん白加水分解物、デキストリン、豚脂、食塩、糖類、香辛料、酵母エキス、香味油、香味調味料)、かやく(チャーシュー、背脂加工品、キクラゲ、ニラ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、香料、リン酸塩(Na)、乳化剤、微粒二酸化ケイ素、カロチノイド色素、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造設備では、かに・落下性を含む製品を生産しています。 |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させた “麺密もっちり製法” のノンフライ麺で、とんこつラーメンといえば白っぽい見た目の麺が合わせられる傾向があるのに対し、まるで味噌ラーメンよろしく黄色みと縮れの強い形状の麺を採用しています。なるほど常識を覆すような取り合わせになりますが、それだけにスープの緊張感も高くなってくる展開。
別添の小袋は後入れなので、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタの上で「濃香の一滴」を温めながら待つこと5分。時間になったら小袋の中身を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり‥‥って、まさかの「わかめ」が入っていた件w いや、冷静に考えたら笑い事ではないんですけど。原材料名に “わかめ” の表示はないので、なにかしらの拍子に混入したのでしょうか。
ちなみにコンビニ大手4社の中では「セブンイレブン」と「ミニストップ」での取り扱いが意欲的だったので、販売店の参考にしてください。それでは、ひとまず “わかめ” については扨措き、ノンフライ極太麺と豚骨の炊き出し感に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:371kcal たん白質:10.1g 脂 質:8.5g 炭水化物:63.5g 食塩相当量:6.4g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.2g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:444mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:371kcal(めん・かやく:294kcal)(スープ:77kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
かなり密度の高い平打ち麺
たとえば湯戻し7分の “明星史上最極太麺” を搭載していた汁なしカップ麺「明星 ぶぶか油そば ガチ太」(2022年5月9日発売品)ほどの太さではないけれど、簡便性に優れた縦型ビッグのカップラーメンとしては極太といっても差し支えないサイズのノンフライ麺で、中心部までギュッと詰まった密度の高い噛み応えが魅力的。
麺密もっちり製法の “もっちり” を楽しみたい場合、追加でケアする必要があるものの、片や “麺密” については申し分なし。明星食品における豚骨ラーメン用の麺といえば、業界きってのノンフライ極細ストレート麺が存在するため、その真逆を行くタイプになりますが、これはこれと割り切れば悪くありません。
熱湯5分で食べ始めても変な戻りムラが気になることはなかったし、後述するスープのニンニクと具材のニラが強かったので、麺が独り歩きするような嫌いも感じませんでした。いやいや豚骨ラーメンには極細麺だろ! というバイアスが強い場合、違和感を覚える確率が高いので、そこは好みと相談しつつ、大丈夫そうならギュッと締まりのある噛み応えを心行くまで楽しんでください。
スープ
豚骨感は弱いけど骨粉を彷彿とさせるザラつきが印象的
まず言及したいのが “粘性” で、これまでの「麺神カップ」におけるスープは漏れなく不自然にトロミが強かったのに対し、今回の粉末スープでは気になりません。次に豚骨感について、たとえば久留米や佐賀の豚骨スープに宿る豚骨臭は丁寧に取り除かれており、骨の髄まで炊き出した白湯(ぱいたん)というよりも出汁(だし)っぽい旨みが強く、ずいぶんと優等生なテイスト。
麺の存在感が強い分、いっそのこと「無鉄砲」よろしく骨の髄から癖を引き出してもらいたかった思いもありますが、骨粉を彷彿とさせるザラつきは見どころで、実際に容器の底に残る粒子の小さい成分が印象に残ったポイント。ちなみに前回の「濃香塩豚骨」には “豚の旨みと焦がしネギの香り” を特徴とする「濃香の一滴」を別添していましたが‥‥
今回の小袋には “焼豚だれとニンニクの香り” を閉じ込めているため、ガラッと雰囲気が変わっています。正直、そこまで焼豚だれっぽい旨味は感じなかったものの、ニンニクの香りは明確で、ちょっとクセのある豚脂の風味がスープを牽引してくれていました。しかし、それ以上に “具材のニラが強い” ので、もうちょっと豚骨感を強めてほしかった‥‥という不満が残るかもしれません。
具材
ニラが主役
唯一の肉具材であるチャーシューは、チップ状にカットされた味付豚肉で、サイズは小さく、量も多くありません。しかし、風味の強いニラは量が多く、コリコリとした食感のキクラゲも多めに入っていて、意識せずとも常に存在を感じました。ちょっとニラが主張し過ぎな気もしますけど、ニラが好きなら印象は悪くないでしょう。
さらに背脂加工品がバイプレイヤーで、これ単体だと頼りないというか、ちょっと不自然なアイテムではあるものの、丁寧に豚骨の旨みを溶け込ませたスープと「濃香の一滴」に含まれるオイルが手を取り合い、それっぽい雰囲気を醸してくれていました。混入していた “わかめ” は評価対象から除外していますが、図らずもスープとの相性は悪くなかったです。
総評
極太なのに締まりのある “麺密もっちり製法” のノンフライ麺は文句なしの出来栄えで、スープに含まれる骨粉のようなザラつきも印象に残ったのですが、肝心の豚骨感に特筆すべきクセはなく、それ以上にニラが幅を利かせていたのは誤算。そのためプロトタイプ的というか、ちょっと斜め上な一杯かもしれません。それだけに、これはこれと割り切れば得るものがあると思います。
ちなみに同じ日に同じ店で購入した別の「明星 麺神カップ 濃香豚骨」に “わかめは入っていなかった”ので、たぶん稀なエラーだったのでしょう。具材の項目でも触れたように、スープとの相性は悪くなかったので、図らずも(追いワカメしたくなったくらいw)ポテンシャルの高さを感じました。【author・taka :a(大石敬之)】